緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

条件が変わると本質が見えてくる その1

2016-03-21 20:00:00 | アロマテラピーとは

今回はちょっとかたい話。ご容赦くださいな。

 

床で行うアロマトリートメントの講座を受講兼お手伝いしてきた。

家庭や、ボランティアなどの訪問先では、トリートメントはお布団や座布団をつなげたものに寝ていただいてという状況で行うことが珍しくない。

手技そのものはマッサージベッドで行うのと基本的に大差ない。だが、環境(条件)が床に変わることによって、施術者はさまざまな変更を余儀なくされる。

経験の浅い深いに関わらず、施術者は少なからず戸惑いを感じるようだ。その戸惑いとはなんだろう。

手技を習得する過程では、技術はしばしば環境と一緒くたに学習されているため、条件が変わるとどうしていいかわからなくなってしまうのではないか。

丁度良い高さのベッドに、どんな姿勢でも当たり前のようにとってくれる健康な受け手。そういう条件のもとでずっと勉強してきた身にとって、このように、条件を違えて同じ手技を試みるというのは、ちょっとしたショックとなる。

この衝撃は、その手技の本来の目的をあらためて知るのに、実はとても役にたつ。条件を一度全部はがして、手技を裸にすることで、手技の本質がシンプルに浮かび上がってくるように思えるのだ。「相手のどこに対してどんな刺激を与えようとするのか」それが明確になると、その目的のために今ある環境をどう利用してそれを実現するか、あるいはしないか(その手技がその環境に向いていなければ、他のやり方にシフトする判断もとても大切)、その方法が見えてくる。

 条件とはベッドの高さだけにとどまらない。

考えてみれば、あらゆることが条件(環境)だといえる。受け手の体格・体調・気分などの条件、その部屋の温度湿度、光、音楽、リネン類の質感などといったいわゆる外的な環境、そして施術者の体格・体調・気分なども、これらすべて条件だ。そしてそれは常に変化しているというのが前提だ。今回のようにベッドと床というほど分かりやすい違いではなくとも、確実に毎回条件は違うのである。その条件をキャッチして自分のものとし、柔らかにシンプルな本質に向かうということ、これが今回学んだことのポイントその1。

 

そして次回に続きます。



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