Runrun日記

最近読んだ本ーながい坂

今日も暑い 

今日も、33℃位には上がったらしい 
午前中は、スポーツクラブ。午後からは、窓を全開にして扇風機を掛けてうたたねをしていた。そのうちに気持ち悪くなって来て、慌ててエアコンをつけた。この夏、超せれるのか? 

スポーツクラブのジムで、75歳は越したこと思しき人が、7キロぐらいのダンベルでアームカールをしていた。
私なんぞは、4キロぐらいのダンベルがやっとだぞ。
そしたら、このクラブへ来てからどれぐらいかと聞かれた。今年の1月からだけど。
こつこつやれば、重いダンベルも上がられるようになると云われた。
このクラブでは短いけれど・・、 ≪ スポーツクラブ歴は長いのだ ≫
70年以上も人生生きて来たのだ。やさ男、金と力はなかりけりで生きて来たのだ。
今更重いダンベル上がられるようになると思うか 

◇◇◇◇◇

山本周五郎さんの小説は、人情味が強く清廉潔白で道徳観の強い作品が多いと思います。私は、その清廉潔白さにすこし違和感を感じてしまいます。これも、山本周五郎節の強い作品でした。人生を生きるためのうんちく満載の小説でした。

この文庫の巻末に恩田陸さんの「山本周五郎と私」という記事が載っていました。恩田さんは、私にとっては衝撃的だった作品「蜜蜂と遠雷」の作者です。恩田さんは本名を「ななえ」と云って、この「ながい坂」からとった名前なのだそうです。

山本周五郎 著作 「ながい坂 上/下 」 新潮文庫

江戸時代の中期、下級武士に生まれた少年・阿部小三郎が、上級武士に蔑まされる身分社会に非条理を感じ、苦しみながら成長していく物語です。最近、百田尚樹著作の「影法師」と藤沢周平著作の「風の果て」を読みました。共に下級武士が筆頭家老まで成り上がって行く小説でしたが、ま、それでこの小説の事を思い出し、読んでみる気になったわけですが・・。

「影法師」と「風の果て」は、少年時代に得た友人との強い関りが書いてありました。この小説の主人公には、そういったものは有りません。と云うよりか、そういったものに淡泊です。破格の出世を遂げる主人公は回りから妬み・誹りを受けながら成長していきます。藩校の先生方に教えられ恩義を受けるわけですが、その恩師たちが年老いて行くと、逆に疎ましく思います。当然、自分の両親や兄弟に対する思いやりも有りません。世のエリート達は、この様なものかとふと思ってしまいました。私の僻みです。

「影法師」では、干潟を干拓、この小説と「風の果て」では荒れ野に水をひきます。藩の経済を豊かにさせる事が、出世のポイントになるのでしょう。物語を面白くするには、政敵との戦い、お家騒動ですね。巳の年の騒動とは何か? 訳がわからず読者をイライラさせます。この小説の半ばを過ぎてやっと現れます。これは読者をひきつけるテクニックなのでしょう。

私が思うに、イケメンで強い男とそれを支える綺麗な女、それらが協力してバッタバッタとお家騒動なんかを解決していけば、面白い娯楽時代小説になるのだ(笑) この小説は、まさしくその条件にはまっています。「ななえ」は、ひたすら主人公に恋をします。勝ち気で国老の娘として気位の高い「つる」は、主人公の妻となっても平侍出の主人公に馴染めませんが、のちに深く愛するようになります。阿部小三郎(のちに三浦主水正)は才気が有り剣も強く、早くから藩主の小姓となり気に入られます。問題を次々に解決していき、ついには城代家老に上り詰めます。

今でいえば、苦学して東大を卒業したエリート官僚ですかね。こういった秀才たちが、世の中を良くしてくれるのだと思いたい。
面白かった、正しく名作だと思います。

この小説のお気に入り度:★★★★★

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