司馬遼太郎というと、歴史小説ばかりを思い出すが、
これは、山手樹一郎ばりの時代娯楽小説? 昭和35年の作。
幕末で、朝廷が江戸の様子を知りたくって、公家隠密使をたてるところは
「歴史小説かな」って思わせるが、イケメンで剣術の強い公家(高野則近)が
江戸に向かう道中記で、綺麗な女性との恋のさや当てが有ったり、公家を襲
う幕府方の忍者がいたり、主人公の公家は絶対負けないという、山手樹一郎
ばりの安心感!
週刊コウロンに連載されたものらしい。
連作ものとして読んでみると、一話ずつ、一事件ずつ、面白く完結している。
たとえば「殺人剣」で、それまで執拗に則近を襲った女が、あっさりと斬られ
てしまう。エッ、なんで? 展開の意外性が面白い。
読んで楽しい爽快感!司馬遼太郎もこういった小説を書いたのだ!
私のお気に入り度:★★★★☆
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