『斷片』と『續斷片』に間に、『日記』も上梓している。
1933年(昭和8年)7月18日に飯田安訳で、第一書房から出されたこの本は、余り見かける本ではないようだ。
家蔵は2冊のみ。
蒐集に熱を上げていたその昔は、見つければ必ず購入したので、古書ででないという事は、『斷片』や『續斷片』と比較して圧倒的に残存率は少ないといえよう。
初版、1000部と奥付にあるが、それほど印刷されていない気がするのだ。
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『斷片』の片割れ、続の方である。
撮影した本が汚れていったので、書影は余り綺麗ではないが面倒なのでとりあえずこんなところで。
『續斷片』 ノヴァーリス著 飯田安譯 1934年(昭和9年)4月25日 第一書房
初版 1000部 215×154ミリ 和紙刷 天緑染 菊判 背革コーネル装 函 196ページ 2円
ノヴァーリスを本邦初公開したのが、第一書房である。
長谷川巳之吉はこんな事を宣伝 . . . 本文を読む
ノヴァーリスの『斷片』を見てみよう。
飯田安の訳で第一書房から、初版1000部刊行された。
背コーネル革装で和紙刷りの美しい装訂本である。
部数の割りに非常によく見かける本だ。
『斷片』は『續斷片』と合せて古書ではお馴染みの本である。
私はこのセットを5種類所有している。
本当に馬鹿としか言いようがない。
函付き、函なし目に入る度に購入した。
今でこそ、安くなったと思うが、昔ははこれで結構な値札か . . . 本文を読む
カナダ・バンクーバーの冬季オリンピックは、見ていて面白くない。
日の丸が揚がらないからだ。
テレビのアナウンサーが絶叫しているので、ついに金メダルかと思えば、「5位入賞です」だって。
つまらない。
振わない選手達に向かって日本国中が浴びせる言葉。
「頑張れ」だ。
いったい何時から、この吐き気の催す言葉を日本人が使うようになったのであろうか。
江戸時代には、存在しなかった。
時計がないため、朝日が昇 . . . 本文を読む
百万ブログを遥かに超えた1,370,366ブログも存在する「GOOブログ」。
この中で、最下層にいる夜鴉亭の「四行詩集日乗」。
つまり、誰も見ていない。
独り言ブログ。
いつも順位が出ないほど、アクセスが少ないのだ。
「GOOブログ」は、アクセス数が上位1万件以内に入らないと順番が出ない仕組み。
であるから、いつもその他大勢扱いである。
私のブログはいつも底。
その他大勢が定番です。
だから勝手気 . . . 本文を読む
大田黒元雄の『西洋音樂入門』を取り上げる。
1925(大正14)年11月10日に第一書房から総クロス装訂で刊行された。
赤いクロスも美しい小ぶりな書籍である。
『西洋音樂入門』 大田黒元雄著 1925年(大正14年)11月10日 第一書房
初版 199×139ミリ 四六判 総クロス 函 170ページ 1円30銭
長谷川巳之吉が第一書房を立ち上げ、1923(大正12)年6月に松岡譲の『法 . . . 本文を読む
出版不況はここまで来たか。
大手書店の一つ、老舗の三省堂が古書に触手をのばした。
東京神田神保町靖国通りにある三省堂は、学生時代から何度足を運んだか解らない。
東京堂と並んで、私が好きな本屋さんの一つだ。
それが、古書を扱うという。
とある日、神保町のすずらん通りにある古本屋が集った古書モールへ行こうと三省堂書店第2アネックスビルへ行った。
この5階に古書モールはある。
エレベータの前に張り紙があ . . . 本文を読む
堀口大學の『ポオル・フオル詩抄』である。
背革コーネル、平マーブルペーパー、4段マウント装の瀟洒な本である。
和紙刷りで非常に軽い。
ポオル・フオルの詩にふさわしい装訂である。
天金ではないが、4段マウント装は堅牢である。
勿論フェイクだろうが、製本者・橋本久吉の腕が冴える。
好きな本の一冊で、見るたびに購入して4冊になった。
『ポオル・フオル詩抄』 ポオル・フオル著 堀口大學譯 1934年 . . . 本文を読む
物はなくさない方だ。
というより、なくしても出てくる。
こんな事があった。
昔、ワルだったころ(失笑!)。
煙草を吹かしながら、パチンコをよくやっていた。
学生だったので、暇を持て余していたからネ。
新宿西口のジャンボとかで朝の開店から閉店まで12時間以上、ぶっ通しでパチンコ三昧。
飯は外に食いに行くので、その際自分の台に目印として、ダンヒルのライターを置いていったものだ。
よく満来のチャーザルを . . . 本文を読む
『第二表象抒情詩』 野口米次郎著 1926(大正15)年 9月15日 第一書房
初版 1500部 194×134ミリ 四六判 背革金泥装 函 140ページ 1円80銭
平に使用された紙は、輸入壁紙である。当時装訂に壁紙を使用することが流行したようで、他の出版社が使っているのを見たことがある。 . . . 本文を読む
詩人で英米文学家の野口米次郎も今では過去の人だろう。息子で彫刻家のイサム・ノグチの方が有名かもしれない。メキシコの女流画家フリーダ・カーロと浮名を流したり、山口淑子と結婚したりと忙しく、日本全国にイサム・ノグチの製作したモニュメントが残っている。
野口米次郎が米国留学を経て、1896(明治29)年に表した第一詩集『Seen and Unseen』から29年後、日本に戻り慶應大学の英文学教授となって . . . 本文を読む
萩原朔太郎の『戀愛名歌集』を紹介しよう。1931(昭和6)年5月15日、まず特製300部が出され、やや遅れて普及版3000部が刊行された。80年経った今、面白い事に特製300部の方を古書でよく見かけるのは、ベストセラーの法則であろう。各時代にベストセラーとなって周りにあふれていた書籍ほど、皆大切にせずブームがすぎれば殆んど残っていないという法則だ。それに対して、特製と銘打って出版された数百部程度の . . . 本文を読む