2010-03-30 12:39:35の皇都遠望参題
富士山
東京スカイツリー
佃島櫻 . . . 本文を読む
自費出版社・此見亭書屋による簡易製本ガリ版印刷から脱却した斎藤夜居の活字本第一号本を紹介しよう。
『傳奇伊藤晴雨』である。
豊島書房から1966年(昭和41年)1月15日に500部限定で上梓された。
四六判、226ページに美しく組まれた活字は、筆耕の手によるとはいえガリ版印刷とは、趣がかなり異なり各段に読みやすい。
文章も一段と上手く見える。
しだいに、知名度も上がって費用のかかる活字本でも売れ . . . 本文を読む
岩波文庫のルバイヤートが、小川亮作の手によってペルシャ語から訳されてから数十年がたった。
今や誰も気にもとめなくなってしまった四行詩集であるが、古本の山の中をさまようモノには、戦前の清水組の建造物と同じくらい関心を寄せているが、出会うことはあまりない。
が、極稀に邂逅することもある。
その日が、私のルバイヤート記念日。
実は私、ルバイヤートを蒐集している。
知ってった?
知らない、って。
うーー . . . 本文を読む
敗戦後、活字に飢えた人々の欲求を満たしたのは、岩波文庫かもしれない。
戦時中に第一書房は廃業してしまったからであろう。
ある本屋は、大八車一杯に社会科学関連の岩波文庫を仕入れたが、活字に飢えた人々は小難しい科学書も厭わず群がって我先にと買い、大八車は瞬く間に空になった。
社会科学書でも、活字ならば売れた時代であった。
男の好きな道、エロ関係はその比ではないであろう。
戦後、官憲の目もだいぶ緩くな . . . 本文を読む
大日本帝国は枢軸国にいながら戦後の民主国家へと変貌する事に成功したフランコ総統のスペインのように帝国主義からソフトランディングさせ民主国家へと変える力を持ったかもしれない
古本市
行くも地獄行かぬも地獄の
古書マニア (よ) . . . 本文を読む
與田準一の『幼兒の言葉』である。
敗戦間近の1943(昭和18)年8月25日、第一書房から刊行された。
天真爛漫な幼児が、物心着かないときに発する幼児語を丁寧に拾って詩情溢れる優しい言葉で解説していく、童話作家ならではの視点が誠に面白い本である。
戦時下に発行されたとはとても思えない内容で、よくもまあ許可が下りたものであると感心する。
この辺りに第一書房社主・長谷川巳之吉の気骨が垣間見える気がする . . . 本文を読む
巷ではやっているざれ歌がある。
2chでも転載されていたが、余りにもよく出来ているので紹介したい。
題して「謎の鳥」
日本には謎の鳥がいる
その鳥は…
中国から見ると鴨(カモ)に見え
米国から見るとチキンに見え
ヨーロッパから見ればアホウドリに見える
日本の有権者には鷺(サギ)だと思われ…
小沢幹事長には鸚鵡のような存在
しかし、本人は「ハト」だと言い張り
約束をすれば鷽(ウソ)になり…
身体 . . . 本文を読む
日本橋裏通りを歩いていると、こんな光景にぶつかった。
桜が咲いているのだ。
早い。
早すぎる。
3月5日だよ。
今日は。
別の通りの桜はこんな感じ。
日本橋のこの通りは、桜が綺麗で有名だ。
満開時には、花吹雪が美しい。
しかし、今だ蕾もない状態である。 . . . 本文を読む
3月2日、将棋界の一番長い日「第68期A級順位戦」最終決戦が行われた。
将棋界のトップであるA級ランクの棋士10人が、昨年6月より総当りの9番勝負を戦ってきた最終戦である。
この勝敗で、A級の順位が決まる。
順位1位となれば、羽生名人に挑戦する権利を得るし、勝率ワーストの9位と10位となれば、自動的にB級に降格する。
いわば天下分け目の戦いである。
NHKが生放送してご覧になった方も多いだろう。
. . . 本文を読む
日本エディタースクール出版部の『第一書房 長谷川巳之吉』は、当ブログ「第一書房巡礼行記』を書くにあたり非常に参考となる労作である。
間違いない。
『第一書房 長谷川巳之吉』の中で紹介する数々の第一書房の書籍群は、編集者が国会図書館等で現物を確認した上で紹介しているという。
さらに、当時の出版書目や編集者達の証言等資料から発行が確認された書籍についても掲載をしているようだ。
そのため、第一書房の21 . . . 本文を読む
支那での排日運動が激しくなり、1937(昭和12)年7月の支那事変間近。
36(昭和11)年1月15日、ノヴァーリス著作集シリーズ閉めの作品が刊行された。
田中克己訳の『青い花』だ。
飯田安から田中克己に翻訳者をチェンジ。
装訂も美術作品のような背コーネル革装訂と簡易版である戦時体制版の中間に位置する、面白い造本である。
表紙にアルシュ紙を使用し角背、簡易函という内容だ。
とても食指が動かない装訂 . . . 本文を読む