笑うかどには福きたる

日常生活で見たこと、聞いたこと、感じたことを牧歌的にのんびりと書いています。

伊藤忠商事の「朝型勤務」に思う

2015年01月14日 23時16分43秒 | お仕事関連
本日の朝日に、少し前に話題になった伊藤忠商事の、際限ない残業を止める仕組みとしての「早朝出勤による残業の減少を目指す制度」のその後が掲載されていました。
2013年10月に始まったその制度とは、

・午後8時以降の残業の原則禁止(前日の仕事の残りを翌朝に回す)
・その代わりの午前5時から9時の時間外手当の割増率の50%引き上げ

と、いうことで記事中の社員の方の感想としては「概ね良好」といった内容のものでした。
で、記事に出ているこの社員の方の生活時間が掲載されていて、私的に一番に目を引くのが「通勤時間」なのですね。

午前5時に起床して、←これはあり
6時半には自宅を出て、←これはあり
30分ほどで北青山の職場に到着。←多くの人は多分これは無理

伊藤忠商事のこの制度を初めて知ったとき、これができる人って会社の隣に住んでないと物理的に難しいんだろうな~、とまず思ったわけです。
ちなみにお国的にはこの朝型勤務が無制限な「長時間労働」を防止する一つのアイデアとしていろいろサポートしたいみたいな動きもあるようですが、この「朝型勤務」って働き手の大きな制約に繋がっちゃうんじゃないか?と思うのです。
確かに夜のダラダラ残業より、リフレッシュした翌日の作業の方が効率がよさそうであることは自分が朝型なので理解はできます。ただ、伊藤忠商事は都内の大企業ですから、都心の企業がこぞって朝型を始めたら、

まず、働く側の住む場所が限られてくること。
次に、早朝出勤した後の家庭は誰がみるのか、ということ。

私が以前仕事で関わった新宿の企業には、栃木県から3時間くらいかけて通勤していた管理職の方がいらっしゃいました。朝6時前に家を出て9時に出社。帰りは1時間くらい残業をして18時には退社してました。週末はもう少し残業なさっていましたね。例えばこういう社員だったらどうするのか。

この記事の社員の方は男性で45歳。管理職で案件山積なんだよ、なこの層の残業時間を減らす仕組みとしての朝型勤務で効果が出た、ということなのでしょうけれど、決してこれが「長時間残業を減らすための特効薬」みたいには考えたくないんですよね。

この試みの先駆者である伊藤忠商事には、例えば住まいが遠くてこの制度に対応できない社員や、家族のサポートを受けられない社員はどのようにこの制度を受け入れているのか、などについての問題点や改善点の情報を、一企業だけのノウハウにせず、公表して欲しいとな、と個人的には思っています。

参考までに2014年4月24日のニュースリリース
コメント
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