[映画を見た感想]
辺見じゅん(原作者)さんは
「戦争をテーマにすると ”反戦映画になっているか?”と議論になるが、反戦は言葉で
語る事ではない」
「この作品には紛れも無く戦争に対するきちっとした回答が出ている」
と話されているらしい。
確かに、
約15歳の少年達まで戦争に動員した事や護衛の戦闘機も無く、しかも片道の燃料だけ
で沖縄の米軍艦船と戦闘を交え、その後陸へ乗り上げてなお戦えと言う命令は戦争の理
不尽さを表しているし、
最後に出撃する時の家族との別れ、特に大和の最期の戦闘シーンは人間や艦体が到る
所で吹き飛ぶほど悲惨で涙を誘い、こんな戦争をしたい者はとても居ないと思わせる程
だった。
しかし、一方で
日本の朝鮮併合や中国侵略がアメリカの禁輸(当時石油、鉄、機械の2/3~3/4を依存)
を呼び、それが戦争の原因になった事は一言述べただけで、沖縄に迫った米軍から日本
を守る事だけが強調されている点については少し疑問が残った。
しかも、生き残ったかつての年少兵は
「死にぞこなって60年悶々として生きて来たが、今ようやく生きる意味がわかった」
と言うだけで、何が分ったのか言わず、何をするのかも話さない。
誰だって自分の国が外国から一方的に攻められたとしたら、愛する人や友人を守る為に
は自分の命をかけても戦うだろう。 だが、その情緒的な思いが、最期に臨んで大尉が
「戦争と言うものは有利な武器を持たなければ勝てない」
「時代遅れの戦艦や精神主義では勝てない」
「もはや日本が救われるのは敗れて目覚めるしかない」
と訓示した事と合わせて変に捻じ曲げられてしまうと、
「今度は勝てる武器で(侵略戦争を)戦おう」 と言う事にもなりかねない。
わが国も最近、憲法9条改訂だの、国を守る気概を持てだの、外国への派兵だの、様々
なきな臭い議論が本格的になって来たが、又ぞろかつての暗い時代に逆戻りしないよう
に心して掛かるとしよう。
辺見じゅん(原作者)さんは
「戦争をテーマにすると ”反戦映画になっているか?”と議論になるが、反戦は言葉で
語る事ではない」
「この作品には紛れも無く戦争に対するきちっとした回答が出ている」
と話されているらしい。
確かに、
約15歳の少年達まで戦争に動員した事や護衛の戦闘機も無く、しかも片道の燃料だけ
で沖縄の米軍艦船と戦闘を交え、その後陸へ乗り上げてなお戦えと言う命令は戦争の理
不尽さを表しているし、
最後に出撃する時の家族との別れ、特に大和の最期の戦闘シーンは人間や艦体が到る
所で吹き飛ぶほど悲惨で涙を誘い、こんな戦争をしたい者はとても居ないと思わせる程
だった。
しかし、一方で
日本の朝鮮併合や中国侵略がアメリカの禁輸(当時石油、鉄、機械の2/3~3/4を依存)
を呼び、それが戦争の原因になった事は一言述べただけで、沖縄に迫った米軍から日本
を守る事だけが強調されている点については少し疑問が残った。
しかも、生き残ったかつての年少兵は
「死にぞこなって60年悶々として生きて来たが、今ようやく生きる意味がわかった」
と言うだけで、何が分ったのか言わず、何をするのかも話さない。
誰だって自分の国が外国から一方的に攻められたとしたら、愛する人や友人を守る為に
は自分の命をかけても戦うだろう。 だが、その情緒的な思いが、最期に臨んで大尉が
「戦争と言うものは有利な武器を持たなければ勝てない」
「時代遅れの戦艦や精神主義では勝てない」
「もはや日本が救われるのは敗れて目覚めるしかない」
と訓示した事と合わせて変に捻じ曲げられてしまうと、
「今度は勝てる武器で(侵略戦争を)戦おう」 と言う事にもなりかねない。
わが国も最近、憲法9条改訂だの、国を守る気概を持てだの、外国への派兵だの、様々
なきな臭い議論が本格的になって来たが、又ぞろかつての暗い時代に逆戻りしないよう
に心して掛かるとしよう。