■Leica D-LUX3 (c)Ryo
10年ぶりにソウルに行った。1泊2日のタイトな旅程、仕事の中身も結構ハードなものだった。
7月23日と24日、ソウルは10年前と同じように雨が降っていて、街は灰色に煙っていた。ソウルにも梅雨がある、今はまだその真っ最中なのだ、とタクシーの運転手が言うのを聞きながら、私は漢江(ハンガン)に架かる橋を渡った。
黒く、うねるように流れるこの大河も、晴天の日に訪れれば、おそらくは川岸で遊ぶ子どもたちや、日を浴びてくつろぐ市民の姿を見ることができるのだろう。しかし、雨のソウルしか知らない私にとって、轟々と水をたたえて流れる漢江は常に何かを引き裂く巨大なエネルギーの脈動のように映る。男と女を、親と子を、北と南を、人間の抗いがたい力が強引に引き裂いていくようで息が苦しくなる。
深夜のプレジデントホテル、人の気配が無いバーのカウンターに座ってシャッターを押した。そのまま寝てしまいたいと思うほどに疲れていた。
10年ぶりにソウルに行った。1泊2日のタイトな旅程、仕事の中身も結構ハードなものだった。
7月23日と24日、ソウルは10年前と同じように雨が降っていて、街は灰色に煙っていた。ソウルにも梅雨がある、今はまだその真っ最中なのだ、とタクシーの運転手が言うのを聞きながら、私は漢江(ハンガン)に架かる橋を渡った。
黒く、うねるように流れるこの大河も、晴天の日に訪れれば、おそらくは川岸で遊ぶ子どもたちや、日を浴びてくつろぐ市民の姿を見ることができるのだろう。しかし、雨のソウルしか知らない私にとって、轟々と水をたたえて流れる漢江は常に何かを引き裂く巨大なエネルギーの脈動のように映る。男と女を、親と子を、北と南を、人間の抗いがたい力が強引に引き裂いていくようで息が苦しくなる。
深夜のプレジデントホテル、人の気配が無いバーのカウンターに座ってシャッターを押した。そのまま寝てしまいたいと思うほどに疲れていた。