林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

日中対立と海外メディアと英語の勉強(追補版)

2010年10月05日 | 教養英語
実は長文の情報的な記事を用意していたのだが、 Windows XP か何かが不具合起こしてしまって全て消えてしまった。仕方ないので、全て再現するわけにいかないが同じような内容を書く。

どういう話かといえば、例の島な海域を巡る日中の対立である。週刊誌を見てみると、そのうち中国は沖縄を占領しようとするとではないかといった議論をする人すらいるようだ。こういうことは、その昔、ソ連が北海道を攻めてくるといったナイーブな議論と同様だ。余りにもくだらない。しかし、メディア・リテラシーというのがないと信じてしまう人もいるであろう。つまり、様々な情報を適切に選び取り組み合わせる能力がないと、低レベルなプロパガンダ(デマ)に騙される。

二国の対立を孕む問題に対しては、一つの対処の仕方としては、第三国が発信する情報を読んでみることが参考になる。日中の問題であれば、それ以外の国はどのようにこの対立を理解しているのか、様々な新聞や情報を見てみることである。英語を勉強する目的は、一つにはそういったメディア・リテラシーの力を身につけることではないだろうか。

例えばニューヨーク・タイムズを読んでみる。(アメリカというのは、日中問題に対して第三者と言えないので、その辺は考慮すべきであろう。もちろん、アメリカの中のNYTの位置を考えてみる必要があるわけである。同様にそのメディアが親日的なのか、あるいは親中的なのか、探ってみなくてはならない)。例えば9月24日の記事に次のようなものがある。Japan Retreats With Release of Chinese Boat Captain

His release handed a significant victory to Chinese leaders, who have ratcheted up the pressure on Japan with verbal threats and economic sanctions.

“It certainly appears that Japan gave in,” said Hiroshi Nakanishi, a professor of international relations at Kyoto University. “This is going to raise questions about why Japan pushed the issue in the first place, if it couldn’t follow through with meeting China’s challenges.”



At the outset, Japan had made an uncharacteristic display of political backbone by detaining the captain, when in the past it had simply chased away Chinese vessels that approached too close to the islands, which are claimed by both countries but administered by Japan. Apparently angered by a rising number of incursions by Chinese fishing boats in recent years, Tokyo initially appeared determined to demonstrate to Beijing its control of the islands, analysts and diplomats said.

私なりに要約すれば、次のようになる。従来であればこの日中間についての政治的大問題を引き起こすかもしれないこの微妙な領域においては、この船長は逮捕したとしてもすぐに釈放したはずである。今回は、その慣例を破り逮捕する事にしたのであるが、何の政治的フォローもないのはおかしい、ということである。

恐らくは、いわゆる反中国的なタカ派の日本人政治家(例えば前原)が反中国的な方針を立てたが、その意思を貫徹する事なく、おそらくは別の政治家(恐らくは仙石)が介入してしまったのであろう。言い換えれば、日本外交には一つの方針が定まっていない状況のようだ。菅総理大臣もしっかりとした立場を決めていない。こんなふうに私は読んだ。

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日本はこの海域の中国人を逮捕しなかったといったような話は、日本の新聞やテレビを読んでいるだけでは、なかなか知ることができない情報ではないだろうか。英語を読めるようになり、海外のメディアを利用すれば様々な情報が入ってくるわけだ。

ただし、英語できなくても様々な情報わ入ってくる。また、英語がかなり堪能であっても、なんの情報も入ってこない人もいる。ひどいバイアスのかかった情報しか受け入れない英語使いも、残念ながら多数存在する。私が以前あった北京外国語大学出身の英字新聞記者などはその例であった。彼は中国とベトナムの戦争について、ベトナムが戦争を先に仕掛けたのだ、悪いのはベトナムだと、中国の新聞情報で私に説得しようとしたのである。私はそのナイーブさに呆れてしまった。が、彼は自分の主張が説得力をもたないことを全く理解できなかったのだ。

というわけで、英語力だけでは不十分であるといった、当たり前のことを確認しておく。日本語であっても、さまざまな情報源があるのだということも強調しておきたい。(←そういうことについて先日は詳しく書いたのであるが、消えてしまった。。。ここでは再現しないが、たとえば田中宇だとか、天木直人の情報が面白い思った。また、メジャーなほうでも面白いのはいくらでもある)。

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