林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

「文法訳読」と中堅私学の英語教育(1)

2012年03月13日 | 英語学習
日本の伝統的英語教育方法と言えば、「文法訳読方式」であった。「文法訳読方式」というのは、文法力を活用して英文テキストを日本語に置き換えさせて、英語教育と称する教育方法論である。もちろん今なお影響力を持っている。

しかし、「文法訳読方式」に対しては、厳しい批判が昔から何度もされてきている。こんな旧態依然の教育方法だから、6年から10年間も日本人は英語を勉強しているのにちっとも英語を話したり書いたりできないのだ、という見解である。文法訳読方式に批判的な立場は、ほとんどの場合は「実用英語派」と呼んで良いだろう。あるいは、「コミュニケーション派」だとか「ダイレクトメソッド方式派」等と呼ぶこともできるかもしれない。。

「文法訳読(擁護)派」と「実用英語派」の双方が全面的に対決しあう場面は数多く見られる。だが、私どもは「文法訳読方式」については、極めてシンプルな見解を持っている。①「学習者の英語力段階に応じた文法訳読教育が求められている」、ただし、②「英語力養成のため、文法訳読に過度に頼るのは控えましょう」である。たった、これだけである。

文法訳読を全然やらないのは非常に不味い。文法訳読は我が国の英語教育では絶対に必要不可欠である。しかし、いつまでも、どこまでも文法学習と英文訳読ばかりやっているようでは英語力向上は望めない。必要な課題をクリアーできたならば、その段階の英文和訳学習はやめにして、音読暗唱・直読直解なり、応用英作文なりの課題に移りたい。そして、新しい課題については、再度文法をチェックして英文和訳をやらせ、卒業したら別のことをやらせましょう、そういう考え方だ。凡庸な折衷論のようにも見えるが、まずは文法と英文和訳は絶対不可欠だということは、いちおう強調しておきたい。

けれども、最近は文法訳読(英文和訳)を不当に軽視している私立校や公立中高一貫校もあるようだ。文法訳読中毒(県立の中堅進学校に多いようだ)も困るが、それ以上に大問題である。ただし予め述べておくが、ここでの議論では私立または国立の上位進学校(筑駒、開成etc)は含んでいない。というは、上位校の場合、生徒は悪くてもそれなりに学力があるので、文法訳読は彼らにどうしても必要な訓練ではないからである。つまり大問題なのは、中堅レベルの私立校と公立中高一貫校の英語教育で、文法訳読を軽視している場合なのである。(もちろん下位の私立一貫校の英語教育はさらにヒドイ実態があるだろう。だが、ここで論じるには及ばないだろう)。


たとえば、英文和訳をほとんど実施しないまま高度な入試問題を解かせたり、授業を全部英語にしてみたり、英語の英文法テキストを利用したりとかしている学校が現実にある。いろいろと意欲的で面白そうな試みだが、個々の生徒にはかなり不味い事態を招いてしまっているようだ。どんな問題があるのか? (続く)









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