林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

1対1個別指導の勧め(その5)ーー英文法から英文解釈へ

2010年02月23日 | 英語学習
英語学習が進んできますと、学習方法が次第に国語(日本語)に近づいてきます。大学受験の英語となりますと、中学受験の国語問題か、あるいはそれ以上のレベルに達することになるわけです。(ただし、大学受験で小説や物語が取り上げられることはあまりありませんが)。

国語(日本語)で一対一が有益なのは言うまでもないと思います。もっと正確に言えば、国語の授業は一対一か集団式授業のどちらかでないと成立しないのです。生徒の宿題をチェックするのであっても、一対一で丁寧に添削しつつ解説するのか、添削指導はせずに問題の解説するのか、そのどちらかだからになるからです。1対2で英文法をさらさらとチェックするように、国語を教えるわけには到底いかないはずです。

英語も長文になればなるほど、1対2や1対3の授業では対応できなくなってきます。大学入試の過去問演習となれば、1対2では絶対に不可能です。要するに、1対1か集団式授業かというふうになります。


さて、まずは、初級文法(中学ー高校初級)段階を卒業して長文段階に取り組むときに、1対1がどのように有益なのか、説明していきたいと思います。

通常の英文解釈の授業では和訳を書かせることになります。生徒が英文を正しく解釈しているのか、構文を理解しているのかをチェックするためです。また、英単語や熟語を間違えずに覚えているのかをチェックするためでもあります。しかし、最初のウチは簡単に理解できるような英文ばかりで、実のところ、とくに和訳する必要はないものばかりなのです。当ゼミの方針としては、あまりそういう作業で時間をとらしたくないわけです。和訳をしている暇があったら、英文を音読・暗唱・暗写させたいわけです。そこで1対1の授業では、生徒に英文を音読(1-3回)させ、口頭で和訳してもらいます。書かせるよりもずっとスピーディーです。もちろん、口頭でもミスは指摘できます。「Itは仮主語だから訳すな!」とか「couldは過去の意味ではなく、現在の推量の助動詞だぞ」といった具合です。そこで生徒は間違った箇所の英文にチェックをいれておき、自宅で復習するときに再確認するわけです。

ところでここで復習と書きましたが、一対一で英文和訳の労を省く授業を行うのは、自宅での復習を実り豊かなもにしたいからです。読み間違えた英文に絞って参考書の解説文を熟読し、英文全体を再読し音読する作業をしてもらいたいからです。

ここで想定しているテキストとしては、たとえば、桑原ほか『基礎英文解釈の技術100』(桐原)、宇佐見『必修英文問題精講』(旺文社)、安河内『英語長文ハイパートレーニング1』(桐原)、『キクタン・リーディング』(Basic、Entry)、西『西きょうじの英文読解+英単語リーディング&ボキャブラリー』(文英堂)です。(もちろん教科書もありうる)。いずれもCD付の教材で、復習しやすくなっています。ただし少々解説が詳しすぎる場合があり、それが独習ですとちょっと面倒なのです。この点、1対1の個別指導ですと、読むべき箇所に絞って読めばよいので効率的です。

要約しましょう。

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英文音読・口頭和訳と解説 自宅で復習(CDを聴く、黙読・音読、参考書解説)


次回は、もっと複雑な英文を読解するときの指導について書きます。(今回挙げた参考書であっても、かなり難解な文章が登場する場合もあります)。