林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

大手予備校と我が塾の公立中等学校の受検コース

2009年04月16日 | 受験
公立中等学校の受検は神奈川県に関しては、気軽な気持ちで受けるのが正しいのではないかといった趣旨の文章を書いたことがある。しかし、神奈川県に新しくできた公立中等学校は塾業界にとっては大きなビジネス機会の登場を意味することなので、チラシ等ではある程度以上に頻繁に言及されているのが実情のようだ。

1週間以上前のことになると思うが、我が家の新聞チラシの中にも、「公立中高一貫対策コース」を大きく取り上げる大手受験予備校のチラシが入っていた。それによると、公立中等学校の適性検査は学力試験であるから、国語・社会科・算数・理科といった科目を勉強していけば良いとのことである。これは私もほとんど異論がないところである。問題は、その対策講座の在り方である。

「○○では算数・国語に加え、理科・社会・作文を指導します」となっているのだが、たった週1回のコースが追加されたに過ぎない。とりわけ問題なのは、理科と社会科にはそれぞれ40分の授業があるのに対し、肝心な作文の授業時間はたったの20分間しかないということである。たった20分で作文の指導ができるはずがない。したがって、この神奈川県の大手予備校の講習を受講しても、公立中等学校の適性検査の記述問題を乗り切る力を養うことはほとんど絶望的である。

私は何も、この大手予備校を批判したいのではない。むしろ、公立中等学校の入試問題の側に大きな矛盾が内在していると指摘しておきたいのである。というのは、経済的理由から公立中等学校への進学を希望する親御さんが大半なのに、その適性検査に対して本格的な対策を立てようとするとかなり高価なものになってしまうのだ。これほどの矛盾があるだろうか。しかも、その公立中等学校の受検をくぐり抜けても、それは一流進学校ではなく、あくまでも「中堅」進学校に過ぎないときているのだ!

公立中等学校受験に関わる塾業界が、公立中等学校受検に真面目に対応すると言うよりは、安価で安易なコースをつくっていまうのは、ある意味では自然の成り行きなのである。求められているのは、安い授業料のコースなのだからだ。


ただし、私の塾は個別指導教室なので、公立中等学校向きの安価で安易なコースを設けることは考えていません。もしご希望の方がいれば、私立小学校通学者対象と同じコースで、ちょっと本格的な教養コースを受講してもらいます。もちろん受検必勝コースでは決してありません。あくまでも高い教養の習得を第一に考え、受検の方は受かれば儲け物という心構えで臨んでもらうようお願いすることになります。(作文指導等をするのですから個別指導でなければ対応できないのです。しかし、公立中等学校受験生の親御さんの「ご希望」に応える物ではないことは明らかだと言わざるを得ませんね