りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

究極の<オトナ>。

2009-10-14 | Weblog
昨日の午後は、いつも仕事でお世話になっている
フリーランスのデザイナー・S氏の事務所にお邪魔した。

先週の土曜日、携帯に電話をいただいた。
「使わない腕時計がひとつあるんだけど・・・りきるくん、いる?」
僕は二つ返事で承諾し、こう言って電話を切った。
「じゃあ、来週お伺いします。またご連絡します」

S氏と初めてお会いしたのは、今から15年前。
今、僕が勤める広告会社に入社して間もない頃だった。
僕は25歳で、S氏は35歳だった。

<オトナ>。

これがS氏の第一印象だった。
しかも、初めて会うタイプの<オトナ>。

いや、そうじゃない。
・・・上手く説明できない(-_-;)

以前から“僕の周りには“こんな<オトナ>になりたい”と思う年上の人が
いっぱいいる”とよく書いているが、この方だけは、違う。

絶対に、こんな<オトナ>にはなれない。

敢えて言うなら、そう思わせる方なのである。
どんなに色んな経験を積んでも、絶対にこんなオーラや
空気や雰囲気を持つ<オトナ>には、ひっくり返ってもなれない。
そんな方である。
いわば、“究極の<オトナ>”だ。
僕も狭い人脈なりに色んな人とお付き合いさせていただいているが、
そんな風に思える人は、この世の中でこのS氏だけである。

そんな風に思っているS氏の事務所に、昨日お邪魔した。
もちろん、目的は、腕時計。
S氏は、腕時計コレクターだった。
ロレックスやオメガはもちろん、誰も知らないようなレアな
ブランドの時計まで、多彩な腕時計を所有している。
S氏には敵わないが、僕も腕時計は大好きだ。
(蛇足だが、心理テストによると腕時計が好きな男性は、女性を
大切にするらしい(笑))
それを知っていたからこそ、S氏は僕に腕時計を譲ってくれたのだろう。

譲ってくれた腕時計は、手巻きタイプで、しかもロシア製だった。
黒い文字盤にグリーンのポイントが上品な、センスのいい腕時計だ。
(写真参照)

事務所へ来た理由。
腕時計を譲っていただくのが目的・・・と書いたが、
実はそれは方便である。

本当は、S氏と色んな話がしたかったのだ。
仕事のこと。趣味のこと。世相のこと。人生のこと。ここには
絶対に書けないアブナイ話のこと(爆)・・・・etc.

究極の<オトナ>と話すのは、楽しい。
いや、逆だ。
話が楽しいから、究極の<オトナ>なのかもしれない。
とにかくS氏との話は、絶対に飽きない。
S氏は、どんな話でもできる。
ネタが、尽きない。
こっちがどんなボールを投げても絶妙なボールを返してくる。
そんなことが出来る人間は、そうはいない。
裏を返せば、それだけ様々な経験をし、幅広い人脈を持ち、
そして数々の窮地をくぐってきた証拠だと、僕は思っている。
そんな方の口からこぼれる言葉を、僕は一言一句聞き逃さない
ように両耳に神経を集中させる。

僕はグラフィックデザイナーだが、明確な師匠がいない。
この世界に入って18年、まるでクラゲのようにふわふわと
広告業界を漂って生きてきたような気がする。
だからなおさらS氏は、僕の中で特別な存在になって
いるのかも知れない。
僕とS氏は、明確な師弟関係にあるわけではない。
しかし、クラゲのように広告業界で生きてきた僕にとって、
最も多大な影響を受けたクリエーターの一人であることに違いない。

人との出会いは、大切だ。
S氏と話をしている時、僕はいつも、そう思う。
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