りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

清須会議。

2013-01-17 | Weblog
三谷幸喜著 「清須会議」を読んだ。

最近は本を読みはじめても読了まで早くても1週間くらいかかるのが
常だったのだけど、この本は1日で読み終えてしまった。

歴史好きな方ならご存知だと思うが、「清須会議」とは、天正10年
(1582年)6月2日に本能寺の変で織田信長が明智光秀に倒された
直後の6月27日、織田信長亡き後の跡継ぎや領土の再編について、
織田家の重臣である柴田勝家、羽柴秀吉、丹羽長秀、池田恒興らが
話し合った会議。
実質この会議によって羽柴秀吉、後の豊臣秀吉の天下人としての扉が
開かれたと言っても過言ではない、戦国時代のターニングポイントに
なった出来事だった。

結論から言えば、面白かった。それも、とてつもなく。

上述した通り、ここでの立ち振る舞いによって、歴史の流れが大きく
変わってしまう重要な会議だったので、その会議の裏で蠢く人間心理、
駆け引き、権謀術数がこれでもかこれでもかと展開される。
こう書くと、魑魅魍魎のおどろおどろしい物語のように思われるかも
知れないが、当代随一の人気作家の三谷幸喜がそんな文章を書くはずがない。
物語は終始ユーモアとウェットに富んだ文体で軽快に展開していて、途中
声を出して笑ってしまう箇所も多々あった。
特に、羽柴秀吉の最大のライバルとなる柴田勝家の立ち振る舞いには、
歯痒さや哀れさを通り越えて、最後には愛しささえ感じてしまった(笑)

それにしても唸ったのは、その構成。

本能寺の変から、清須会議までを時間軸に沿って綴られているのだけど、
そのあらすじや説明は、すべて登場人物たちのモノローグ(独り言)形式で
展開されており、小説いうよりもシナリオのような構成だった。
おそらく映画化を前提にした作品だからこのようなスタイルになったのだろう。
これまでもフィクション・ノンフィクションに関わらず、歴史モノの作品は
数えきれないほど読んで来たけど、こんな切り口の歴史小説は読んだことが
なく、なんとも新鮮な感覚だった。

この作品、今秋には映画化されて公開される予定。
野心あふれる羽柴秀吉には、大泉洋、冷静沈着な丹羽長秀には、小日向文世、
風見鶏の池田恒興には、佐藤浩市、そして人間の悲哀あふれる柴田勝家には、
役所広司。

もちろん、見に行きますとも。

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4 コメント

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Unknown (初恋)
2013-01-17 12:35:53
三谷幸喜さんって、ホントに素晴らしい脚本(小説含)書きますよね。この本はまだ読んでいませんが、彼や秋元康さんのようにマルチに活躍されてる方って尊敬しますわ。「オレは一点豪華主義でやる!」と言いたいとこですが、僕にはその一点すらありませんが…何か?笑うとこじゃないですよ(笑)
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初恋さん (りきる )
2013-01-17 14:58:09
仕事して、遊んで、趣味に興じて、悩んで、
怒って、笑って、愛して、ふざけて、
眠って、食って、教えて、嘘ついて、
学んで・・・みんな、そうやってマルチに
生きてる。
・・・これは元祖マルチクリエイターの
糸井重里の言葉です(詳細はちょっと違うかも
知れないけど)。
ボクはこの言葉は大好きです。
返信する
本屋で (タツロン)
2013-01-17 18:53:16
りきるさんが紹介すると
物凄く読みたくなってしまうのです。
前回は「Iターン」を買いました。
そして今日本屋に行ったので
探してみました。
話題のコーナーみたいな所に
積んでありましたよ。

んで買っちゃいました。


「名古屋ルール」ww


だって、面白そうだったんだもんww
返信する
タツロンさん (りきる)
2013-01-18 10:00:59
>りきるさんが紹介すると
物凄く読みたくなってしまうのです。

嬉しいなぁ。
ありがとうございます。
「Iターン」も面白かったですよね。
僕らには身に詰まされる物語でしたが(笑)

そうだよ!
「清須会議」はタツロンさんにとっては
ご当地の物語じゃないですか!

今年はTwinの清須会議に久々に
参加したいです。。。
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