りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

四尺玉のフィナーレ・・・か?

2021-04-18 | デザイン
広島の地下街・シャレオ。

現在、ここに、とあるポスターが多数掲示されてある。

これは、この度広島へ進出する某企業の、スタッフ募集を兼ねたPRポスター。
総計70余枚。

今回、このポスターのデザインを、ワタシが担当させていただいた。

今まで数え切れないほどのポスターを制作してきたが、ここまで大量に連貼りをしたポスターのデザインは、実は今回が初めて。
自身が創ったモノが、この中四国地方屈指の繁華街の柱や壁面にズラーッと並んでいる様は、嬉しいようなくすぐったいような、でも誇らしいような、何とも形容しがたい心持ちになってしまう。







グラフィックデザインを生業にする者にとって、ポスターのデザインは、その頂点だと言っても過言ではないと思う。
しかし、テレビやラジオとともに広告の頂点に君臨してきた印刷媒体も、今ではすっかり、その座をネット広告に明け渡してしまった。
実際、ワタシも、ポスターをデザインすることが以前と比べて確実に少なくなった。
そのような媒体に予算を使うくらいなら、ネットやポスターに取って変わったデジタルサイネージで広告展開する方が、はるかに効果が期待できる時代になったからだ。

それを考えると、今回の仕事は、本当にラッキーだったと思う。
ポスターという媒体が斜陽に向いつつあることを考えれば、この先、このような機会は、もう二度とないような気がする。

花火大会でいえば、最後の最後に打ち上げられる、四尺玉の盛大なフィナーレのようなものかも(笑)


しかし。


そうは言っても、亀倉雄策氏や田中一光氏などのポスターデザインに憧れてこの仕事を続けてきた者としては、これからも出来る限りポスターのデザインに携わっていきたいと思っているのも事実。

奇しくも、このシャレオのすぐ傍にあるそごう広島店は、30数年前に訪れた「広島広告企画賞」の展覧会場だった。
当時20歳そこそこだったワタシは、そこで眼にした数多の広告ポスターに感化され、俄然、広告業界に興味を持つようになった。

そして、その西側にある広島商工会議所ビルは、今から10数年前、広島県観光ポスターのデザインコンクールで受賞した際に、表彰式が行われた場所だ。
「グラフィックデザイナーです」と、ワタシが世間様に対してちゃんと自分の口で言えるようになったのは、この受賞以後のような気がしている。

そんなゆかりの場所の至近で、自身がデザインしたポスターが連貼りされたのも、何かの縁なのかも知れない。





辛いことも少なくないし、年齢的にも『デザイン』を生業にしている自分について考えることが増えてきた今日この頃。
しかし、こんな出来事をまだ経験できるのであれば、もうひと踏ん張りしてみようか。

行き交う人々の狭間で見え隠れする自分が創ったポスターを眺めながら、そんなことを思った。

何はともあれ、クライアントに感謝。
そして、会社に感謝。
ありがとうございました。

※広島近辺の皆様へ・・・紙屋町にお出かけの際には、よろしければ見てやってください。5月2日(日)まで掲示されています。

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