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新宿機動部隊(将棋)

社団戦出場チーム「新宿機動部隊」のブログ。

「最新定跡村山レポート」村山慈明・著

2012-07-26 22:15:37 | 将棋本


序盤研究の第一人者で、「最新定跡」の著作が数冊ある村山六段の最新作。
「相矢倉」「ゴキゲン対超速」「角換わり」「横歩取り」の4つの戦型について、最新型が詳解されています。形によっては詰みまで解説され、プロの研究の一端に触れることができて興味深いと思います。棋譜の中継が盛んな現在の、いいガイドブックとして重宝できそうです。

ただ、最新型を解説しているぶん、日進月歩の定跡研究にはすぐにずれていく可能性もああるわけで、普通の書籍がなじむジャンルなのかはそろそろ気になるところです。

「鬼の花村・将棋指南」花村元司・著

2012-07-18 22:56:33 | 将棋本


底本は「たちまち強くなるひっかけ将棋入門」と「花村実戦教室」。どちらも手にしたことがなかったので、たいへん興味深く読みました。

「得意の戦法は一つあればいい」「香車が最強の駒になる瞬間」「飛はなるたけ交換して手に持つ方がよい」「易しい問題を完全に解く」といった箴言は時代を超えて通用する中身です。ゴキゲン中飛車で常識となった手筋の数々もここに登場。

実戦譜の見出しも「早指しで名人をだます」とか「大鬼手で大ポカ誘う」。現代の実戦集ではおよそありえませんが、棋譜を追うと納得。いまの整備された定跡手順にはない楽しさがあります。

好著なだけに、図面の間違い(P279で飛車が1枚足りない)は残念。


「四間飛車穴熊の急所2」広瀬章人・著

2012-06-05 21:28:22 | 将棋本


後手番で指す戦型に迷いがあるのですが、このところ四間飛車穴熊を試しています。まったく勘所がわからないので、なかなか勝てません。

と思っていたところにこの一冊。対急戦&銀冠の第1巻と合わせて、広瀬流四間飛車穴熊のポイントがかなり具体的に書かれています。先後のちょっとした形の違いで差が出てしまうところが詳述されているので、かなり実戦的と思えます。それぞれの形における「まとめ」と「チェック・ポイント」も簡潔ながら有用な感じ。



「よくわかる相掛かり」中座真・著

2012-05-03 09:05:03 | 将棋本


オーソドックスな▲2六飛型と現在主流の▲2八飛型に、同じくらいのページを割いています。▲2八飛型の最新形を勉強したい人には物足りないかもしれませんが、相掛かり全般を俯瞰して勉強するには最適な一冊。

端の兼ね合いや銀の立ち方など、相掛かり特有の難解な形も、手の意味合いが平易に解説されているのでわかりやすいです。といっても、振り飛車党のわたしには相当難しいですが(^^;)。


「木村の矢倉」木村一基・著

2012-04-22 21:02:52 | 将棋本


「将棋世界」誌での連載を基にした一冊です。
矢倉模様の初手~5手目の変化における後手の右四間飛車と矢倉中飛車、居玉棒銀などから始まり、後手の有力な急戦、対する先手の早囲い、▲3五歩急戦といった先手の急戦を検討し、森下システムまでがまとめられています。

有名な羽生・渡辺の竜王戦から、その後の新しい検討も含まれ、深い内容となっています。決して初心者向けの内容ではありませんが、解説が平易で、なにより過不足ない記述となっているので、矢倉を一から研究したい人から、定跡の先端を検討したい人まで有効な一冊かと思います。


「石田流の基本」戸辺誠・著

2012-03-21 22:21:49 | 将棋本


振り飛車党必携。

もちろん石田流の本ですが、戸辺六段が実戦と研究で積み重ねたであろう手筋と大局観をたっぷりと学べます。「石田流+穴熊」や、棒金に例の▲6四歩でカウンターをする手筋など、これまでは普通に石田流良しor悪しとされていた手順にも新たな光。

戸辺六段が汗をかきながら極めた形が、かくすことなく披露されています。著者と編集者の切磋琢磨したことが隠れ見える好著だと思います。


「よくわかる石田流」高崎一生・著

2012-02-09 18:49:57 | 将棋本


「よくわかる」シリーズに石田流が登場。
このシリーズはどれも、図面が豊富でわかりやすい構成となっています。それとともに、プロ的な高度な視点ではなく、アマチュアの実戦に役立つような戦型と変化が重視されているので、かなり実用的な感じがします。

本書でも、最近よく現れる「対棒金・二枚銀」、持ち時間の短い大会でありそうな「対右四間飛車」にページが割かれて具体的な対策が書かれています。また「対4手目角交換」にも触れられており、プロで主流の激しく難しい変化をはらんだ石田流以外は、これ一冊で網羅できそうです。

高崎五段は「週間将棋」紙の石田流連載でも最先端の変化を相当深く研究されていて、その下地が本書では如何なく発揮されています。