
「将棋世界」誌2002年9月号から2004年8月号まで、2年間に渡った連載が一冊にまとめられたものです。八枚落ちから二枚落ちまでの駒落ちを、単なる定跡紹介ではなく、上手の技や下手が陥りやすい心理などを思わず引き込まれる文章で解説。読み物として充分楽しめ、また駒落ち上手を指す機会のあるアマチュアにとっては格好の指南書でもあります。
本書のハイライトは最終章の「プロ×プロ 駒落ち対決」。先崎八段が木村八段と実際に駒落ち戦を戦かった自戦紀です。手合いは角落ち、初手から一手10秒で、1局ずつ上手下手を入れ替えて10局を対決。結果は木村八段が上手局で2勝を上げ、先崎八段に「完敗」と言わしめました。とても濃密な自戦記で読み応えがああります。