妻は胃ろう  手抜かり 老老介護

2007年9月、56歳、アルツハイマー病と診断
2018年1月、胃瘻造設手術
2023年9月、体調悪化

出産に立ち会う

2015-03-11 23:50:53 | 日記
  

   二女の出産に立ち会った。


   深夜、無事第二子が産まれた。


   女の子であることは分かっていたので

   無事に生れてくれて安堵した。



   テレビでよく見るあの出産シーンに

   自分が立ち会うことになるとは

   夢にも思っていなかった。



   陣痛室のベッドで腰をさすっていると、

   陣痛がひどくなり、自分でボタンを押し、助産婦さんを呼ぶ。


   今夜は二女一人だけしかいない。

   
   助産婦さんは二人。


   分娩室に入るので、私は待合室で待機する。


   すると、分娩室に入ってもいいという。

   
   手術台に横になっている娘の腰をさすってやる。 

   痛がってウンウンうなる。 


   
   赤ちゃんの心拍数と妊婦のお腹の張り具合いを

   示すモニターを助産婦さんが注視している。


   妊婦が苦しみだすと張り具合を示す数値が高くなる。

   
   

   助産婦さんが腰をさすりながら二女に話かける。
   
   二女もそれに応えてうなずく。


   私は二女の頭の方にまわり、モニターの数値を見つめる。



   いよいよ産まれるらしい。


   私は分娩室から出され、待合室で待機した。


   2畳ほどの広さの待合室のソファーに腰を下ろし

   ペットボトルのコーヒーを飲んでいると

   ドアが開き、助産婦さんが私に来るように言う。


   二女が私に立ち会ってほしいと言っているらしい。


   最初、えっ、と思ったが

   うながされるまま助産婦さんの後について分娩室に入った。


   二女は両足を高く上げたあの体勢になっていた。


   私は頭の後ろに立った。


   助産婦さんから、

   指示があったら枕を持ち上げるように言われる。


  
   「はい、上手ですよ。あと少しですよ。

    頭が見えてますよ。


   二女に酸素マスクが付けられた。


   「はい、赤ちゃんが苦しみますから

    ゆっくり息をしてくださいね」


    二女は痛みで声が大きくなる。


   「声を出すともったいないですよ。」と助産婦さん。

   (いきみがうまくいかないという意味らしい)


   「お腹の方を見て、そうそう」


   「フーッ、フーッ」 深くゆっくり呼吸をしている。


   二女の頭の動きに合わせて、

   私は枕を持ち上げる。


   「はい、少し休みましょうか」


   別の助産婦が電話すると、

   すぐ、男の医師がやってきた。


   また、いきみを再開し、

   ついに、赤ちゃんが産まれた。

   
   医師と助産婦が赤ちゃんを診断。

   なにやら処置をしている。


   元気な鳴き声にほっとする。


   
   私のガラ系の携帯で写真を撮る。


   体重を測るところは撮り損ねてしまい、

   メーターの数字だけを撮る。


   母親と赤ちゃんのツーショットは2枚撮った。


   私は、パパさんに連絡し、交代すべく家に向かった。

   
   病院から家まで15分。

   真夜中、ライトに照らされた雨が強くなった。


   
   慎重に運転し家に着いた。
   

   



  ☆ 孫娘が家に来て、1か月以上になるが、

    まだ全幅の信頼を得ることが出来ないでいる。


    風呂上りのドライヤーや身体を拭くことさえも

    拒否されている。


    ましてや、いっしょに風呂にはいることなど叶うはずもない。


    目を覚ましてパパやママがいないと泣き叫ぶことになる。


    そんな訳で、婿殿には家で待機してもらった。

    本当は、立ち会いたかっただろうが、仕方がない。


    妻は私が病院に行く前にベッドに寝かせたが、

    家に戻ると、目を開けていた。


    赤ちゃんが産まれたことを話すが、

    じっと天井を見つめている。



    婿殿が病院に出かけた後、


    そろそろ私も寝ようかなと思った矢先、

    なにか気配を感じたのか、

    孫娘が泣きながら起きてきた。


    「パパ、パパ!」


    「赤ちゃんが産まれたから、病院に行ったよ」


    「○○ちゃん(自分の名前)も行く!」と泣き叫ぶ。

   
        
    1時間程して、パパが戻り、

    ようやく泣き止み、部屋に行って寝てくれる。



    私もやっと布団に横になる。



    長い一日だった。


    二女も1日以上苦しんで、

    なかなか産まれず、

    「促進剤でも帝王切開でも、早く楽にして」と訴えた。


    よく頑張った。

    やはり不安だったろう。


    私に分娩室に居てほしいと思ったのは

    そういうことかもしれない。



    思いがけず、出産に立ち会うことになったが、

    感動とか、特別な感慨はない。


    ただただ自然なことだった。



    

      


    

    

    


    








   













   





   






   


   











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