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加賀乙彦『頭医者』1993・中公文庫-本の帯に、新米精神科医の青春の日々、とあります

2024年02月08日 | 小説を読む

 2021年2月のブログです

     *

 加賀乙彦さんの『頭医者』(1993・中公文庫)を久しぶりに読みました。

 ひょっとすると20年ぶりくらいかもしれません(加賀さん、ごめんなさい)。

 すごく面白かったです。

 ひさしぶりに声を出して笑ってしまいました。

 T大医学部の精神医学教室が舞台。

 自伝的な小説なので、有名な先生方が仮名で出てくるのですが、なんとなく実名がわかる先生もいて、こんなエピソードがあったのか、と驚かされたりします(土居健郎さんも精神分析家として仮名で登場します)。

 そして、主人公が犯罪学の研究を志すいきさつや刑務所の医官になって研究を続ける様子、さらには、フランスに留学をして勉強を続ける様子がユーモラスに綴られます。

 主人公が直情型で、あちこちで事件が起きて、まるで、昭和の頭医者版の「坊ちゃん」みたいです。

 それだけに、読んでいて面白く、読んだあとは気持ちがスカっとします。

 さすが、精神科医の加賀さんです。

 最後のほうでは、加賀さんの『フランドルの冬』につながる思い出も出てきて、精神科医で小説家の加賀さんの誕生の秘密もわかります。

 ある意味、貴重な小説かもしれません。

 肩のこらない楽しい小説ですので、お薦めです。   (2021.2 記)

 


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2 コメント

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Unknown (クリン)
2024-02-08 13:41:27
じーじさま、これはめっちゃおもしろそうでなおかつ勉強になりそうですね!🐻読んでみないと⤴✨
(近年家族が忙しくてなかなか腰を落ち着けて読書もできないのですが・・ちゃんと読むべきリストに入れておきます!)
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コメント、ありがとうございます。 (どさんこじーじ)
2024-02-08 13:47:45
クリンちゃん、お久しぶりです。
この本は面白いですよ。電車の中で読むのは危険かもしれません(?)。
もともと3冊の小説を一冊にまとめたものですから、少し厚いですが、あっという間に読んでしまう危険性(?)もあります。
気をつけて読んでくださいね。読後感は最高ですよ。
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