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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリングなどをやっています

吉本隆明・北山修『こころから言葉へ』1993・弘文堂-ばななさんのお父さんと北山修さんの対談です

2024年07月12日 | 心理療法に学ぶ

 2018年のブログです

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 先日、きたやまおさむさんとよしもとばななさんの対談本を再読しましたので、こんどはばななさんのお父さんである吉本隆明さんと北山修さんの対談本の吉本隆明・北山修『こころから言葉へ』(1993・弘文堂)を再読しました。

 この本はなんとなんと20年ぶりくらいでの再読で、本棚の隅っこにあったのを見つけて、もう一回読んでみました。

 吉本隆明さんはばななさんのお父さんですが、じーじの世代には共同幻想論というやや難しい考えで有名だった評論家・思想家で、じーじも若い頃には何回かチャレンジしてみましたが、難しさのあまりに途中で挫折をした思い出があります。

 今回は、北山さんがお相手で、赤ちゃんのこころの発達や人間の言葉の発達などの話題からはじまって、家庭や社会、こころや精神、などなどのさまざまなテーマについて、深い考察がなされています。

 20年前のじーじはまだ精神分析学会に入会する前の初学者で、当時はこの本のすごさをあまり理解できなかったのかもしれません。

 北山さんはまず精神分析の無意識の概念をていねいに説明されます。

 そして、フロイトさんの『日常生活の精神病理学』という本を紹介して、精神病と健康の間に神経症を発見したことにふれ、正常と異常の間の橋渡しをしたことを指摘しています。

 また、小児科医で精神分析家のウィニコットさんの普通でほどよい育児を紹介し、いること、いられることの大切さを述べられています。

 これらのことは今のじーじならなんとか少しは理解できますが、当時はまだまだ勉強中のことでした。

 吉本さんはこういう子どもの発達や育児、家庭、親子関係などに当時、関心をお持ちだったようで、かなり熱心な討議がなされ、読んでいてなかなかスリリングです。

 じーじも自分の関心事や考えの変遷をふりかえることができて、なかなか勉強になりました。

 いずれまた、読み返してみたい本だと思いました。         (2018 記)

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 2023年12月の追記です

 まだ読み返していません。

 吉本さんの他の本は読んだのですが…。

 頑張ります。        (2023.12 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事  心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文 「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所  新潟市西区

 mail     yuwa0421family@gmail.com  

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井上靖『天平の甍』1964・新潮文庫-鑑真さんと普照さんの師弟の絆とそれぞれの決意に感動する

2024年07月12日 | 小説を読む

 2018年のブログです

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 井上靖さんの『天平の甍』(1964・新潮文庫)を読みました。

 この有名な小説、映画化されるなどして、なんとなく知っているつもりでしたが、恥ずかしながら今回初めて読みました。

 きっかけは「内的自己対話-川の畔のささめごと」さんのブログの普照さんについてのお話。

 『道路の日本史』(武部健一・2015・中公新書)という本に紹介されている普照さんの道づくりの業績と『天平の甍』のお話を読んで興味を持ちました。

 日本史が嫌いなわけではないじーじですが、なぜか普照さんのことは知りませんでした。

 さっそく『天平の甍』を読んでみると、なんと普照さんは遣唐使で中国に渡り、あの有名な鑑真さんを日本にお連れしたお坊さんでした。

 鑑真さんならじーじでも知っています。

 何度も渡航に失敗し、失明をしながらも、ついに日本に渡り、正しい仏教を伝えた唐の高僧です。

 しかし、それに努力をされた普照さんのことは日本史でも習わなかったような気がします(じーじの勉強不足かな?)。

 本当にいい本といいお話を教えていただきました。

 井上さんの小説は重厚で深いです。

 僧侶のあり方、それを通して、人間のあり方を問い、使命を感じることとそこに生きることの素晴しさをうたいます。

 ふだん、じーじは、あまり真面目さをおすすめしませんが、こういう小説を読むと、たまに真面目に生きることも大切だな、と思います(?)。

 真面目すぎて、頑なになってはいけませんが、自由におおらかにがんばることは大切なような気がします。

 残り少ない人生ですが、ほどほどに頑張り、楽しんでいこうと思いました。     (2018.10 記)

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 1か月後の追記です

 文中に出てきた武部健一さんの『道路の日本史』(2015・中公新書)のほうも読みました。

 普照さんの提案で日本で初めての並木道が造られた、とあります。

 遣唐使の経験を、仏教だけでなく、道路造りにも生かしていてすごいですね。

 古代の道が現代の高速道路とほぼ重なるという内容もおもしろく感じました。

 まだまだ知らないことがいっぱいです。

 ドキドキ、ワクワクのじーじです。     (2018.11 記)

 

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