マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

ニコラス・ケイジ来日記者会見と「魂萌え」

2007年02月21日 | 映画
 映画と競馬が好きな人といるとホッとする。

 今日、「ゴーストライダー」で来日したニコラス・ケイジの記者会見にそんなホッとする女性と一緒に行った。その女性は競馬雑誌の編集者である。3月からその雑誌のインフォメーションの映画情報の担当になるそうだ。配給しているソニーピクチャーズの宣伝部から「ゴーストライダー」には馬が登場すると聞き、急遽一緒に行くことになった。

 ニコラス・ケイジは「ナショナルトレジャー」から2年ぶりの来日。3月3日公開予定の「ゴーストライダー」の試写をまだ見ていない。が、ニコラス・ケイジがお化けになり、ハーレーダビットソンを転がす話なので早急に試写を見る予定だ。

 今回のニコラス・ケイジの記者会見に、スペシャルゲストが登場すると聞いていたので、誰かな、誰かな?とわくわくしていたら、モト冬樹さんだった。ニコラス・ケイジとモト冬樹さんは、どこか感じが似ていると思ったのは私だけではなかったんだ。

 モト冬樹さんは、ニコラス・ケイジの「リービングラスベガス」でニコラスの大ファンになったそうだ。今回は「ゴーストライダー」のへヴィメタル系のコスチュームを身につけての登場。会場は笑いのるつぼだった。モト冬樹さんのトークは実におかしくて、ニコラス・ケイジも終始笑みを浮かべていた。

 しかし、「リービングラスベガス」とは渋い。実は私もアル中で世捨て人になるニコラス・ケイジのこの作品が一番好きなのだ。売春婦役のエリザベス・シューも凄く良かった。一緒に行った女性編集者の一番のお気に入りは「ワイルドアットハート」だと聞いた時、またも興奮した。そうだ、「ワイルドアットハート」を無くしてニコラス・ケイジは語れない。

 競馬の話題と映画の話題。最高に贅沢なコラボレーションだった。

 会見の後、なんとしても見たかった「魂萌え」を有楽町シネカノンで見た。水曜日はレディースディなので1000円で見れた。いつも思うのだが、私のように、試写で映画を見れる人間は恵まれていると思う。正規の値段なら1800円。よほど面白い映画でなければ、観客は納得しない。お金を払っているからこそ、真実の感想や肉声が出てくるのではないかと思う。私は試写も見るが、見損なった映画はいつもお金を払って見るようにしている。じゃないと映画に失礼だ。

 「魂萌え」は文句なしにいい映画だった。夫の急死の後、愛人の存在が発覚し、それに悩む主婦の孤独感や確執を風吹ジュンが好演していた。愛人の三田佳子の演技も凄まじかった。風吹ジュンが愛人宅に殴りこみをかける。そこでの愛人のセリフ。「奥さん、ご主人はあなたのことを古い家具みたいなもんだって言ってたの知ってました?古い家具は捨てるのも面倒だから、ただ置いてあるだけってこと」

 これって凄くない?妻の立場なら最大の屈辱よね?愛人の三田佳子はそんな捨て台詞を吐いた後、風吹ジュンの背中に歯ブラシを投げつける。この歯ブラシは愛人宅で使っていた夫の歯ブラシだったと臭わすように。恐い。妻対愛人のこのシーンはリアルで説得力があり、なるほどと唸った。歯ブラシの小道具が実に効果的だった。

 企業戦士の夫を持つ団塊の世代の現代の夫婦像を見事に描いていた。しかし、一つだけ不満を言えば、ラストである。いつのまにか風吹ジュンが映写技師となって映画館に勤めて社会復帰している。そしてビットリオ・デ・シーカの不朽の名作「ひまわり」を上映している。妻ならば主人公のソフィア・ローレンの気持ちが手に取るように分かるという伏線を含んだエンディングなのかもしれない。だが、映写技師という仕事にはなんか無理があるんじゃないかなぁ。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yukko)
2007-02-22 09:40:51
魂萌え、見たんですね!よかったでしょう?私たちの年代だからよけいに感じるものがあるのかもしれませんね。
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魂萌え (マリリン)
2007-02-24 16:03:40
見ましたよ。やっと。

団塊の世代の夫婦の現実がよく出ているよね。風吹ジュンの友達役の由紀さおり、今陽子もおかしかったし、風吹ジュンをくどく、佐々木隆三もかなりおじんになっていたけど、良かったよね。ほんと。

ま、私たちも若い子から見れば、あんななんだろうね。コメント、ベリーサンクス。

この絵もかわいいでしょ?
はまりそうで恐いマリリンっす!
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