マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『ジョッキーを夢見る子供たち』船橋競馬場パネル展

2009年01月20日 | 映画
フランスの「騎手養成寄宿学校」を描いた素晴らしいドキュメンタリー映画が公開されます。

『ジョッキーを夢見る子供たち』です。この作品の公開に先がけて、なんと、船橋競馬場で下記のようなイベントが開催されます。瀧澤陽子が協力者として参加し、会場には「名もなき天使たちがペガサスに跨る時」という私の映画コラムも展示されています。合わせて、配給会社CKエンタテイメントのホームページの公式サイトにも掲載中です。

ジョッキーを夢見る子供たち 船橋競馬場パネル展に寄せて

映画と競馬場のジョイントは日本初の試みだと自負しております。競馬ファンの皆様、映画ファンの皆様、船橋競馬場でフランスのジョッキーたちの青春を堪能すると共に、生身のレースの迫力を味わっていただければうれしいです!この作品にはディープインパクトで「凱旋門賞」に参戦した武豊騎手が記録されています。下記が、配給会社CKエンタテイメントからのプレスリリースです。どうかよろしくお願いいたします。



             【   告知   】

お世話になっております。この度、今まで描かれることのなかったジョッキー養成学校の内側を描き、厳しいおとなの勝負の世界の入り口に立つ子供たちを描いた感動のドキュメンタリー『ジョッキーを夢見る子供たち』(配給:CKエンタテインメント)が1月24日より、渋谷シアターTSUTAYAにて公開の運びとなりました。
本作の公開を記念して、船橋競馬場(千葉・船橋)の特別観覧席内にて、映画の世界観を再現したパネル展を実施いたします。スクリーンに映る数々のパネルの他にも、本作に登場するロンシャン競馬場のパネル展示や騎手が実際に使う勝負服など、普段身近で見ることのできないアイテムも展示します。特別観覧席を利用のお客様には、抽選で5組10名に映画鑑賞券をプレゼント。映画と競馬場の珍しいコラボレーションが実現しました。本作には武豊騎手も出演しており、武豊さんからの映画に対するメッセージもいただいています。つきましては是非御媒体にての告知をご検討いただけますと幸いです。ご検討の程、宜しくお願い致します。

【日程】1月21日(水)~2月6日(金) 
※船橋競馬開催及び場外開催日のみ観覧可。開催日程については船橋競馬場へお問い合わせ下さい。
【場所】船橋競馬場、スタンド5階 特別観覧席 千葉県船橋市若松1-2-1 
※特別観覧席は有料入場になります。詳しくは船橋競馬場へお問い合わせください。


【ストーリー】
知られざる世界、そこは騎手養成学校。厳しいおとなの世界の入り口で、思春期の子供たちは生き残りに賭ける。
「ジョッキーになりたい、僕のあこがれの仕事だから!」未来の栄光を夢見て――その先に待つ本当の一等賞とは?
子供たちを馬のスペシャリストに育てるためのフランス国立騎手・厩務員養成学校「ル・ムーラン・ナ・ヴォン」。ここには未来のスター・ジョッキーを目指して親元を離れ、必死に生きる子供たちがいる。彼らの夢は、世界最高峰のレース、凱旋門賞にでること。馬にとっても子供にとっても、勝つことだけが生き残りの道である残酷な勝負の世界。人間より馬が最優先される厳しい現実の世界で、子供たちは馬が持つ恐怖心や強い感受性、力強さなどを嫌というほど体感し、馬とともに成長してゆく。ジョッキーになるか、厩務員になるか、それとも別の道を選ぶか。そんな人生の厳しい試練にさらされる思春期の子供たちの姿と、繊細なサラブレットの躍動感を『皇帝ペンギン』の名カメラマン、ロラン・シャレが捉えた傑作ドキュメンタリー。

『ジョッキーを夢見る子供たち』公式サイトhttp://www.jockey-movie.jp/

製作:ダニエル・マルケ(『恋人たちのパリ』) 監督:バンジャマン・マルケ 撮影:ロラン・シャレ(『皇帝ペンギン』)
2008年/フランス/35mm/カラー/ドルビーSRD/1時間40分/原題:LADS ET JOCKEYS /(C)2008Groupe Deux
 
 1月24日、渋谷シアターTSUTAYAほか全国順次ロードショー!!
お問い合わせ
【映画について】 CKエンタテインメント渋谷区渋谷2-12-24 東建長井ビル6F 担当:泉
TEL 03-5464-0528 FAX 03-5464-0640 
【競馬場について】 よみうりランド船橋競馬事業部 船橋市若松1-2-1 担当:白垣
TEL 047-431-2151 FAX 047-433-7177 

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

2009年01月17日 | 映画
 

 俳優の特殊メイクが功を奏した作品で記憶に新しいのは、シャーリーズ・セロンが醜い殺人鬼役でオスカーを受賞した「モンスター」だった。

 しかし、私はどうもこの作品は好きではなかった。ストーリーも平板なものであったし、殺人を繰り返してしまう主人公のモチーフが浅く、哀感も安っぽいものだった。もし、シャーリーズ・セロンにオスカーを与えるのなら、ニュージーランドの女流監督ニキ・カーロの作品「スタンドアップ」の主役が一番適切だったような気がする。

 そして、今回の「ベンジャミン・バトン」で、ブラット・ピットが特殊メイクに挑戦した。80歳で生まれ、どんどんと若返っていく数奇な運命の男・ベンジャミン・バトンの役である。

 序盤は、特殊メイクでシワシワのおじーさんになったブラピを、面白おかしく見てはいたものの、中盤になってからはそれが全く気にならなくなっていた。特殊メイクだけで作品を成功させようとする、あざとい意図や狙いがないことを確信したのだ。

 というのも、大ベストセラー「グレート・ギャツピー」や「雨の朝、パリに死す」を生んだ作家・F・スコット・フィッツジェラルドの原作が基盤になっているからだろう。原作が優れていると、同時に脚本も優れてくる。これこそ良作の宿命なのである。

 人は生まれ、寿命で死んでいく。これが人間の逆らえない運命である。しかし、すでに寿命に達した年齢で生まれ、時代に逆行しながら若返っていくことの残酷さと悲しさを考えて欲しい。自分の愛する恋人も友達も、自分が若くなればなるほど、年をとってしまい、乖離していく。地球の中で、ぽつりと放り出されてしまった孤独な男の悲哀をブラット・ピットは見事に演じていた。

 1980年にロバート・デ・ニーロが、27キロも体重を増やして挑んだボクサー役の「レイジングブル」という傑作があったが、今回のブラピの終盤の演技に、形は違えども、私はデ・ニーロを重ねていた。

 1月28日に、この作品でブラッド・ピットと監督のデビット・フィンチャーが来日する。この作品への熱い思いが存分に聞けそうだ。

ベンジャミン・バトン公式サイト


監督: デビッド・フィンチャー
出演: ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン、タラジ・ヘンソン、イライアス・コティーズ、ジェイソン・フレミング
2008年/アメリカ/167分
配給: ワーナー・ブラザース映画
2009年 2月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショ