マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『インセプション』

2010年07月11日 | 映画
クリストファー・ノーラン監督に大注目している。『バットマンビギンズ』、故・ヒース・レジャーにアカデミー助演男優賞を与えた作品『ダークナイト』。

クリストファー・ノーラン監督の表現の中に、私はいつもイギリスの鬼才・スタンリー・キューブリック監督やサスペンスの神様・アルフレッド・ヒッチコック監督を見出す。

ノーラン監督がこういった昔の天才監督の薫陶や影響を受けているかどうかはわからないが、それをあえて予想して、そういった監督の撮ったものは、不思議なことに決して駄作がない。

つまり、監督の才能や力量の半分は、影響を受けたり尊敬する監督の名前で判断できると言っても過言でない。

これはちょい暴走した見解だけど…。

ノーラン監督期待の第3作目が『インセプション』である。

前作で開花したノーラン監督は、お金や時間を気にすることなく、心の中に暖めていた全てを吐露することができたのだろう。

テーマは「眠りの中の潜在意識の具現化」と言っていいかもしれない。その着想の面白さ。2重3重、ややおもすると4重にまで物語が交差し錯綜する展開は見事であった。

映画を見る人なら誰でも、100%以上の勢いと感動を与えてくれた作品を声を大にして大絶賛したい。この感動を何としても早く人に伝えたい。しかし、そんな作品に出会うことは1年に1度あればいいほうなんである。

こんな至福の出会いを期待して、いつも試写を見ているのだが、なかなか…。

だから、ある程度クリアーしている作品であれば、自分の中で良作として定義するようにしている。いや、これは納得でもある。

で、結論。

『バットマンビギンズ』『ダークナイト』は1年に1度の確率で出会った大絶賛に値する作品であった。が、『インセプション』はそれを超えることがなく、良作の範囲で留まったことは残念であった。

とは言っても、ノーラン監督の技量と才能に大きな期待をかけ過ぎ、『バットマンビギンズ』や『ダークナイト』以上のものをと求めていた私の見解でもある。時々、期待し過ぎも作品を判断する上で裏目に出ることも多々あり。

多分一般市場ではその斬新な着想、発想、エンタテイメント性で大ブレイクすること間違いなしと思っている。


映画の見方は本当に人それぞれだから…。




【監督・脚本】クリストファー・ノーラン

【出演】レオナルド・ディカプリオ 渡辺謙 マリオン・コティヤールエレン・ペイジ

 7月23日から公開