マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『生きるヒントの映画』

2013年05月31日 | 講演

今回の定期講座のテーマが『生きるヒントの映画』。

約2時間の映画の中には、人々が生きていく上で、生きるヒントがたくさんこめられているということで講演した。

船橋南福祉センターの生徒さんが、シルバー世代の方が多いといういことから

①老いてこそ知る生きる素晴らしさ(シルバー世代が活躍する映画)というテーマで、

以前私が連載していた女性誌で扱った『マルタのやさしい刺繍』。

他に『カレンダーガール』『やわらかい手』『スペースカーボーイ』『グラントリノ』『人生に乾杯』を登場させ、年をとっても、人は夢を追いかけること、チャレンジ精神を忘れないこと、そうすれば、人生はより豊かになるという話しをした。

②病んだり落ち込んだり、人生につまづいた時に元気をもらえる映画というテーマで、

『最高の人生の見つけ方』『最強の二人』『シャル・ウイ・ダンス』『釣りバカ日誌シリーズ』

『ヘアスプレー』『ショーシャンクの空に』などについて話した。

ここのスタッフの方はみんないい方で、講演中の私の写真を撮ってくださった。映画を愛する人々が映画を通して一つになる貴重な瞬間。

仕事とはいえ、好きな映画の話ができて、喜んでもらえて、なんて、私は幸せもんでしょうか!と、思ったのです。


『エンド・オブ・ホワイトハウス』

2013年05月29日 | 映画

「CIA」「FBI」「テロリズム」と、アメリカ側から撮ったアクション・エンタティメント作品は、毎年、たくさん公開されるけど、あんまり見る気になれないのは年のせいかもしれない。

でっかい音でドンパチやるシーンにいささか食傷気味なのかもしれない。

現に、今年のアカデミー賞作品賞受賞した、ベン・アフレック監督主演の『アルゴ』なんか、どこが面白いの理解できなかった。

だから、こういった種類の映画を見る時は、半ば諦念、時間があって心がゆとりのある時しか見ないようにしている。

そんなシニカルな気持ちで見たのが『エンド・オブ・ホワイトハウス』だった。

だが、しかしである。見始めると、これはめっけもん、最高の掘り出し物だと思った。

大統領一家が移動中の車の中で事故が起きるオープニングシーンから、乗せる、乗せる、素晴らしく乗せてくれるたのだ。

ある意味では、初代の『ダイハード』に出会った瞬間に類似している。

北朝鮮のテロリストが「ホワイトハウス」をぶっ壊すまでの息を呑むような展開。

アメリカを訪問していた韓国の首相までも殺してしまう暴走とあらっ削りな展開。

アメリカ大統領が人質にされるという前代未聞の展開。

何よりも、ただ一人、ホワイトハウスに侵入し、果敢にもテロリストから大統領を救い出す、ジェラルド・バトラー演じる元大統領専任のシークレットサービスのタフネス。

なぜにこれだけの臨場感や高揚感を与えてくれるのか?

考えてみた。

一つは監督の力。もう一つはシナリオの力なのである。

『トレーニングディ』の監督アントワーン・フークアの力。シナリオのクレイトン・ローゼンバーガー&ケイトリン・ベネディクトの力なのである。

怖いもん知らずの還暦間近の変わりもんのオババの心をここまで鷲づかみにし、乗せてくれたこの二人に乾杯!

6月8日から公開

【監督】アントワーン・フークア

【出演】ジェラルド・バトラー  アーロン・エッカート モーガン・フリーマン


『イノセント・ガーデン』

2013年05月17日 | 映画

 

 

映画の教養講座のために、心に残る新旧作品をもう一度見たり、調べたりしているうちに、映画はやっぱり凄いもんだと、改めて感動している。

「温故知新」、まさに古い映画をたずねて新しい映画の素晴らしさも教わるわけだ。

そんな意味から、5月31日公開の『イノセント・ガーデン』は、37年前のブライアン・デ・パルマ監督の『キャリー』(1976)のホラーと一昨年、ナタリー・ポートマンにオスカーを与えた妄想、パラノイアのバレリーナ物語「ブラックスワン」を彷彿させた。

『イノセント・ガーデン』の監督は、韓国のパク・チュヌク。あの『オールドボーイ』の鬼才。そこにハリウッドのリドリー・スコット、故トニー・スコット(なんで自殺しちゃったんだろう?寂しい)が絡んでいるから、韓国とハリウッドテイストが絶妙に混ざり合い、かなりエキセントリックでかなり洗練されたサイコミステリーが誕生したのかもしれない。

丘の上の豪邸に住むふ少女役を若手のミア・ワシコウスカ、その母役が二コール・キッドマン。

この豪邸の中で日々起こる不気味な出来事。ホラーというジャンルでくくると、ホラーアレルギーの人は見たくないかもしれないが、この作品は、人間の犯罪心理の探求と、それを背負ってしまった少女の悲しい性を描いている。

何より、新星、ミア・ワシコウスカの卓越した演技は、御大ニコール・キッドマンを食う勢い。

ただただ、驚嘆!!!

 5月31日から公開

【監督】パク・チュヌク

【出演】ミア・ワシコウスカ  ニコール・キッドマン