マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『ペーパーボーイ 真夏の引力』

2013年07月21日 | 映画

 

 

私は何事に対しても徹底的にやる人間が大好きだ。

仕事でも遊びでも趣味でも徹底的にやるということは、人生を徹底的に必要十分に妥協を許さず生きている証だと思っている。

今回の『ペーパーボーイ 真夏の引力』の出演者である、ザック・エフロン、ニコール・キッドマン、マシュー・マコノヒー、ジョン・キューザックがまさにそれである。

この4人の俳優陣が恥も外聞もなく、徹底的に役になりきった稀有な作品だと、感心していた。

1969年のフロリダが舞台。人生に挫折した主人公ザック・エフロンは父親が経営する地元の小さな新聞社で新聞配達をしている。

まずは、地元の小さな新聞社が舞台になっている点も目新しかった。

そこに、大手新聞社に勤める兄が帰省し、4年前の殺人事件を再調査するために留まる。

ここから、一気にストーリーはシュールで残虐で、ある意味では「エグイ!」展開になるのだ。

事件にかかわる謎の女、ニコール・キッドマンと殺人犯、ジョン・キューザックが登場すると、この作品は「エグイ!」からさらに躍進して、「エログロ+残虐」いわば、「エロス+虐殺」の世界に更新するのだ。

このあたりが、実に徹底的で、徹底的な人が大好きな私はため息がでたのだ。

時々、目を背けたくなるシーンは多々。でも、不思議と目を背けたくなくなる、この矛盾。

何より、ニコール・キッドマンが股間のパンストを破り、よがる姿を見た途端である。

この女優は徹底的マックスの女優なんだと、尊敬したのだ。

 

7月27日から公開

【監督】リー・ダニエルズ

【出演】ザック・エフロン ニコール・キッドマン、マシュー・マコノヒー ジョン・キューザック


『31年目の夫婦げんか』

2013年07月01日 | 映画

同世代の私にとっては、痛い話だ。

31年間も夫婦やっていれば、喧嘩は日常茶飯事。お互いを男や女なんて意識する日なんて皆無である。

綾小路きみまろさんの語録の中にこんなフレーズがある

「家に帰れば、有効期限の切れた亭主と、賞味期限の切れた女房がにらみ合う。」

まさにその通り。天才的な名言だ。

さてさて、そうは言っても、死ぬまで連れ添うのが夫婦。

いかに賞味期限キレとは言っても夫婦は夫婦。

メリル・ストリープ演じる妻はこのマンネリを脱却しようと、とんでもない夫婦セラピーを受けることを決意する。

頑固で亭主関白の夫役がトミー・リー・ジョーンズ。

とんでもない妻の計画に、しぶしぶついていくのだ。

キーワードは「倦怠期を迎えた夫婦のセックス」である。

若いころ、あれほどときめいた夫婦のセックスも、今じゃ、皆無。別々の寝室で本を読みながら寝入る毎日。

熟年夫婦にとって、失われた時間を取り戻す最大の効果薬はズバリ「セックス」

高齢化社会にむけて避けては通れない夫婦の真実を実にうまく描いている。この斬新で新鮮なタッチの作品の夫婦を演じるのが、メリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズ。

この二大演技派の文句なしのキャスティングに唸りっぱなし。

セラピストの指導の下で挑む未完のセックスシーンはあまりにも滑稽で、大爆笑してしまう。

しかし!!その笑いがいつしか同病相哀れむの憐憫の情に変わっていくのだから、お見事!

7月26日から公開

【監督】デヴィット・フランケル

【出演】メリル・ストリープ  トミー・リー・ジョーンズ