マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『瀬戸内少年野球団』『キッズ・オールライト』

2011年04月24日 | 映画

 

 

震災後、節電のために、ずっと自粛していた社会協議会の映画上映会の解説の仕事が始まった。待ってましたとばかり、映画ファンのお客様がたくさんいらしてくださった。「映画をずっと見たかった、始まってうれしい」と大喜びしてくれた。こういう不安定な時期だからこそ、映画が人々の心を落ち着けてくれるのかもしれない。

今回の解説作品篠田正浩監督の『瀬戸内少年野球団』(1984年)だった。夭折した大女優、夏目雅子が、敗戦直後の淡路島で、教鞭を取る教師をたくましく演じている。彼女は本当に美しい。敗戦の不安な時代を背景に、野球を通して子供たちが元気になっていくと言ったストーリーなのだが、なぜか、東日本大震災の今の日本とダブってくる。きっと、悲劇の時代にはスポーツは救世主になってくれるんだろうな。

新作では、アネット・ベニング、ジュリアン・ムーア主演の風変わりな家族のホームドラマ『キッズ・オールライト』が一番印象に残っている。おかしくて、切なくて…、実にいい話だ。

4月29日から公開

 


『ガリバー旅行記』

2011年04月17日 | 映画

 

 

 

巨大余震の恐怖、原発事故への恐怖。毎日、毎日、心が萎えてしまい、マイナス思考になっていた。

が、じゃーん!やっぱり、こういう時こそ、ジャック・ブラックだ!彼の『スクールオブロック』は私のベスト10の中に入っている。

今回の『ガリバー旅行記』では、小人の国に漂流した役。とにかく、面白い!とにかくくだらない。とにかくバカバカしい。でも、今の日本には絶対に必要な作品だ。

久しぶりの、大声あげて笑った。3・11以降、こんな大笑いしたことはない。ジャック・ブラック、I LOVE YOU!

公開中


『チャイナシンドローム』と『唐山大地震』

2011年04月12日 | 映画

3月11日の巨大地震後、大津波、原発事故と、東日本は最大のクライシスの下にあった。それから1ヵ月後もたつのに、またも連日の巨大余震。

家族、家、友達を失った被災地の方々のお気持ちを察すると、言葉にならない。ましてや、福島第一原発事故で、地震の被害だけでも心に受け止めることができないうちに、原発の危険性から避難所を転々としている被災者の方のお気持ちを察すると…。もう地震が憎くて憎くてならない。

地震のバカヤロー!早く収まれ!原発事故も早く収束してくれ!

そんな怒りを胸に抱きながら、二本の映画を思った。『チャイナシンドローム』と『唐山大地震』である。

Facebookにも書いたウォールから

「映画は時にして予言者になることがある。

 1979年公開された米 映画「チャイナシンドローム」は公開12日後にスリーマイル島原 発事故が起きた。

実は3月11日の震災の一週間前に、松竹の試写室で20世紀最大の被害者を出した中国の巨大地震「唐山大地震」の試写を見て、地震の恐怖をスクリーンの中で疑似体験していた。

あの試写の一週間後に、まさか東日本がこんなことになると誰が知っていただろう。3月26日公開予定だった「唐山大地震」は公開無期延期になっている。

映画は時に、預言者になることもあるんだと、なんだか不思議な力を感じている」