マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『王様ゲーム』

2011年12月09日 | 映画

 

 

大作、秀作の情報がたくさん入ってくるにも関わらず、時々、私は高校生が登場する『王様ゲーム』みたいなホラー映画が急に見たくなる。

多分、自分が年を取り、二度と取り戻せない高校生の頃を思い出し、ただ単に懐かしがってるだけかも知れない。と、ともに、今の高校生が何を考え、何をやっているのかも、ゲスのかんぐりで覗いてみたい衝動も隠せない。

それには高校生の間で大ヒットしたケータイ小説を元に映画化された『王様のゲーム』みたいな作品が一番現代を反映しているのじゃないか、なんて、思っているのだ。

ここに出演する若い男女俳優の名前は、勉強不足で申し訳ないのだが、実を言うと誰も知らない。

ある高校の同じクラスの生徒31名の携帯に、同時に王様という人からメールが届く。「これはクラス全員で行う王様げーム。途中棄権は認められない。王様の命令は絶対なので24時間以内に服従すること」

ストーリーの展開がドキドキ、シャープなカメラワークで、スクリーンに集中しっぱなし、なかなか面白かった。

私の高校時代にもこれに似た「不幸の手紙」というのがあった。この手紙が来たら、5人の人にこの内容の手紙を転送しないと不幸になるという。嘘っぽいとは分かっていても、その脅迫に自分が不幸になっちゃたらイヤダもん、だから、せっせと5人の友達に送りつけていた。

送られた友達もせっせと5人の友達に送りつけたらしいから、私からの発信で約125名もの友達に手紙が届いたという計算である。

つまり、チェーンメール、つまり、ねずみ講と同じシステムなんでしょう。高校時代の友達関係の乾いた希薄さと、その一方で永遠に変わらないはずの友情も描いている。

今から40年も前の高校生だった私と、今の高校生のやっていることが全く変わらないことにホッとした。ただ、そのツールが、「はがき」と「携帯メール」という違いだけで…。

 12月17日から公開

【監督】鶴田法男

【出演】熊井友理奈  鈴木愛理  桜田通