マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

鴨川ホルモー

2009年03月13日 | 映画
 最近、喜怒哀楽減退気味。その中でも喜と楽に関しては特に「鈍感」になってきている。

「喜楽」をイコール「笑い」と定義すると、今年初めて映画でお腹を抱えて大笑いし、「喜楽」の感情を十分満たしてくれた作品が『鴨川ホルモー』だ。他のコメディー映画もたくさん見ているが、瞬時に「アハっ」とにんまり笑うくらいで長続きはしなかった。箸がころげても笑う女子高校生のように、「カンラ、カンラ」と大爆笑の連発をさせた『鴨川ホルモー』は超貴重な一本だ。

「ホルモー」とは、京都にある「京大」「立命館大学」「龍谷大学」「京都産業大学」の4大学のサークル対抗の「鬼退治」合戦みたいなことである。

 この内容だけ聞いては、「くっだらねぇ映画みたい」「アホくさっ!」と見下す人も多々いるかもしれない。

 ところがである。京都の街に展開するこのアホな祭典は、今までの日本映画になかった斬新さを伴い、「笑いのドつぼ」をしっかりと押さえ、お笑いの原点に引き戻してくれた。

 物語の中心となる京都大学の学生演じる山田孝之君、帰国子女枠で京大に入れた濱田岳君のおかしくも切ない友情と丁々発止の「M1グランプリ」並みのトーク。ちょんまげ姿の濱田岳君のおかしさには脱帽だ。そして、サークルの幹事長になる荒川良々の覚めた冷静でシニカルな演技。うまいですねー、荒川良々!!!!

 何よりも、主役は「鬼」のホルモー君だ。京都という古都を舞台にしたアナクロなストーリーにも関わらず、突然CGを駆使した何千匹(?)の身長30センチの「オニ」の大群が登場する。そのしぐさのおかしさは、ジョー・ダンテ監督の「グレムリン」の善玉ギズモと悪玉ギズモにも通じるような可愛さと偽悪さだ。

 これこそCG効果の大成功!

 不況、失業、リストラ、賃金カット。暗い世相を一時でもぶっ飛ばしてくれるような痛快お笑い映画の登場だ。

 鴨川ホルモー公式サイト

公開日2009年4月18日(土)全国公開 

配給 松竹
監督 本木克英
脚本 経塚丸雄
原作 万城目学
出演 山田孝之/栗山千明/濱田岳/石田卓也