マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『ダーク・シャドウ』

2012年05月10日 | 映画

「痛切なる1970年代へのアイロニーとオマージュ!!!」

『ダークシャドウ』を見終えて、強くこう思った。ティム・バートン監督、ジョニー・デップがタッグを組んだ最近作で、私は『ダークシャドウ』が最高の出来栄えだと思った。

バンパイアーを演じるジョニー・デップ。今回こそ、この主人公を演じるのはジョニー以外の他にだれがいようか?

200年ぶりに蘇ったバンパイア。時は1970年代のアメリカ。ベトナム戦争、ヒッピー、ハードロック全盛のアメリカで蘇らせたのは、ティム・バートン監督のはからいか。

ティム監督は70年代に何か恨みがあるのか、はたまた、最高に愛した時代だったのか?と、70年代に青春時代を送ったティム・バートン監督の70年代への屈折した思い入れが、同じ時代を生きた私には手にとるように、わかるのだ。

エリック・シーガル作のベストセラー「ラブストーリー」。ブラック・サバスの「パラノイド」、思いもかけずのアリス・クーパーの出番には大笑い。

不死に苦しむバンパイアがまさか、時空を超えて、70年代にやってくるとは!

魔女役を演じたエヴァ・グリーンの怪演にもぶっ飛ぶはず。バンパイア、ジョニデプと魔女、エヴァの激しい(?)セックスシーンに、またもまたも大爆笑。

とにかく面白い!

5月13日のジョニー・デップ、ティム・バートン監督の来日記者会見には、時間を作って行ってみようかな…。

5月19日から公開

【監督】ティム・バートン

【出演】ジョニー・デップ  エヴァ・グリーン  ミシェル・ファイファー

 


『ミッドナイト・イン・パリ』

2012年05月08日 | 映画

ウディ・アレンも77歳になるのね…。

『アニー・ホール』『インテリア』『カメレオンマン』『私の中のもうひとりの私』。大爆笑のスラップスティックな喜劇を撮ると思えば、ベルイマンを意識したような超芸術作品を撮る偉大な監督の一人である。

「ニューヨークと同じくらいパリが世界中で一番偉大と」と、ウディ・アレン自ら告白しているように、今回の『ミッドナイト・イン・パリ』は、パリが舞台である。

ハリウッドの売れっ子脚本家が主人公。彼の夢は本格的な作家になること。それには芸術の都、パリに行くしかないとパリを訪れる。

アメリカ人側から見た憧れのパリの風景がスクリーンに華麗に舞う。パリの素晴らしさ、美しさを、ウディは撮って撮ってとりまくっている。「エッフェル塔」「ロダン美術館」「ベルサイユ宮殿」「セーヌ川」などなど。

主人公はある晩、タイムスリップして1920年代のパリに戻ってしまう。フィッツジェラルド、ヘミングウエイ、ジョセフィン・ベーカー、コール・ポーター、ピカソ、ゴーギャン、ダリなどの芸術の黄金期と言われた20年代を飾った偉大な芸術家たちと遭遇するのだ。

このウディの奇抜な発想、このシュールさ。主人公がヘミングウエイに自分の原稿を読んでもらうあたりで、私はおかしくてお腹が痛くなった。

芸術の都パリという町を、ウディ・アレン監督は実に軽妙なタッチで、ウディ独特のアイロニーという隠し味を使いながら、豪華絢爛に料理してくれた。

パリには2度ほど旅したことがあるが、私もウディ・アレンと同じくらいパリが好きだ。

生憎、財布の中身が乏しい貧乏旅行だったので、「マキシム・ド・パリ」のドアを開けることができなかった。アールヌーボーの高級老舗のレストランの味って、もしかしたら、こんな味なのかしら?

5月26日から公開

【監督・脚本】ウディ・アレン

【出演】オーウェン・ウイルソン

     キャシー・ベイツ  マリオン・コティヤール  エイドリアン・ブロディ