花ごよみブログ

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韓国春蘭■天下■の柄戻し

2015-08-23 15:30:14 | ギャラリー 春蘭

 春蘭の中透が100%固定ではない。固定度は95%位でしょう。とお客様にお話ししますと

本芸のものでも黒く柄が無くなるように勘違いされる事が多いので

この場で簡単に説明させて頂きます。

”中透”という芸ですが正しくは中透”縞”と縞が付きます。

中透という完成形の芸でもあくまでも縞の芸ですので

余ほど濃い肥料を与えたり”アタリ”の中でも芋の最上部の小さなアタリなどですと

縞が葉脈沿いに入らなければいけないものが少しズレてセンターの手前か後ろ側にずれることが

稀にあります。

あくまでも普通に出来て新木のバルブの下側に付く元気のよいアタリ等からは

先ず狂うことはあり得ないと思います。

見本の蘭は厚葉チャボ系の中透で人気の高い”天下”です。

昨年冬に購入した根の少ない子休付の小さな3本程度の種木でした。

この種木に極小さなアタリが少し上の方に付いており取ろうかと思いまして

良く見ましたら小さな芽の一か所にうっすらと縞が見えましたので

そのまま育てましたら予想以上に地味で1枚目の葉のセンターのみに縞がある

ほぼ黒に仕上がりました。

そこで昨年秋に黒い子を外して種木から新しい芽の吹かし替えを行い

立派で綺麗な芽が出て成長してくれました。

残ったほぼ黒は”縞のある側がら芽を当てると良い木が出来ますよ!と

お店で7万円で販売しようとしましたが結局売れずに残りましたので

実践してご覧頂こうと作に入りました。

先ずこの様な場合は9割以上葉の左右の地味な方しか芽が当たりませんので

春先に地味な方の極小さなアタリを爪で取り除き柄のある側を上にして植え込みましたが

出芽の時期になっても芽が動いてくれないので”おかしいな?”と鉢からあけて見ましたら

また地味な側にアタリが付いておりすぐに取り除き植え直し観察していましたが

やはり柄のある側のアタリが動かないので

”これはおかしい!”と再度鉢からあけましたら なんとまた地味な側にアタリが付いており

3度目の芽欠きをして植え込みましたら

今度は縞のある側のアタリが膨らんで動き始めました。

そしてそのアタリが米粒ほどになった時に正確に柄が有るのが確認出来ましたので

”やったー!!”と喜びました。

その1カ月半後が画像の今の状況です。

ほんとうにこの1筋の縞のみでこのアタリを逃したら恐らく青しか出なかったと思います。

心配したハカマの柄も左右とも完全な本芸で来てくれました。

葉は細いですがほぼ青ですので新芽が大きく育ってくれています。

仕上がるとまあまあの木になりそうで楽しみです。

※くれぐれも天下が柄が狂うのではなくどの中透でも何かしら調子がイマイチな時に

 稀に柄狂いが起きることが有るということでございます。

けっしてお作りになられている縞が狂うということではございません。

 


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