Luna's " Tomorrow is a beautiful day "

こころは魔もの。暗い地下でとどろくマグマのような…。

“But Lyzz, it's your life” (でもね、リズ。あなたの人生なのよ)

2007年09月16日 | Weblog





でもね、リズ。あなたの人生なのよ。  山崎いづみ(心理セラピスト)


(「トラウマ・セラピー/ 幸せの法則」/ 山崎いづみ・著)

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子ども時代の経験というと、母親の影響が大きいといえます。子どもはいつも「お母さんに愛されたい」「お母さんにほめてもらいたい」と思っているので、無意識に母親の好む「いい子」になろうとするんですね。

たとえば、少々失敗した料理でも「おいしい、おいしい」と食べてくれる子が「いい子」とされているのではないかと思うのです。

「まずいね」と言ったとき、「だったらいいわよ、もうつくってあげないから」とか、「お母さんがせっかくつくったのに、じゃ、もういい、食べないで。下げますよ」などとお母さんが答えると、子どもは「まずいって言っちゃいけないんだ」と学習します。これは実際には、正直な気持ちを言ってはいけないんだ、ということを学習していることになります。

すごく正直にものを言えた自分がいつしか消えて、いつも「おいしいよ、おかあさん」と言ってしまう。親の求める「いい子」という偽りの自分を本当の自分だと思い込みながらも、心のどこかで「何か違う」と思って生きているケースが増えているように思います。

そしてそのまま成長すると、「自分らしさ」が何なのかわからなくなって、何をしていても楽しめなくなってしまったり、心から愛せる人にも、打ち込める仕事や趣味にもめぐり合えなくなってしまいます。



わたしは以前、アメリカの音楽学校で、ジョイス・コーリンズという年配のジャズ・ピアニストの女性にピアノを習っていたことがあります。当時、学費やビザの問題があり、親からも帰国してほしいという暗黙の圧力を感じていたので、帰国しようかと迷っていました。

そのピアノの先生は田舎に年老いたお母さんがいて、ピアノの先生ならどこでもできるのだから帰ってくるようにと言われていたそうです。状況に共通点があったせいか、わたしをよく励ましてくれていました。そしてある時、その先生が、迷っているわたしにひと言いったのです。

“But Lyzz, it's your life” (でもね、リズ。あなたの人生なのよ)

その言葉で、「ああ、そうか」と目の前がパーッと晴れたような気がしました。

日本に帰ろうとしていたのは親にとっての「いい子」でいたい、いなければならない、という思いがあったから。でも、いやいや帰ったとしても、それがいい結果になるだろうか…と考えてみると、やはり親はわたしが後悔などせず、いきいき、はつらつとしていることを喜んでくれると信じたい。信じているからこそ、もう少しアメリカで勉強したいという結論が出ました。結局親にもわかってもらうことができて、存分に音楽の勉強を続けることができました。

もしあのとき帰国していたら、心のどこかで「自分は親の犠牲になった」と思わなければならないことになったかもしれません。そして勝手に親を恨み、悶々とした気持ちを抱えて生きなければならなかったかもしれないのです。

今、お話したことはわたしの個人的な経験ですが、もしも「自分は親のせいで思うような人生を生きられない」と思っている人がいたら、少しだけ、考え方の方向を変えてみませんか?

自分はいちばんどうしたいのか、どうしたら自分らしくいられるのかを考えて、イキイキした自分になれる道を歩き始めてみませんか?  あなた自身の人生なのですから!



(「トラウマ・セラピー 幸せの法則」/ 山崎いづみ・著)より


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