Luna's " Tomorrow is a beautiful day "

こころは魔もの。暗い地下でとどろくマグマのような…。

規則で結びつくしかない不幸

2007年05月17日 | Weblog
目に見えるものにのみ心奪われ、
数で表されるモノの多さ、
点数等にこだわり過ぎると、
ほんとうに大切なものを忘れてしまう。
心が求めているものはそこにはない。


(「愛と励ましの言葉 366日」/ 渡辺和子・著)

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たとえばGDP。

おおっ、大上段に振りかぶりましたが、GDPでございます。日本語で言うと、「国内総生産」というそうで…。一年間にどれだけ所得を分配できたかを示します。GDPを人口で割ると、「ひとり当たりのGDP」なる指標ができます。

この「ひとり当たりのGDP」は一国の国民の豊かさを示している、と一般には言われます。OECD(経済協力開発機構)の成員国になるには、「ひとり当たりのGDP」が1万ドルを超えることが「資格」とされます。

本当にそうなのでしょうか…。こんな話があります。

「ブラジルや南アフリカは、ひとり当たりのGDPでは、中国の数倍にもなるのに、平均寿命では中国より5歳以上も短い。ある国の豊かさを考える上で、所得以外の要素の方が重要である、とノーベル賞受賞経済学者、アマルティア・センは書いている」(「マクロ経済学」/ 伊藤元重・著)。

日本はどうでしょうか。戦後最も長い好景気とはいうものの、自殺者は毎年3万人以上出ています。非正規労働が定着しつつあり、税金のたぐいは支払いを増やされるのに、国民の将来への安心の保障は削られる一方。

わたしたちはしあわせになろうとして、実は正反対の努力をしてきているのではないでしょうか。




あと、上記のことばがそのまま適用できるのが、エホバの証人社会。

あえて説明はしなくとも、自明でしょう。
「目に見えるものにのみ、心奪われ、数で表されるものへの依存」…。

ねえ、「兄弟姉妹」たち、あなたたちがやってきていることは、それでほんとうに幸せ? 他の人のしあわせを、心底素直に喜べる? それとも、迫害で命を落とした人や、輸血拒否を忠節に守った子どもの経験など、そういう話ばかりに注目して、若い人たちにやっきになって独身を勧めたりしていませんか? つまり、若い人たちがふつうのしあわせをつかもうとするのを、妬んでいませんか?

他人に苦行をそれとなく強いるのは、自分より不幸な人間を増やそうとしているんじゃない? 

これって猜疑心? 

会衆の若い人たち、目がキラキラして、生き生きしていますか? それとも表情が茫洋としていて何を考えているかよくわからないことがありますか? 子どもさんはね、多分そのうちキレますよ…。

人はそれぞれ独自の夢や目標、適性や素質を持っている。そういうのを発揮することで人生を充足させられるんです、人間は、ね。それを王国奉仕に縛りつけて、子どもたちの夢や目標を強制的に断念させていませんか? 「あたしのことを本気で好きなら、組織の提案をしっかり守って」などと言っていませんか? 聖書のこの言葉は違うと思う。「その掟を守ること、それが神への愛です」。規則・規律でしか人と結びつけないのは、愛が欠けているからです。相手の人の本当の気持ちを読めないからです。

そんなことに一生懸命になっていると、「ほんとうに重要なもの」を忘れてしまいますよ。愛があれば、規則なんて必要じゃなくなる。兄弟姉妹たち、あなたが求めている「しあわせ」の感覚、それはエホバの組織にはない。掟が多いし、あるものは非常に重い。イエスのくびきは重荷ではないものだったんじゃない?

あなたたちは、キリスト教徒のような人格を培いたいのでしょうけれどもね、だったら、コミュニケーション・スキルを身につける方がいいですよ。

あなたが内心、求めているものは、エホバの巣窟には存在しない。