PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

成年後見制度の拡がり

2010年03月12日 08時55分26秒 | イベント告知
最近、専門職大学院でぽつぽついるのが、独立事務所開業を目指している院生です。
専門職としてのスキル向上だけでなく、経営のノウハウも学べるというメリットがあるからでしょうか。
成年後見を専門とする、弁護士の専任教員もいるので、とてもいい学修環境といえるのかも知れません。

実際に、社会福祉士や精神保健福祉士で、独立開業をめざす人は増えていますね。
既に事務所を開設して仕事をしておられる人は、皆さん、成年後見人を担っています。

司法書士の「リーガルサポート」、社会福祉士の「ぱぁとなあ」に次いで、精神保健福祉士も動き始めています。
組織の中で汲々として仕事をするのではなく、地域で自分のソーシャルワークを展開したいという気持ちの現れでしょうか。

成年後見制度や地域権利擁護制度が、広く伝われば伝わるほど、地域での様々な支援ニーズが顕在化してきています。
高齢者や障害者の領域で、需要に対して供給が追いつかず、受任者がなかなかいないという地域も多いようです。

僕の関わっている社会福祉協議会では、精神障害の方の相談が急増しています。
今年度上半期だけ見ても、相談援助件数(延べ)は、
成年後見制度利用についての相談   認知症高齢者532件  精神障害者 165件
地域福祉権利擁護事業についての相談 認知症高齢者646件  精神障害者1135件
となっていて、総数では精神障害者がトップになっています。

もちろん、成年後見制度には、色々問題もあります。
ある意味でご本人の権利を制限することにもなりますし、医療の代諾権が付与されていないなど、精神保健福祉法とのズレも生じます。
それでも、金銭や財産について、判断能力の衰えた方を支援する仕組みとしては、大きな意義を持ちます。

ぜひ、色んな人に、この制度を活用して欲しいと思います。
まだまだ、支援を要する人に情報が届いていないのではと思います。
そのためにも、各地域で、この制度活用に関する広報が周知されればと思います。

…ということで、以下、宣伝です。
…といっても、もう今日やるイベントですが(笑)
どうも、いつも告知をするタイミングがずれている様な気が…。
イベント目白押しで、事前告知が追いつかない…(^_^;)


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こだいら権利擁護セミナー
「精神障がいのある方の成年後見制度の活用について」

 精神保健福祉に精通する講師をお招きし、精神障がいのある方が地域で安心して暮らしていくために大切なことは何かを考える機会として開催します。
 成年後見制度を活用し、権利を守っていくための仕組みづくりに向けて、現状と課題について検証します。

○と き 3月12日(金曜) 午後2時~4時
○ところ 小平市福祉会館3階 第1集会室 

○講 師 小松順一(多摩済生病院、副院長)+古屋龍太(日本社会事業大学大学院、准教授)
○内 容 「精神障がいのある方の成年後見制度の活用について」

○費 用 無料
○定 員 70人(先着順)
○主 催 小平市社会福祉協議会
○後 援 小平市 
○申込み 小平市社会福祉協議会・権利擁護センターこだいらまで
     電話 042-342-8780
○お問合せ先 〒187-8701 小平市小川町2-1333 健康福祉事務センター2階
     高齢者福祉課計画担当 電話:042-346-9537 Fax:042-346-9498