PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

PSW実践の可視化を考える

2017年01月29日 23時39分10秒 | イベント告知

 

大阪から帰る新幹線の車中です。

今回は、第53回日本精神保健福祉士協会全国大会運営委員会に出席させてもらいました。

実に1980年の第15回大会以来、38年ぶりの大阪大会になります。

 

今年から協会は構成員が1万人を超え、代議員制に移行しました。

例年6月に行われていた総会は代議員総会となり、9月に全国大会が移動しました。

既に協会のホームページで告知されていますが、現在一般演題募集中です。

 

メインテーマは「ソーシャルワークを可視化する~未来への存在意義を求めて」です。

サービス商品化が進む中で、SWとしての価値とかかわりが問われているとの問題意識が窺えます。

各地の実践現場で取り組まれている、様々な見える化の取り組みを寄せて頂ければと思います。

 

そうは言っても、可視化(見える化)とは、なんでしょうか?

そもそも、可視化って、誰にとって、どのような形で、求められているのでしょう?

可視化の試みは、ますます不可視化を実感させるだけにならないでしょうか?

 

現場のSW実践で獲得された暗黙知を、形式知として伝える努力は皆がしてきています。

しかし、言葉にしようと事象を掬えば掬うほど、形にならない大切なものが言葉から漏れていく。

それはSW実践に限らず、言語や記号の持つ不可避的な限界なのでしょう。

 

それを敢えてメインテーマに据えた、大阪の皆さんの進取の精神に敬意を表します。

大会では、可視化イベントコーナーなども設けられるそうです。

2017年9月15日~16日、グランキューブ大阪(大阪国際会議場)へどうぞ!

 

さて、今日のイベント案内は、そんな「SWの可視化」の一部と言えるかも知れません。

日本社会事業大学で、2月3日(金)4日(土)5日(日)と3日間、連続して行われます。

もう、1週間もありませんが、ご都合つけられる方は奮ってご参加ください。

 

いずれもPSWの現場に直結した課題を取り上げています。

一つ目は、PSW実践の各領域に関わるプログラム評価を考えるセミナーです。

二つ目は、今年10回目となる社大PSWフォーラムのご案内です。

 

詳しくは、以下のご案内をご覧ください。

当日の参加も可能ですが、できれば事前の参加申し込みをよろしくお願いいたします。

それぞれの現場の経験知を持ち寄って、PSWの実践知の可視化を一緒に考えましょう。

 

 

実践家と協働で進める効果的福祉実践プログラムの形成・改善と実施・普及の方法を考えるセミナー

 

1. セミナーの趣旨:

 近年、対人サービスの実践プログラム領域で、EBPを含む効果的なプログラムモデル(「効果モデル」)形成や実施・普及に対する社会的な関心が高まっている。これに対して、日常的にプログラム実践に深く関わる「実践家」が、専門職ならではの経験と創意工夫、実践上の知恵やアイデアを盛り込んで評価活動に積極的に参画するアプローチ(「実践家参画型エンパワーメント評価」)の有用性と意義が議論されるようになった。

 これに対して、実践家が評価活動に主体的に関与し、評価研究者などと協働して「効果モデル」の開発や改善・形成、実施・普及を積極的に遂行するためには、それを可能にする評価手法・評価方法論の開発と導入と、実践家参画型評価を支援するシステムを構築することが求められる。

 このセミナーでは、実践家と協働で進める効果的福祉実践プログラムの形成と実施・普及に関わる評価アプローチ法に関心を持つ関係者の皆さんと共に、お互いの経験の方法をを共有する。その上で、より良い実践家参画型評価の評価手法、評価支援システムのあり方について議論することにしたい。

 

2. 日時・場所:

・日時:(1)2017年2月3日金曜日10:00-17:00(セミナー①)

    (2)2017年2月4日土曜日10:00-17:00(セミナー②)

・場所:日本社会事業大学清瀬キャンパス、教学A棟A401教室

 ※セミナー①、セミナー②のいずれか1つの参加(部分参加)でも可

 

3. セミナーの内容・プログラム:

 

□セミナー1(2月3日金曜日)

○セッション1(10:00-12:00)

 「実践家参画型エンパワーメント評価」とは

 ~定義、意義と目的、評価手法と評価支援システムについて~

・担当:大島巌、贄川信幸(日本社会事業大学)

 

○セッション2(13:00-15:15)

 「効果モデル」の「見える化」、改善アプローチの共有化の方法とは

 ~実践家・評価研究者が協働で、「効果モデル」の成長・発展を実現するための

   アプローチ法~

・担当:

 大島巌、贄川信幸(日本社会事業大学):全体の位置づけ

 方真雅、新藤健太(日本社会事業大学):就労移行支援プログラム

 大山早紀子(立教大)、下園美保子(愛知県立大):デイケア・訪問支援統合化プログラム

 贄川信幸(日本社会事業大学):心理教育、退院促進・地域定着支援プログラム

 

○セッション3(15:30-16:30)

 取り組み事例①:退院促進・地域定着支援プログラムにおける実践家参画型評価 アプローチの現状と課題

・担当:古屋龍太(日本社会事業大学)

 

○セッション4(16:30-17:00)

 実践家参画型効果モデルの形成・改善と実施・普及の方法についての討議①

・担当:大島巌、贄川信幸(日本社会事業大学)

 

 

□セミナー2(2月4日土曜日)

○セッション5(10:00-12:00)

 「実践家参画型エンパワーメント評価」と「効果モデル」の実施・普及アプローチ

 ~セミナー①の振り返りと、実施・普及アプローチの枠組み~

・担当:大島巌、贄川信幸(日本社会事業大学)

 

○セッション6(13:00-14:30)

 改善アプローチ、実施・普及アプローチの共有化の方法とは

 ~実践家・評価研究者が協働で、「効果モデル」の成長・発展、実施・普及を

   実現するためのアプローチ法~

・担当:

 大島巌、贄川信幸(日本社会事業大学):全体の位置づけ

 方真雅(日本社会事業大学):就労移行支援プログラムの実施・普及ガイドライン、

   戦略プラン・実施プランの実施方法

 大山早紀子(立教大)、下園美保子(愛知県立大):デイケア・訪問支援統合化プログラムの実施・普及ガイドライン、戦略プラン・実施プランの実施方法

 浦野由佳(日本社会事業大学):クラウドによるモニタリングシステム

 新藤健太(日本社会事業大学)、仁科雄介(国府台病院):実践家参画型ワークショップ、フォーカスグループの実施方法

 横井葉子(大阪府立大学)、新藤健太(日本社会事業大学):評価ファシリテータの活動

 

○セッション7(14:45-16:30)

 取り組み事例②③:いくつかの実践プログラムにおける実践家参画型評価アプローチの現状と課題

・担当:

 大山早紀子(立教大)、下園美保子(愛知県立大):デイケア・訪問支援統合化プログラム

 横井葉子(大阪府立大学)、新藤健太(日本社会事業大学):スクールソーシャルワーカー配置プログラム

 

○セッション8(16:30-17:00)

 実践家参画型効果モデルの形成・改善と実施・普及の方法についての討議②

・担当:大島巌、贄川信幸(日本社会事業大学)

4. 申込方法

 2月2日までに大島研究室まで。

 氏名、所属、(出席可能な)セミナー番号(①,②)をメール連絡して下さい。

 件名は、「実践家参画型評価セミナー」としてください。

 

 

第10回日本社会事業大学精神保健福祉士養成課程関係者フォーラム(S-PSWフォーラム)

「地域移行実現のプロセスを考える~地域事業所と医療機関の協働事例を通して」

 

日本社会事業大学では、社会福祉学部・通信教育科・専門職大学院・研究大学院において精神保健福祉を学んでいる方と卒業した方々の相互交流と実践的学びの場として、「S-PSWフォーラム」を2011年より開催しています。

今回のフォーラムでは、精神科病院の集中する東京・八王子地域における地域事業所と医療機関の協働事例を通して、全国的に低調となっている長期入院者の地域移行を実現するプロセスを参加者とともに考えていきます。

なお、今回のフォーラムは、例年開催の「社大PSW課程卒業生勉強会」との合併企画となりましたため、開催時期が遅れて2月となりましたことをご了解ください。当日の詳しいプログラムは、以下をご参照ください。

 

●日 時:2017年2月5日(日) 13:30~16:30 

●場 所:日本社会事業大学 清瀬キャンパス 教学C棟C601教室

    東京都清瀬市竹丘3-1-30 西武池袋線・清瀬駅南口下車バス7分「社会事業大学前」

●参加者:

社会福祉学部、通信教育科、専門職大学院、研究大学院の在籍者および卒業者、社大の精神保健福祉士養成課程に関心がある方、その他今回取り上げるテーマに関心をお持ちの方々

●参加費:500円(資料印刷代として)

●構 成:テーマ「地域事業所と医療機関の協働事例~地域移行実現のプロセス」

13:00~受付開始

13:30~開会挨拶

贄川信幸(日本社会事業大学通信教育科・准教授)

13:35~報告①「八王子市の地域精神保健福祉状況と精神科病院の取り組み報告」

新井山克徳(駒木野病院・PSW、学部PSW課程1期生)

14:05~報告②「地域事業所でのソーシャルワーク」

清水健太(多摩在宅支援センター円・PSW、学部PSW課程13期生)

14:35~報告③「女子閉鎖病棟におけるPSWの取り組み」

高橋優紀(駒木野病院・PSW、学部PSW課程15期生)

15:05~質疑応答

15:25~休憩

15:35~グループ・ディスカッション

報告者3名のグループに分かれてディスカッション

16:10~全体共有討議

司会:古屋龍太(日本社会事業大学専門職大学院・教授)

16:30 閉会予定

17:30~懇親会:伊酒屋Ottimo(オッティモ)にて

東京都清瀬市松山1-13-16TEL042-494-0771)にて

    別料金で希望者のみ(一般4500円、現役学部生2500円)

●申し込み先:

当日会場で直接受付も設けますが、準備の都合もあり事前にお申込み頂けると幸いです。

お申込みは、以下の必要事項をご記入の上、以下のアドレスにメールでお申込み下さい。

(必要事項)氏名、課程、卒業年、現所属先、連絡先(メールアドレスなど)、懇親会出欠

(e-mailアドレス) spsforum.jcsw@gmail.com

●主催:S-PSWフォーラム実行委員会(実行委員長:古屋龍太)