PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

総合福祉部会、暗雲の船出

2010年04月30日 15時08分50秒 | 精神保健福祉情報

国民の過剰な期待と幻想の中、昨年政権交代が果たされました。
「政治とカネ」でケチがついて以来、腰砕けと迷走を続けている民主党政権ですが、ひとつ大きな変革を果たしたことがあります。
障害者領域にかかわる、抜本的な制度改革に着手したことです。

12月に開設された「障がい者制度改革推進会議」では、毎回厳しい討論が展開されています。
そして、4月27日(火)には同会議のもと「総合福祉部会」がスタートしました。
メンバーは、関係有識者・障害当事者ら55名に及ぶ、とんでもない大きな会議です。
障害者自立支援法に替わる「障害者総合福祉法」の制定、障害者基本法の改正、障害者差別禁止法の制定、障害者権利条約の批准、という大きな課題を背負っています。

初めに推進会議担当大臣である福島瑞穂大臣と、山井和則政務官が挨拶しました。
(精神医療についても明るい山井さんのブログは結構面白くて、本にもなっています)
東推進室長からのメンバー紹介のあと、佐藤久夫委員(日本社会事業大学教授)が部会長に選任されました。
副部会長には尾上委員(DPI事務局長)と茨木尚子委員(明治学院大学教授)を指名。
推進会議とこの総合福祉部会との関係や、今後のスケジュール、会議の進め方について、冒頭から異論も出て、まさに嵐の船出の予感…。

結局、55人という大所帯なので、今回は当事者・家族委員を中心に5分間ずつの意見表明がされるに止まりました。
精神保健福祉関係の委員の発言を中心に、いくつかピックアップして紹介させて頂くと…


○氏田照子委員(日本発達障害ネットワーク副代表)
「発達障害者支援法ができて、発達障害は認められてきたが、まだ不十分。福祉法の障害概念の中に発達障害をきちんと入れてほしい」

○大久保常明委員(社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会常務理事)
「制度改革のロードマップや、総合福祉法への道筋を明らかにし、今できることは法改正してでもやるべき」

○小田島栄一委員(ピープルファースト東久留米代表)
「地域生活を実現していくには、見守り介助がぜひとも必要」

○尾上浩二委員(NPO法人障害者インターナショナル日本会議事務局長)
「権利条約や民主党のプロジェクトチームの文書についても、資料とすべき。脱施設の目標に向けた立法化を」

○川崎洋子委員(NPO法人全国精神保健福祉会連合会理事長)
「精神保健福祉法を改正して、医療と福祉を分離し、精神医療法は医療法に統合、精神障害者福祉法は障害者総合福祉法に統合して、保護者制度を撤廃する必要がある」

○北浦雅子委員(社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会会長)
「重度障害者の親たちは施設がなくなるのではないかととても心配しており、署名活動をしている」

○中西正司委員(全国自立生活センター協議会常任委員)
「国庫負担の上限を廃止し、介護保険優先の原則を見直すべき」

○野原正平委員(日本難病・疾病団体協議会副代表)
「諸外国と比べ、日本は長期慢性疾患を福祉の中で位置付けていない」

○東川悦子委員(NPO法人日本脳外傷友の会理事長)
「高次脳機能障害の人たちはいまだに制度の谷間におかれているので、発達障害・難病とともに法の定義に明記し、障害としてきちんと認めてほしい」

○福井典子委員(社団法人日本てんかん協会常任理事)
「てんかんに対するきちんとした法的位置付けと、教育現場での理解を深めるという取り組みが求められている」

○藤井克徳委員(日本障害フォーラム幹事会議長)
「当面の緊急課題と今後の政策については分けて論議すべき。自立支援法訴訟の基本合意などをベースに、きちんとデータを集めて行うことが必要」

○山本真理委員(全国精神「病」者集団)
「精神障害者が治安の対象とならないようにすることが重要。心神喪失者医療観察法は即時廃止されるべき。精神保健福祉法を廃止し、強制入院廃止に向けた地域での支援体制を整備していくべき」

○広田和子委員(精神医療サバイバー)
「精神障害者社会的入院の解消がまったく進んでいない。社会的入院者は7万人どころか20万人くらいいるのでは。なによりも住居と所得保障が必要」

○三田優子委員(大阪府立大学准教授)
「入所施設や精神科病院での社会的入院・入所者の、地域移行のための具体的な政策が必要であり、その実態を調査することが重要。地域生活支援におけるマンパワー確保が急務」


意見発表後、厚生労働省から「平成23年度に実態調査を行いたい。総合福祉部会長と副部会長、行政担当者らによるワーキンググループを作り、議論を進めていきたい」との提起がありました。
これに対して「当事者が少ない」「もう少し方向が決まってからの方が良い」などの疑問の意見も。
終了時間も80分超過しており、次回までワーキンググループは行わない、ということで全体の合意を得て散会となりました。

当日、僕がその場にいた訳ではないので、上の発言記録は不正確かも知れません。
当日の出席者のメモ、配付資料、配信動画等から、上のようにまとめられると思います。
(ご本人の意図に反する要約をしてしまっていたとしたら、ごめんなさい)

次回は5月18日(火)に開催されるそうです。
5月末までに緊急対策案をまとめ6月の会合で検討、7月から来年度予算案に盛り込む案件として詳細を詰める方針とのことです。

55人の部会とあって、配布された意見表明等の資料だけで、69本あります。
当日配布の資料(PDF)や当日の模様の動画も、ネットで配信されています。
下記のアドレスから、ぜひご覧になって下さい。

精神保健福祉領域に止まらず、障害者施策がドラスティックに変わるかどうかの大舞台になります。
これで何も変わらなければ、あと半世紀、日本は何も変わらないかも知れません。
なんとか新しい時代の扉を、今度こそ開けて欲しい…、そう願います。


★部会委員名簿:http://www.nginet.or.jp/jdict/100412_7th/sougoufukushibukai010412.pdf

★会議配布資料:http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sougoufukusi/2010/04/0427-1.html

★インターネット中継録画(YouTube):http://www.youtube.com/watch?v=wHc86fqLg0U



※画像は、今朝の青葉繁れるキャンパス風景。雑木林に囲まれた校舎です。

スキルアップ講座2010前期

2010年04月28日 10時01分42秒 | イベント告知
日本社会事業大学では、福祉職のリカレント教育に力を入れています。
専門職大学院そのものが、もちろんリカレント教育機関な訳ですが、
その授業の一部を公開したり、別枠で講座を開いて公開しています。

最近は、色んな現場の実践家にお願いして、話題提供してもらって、
チェーンレクチャー方式で、ひとつのテーマを深めていくスタイルも多くなっています。
個々の経験を大事にして、地に足の付いた実践理論構築を目指す場とも言えそうです。

昨年度は僕の担当でしたが、今年度は矢部正治さんが全体をプロデュースしてくれました。
内容的には、新しい手法や基本的なスキルの振り返りなど、現場実践に役立つ講座を準備しています。
受け身で受講するだけでなく、ぜひ、新たなネットワーク形成と実践につながる場になればと思います。

とりあえず、前期に開催の「スキルアップ講座」と「福祉マイスター道場」の予定をお伝えします。
後期の開講講座と「福祉経営塾」の内容は、改めて7月頃にアップします。
どうぞ、大学という場を、自分自身のために使ってください。


【2010年度前期 スキルアップ講座】

◆児童福祉実践の最前線(1)
 
コーディネーター:宮島 清(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
講師:早川進(情緒障害児短期治療施設嵐山学園、児童精神科医)
高山恵子(NPO法人えじそんくらぶ、代表)
須藤三千雄(埼玉学園、施設長)
齋藤美江子(東京都児童相談所、児童福祉司)ほか
5月14日・21日・28日、6月4日
毎週金曜日18時00分~21時10分
清瀬キャンパス、60名、5,000 円

◆児童福祉実践の最前線(2)

コーディネーター:宮島 清(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
講師:佐藤恭子(川越駅前弁護士事務所、弁護士)
河西俊文(元家庭裁判所書記官、専門職大学院6期生)
高橋清顕(障害者地域生活支援センター歩歩、相談支援専門員)
山崎晃史(ハロークリニック発達相談室)
中島理子(元保育所子育て支援担当、専門職大学院5期生)、ほか
6月11日・25日、7月2日・9日
毎週金曜日18時00分~21時10分
清瀬キャンパス、60名、 5,000 円

◆社会福祉実践の最前線

コーディネーター:矢部正治(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
講師:池田恵利子(いけだ後見支援ネット)
中井裕真(日本ユニセフ協会広報室)
山村 睦(日本社会福祉士会、会長)
小山晴義(国立市社会福祉協議会)
竹村睦子(たけむら社会福祉士事務所、専門職大学院2期生)
粟屋友恵(府中刑務所、ソーシャルワーカー)
5月15日・29日、6月12日
毎週土曜日13時00分~17時10分
清瀬キャンパス、60名、 5,000 円

◆事故防止法

講師:鳥海房江(NPO法人メイアイヘルプユー事務局長)
6月20日(日)、7月4日(日)
10時00分~17時00分
清瀬キャンパス、80名、 10,000 円

◆実践・施設環境づくり講座:現場から取り組もう!“認知症高齢者への環境支援”

講師:児玉桂子(日本社会事業大学社会福祉学部、教授)
7月20日(火)・21日(水)
10時00分~17時00分
清瀬キャンパス、40名、10,000 円

◆ソーシャル・スキルズ・トレーニング
 
講師:佐藤さやか(財団法人精神・神経科学振興財団リサーチレジデント、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会復帰相談部外来研究員)
9月4日(土)・5日(日)
10時00分~17時00分
清瀬キャンパス、40名、 10,000 円

◆ソーシャルワーク面接技法

講師:長沼 葉月(首都大学東京 都市教養学部、准教授)
   古屋 龍太(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
9月11日(土)・12日(日)、9月23日(祝)、11月3日(祝)
10時00分~17時00分
清瀬キャンパス、40名、20,000円

◆ソーシャルワーク実践講座:人を理解する~アセスメントの基本と展開~

講師:渡部 律子(関西学院大学、教授)
   奥川 幸子(日本社会事業大学専門職大学院、客員教授)
9月18日(土)
10時00分~17時00分
清瀬キャンパス、200名、 6,000円


【2010年度前期 福祉マイスター道場】

◆移住者・移民・多文化家族支援のソーシャルワーク

コーディネーター:山口幸夫(日本社会事業大学社会事業研究所アジア福祉創造センター、特任准教授)
ヴィラーグ・ヴィクトル(日本社会事業大学社会事業研究所アジア福祉創造センター、研究員)
講師:鶴田光子(聖マリアンナ医科大学・川崎市立多摩病院、ソーシャルワーカー)
南野奈津子(日本社会福祉士会滞日外国人支援委員会・副委員長、日本国際社会事業団・ソーシャルワーカー)
田中良幸(東京都杉並児童相談所・児童福祉司)
西本マルドニア(カラカサン共同代表)、ほか
6月9日、16日、23日、30日
毎週水曜日18時30分~21時40分
文京キャンパス、40名、 10,000 円


専門職大学院の時間割

2010年04月26日 19時15分24秒 | 専門職大学院
専門職大学院のカリキュラムは、1週間びっしりです。
社会福祉士受験資格も得ようとする人にとっては、文字通り朝から晩まで。
1年間履修制では、もう飽和状態に達している感もあります。

この過密な時間割、もう少しなんとかならないものか、とも思うのですが。
歴代の院生たちの要望も入れながら、年々科目も増える一途で。
ようやく形になってきた今の時間割を、そうそう縮小する訳にもいかず…。

でも、現職を継続しながらの長期履修生(2年制)が増えてきているので、いよいよ転換期かも。
本来の専門職大学院の形に、むしろこれから移行して行くのかも知れません。
参考までに、先々週の1週間の時間割を記しておきます。

4月12日(月)
Ⅰ~Ⅱ時限 「地域福祉論」(鷹野吉章)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ソーシャルワーク面接技法」(長沼葉月、古屋龍太)

4月13日(火)
Ⅰ~Ⅱ時限 「ソーシャルワーク理論」(山下英三郎)
Ⅲ~Ⅴ時限 「インタープロフェッショナルワーク」(大塚眞理子・木戸宣子)

4月14日(水)
Ⅰ~Ⅱ時限 「ソーシャルワーク基礎実習指導」(宮島清)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ソーシャルワーク基礎演習」(矢部正治、木戸宣子、宮島清、古屋龍太)
Ⅵ~Ⅶ時限 「プラクティカルソーシャルリサーチ」(藤井賢一郎)

4月15日(木)
Ⅰ~Ⅱ時限 「ソーシャルワークの思想と価値」(大橋謙策)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ソーシャルワーク演習Ⅰ」(若穂井透、今井幸充、植村英晴、木戸宣子、宮島清、矢部正治、古屋龍太)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ビジネスマネジメント演習Ⅰ」(田島誠一、新津ふみ子、長谷方人、藤井賢一郎)
Ⅵ~Ⅶ時限 「組織心理・行動論」(藤井賢一郎)

4月16日(金)
Ⅰ~Ⅱ時限 「人権と倫理」(坂口順治)
Ⅲ~Ⅳ時限 「人権と倫理」(高野範城)
Ⅵ~Ⅶ時限 「組織心理・行動論」(藤井賢一郎)

4月17日(土)
Ⅰ~Ⅱ時限 「人権と倫理」(高野範城)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ソーシャルワーク演習Ⅱ」(若穂井透、今井幸充、植村英晴、木戸宣子、宮島清、矢部正治、古屋龍太)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ビジネスマネジメント演習Ⅱ」(田島誠一、新津ふみ子、長谷方人、藤井賢一郎)

この1週間で、授業は、合計13科目41コマ!
Ⅰ時限~Ⅶ時限まで受講すると、朝9時から夜9時40分まで、座りっぱなしです。
これに、往復の通学時間と、自宅でのレポート作成もあるわけですから…。
最初の1週間で、結構もうヘロヘロになっている院生も見受けられます。

その週によって、時間割は異なるので、先週は更に、次の5科目がスタートしました。

金曜日
Ⅲ~Ⅴ時限 「アセスメント方法論」(奥川幸子、矢部正治)
Ⅵ~Ⅶ時限 「ベイシックアカウンティング」(藤井賢一郎)

土曜日
Ⅰ~Ⅱ時限 「福祉アドミニストレーション理論」(田島誠一)
Ⅰ~Ⅱ時限 「ソーシャルワーク実践理論Ⅱ」(木戸宣子、木幡伸子)
Ⅲ~Ⅴ時限 「ジェネリックソーシャルワーク」(高橋重宏)

院生も過酷ですが、教員の授業負担もかなりのものです。
幸い、僕自身は、今年度前期は、受け持ち授業が少なめ(最大週12コマ)で助かってますが。
今のうちに、溜まってる宿題、少しでもこなしておかないと、あとが悲惨に…。

そんな、わが国唯一の福祉専門職大学院ですが、やる気と体力のある方は、どうぞチャレンジしてみて下さい。
なんだかんだ言っても、皆さん、通いきって単位も納め、卒業していっています。
人間って、環境に順応して、力強くなれるんですね~。
(^_^)/~

アボバーグ精神看護学

2010年04月23日 18時53分31秒 | 大学という場所
雪が降ったかと思えば、真夏日になったり、日々、四季の感覚が壊れそうです。
東京近郊の日中気温、一昨日は7度、昨日は26度、今日はまた8度…。
毎朝出かけるとき、何を着ていったら良いのか、わからなくなります。
玄鳥至り、鴻雁北る卯月、渡り鳥も北へ行ったり、南へ行ったりしてるんでしょうか?
皆さんの地域は、どうですか?



今日は午前中、国立看護大学校へ行ってきました。
4年生91名を対象とした、高度先駆的医療看護(精神神経看護)の講義です。
高度先駆的といっても、そんな大したことが話せるはずもなく…。
「病院と地域を結ぶ『連携』~PSW、地域移行、自立支援~』と題して、
PSWの仕事の内容や、地域の支援機関、退院・地域移行の現状など紹介した程度ですが。

それでも、地域の活動や支援内容は、看護を学ぶ学生たちには、結構新鮮だったようです。
PSWが大事にしてきたPIS(状況の中の個人)という視点は、どれだけ伝わったでしょうか。
ICF(国際生活機能分類)を引用しての整理は、わかりづらかったかも知れません。

お話し自体は、お約束の90分で、なんとかかんとか納めたのですが…。
開始が5分遅れましたし、本来設けるべき質疑応答もできぬまま、授業定刻5分遅れで終わりました。
時間配分も甘く、内容を盛り込みすぎて、散漫になった印象は否めません。
画像を含めてですが、パワポ158枚というのは、ちょっと無理がありました。
聴く側からすると、視覚的イメージは得られても、フラストレーションが溜まってしまったかも知れません。

教員稼業3年目、まだまだビギナー、未熟です。
後日お届け頂く、学生たちのリアクションペーパーを拝見して、また考えたいと思います。
学生の皆さん、お疲れ様っ!
(^_^)



授業終了後、精神看護学の先生方と、デニーズに昼食に行きました。
チェーン系の、いわゆるファミレスに入ったのは、かなり久しぶりです。
国立看護大学校の人たちは、身近にあるせいか、かなり頻回にお越しのようで。
周囲に何も店のない社大との食生活の差が、歴然と出てしまいました(悲)。

早速、テレビの「帰れま10」で見た、来店客ベスト1のメニューをオーダーしました。
アボガドハンバーグ2010+洋食セット+ホットコーヒー。
周囲ぐるりと、美女教員5名に囲まれて、とても美味しく頂きました。

しかし、国立看護大学校に大井徹さんのファンがいるとは、思いませんでした。
知る人ぞ知る、江戸川区の人ですが、彼のエピソードで、すっかり盛り上がってしまって。
彼の存在そのものがインパクトあるだけでなく、周囲を癒してくれるんですね。
大井さんを知らない人まで、「お会いしてみたい」と興味を持ってしまったみたいです。
そのうち、大井徹さんを清瀬にお招きして、美女との酒席を設けなければいけない感じです。

かなり賑やかにお喋りしてたので、騒がしいお客さんになってしまったかも。
にもかかわらず、求めに応じて「デニーズお得クーポン」を笑顔で用意してくれた、ウェイトレスの渡辺さん、ありがとう!

教授の天谷真奈美さん、どうもごちそうさまでした!
憧れだった、アボガドハンバーグ2010、体験することができました。
(^o^)

講師の長田里絵さん、色々とご調整ありがとうございました!
新任教員1年目って、本当に大変ですけど、頑張って下さいね~!
(^_^)v

精神保健福祉ゼミ、始動!

2010年04月19日 09時02分40秒 | 専門職大学院
新しいゼミが、土曜日スタートしました。
専門職大学院の、精神保健福祉専攻ゼミです。

僕が着任早々の一昨年(5期生)は、院生2人でした。
研究室でコーヒー飲みながら、まったり3人でやってました。

去年(6期生)は、7人でした。
色んな生活史と実務経験を持つ者同士、色んな所へ一緒に出かけました。

今年(7期生)は、なんと11人です。
実に多種多様なメンバーが集まりました。

精神保健福祉士がいます。
保健師がいます。
これから資格を取る人もいます。
まず、社会福祉士を目指す人もいます。

精神科病院で仕事をしている人がいます。
保健所で仕事をしている人もいます。
作業所で仕事をしている人もいます。
まだ、この領域での実務経験が全く無い人もいます。

今年入学の1年制の人もいます。
現職を継続しながらの、長期履修2年制組もいます。
昨年度入学の長期履修組、事情あっての留年組もいます。
既に卒業した上での、修習生もいます。

年齢は、24歳から59歳。
20代、30代、40代、50代、まんべんなくいます。
平均年齢は、いくつになるのでしょう?
ちなみに、女性7人、男性4人です。

退院・地域移行支援を、テーマに掲げる人もいます。
早期発見・早期介入を、テーマに掲げる人もいます。
アディクションのグループを、考えている人もいます。
まだ、決めかねていて、迷っている人もいます。

みんな、色々です。
本当に人生色々、専門職も色々。
この多種多様さが、専門職大学院らしさなのでしょう。
この異種交配・力動関係・相互作用から、どんなゼミが展開されることになるのか…。
今から、楽しみな1年です。

今日は、各自の自己紹介で終わりました。
質疑応答含め、一人15分~20分程度で話してもらいましたが、
それだけで午後1時から夕方6時15分まで。
途中10分休憩×2回を含め、約5時間超。
みっちりお互いに語り、お互いを知る、半日でした。

次回から、早速それぞれの年間学習計画書の検討に入ります。


※画像は、桜舞い散るキャンパスの中庭。花びらまでは見えないですね。

鬼っ子PSW、世に憚る

2010年04月16日 11時31分26秒 | PSWのお仕事

大学の教員は、年度ごとに「教育・研究業績リスト」というのを出さなきゃいけません。
昨年度、自分が書いたものを整理していたら、こんなのが出てきました。

学内の小冊子に書いたものですが、ここに再録しておきます。
たぶん、版元著作権とか、問題はまったく無いはずなので。

日本社会事業大学のPSW課程10周年に寄せて、書いた駄文ですが。
PSWを志す、若き学徒に伝えておきたいことではあるので…。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

「鬼っ子PSW、世に憚る」

PSWは鬼っ子的存在です。
鬼っ子とは、両親に似ない子ども、歯が生えて生まれた子、荒々しい子、というような意味です。
可愛げ無く、親族からも眉をひそめて疎んじられ、なかなか認知してもらえない、異端児と言えます。
残念ながら、PSWの国家資格は、多くの社会福祉関係者に祝福されないまま、誕生を迎えました。
さながら、鬼っ子のように…。

精神保健領域のPSWが独自資格を求めることについて、社会福祉関係者から厳しい批判がありました。
先行している社会福祉士を、保健医療領域についても基礎資格とするべきで、むしろ対象者に患者を含まないという限定を解除すべきという意見が、当時のMSW協会の主流の意見でした。
会員数百人の弱小PSW協会も、当初はSW共通の統一資格を求め、MSW協会を窓口としての国家資格化を考えていました。

当時のSWたちが、ジェネリックなSW資格に統一すべきというベクトルは、理念としては正論であったと思います。
社会福祉学の名だたる大学の先生からも、PSW単独資格化について諭され、皮肉を言れ、不快感あらわに哄笑もされました。
でも、現場のPSWからすると、そういった上から目線の意見は、どうしても現実から遊離した高見の評論と感じられました。
PSWたちは、社会福祉の専門職としての価値を追究しながらも、目の前の当事者を支え、寄り添う現実路線を優先させたとも言えます。

この国の100年に及ぶ精神障害者の隔離収容政策は、ようやく脱施設化に向けての転換期に入りつつありました。
しかし、一方で、劣悪な環境の精神病院の中で年々高齢化が進行し、棺桶に入って退院する人(ガンバコ退院)の数がどんどん増えようとしていました。
他障害に比べて社会資源も乏しい中で、PSWたちは薄給の中で自ら出資し合いながら、それぞれの地域で支援する新たな資源開拓を進めて行きました。
厳しいY問題への対応を踏まえて、「精神障害者の社会的復権」を自らの専門職アイデティティに掲げたPSWからすれば、国家資格化による現場へのPSW配置こそが突破口であるという方針は、当然の結論であり唯一の戦略だったと思います。

当時東京PSW協会の代表として、単独立法化路線を決議する日本PSW協会の臨時総会の議長を担いましたが、それはPSW自身にとっても、苦渋の選択でした。
大野和男理事長(当時)が進軍ラッパを吹く中、国家資格化の国会請願行動を進めましが、突如国会が解散になったり、他職種団体との力関係の中で、政治的に翻弄された時もありました。
同僚や他病院のMSWからも、罵倒されたり恫喝されたり、はたまた「PSW国家資格化を推進する、あなたの担当する患者は受け入れられない」と理不尽なことを言われたり…。
SWらしからぬ、激しいネガティブな感情表出が横行する中で、とてもスリリングで得難い人生体験を、個人的にはさせてもらいました(笑)。

そんな経緯の中で精神保健福祉士法が制定され、この大学に、この国最初のPSW課程が設けられました。
今から11年前のことです。
PSW国家資格化に諸手を挙げて賛成という雰囲気が無い大学の中で、課程開設に携わった寺谷隆子初代主任教授のご苦労は、並大抵のことではなかったと思います。
あくまでも現場PSWの出身ですし、大学という不慣れな環境の中、針のむしろのような状況の中で、学生たちとPSW養成教育の素地を築き上げて頂きました。

そんな鬼っ子PSWの養成校も、今や全国で150校を超えます。
毎年7千名の国試合格者を輩出し、計4万人が資格登録をしています。
多くの現場にいたPSWらが、教員に転身し、後進の育成に取り組んでいます。
鬼っ子的存在のPSWの職務領域は、今やどんどん拡大しています。
もはや、狭い精神医療領域や地域の福祉施設に止まらず、行政や司法の領域にもPSWが配置され、学校・職場・家庭等のメンタルヘルス領域等に、PSWは活動の場を拡げています。
新しい領域でも、多くのPSWらが四苦八苦試行錯誤しながら実践し、周囲の評価を獲得してきています。
病む個人の変容を求めるだけでなく、苦しみ悩むひとを状況の中で支え、環境を調整し変えてゆくSWの視点と行動が求められています。

鬼っ子は異端ですが、既存のシステムや時代の矛盾を察知し、変えていく力を秘めていす。
時代状況と格闘し、時代を変え、時代を切りひらいていく異端児は、とても大事な存在です。
社大のPSW課程は、そういった福祉の世界での鬼っ子たちを全国に先駆けて輩出してた歴史を、誇って良いと思います。

まだまだ、精神医療の現場には、人権意識の乏しい驚くような出来事がたくさんあります。
PSWの活動領域が広がると言うことは、残念ながら、それだけこの国が病んでいることの証でもあります。
誰もが行き詰まりを感じ、希望に欠け、閉塞感の漂うこの国で、PSWの果たす役割はより大きなものになっています。

若いPSWの諸君が、多くのユーザーと手を携えながら、積年の負債を払拭して、新しい希望に満ちたコミュニティでの実践を展開されることを祈ります。
そして、実践で得られた体験を言語化する努力を怠らず、経験として他者に伝え、広く共有していくことを期待します。
社大という場で学んだことを、誇りを持って次の世代に語り継いで欲しいと、切に願っています。

(「日本社会事業大学精神保健福祉士課程10周年記念誌」36~37ページ、2009年12発行、再録にあたり一部語句を修正)

PSW求人情報(2)

2010年04月12日 19時13分37秒 | PSWのお仕事
「特定非営利活動法人ミュー」で、PSW(精神保健福祉士)の急募です。
常勤職員と非常勤職員、各1名ずつの募集です。

ミューは、東京都武蔵野市にある法人です。
1991年に誕生した、精神障害者作業所「ワークショップMEW」が母体です。
1997年に「就労支援センターMEW」を開設しました。
さらに、地域生活支援センターの「ライフサポートMEW」も運営しています。

「就労支援センターMEW」はクラブハウスモデルの作業所です。
したがって、工賃の出る作業は無く、過渡的雇用による支援プログラムを行っています。
福祉的就労よりも、一般就労をめざしてのデイプログラムが組まれています。
作業能力の向上でなく、就労を視野に入れたリカバリーを主眼に置いているところです。

当初、井之頭病院のPSWだった廣江仁さんが所長をしていました。
僕が東京PSW協会の会長をしていた時に、事務局長として会の運営を仕切ってくれていまた。
彼が一昨年、故郷の鳥取に帰ることになり、所長は島津屋賢子さんに引き継がれています。
そして現在、東京PSW協会の事務局は、この「就労支援センターMEW」に置かれています。

東京のPSWたちの交差点にもなっている、この場所で、働いてみる気のある方はいませんか?
島津屋さんがバーンアウトしないように、ご支援ご協力をお願いします。
お問い合わせ、応募は、直接下記にお願いします。


★就労支援センターMEW 精神保健福祉士急募!!
採用予定日 平成22年5月15日(応相談)
就業場所  精神障害者共同作業所 就労支援センターMEW(東京都武蔵野市)
業務内容  精神障がいのある人の就労支援
雇用形態   正規職員
雇用期間   常雇(試用期間3ヶ月)
就業時間   9:00~17:00
時間外業務   有
賃金形態  給与月額 163,400円~(4年生大卒未経験基準) 
 経験年数に応じて初任給経験加算があります。
 手当(調整・住宅・資格・扶養・通勤)
 昇給:年1回 賞与:年3回(4.25ヵ月分)
休日  土・日・祭日・夏季・年末年始休暇
保険  健康・労災・厚生年金・雇用保険・介護保険、退職金制度:有
応募資格  精神保健福祉士資格所持者。弊所の過渡的雇用プログラムには清掃作業
 があります。体力と熱意のある方を希望します。
募集人数  1名
応募方法  履歴書、自己紹介書800字程度(書式問わず)を下記へお送り下さい。
         4月30日必着。書類選考後面接のご連絡をいたします。
問合せ先  特定非営利活動法人ミュー 就労支援センターMEW (担当:島津屋)
 〒180-0013 東京都武蔵野市西久保1-6-25西川ビル301
         TEL:0422-36-3577

★就労支援センターMEW 事務的非常勤職員急募!!
採用予定日  平成22年5月10日(応相談)
就業場所   精神障害者共同作業所 就労支援センターMEW(東京都武蔵野市)
業務内容   精神障がいのある人の就労支援  
雇用形態  非常勤職員
雇用期間  一年契約(更新あり) 就業時間 10:00~17:00(応相談)
時間外業務  原則なし
賃金形態  時間給 1000円~ 
 法人規定により経験年数に応じて時間給を決定いたします。
休日  土・日・祭日・年末年始
保険  労災・雇用保険
応募資格  週2~3日勤務が可能な方。
 精神保健福祉士資格所持者、給付請求事務及び施設会計事務経験者優遇
募集人数  1名
応募方法  履歴書、職務経歴書、自己紹介書800字程度(書式問わず)を下記へお
 送り下さい。4月30日必着。書類選考後面接のご連絡をいたします。
問合せ先  特定非営利活動法人ミュー 就労支援センターMEW (担当:島津屋)
 〒180-0013 東京都武蔵野市西久保1-6-25西川ビル301
 TEL:0422-36-3577


※画像は、大学の自動販売機。記事とは全く関係ありません。


新入生がやってきた

2010年04月07日 10時55分36秒 | 専門職大学院
4月5日(月)

2010年度入学式。
前年と比べても、地味なリクルートスーツ姿が圧倒的に多く、
真面目で真剣なまなざしが、とても印象的でした。
式典の間、私語も全くなく、舞台上の挨拶に集中して聞き入っていました。

新任の橋重宏学長(前・東洋大学社会学部長)の式辞。
新入生(大学院・学部合わせて301名)の紹介。
長尾立子理事長(元・法務大臣)の挨拶。
厚生労働省の清水美智夫社会・援護局長の挨拶(代読)。
教育後援会、同窓会からの挨拶。
社会福祉士会会長等、来賓のご紹介、祝電の披露。
在校生代表・自治会委員長の挨拶。
最後に、一同起立して校歌斉唱して終わりです。

例年だと、講堂前の桜をバックに記念撮影になるのですが、残念ながら雨。
記念撮影は、講堂の中で、大学院研究科・学部学科ごとに撮りました。

午後は、専門職大学院のガイダンス。
専門職大学院は今年、7期生61名が入学。
各コース、各ゼミの担当教員が、新入生の前でプレゼンテーションをします。

ケアマネジメントコースは、例年、高齢者領域の院生が多くて、半数を占めるのですが。
今年は、高齢者、障害者、児童領域、それぞれ1/3くらいずつ。
なぜか一番、児童領域が多いのは、担当教員のマスコミ露出効果でしょうか(笑)

僕は今回、桜色のパワーポイントでプレゼンしました。
自己紹介、経歴紹介、昨年度のゼミの様子、ゼミ員各自のテーマなど、写真もまじえて。
少し笑いも取りにいきましたが、緊張感ただよう院生達の反応は今ひとつで…。
最前列の教員達には受けていましたが(笑)

夕方からは、小平のあさやけ地域生活支援センターで会議。
地域移行のワーキンググループで、病院のPSWや、当事者、市の職員と。
僕にとっては、今年度前半の大きなひとつのプロジェクトです。



4月6日(火)

専門職大学院、授業スタート。
トップバッターは例年通り、上田敏客員教授の「人間理解」。
9時から16時半まで、4コマ通して、僕も参加させてもらいました。

上田敏さんと言えば、言わずと知れたリハビリテーション医学の大家。
僕が最初に読んだのが「上田・蜂矢の障害構造論」ですから、もう30年前になります。
御年78歳になられますが、衰えはみじんもなく、朗々と講義を進めます。
シラバス(講義要項)も、パワポ資料も、配付資料、記入用紙も用意周到。
語りの言葉は明晰で、濃縮されていて、滞ることなく、全く無駄がありません。
ICF(国際生活機能分類)の解説も噛み砕いて、わかりやすく、目から鱗でした。

講義は、専門職者として人間理解はいかなるものか、問いながら進められます。
「専門職とは?」というブレインストーミングは、面白かったです。
突飛な院生の意見も拾い上げながら、イメージを膨らませます。

昼休みに宿題を課して、午後は、院生個々が全員の前で、自己紹介(経歴紹介)。
本当は「1分間アピール」なのですが、たいてい2分かかっていました。
僕も最後にやらせてもらいましたが、やはり2分。
1分で、自分の出身、経歴、短所、長所を語るのは、やはり難しいです。

この自己紹介のおかげで、教室の雰囲気はふっと和らぎました。
それまでは、皆さん、休憩時間に話す相手もなくシーンとしていたのですが。
喫煙コーナーでは、お互いの経歴を話題に盛り上がってましたし。
新入生同士のコミュニティが、あちこちで生まれつつあります。



4月7日(水)

午前中は「ソーシャルワーク基礎実習指導」。
社会福祉士受験資格を得ようとする人たちの、実習指導の初回です。
今回は、担当教員の宮島清さんにお任せで、楽させてもらっています。

福祉の専門職大学院ですから、社会福祉士や精神保健福祉士の有資格者が多いのは当たり前ですが。
中には、今までまったく福祉と無縁の世界で生きてきた人も受け入れています。
法科大学院も、法学部出身者だけじゃないですよね?
今年も、理系卒の人や、ずっとメーカーの社員だった人といった、一念発起組がいます。
中には、青年海外協力隊にいた人や、全国を放浪していて半ばホームレスだった人まで。
この異文化集団が、どのような相乗効果を及ぼすか、今から楽しみです。

午後は「ソーシャルワーク基礎演習」。
社会福祉士受験資格をめざす一念発起組の皆さんのゼミ、初回です。
今年は、事前のアンケートによると12名。
これから、この12名にとっては、休日返上+睡眠不足の過酷な1年がスタートします。
果たして、どんなゼミになりますことか…。

それでは、授業に行ってまいります!
(^_^)/~

新入生オリエンテーション

2010年04月03日 16時57分56秒 | 専門職大学院
今日は、オリエンテーションでした。
午前9時から、専門職大学院の新入生教務オリエンテーション。

履修要項やら、時間割やら、履修届ほかの書類が配られ、
教務課から、授業の選択履修手続き等について、あれこれ説明してもらい、
教員達からも、コースごとの授業や時間割について、あれこれ説明しました。

専門職大学院に通う院生たちは、多種多様です。
基本は1年制ですが、現職を継続しながらの2年制(長期履修生)がいます。
社会福祉士や精神保健福祉士資格を持っている人もいれば、これからの人もいます。
福祉の世界のベテランもいれば、福祉はまったく初めてという会社員出身の人もいます。
ケアマネジメントコースの人もいれば、ビジネスマネジメントコースの人もいます。

したがって、カリキュラムも多種多様です。
1年間で100科目余りが開講しています。
社会福祉士の指定科目もあれば、専門領域の講義・演習もあります。
講義が中心の授業もあれば、実技と演習をもっぱら行う授業もあります。
福祉専門職としての実務を中心とした科目や、夏と冬には実習もあります。

したがって、時間割も複雑です。
1時限目(朝9時~)から、7時限目(~夜9時40分)まで、授業がみっちりです。
月曜日から土曜日まで、時には日曜日や祝日にも、授業があります。
清瀬のキャンパスが基本ですが、1時間離れた茗荷谷の校舎も使います。
同じ時間帯に、二つも三つも授業が平行して行われている時もあります。

なので、時間割を見ても、よくわかりません。
時間割自体を、そもそもどうやって見るのかが、最初はわかりません。
何色にも色分けされた科目群のうち、どれをどれだけ取ればいいのか、わかりません。
各科目名と担当教員名が細かく書かれていますが、シラバスと照合しなければなりません。
1単位8コマの講義と、1単位15コマの演習が、パズルのように組み合わされています。

3日後には授業も始まります。
5日後には、1冊本を読んで、最初のレポートを出さねばなりません。
だんだん慣れてくると、当たり前のように使いこなしている時間割なのですが…。
今日、オリエンテーションを受けた新入生たち、わかったかなぁ~?
欲張りすぎると、大変な目に遭うカリキュラム、理解してくれたかなぁ~?
(-_-;)

待ったなし、みっちり福祉のシャワー漬けになる1年間が、いよいよスタートします。
頑張れっ!新入生!
踏ん張れ!専門職7期生!

鍵を返す

2010年04月02日 11時34分33秒 | PSWのお仕事

昨日、病院を退職すると同時に、鍵を返しました。
27年前、PSWとして仕事をし始めた時にもらった、病院の鍵。
精神科の、閉鎖病棟の開け閉めに使われる鍵です。

当時の婦長さんから「命の次に大事なもの」と教えられました。
もし、鍵を紛失したら…。
それを拾った人が、病棟の鍵を開けたら…。
患者さんが病棟から出て、外で事故にあったら…。
仮に、それで、患者さんが亡くなるようなことがあったら…。

実際に、そういった出来事があったと聞きました。
鍵を紛失したナースは、責任を感じて、鬱状態になり、自殺を図ったと…。

人の命を預かる者が、自分の命を粗末にしてはいけない。
精神科では、鍵一本が、人の命を左右することを忘れてはいけない。
そういった教えであったと思います。
精神科のリスクマネジメントの、基本に位置づけられる事柄です。

鉄格子と鍵に代表される、昔ながらの精神科の閉鎖病棟。
鉄格子は、内と外を隔て、鍵は、出入りを阻みます。

今や重い鉄扉は少なくなり、軽やかなオートロックの扉に変わりました
カードキーやナンバーキー、キー付きエレベーター構造の病院も増えています。
鉄格子も過去のものとなりつつあり、開かない、割れない窓がとって代わっています。
見えにくく、柔らかな管理の構造に移りつつありますが、閉鎖病棟であることには変わりません。

管理する者と、管理される者を分け隔てる、権力の象徴としての鍵。
それは、アナクロで幼稚なステレオタイプな捉え方かも知れませんが、変わらぬ事実です。

実習生たちが、初めて鍵を開けて、閉鎖病棟に入る時の緊張感。
患者さんたちと病棟で過ごし、出るときに鍵を閉める行為の、やるせなさ…。
将来PSWになる学生たちには、その感覚と初心を忘れないで欲しいと思います。

重い鉄扉をガシャンと閉め、カチャッと鍵を閉める、日々繰り返される一連の行為…。
その行為の意味と重さを、精神科に従事する者は忘れてはならないと思います。

隔離収容政策の現場の代理実行者として、患者さんの自由を拘束する側に立つということ。
意図していなくても、役割構図的には、そのような立ち位置になります。
例え「患者の側に立つ」ことを徹底していったとしても、矛盾は払拭し切れません。

「出たい」患者さんを出さず、「出たくない」患者さんを出す仕事…。
病院のPSWが、そんな自己矛盾を背負うことの象徴が、この鍵です。

精神科病院を退職し、鍵を返しました。
鍵を返すことで、何が解決した訳でもありません。

この病院も、半年後には開放中心の全室個室の病棟に生まれ変わります。
でも、それでこの国の精神科医療の全体構造が変わる訳ではありません。

鍵を返すことで、僕は病院の外の人間になりました。
ようやく、長期在院から脱出し、社会復帰したということでしょうか?
新しい立ち位置で、自分の為すべき事を、続けていきたいと思います。

ブログ2年目、教員3年目

2010年04月01日 10時02分05秒 | ブログのこと
4月1日、今日から新年度。
2010年度のスタートです。



大学の教員になって3年目に突入です。
1年目は新米教員。
2年目は古米教員。
3年目は古々米教員、ということになりますが。
さすがに、古々米はね…(-_-;)
4年目は不良米教員でしょうか?



3月31日付けで、病院PSWも退職しました。
大学に籍を移して、2年間非常勤でやってきましたが。
やはり、中途半端な業務になる印象は否めず…。
後輩PSW諸君も、頼もしく育っていることですし…。
病院の名称・組織変更に合わせ、引退です。
足かけ27年と9ヶ月…。
本日、退職辞令を頂いて来ました。



このブログも、1周年になります。
今日から2年目に突入です。
当初、匿名ブログとしてスタートしましたが、
なんか読む人が読むと、すっかりバレバレのようで…。
むしろ、自由に記し、発信するためには、匿名では無理もあり…。
あきらめて、公開することにしました。
僕の公式ブログとして、育てていきたいと思います。



明日からは、新入生のオリエンテーションが始まります。
2日が、学生生活オリ。
3日が、教務オリ+健康診断。
週明けの5日が、入学式+コース・ゼミ選択オリ。
6日から、もう授業が始まります。
今年は、どんな学生が入ってくるのか、今から楽しみです。
公式ブログに転換したことですし、普段の大学の様子も記していこうと思います。



…という訳で、新年度のご挨拶でした。
龍龍の『PSW研究室』を、今後とも、よろしくお願い致します。

2010年4月1日

日本社会事業大学大学院
福祉マネジメント研究科
 准教授 古屋 龍太