PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

APSWC21開催

2011年07月15日 01時19分37秒 | フォトチャンネル

第21回アジア太平洋ソシャルワーク会議が、本日より開催されます。
国内のソーシャルワーク団体・関係者と、この間準備を進めてきました。

東日本大震災のため、一時、中止か開催かの選択を迫られました。
国際会議を開催する力があるなら、被災地支援に全力を注ぐべきという意見もありました。

海外の関係者からも、参加や渡航を躊躇する声も聞かれました。
地震そのものよりも、福島の原発事故への懸念が、なかなか払拭されませんでした。

結局、災害時におけるソーシャルワークの役割を、この機会に正面から問うこととしました。
被災国だからこそ開催を決行するということを、海外にも発信していきました。

ニュージーランドや中国、インドネシアやフィリピン、パキスタン、バングラディッシュ。
この10年だけでも、アジア太平洋地域で死者・行方不明者1000人以上の大災害は23を数えます。

どの国にとっても、災害は彼岸の他人事ではありません。
それぞれの経験を語りながら、ワーカーにできることを共有できればと思います。

プログラムは、基調講演・全体シンポのほか、多数の特別シンポジウムが組まれます。
「災害とソーシャルワーク」
「ソーシャルワーク国際定義の再検討」
「障がいとソーシャルワーク」
「サービス・デリバリー・システム」
「ソーシャルワーク実習教育」
「アジェンダ・ビルディング」
「アジア太平洋と日本の精神保健福祉」等々…。

国内外24カ国、約600人の参加者が登録手続きを済ませています。
口頭発表の分科会は33セッション126題、ポスター発表も84題寄せられました。

日本精神保健福祉士協会も、ボランティアを含め50名体制で運営にあたります。
なんとか開催にこぎつけた以上、成功させたいと思っています。


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APSWC21(第21回アジア太平洋ソーシャルワーク会議)

■会期
2011年7月15日(金)~7月18日(月)

■会場
早稲田大学 早稲田キャンパス
(大隈講堂、国際会議場、井深大記念ホール、11号館5~8階)
リーガロイヤルホテル東京

■主催
アジア太平洋ソーシャルワーク教育連盟 (APASWE)
国際ソーシャルワーカー協会(IFSW)

■事務局
第21回アジア・太平洋ソーシャルワーク会議 運営事務局
〒102-8481 東京都千代田区麹町5-1 弘済会館ビル
TEL:03-5216-5303 FAX:03-5216-5552  E-mail: apc21@congre.co.jp 

■大会組織委員会

大橋謙策 大会長   ソーシャルケアサービス従事者研究協議会 代表
山村 睦 大会副会長 社団法人日本社会福祉士会 会長
竹中秀彦 大会副会長 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長
笹岡眞弓 大会副会長 社団法人日本社会医療事業協会 会長
鈴木五郎 大会副会長 日本ソーシャルワーカー協会 会長
橋重宏 大会副会長 社団法人日本社会福祉教育学校連盟 会長
白澤政和 大会副会長 社団法人日本社会福祉士養成校協会 会長
谷中輝雄 大会副会長 社団法人 日本精神保健福祉士養成校協会 会長

日本社会福祉専門職団体協議会 (社専協: IFSW メンバー)
社専協は、日本社会福祉士会、日本精神保健福祉士協会、日本医療社会事業協会、日本ソーシャルワーカー協会で構成される日本のソーシャルワーカー連合体で、4団体が一体となって国際活動に取り組んでいます。

日本ソーシャルワーク教育連絡会(ソ教連)
ソ教連は、日本社会福祉教育学校連盟・日本社会福祉士養成校協会・日本精神保健福祉士養成校協会で構成される日本のソーシャルワーク教育機関の連合体です。日本社会福祉教育学校連盟が中心となって国際的活動に取り組んでいます。

■会議テーマ
『ソーシャルワークの新たな地平:共生と連帯』
ソーシャルワークは境界線を超える- 国境を、異文化間を、理論と実践の間を、「熱いハート」と「冷静な頭」の間を。
さらに境界線は、「階級、人種、肌の色、性別、言語、宗教、政治上あるいはその他の見解、国籍もしくは社会的出身地、財産、門地その他の地位」等の間にも引かれている。
これら境界線を超えた共生こそ人間と人間社会の本質・真髄であり、連帯はこれを実現し保障するための必須条件である。
また境界線は、実践、制度政策、学問その他それぞれの分野の間にも引かれている。
これらの境界線を、連帯をもって超えることがソーシャルワークの基本的原理であり、倫理なのである。

■大会プログラム

●1日目(7月15日:金)
14:00 登録デスクオープン
15:30 開会式
16:30 基調講演(17:30まで)
18:00 ウェルカムレセプション(20:00まで)

●2日目(7月16日:土)
08:30 登録デスクオープン
09:00 全体講演
10:30 コーヒーブレイク
11:00 口頭発表・ワークショップ・ポスターセッション
12:30 昼食
13:00 フィールドビジット(18時頃まで)コース情報
14:00 口頭発表・ワークショップ・ポスターセッション
15:30 コーヒーブレイク
16:00 口頭発表・ワークショップ・ポスターセッション(17:30まで)

●3日目(7月17日:日)
08:30 登録デスクオープン
09:00 シンポジウム
10:30 コーヒーブレイク
11:00 口頭発表・ワークショップ・ポスターセッション
12:30 昼食
13:00 フィールドビジット(18時頃まで)コース情報
14:00 口頭発表・ワークショップ・ポスターセッション
15:30 コーヒーブレイク
16:00 口頭発表・ワークショップ・ポスターセッション(17:30まで)
17:30 APASWE総会
18:30 バンケットディナー(21:00まで)

●4日目(7月18日:月)
08:30 登録デスクオープン
09:00 口頭発表・ワークショップ・ポスターセッション
10:30 コーヒーブレイク
11:00 閉会式(13:00まで)

※同時通訳は日本語・英語・韓国語を予定。

※プログラム詳細は、ホームページをご覧ください。
http://www.apswc2011.org/ja/index.html


※画像は、初日の舞台、大隈講堂。僕は、開会式の司会をやる羽目に…。

謝罪と訂正と教訓と感謝と

2011年07月01日 14時13分07秒 | 日々の雑記


「PSW研究室」をご覧になって下さっている皆さん、こんにちは。
当ブログを主宰している、PSWの龍龍です。

5月~6月はとうとう1回も、新しい記事をアップできないまま、過ぎてしまいました。
何回か記事は書こうとしたのですが、なかなか言葉になりませんでした。

依頼を受けた原稿書きの仕事も、まるで中途半端なままストップしてしまいました。
文章を書けない大学教員って、ちょっと使い物になりませんね。

実は、この間、身辺に大きな生活の変化もあり、心に余裕のない日々が続きました。
いずれ、プライベートなその経緯も、時間が経てば、ここに記すつもりですが…。

仕事上も、週に8~13コマの授業をこなしながらの日々なので、余裕がありません。
かかわっている地域の事業等も待ったなしなので、青息吐息の日々です。

自身の寝不足とパワーダウンにより、ブログがストップしてしまっていました。
今も、たいして状況は変わっていないのですが、なんとか復帰を図りたいと思っています。





■1.謝罪

今回の一連の「炎上」については、多くの方々に、ご心配とご迷惑をおかけ致しました。
被災地の一枚の張り紙の存在を記すことで、自身も予想外の展開となってしまいました。

僕自身は、専門職としての自戒を込めて、率直に記しただけのつもりでしたが。
結果として、多くの方々に不快な想いをさせることになってしまいました。

特に、心理職の方々には、不愉快な思いをさせてしまったと反省しております。
また、実際にカウンセリングを受けている方々を、不安な気持ちにさせてしまいました。

僕自身の職場だけでなく、所属学会・協会等にも複数の抗議文を頂いています。
その文言から、カウンセリングを実際に受けている当事者の方と思われます。

自らがカウンセリングを受けている心理職の方への信頼が揺らぎ、不安に思われたこと。
ブログ主宰者である僕への、適切な処分を求めたいと、綴っておられました。

これまでも記している通り、記事の趣旨は、心理職批判を意図したものではありません。
被災地支援にかかわる専門職のかかわり方を、自分なりに述べたものです。

一連のやりとりを通じて、ネガティブな言葉の応酬に傾斜していったのは残念です。
ともすれば、激しい被害的感情表出の場になっていってしまいました。

収束を図れなかったブログ主宰者が、すべて責を負うことなのか、議論はあるでしょうが。
心理カウンセリングのユーザーの方に、とてもショックを与えたことは慙愧に堪えません。

結果として、僕の記事が「風評被害」を招いたのは事実ですので、謝罪したいと思います。
ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありませんでした。

また、自身のプライベートな事情により、記事更新が著しく遅れたことをお詫び致します。
けっして、シカトして意図的に放置していたのではないことは、どうかご理解ください。



■2.訂正

これまで物議を醸してきた記事の一部を、下記のように訂正させて頂きます。
多くの方々のご指摘を受けて、僕自身がごもっともであると考えた部分です。

1)「『心理カウンセラーお断り』の貼り紙」の記事

「…新たな貼り紙が、加わりつつあるようです」という表記
→「加わりました」に訂正

理由
婉曲な表現を心掛けたつもりですが、ネット上の文字列では、過剰な解釈を生みます。
曖昧な表現ゆえに、現在進行形で拡散しつつある事態のように読み取れます。
一地域にあった事実が、被災地すべての場面で起きているかのような印象を与えます。
事実の提示にとどめ、伝聞調の曖昧表現は削除しました。

2)「風評被害の責任の取り方」の記事

「この記事の存在を、何十回も書き込みして、流布して頂いた方がいらっしゃいます。」という文言
→「この記事は、多くの方のリツイートにより、幅広く拡散していきました」に訂正

理由
ツイッターによって、僕の記事が際限なく拡散していったのは、事実です。
しかし、特定の方が意図的に何十回も発信し続けたという事実は、ありませんでした。
僕自身の被害的な受け止め方が、上記のような表現に至っています。
事実に基づき、訂正させて頂きます。

3)その他

その他にも、いくつかご指摘いただいている事柄があります。
順次、記事の表現、文言についても、僕なりに改めて考えたいと思います。

一方で、危惧されていたような事態が、被災地で生じているのは事実のようです。
少なくとも、マスコミの報道を通した記事でも、いくつか取り上げられています。

毎日新聞(5月7日):東日本大震災「心のケア」、2次被害懸念トラブルも
読売新聞(6月22日):被災地 心のケア(5)寄り添う姿勢が原点

このことをもって、自らの正当性を主張するつもりは、まったくありません。
でも、被災地支援に取り組むべき専門職の姿勢は、やはり考え続けるべきと思います。

訂正すべき文言と、批判を受けても訂正してはならない事柄が、あると思います。
自分なりに考えて、対応していきたいと思っています。



■3.教訓

僕自身は、一連の「炎上」を通して、実に多くのことを学ばせて頂きました。
自らの専門職としての立ち位置や、他職種との連携ということも、改めて考えました。

安直な表現の文字列が、他者にどのように受け止められるかということも、痛感しました。
「インターネットの民主主義」ということについても、考えざるを得ませんでした。

ひとことで言えば、「コミュニケーションの難しさ」について考えたと言えるでしょうか。
そのことについては、もう少し考えてから、いずれ記事にしたいと思います。

また、ネットの世界で「あまりに無防備」というご指摘を、何人かの方々から頂きました。
振り返ってみると、確かに無防備ですね、僕は…。

匿名と言いながら、自分の詳細なプロフィールも公開してしまっていますし。
批判を受ける事態になった時には、攻撃材料を提供してしまっていることになるのでしょう。

ネット社会の怖さやルールについて、あまりに認識が甘いというご指摘はごもっともです。
その認識の甘さは、ある種の奢りと、安っぽいプライドから発していたと思います。

僕自身はこれまでに、複数の団体のホームページ造りに関与してきています。
なまじっかな体験が、ネットのこと知らない訳じゃないという想いを生んでいました。

自分が「無知」であることを認めるのは、なかなか辛いことです。
特に、自分の無知が、他の方々に多大な迷惑をかけてしまったとすれば、なおさらです。

認めたくないことを、きちんと認めなきゃいけないと思います。
僕は、やはりネット社会の流儀や礼儀作法に、とても無知であったと思います。

ただし、「無防備」であることは、これからも続けたいと思います。
無防備だから、伝えられることも、伝わることもあると思いますので。

他者からの批判を受けないように、ただ防衛的になってしまっては、何も生みませんし。
多少のリスクは抱えても、名前や顔の見える関係は、追求していきたいと思います。

批判を受け入れられるよう、可能な限り、笑顔で無防備であること。
それは、ソーシャルワーカーにとっても、大事なことなのかなと思っています。



■4.感謝

この間、多くの方々から、暖かい励ましのお言葉を頂戴しました。
「ブログ止まっているようですが、大丈夫ですか?」という気遣いも頂いています。

ブログの炎上自体は、けっして褒められた出来事ではありませんが。
自分が多くの人々によって支えられている存在であることを、実感できました。

僕にとって身近なPSWや学生の方も、書き込みコメントを残してくれています。
でも、実際には、そういった方々のコメントは、割合としてはとても限られています。

コメントすることで、更に煽ってしまっては…という配慮をして頂いていたようです。
多くの知人は、じっと見守るという選択をして頂いていたようです。

そういった無言のご支援にも、感謝申し上げます。
気遣いながら、見守って下さって、本当にありがとうございました。

そして、臆せずコメントを寄せて頂いた方々に、感謝申し上げます。
とりわけ、被災地からのコメントは、匿名とはいえ、本当に勇気がいったと思います。

時に、ネガティブで、いかがかと思われる書き込みもあったのは事実ですが。
それでも、多くの方々が、真摯に記事のテーマに向き合って下さいました。

それだけ、僕たちにとって大きなテーマであるということの表れでしょう。
被災地における支援、専門職の役割、「心のケアチーム」の内実が問われているのでしょう。

真剣に考え、真摯な言葉のコメントを残してくださった方々、ありがとうございました。
このブログがどう展開していくかは未知数ですが、今後もお付き合いいただければ幸いです。





以上、僕自身の現時点における率直な想いを綴らせて頂きました。
改めて、ご意見等ございましたら、お寄せいただければ幸いです。

ブログ記事の定期的な更新には、まだ時間を要するかと思いますが…。
「PSW研究室」を、今後ともよろしくお願いいたします。