PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

院生たちの報告会

2010年02月27日 17時27分26秒 | 専門職大学院

急に暖かくなって、春の訪れを感じさせる、今日この頃。
花粉の飛散も増えて、悲惨な状態になりつつあります。
くしゃみと鼻水が止まらず、ぐしゅぐしゅの涙目です。
春の訪れとともに、マスクとティッシュが手放せなくなりました。

今日は、専門職大学院の中間報告会。
2年制の長期履修生(現職継続型)の院生たちが対象です。
この1年の、自らの実践を通して行ってきたことの発表会。
それぞれの現場(自職場)が背景にあるだけに、報告も課題も極めてリアルです。

先日は、1年修了生の総括報告会がありました。
短い1年間で、言語化して報告するのは大変な作業で、徹夜組も結構いたようです。
それでも、自分の選んだテーマに肉迫し、訴えるものが多い発表会でした。
打ち上げの居酒屋では、居眠りしてしまう院生が3人いました(笑)

これらの報告会を通じて、改めて気づいたこと。
言葉って、やはり本当に大事だなと…。
「ニーズ」にしても、「リスク」にしても、「援助」にしても、「連携」にしても…。
専門職種が、わかった気になって使っている言葉の、なんと危ういことか…。

改めて気づいたことの、2点目。
僕のゼミには、こんなに濃い院生たちが集まっていたのかと…。
個々の生活史も、キャラも、想いも…とにかく、こゆいゼミです(笑)
こういう院生たちに囲まれて、教員としては幸せな1年だったなと…。

今日は、大学の市民公開講座「共生社会をつくる~社会的排除はどう克服できるか」もありました。
ビッグイシュー基金の佐野章二さんをお招きして、ホームレスの排除と包摂を考える講演。
シンポジウム「社会的排除を克服する~子どもと家族の貧困、権利擁護、更生保護の視点から」。
会場の階段教室は満杯で、真剣な熱気に包まれていました。

このあとも、来週3月5日(金)は、社会福祉士実習教育セミナー。
3月6日(土)は、専門職大学院のアドバンスソーシャルワーカーセミナー。
3月13日(土)は、勇退する大橋謙策学長の最終講義。
この間に入試もあるので、大学は最近、毎週イベントだらけです。

ちなみに、今日は、僕の誕生日です。
○○歳になったかは、ご想像にお任せします(笑)
今さらお祝いする感じでもないので、どうでもいいんですけど…。
相も変わらず仕事に追われてますが、実り多い一日でした。

(^_^)/~

PSW求人情報(1)

2010年02月25日 17時38分53秒 | イベント告知
精神保健福祉士の求人情報を一件。
国立精神・神経センター病院(NCNP)で、今、PSWを募集しています。

僕の前職の病院です。
今も非常勤で、週1回(月曜日)だけ働いていますが。
この度、いよいよ、僕の後任も採用して頂く運びとなりました。

但し、非常勤です。
週4日間勤務の非常勤PSW。
正規の職員ではなく、年度ごとの雇用契約になります。
けっして、良い条件ではありません。
賃金も安いし…(-_-;)

でも、病院のPSWとして、キャリアを積みたい人には良いかも。
かなり色々な面で、勉強にはなる現場だと思います。
これから独立行政法人化し、新築の病院へ移行する激動期ではありますが。

かつて、僕もここの非正規職員でした。
週5日勤務の準職員(賃金職員)。
大学出て、PSW目指してプータロー生活をしている時、
たまたま、この病院で、3ヶ月だけの産休代替ワーカーを求めていて。
その女性PSWの産休明け後も、継続していられることになって。
約6年半の準職員生活を経て、正規の国家公務員PSWになりました。

その後、採用された後輩PSWたちも、最初は非常勤での採用でした。
相談室の現任PSWのうち4人が、後から正規採用になっています。
また、ここでの非常勤職を経て、他の病院の正規職員になっている人もいます。
そういった意味では、将来のキャリアアップには、つながる職場かも?
(もちろん本人次第で、担保はできません。あしからず<(_ _)>)

でも、それにしても、賃金はとにかく安いんですよね~(-_-;)
国の機関って、どうしてこんなに安いんでしょう?

僕が勤め始めたのは、もう四半世紀前ですが。
当時、学生でのバイト料の相場が、1日5500円。
それが、この病院に来たら、1日3850円!
友人たちからは「生活保護、申請できるかもよ~?」と励まされ(?)ました。
(ちなみに計算してみたら、生保基準をほんの少し上回っていてダメでした~(^o^))

そんなところですが「よしっ!やってみよう!」という意欲のある方。
締め切りまで、あまり間がありませんが、お考え下さい。

詳しくは、国立精神・神経センターのホームページをご覧下さい。
http://www.ncnp.go.jp/koubo/hospital_26.html


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆


独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院 心理・指導部
医療社会事業専門員(ソーシャルワーカー)(非常勤職員)の公募について

1.職名及び人数
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院(2010年4月1日より移行)
心理・指導部 医療社会事業専門員(ソーシャルワーカー)  2名

2. 採用期間
平成22年4月1日予定

3. 応募資格
精神保健福祉士免許を有する方
(できれば社会福祉士及び精神保健福祉士両方の資格取得者が望ましい)
なお、2010年4月に前記資格取得見込の者も可とする。

4. 求める人材
精神科ソーシャルワークおよび一般科ソーシャルワークについて理解を有し、特に地域生活支援の業務等に熱意のある者。
なお、これまでにソーシャルワーカー業務の経験がある方を歓迎します。

5. 職務内容
療養中の患者の心理的・社会的問題の解決への調整援助業務。
社会資源の調査に関する業務。
入院患者の退院及び社会復帰援助に関する業務。
患者の経済的問題の調整及び援助に関する業務。
他の医療機関との診療に関する連絡調整等の地域医療連携業務。
在宅や地域機関へのアウトリーチ業務あり。

6. 必要書類
(1) 履歴書(写真貼付)
(2) 資格保有者の方は、社会福祉士及び精神保健福祉士の登録証(写)
    *応募書類については当方で責任廃棄とさせていただきます。
(3) 小論文(1,000字以内)
    テーマ「在宅患者の支援とソーシャルワーカーの役割」

7. 書類提出先
〒187-8551 東京都小平市小川東町4-1-1
国立精神・神経センター運営局庶務課人事係長 岩間大勝
TEL 042-341-2711(内線2115)

8. 応募期限及び提出方法
平成22年3月5日(必着)

9. 選考方法
第一次選考(書類審査・小論文)→第二次選考(面接試験)

10. 待遇
(1)身分 独立行政法人職員(非常勤職員)
(2)給与 時給1,230円(予定)、通勤手当
(3)勤務時間 週31時間以内(1週間の勤務日数及び1日の勤務時間は調整可能)
(4)休日 土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始(12/29~1/3)
(5)社会保険等 社会保険、厚生年金、雇用保険を勤務時間に応じて加入

11. 問い合わせ先
〒187-8551 東京都小平市小川東町4-1-1
国立精神・神経センター病院 心理・指導部 医療福祉相談室 漆畑 眞人
TEL 042-341-2711(内線3395)
Eメール urushi@ncnp.go.jp

自分にとっての宿題

2010年02月23日 12時21分55秒 | 日々の雑記


誰にとっても、そうかも知れないですけれど…。

やり残していることが、たくさんあります。


目をそむけ、逃げてはいけなかった、宿題。

本来、先送りにはしてはいけなかった、宿題。

本当は、そのときに仕上げておかなきゃいけなかった、宿題。

いつか手を付けようと思いつつ、未だ果たせていない、宿題。 

いつの間にか、うやむやになって忘れられてしまっている、宿題。

もっと言葉にして人に伝えることを、怠ってはいけなかった、宿題。

自分の中であたため、本来は時とともに熟成させなければいけなかった、宿題。


人にかかわることを生業としていると、仕事で様々な人生に遭遇します。

職業人としての対応と、素の自分の感情の間に、乖離も生じます。

専門職として仕事をしていくための、基本的な統合欲求が生じます。


もう一度、自分の中で振り返り、頭の中で整理したい。

新しい次の一歩を踏み出すために、自分の中で総括しておきたい。

賃金を得るための労働というだけでなく、人生の仕事として確認しておきたい。

日々の日常業務に流され、忙しさの中で見失ってきてしまったものを確認したい。

大事にしたいと思いながら、いつの間にかすり減ってきてしまったものを回復したい。


専門職大学院に来ているひとたちも、同じ想いを抱いていると思います。

そうでなければ、休職や退職までして、改めて学び直そうとは思わないのではないでしょうか?


それは、ある意味で、とても贅沢な時間です。

経済価値を生まない、ただ、学び考える時間。

自分だけの、自分のために使う、自分の時間。


僕も、そういった時間が少しでも欲しくて、大学に来ました。

大学というところは、学ぶための場所ですし。

知の遊びのために、社会が認めた時間と空間ですから。


でも、僕は学生ではなく、教員として、この世界に入ってしまったので…。

当たり前の話ですが、仕事というものは、どこでも待ったなしで。

自分の都合だけで、時間を組むことは許されず、業務に追われています。

組織の一員として、果たさなければならない役割も多々あります。


なかなか果たせないでいる自分の宿題に、いつきちんと取り組めるのか…。

おぼつかないまま、あわただしいうちに、大学教員2年目をまもなく終えようとしています。


土脉潤い起こる雨水

2010年02月19日 09時17分10秒 | 日々の雑記


一昨日は、学部生の後期成績発表日。
取得単位と追試験者の公表がされました。

2年生にとっては、進級と課程選択の分かれ道。
4年生にとっては、卒業できるかどうかの分かれ道。
悲喜こもごもの瞬間でした。

この大学、かなり厳しくて、追試験者がぼろぼろ出ます。
安易に単位を出さないという、厳しい先生が結構いるようです。

追試で頑張らないと、希望の道が断たれてしまいかねないので、
学生たちも、「げぇ~!?」「うわっ!?」「良かった~!」と反応さまざま。
教員としては「来週の追試、頑張ってね~」としか言えません。

(^_^)v




昨日の雪の朝、キャンパスにほとんど学生の姿はありませんでした。
でも、全学教授会があったので、先生たちはほぼオール出勤。
そんな日なので、あれこれ会議やら打合せが目白押し。

朝9時半から夕方まで、昼休みもなく6件の会議が続きました。
それ以外にも、あんなことやこんなことの打合せ。

来年度の時間割編成。
非常勤講師科目の検討。
認定資格の審査。
指定法人の審査。
次期入試の運営体制。
通信教育の入試判定。
学籍異動の審査。
ホームページのリニューアル。
受験資格の審査。
会議規定の検討。
中期計画の協議。
社会人向けの入試対策。
教員の学内異動。
新課程の教員採用。
特任教授の承認。
学会認定資格への対応。
実習施設の開拓。
研究班の日程。

…えとせとら。
いずれも、次の季節への準備に入っています。

大学運営の実務って、本当にやたら色々なことがあります。
小さな単科大学でも、やるべきことは山積み。
事務職員の人たちも、残業しながら青息吐息です。

朝の白い雪景色に囲まれて、ちょっと非日常的な静かなキャンパスでしたが、
日常の時間に追われているうちに、昼にはすっかり雪は溶けてしまいました。
もう少し、モノトーンの静かな風景の中に、身を置いていたかったです。

(^_^;)




今日からは、通信教育科のスクーリングが始まりました。
いつもとは違う顔ぶれの、ちょっと年配の学生たちが登校してきています。
久々の大学での勉強に、キリッとしたいい表情してます。

一方、専門職大学院は、来週が学修総括報告会。
各ゼミ生は、先生方の研究室を訪ねて、個別指導を受けています。
この段階でのダメ出しに、土壇場に追い詰められている院生の姿も。

今日は、僕の研究室も、千客万来になると思います。
オフィスアワーと称しての、個別指導開放日なので。
どんなレポートが持参されるか、楽しみです。

大学って、やはり学ぶ場所なんだなと、最近つくづく思います。
学ぶという目的で、色んな人が行き交う、交差点のような場所。
それぞれの目標に向けて、新たな一歩を踏み出すためのステップ。





今日は雨水(うすい)。

東風氷を解き、鶯鳴き、魚氷を出ずる如月。
土脉潤い起こり、霞はじめて棚引く、この季節。

新しい春の出立を前に、多くの人が、最後の試練を迎えています。

(^_^)

実習指導者養成モデル研修

2010年02月18日 09時17分40秒 | イベント告知

東京は、雪の朝です。
キャンパスも白い雪化粧に包まれました。



昨年11月の 「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」 で、精神保健福祉士の教育内容の見直し案が出されました。
皆さん、もうご覧になっているでしょうか?

社会福祉士のカリキュラム改訂と同様に、学ぶべき時間数が大幅に増えています。
なかでも、演習・実習に、手厚く時間が配分されています。

「演習」時間数は、現行の60時間から90時間になり、1.5倍。
「実習」時間数は、現行の180時間から210時間になり、約4日間増。
これに「実習指導」が、実習の前後に90時間あるので、実習全体で300時間。
さらに実習機関として、精神科病院等での実習が、最低90時間必修になります。

通信教育においても、社会福祉士と同様、スクーリングは「演習」がもっぱらになりそうです。
いわゆる講義系科目は、テキスト等による自宅学習とレポートのみとなりそうです。

背景には、国家資格を目指した知識偏重の、養成教育のあり方への反省があります。
直接的な対人支援サービスを担う職種として、より実践力の高いPSW養成を目指したということでしょう。

単に時間数の増加だけでなく、演習・実習の中身も問われてきます。
学校で演習を担当する教員や、現場の実習指導者も、色々と資格要件を問われるようになります。
大きな違いは、それぞれ認定を受けるための講習会受講が、必須になってくるということです。

来年度からは、そのための正式な実習指導者講習会も、あちこちで行われることになるでしょう。
先行している社会福祉士会は、今年度全国23会場で、各2日間開催していましたね。
同様の取り組みが、日本精神保健福祉士協会にも迫られてきています。

そのための、認定実習指導者養成モデル研修が、今週開催されます。
厚生労働省の補助金を受けた、指導者養成研修プログラム開発事業の一環として行われるものです。
カリキュラム改正後は、国の認定研修として位置づけられる見込みだそうです。

でも、今回はあくまでもモデル講習会ということです。
この研修を修了したからといって、認定者となることはありませんので、ご注意を。

そんな研修まで受けて、実習生を受け入れたくない、という人も多いでしょうけど。
実習指導をする中で、自分自身の実践体験の言語化が促されるということもありますし。
後輩の育成指導も、専門職としてのミッションでしょうから。
PSWとして仕事をしていく以上は、受けなきゃ仕方ないでしょうね。

参考までに、明後日からのプログラムを掲載しておきます。

★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

【精神保健福祉援助実習における「認定実習指導者養成」モデル研修】

日 時/2010年2月20日(土)、21日(日)
参加費/資料代1000円(事前振込)
主 催/社団法人日本精神保健福祉士協会
定 員/各会場100人
    [東日本会場]文京学院大学・本郷校舎
    [西日本会場]神戸女子大学・教育センター

■1日目:2月20日(土)

○開講式・オリエンテーション
○講義「精神保健福祉援助実習指導概論」(90分)
(東日本会場)講師:古屋 龍太(日本社会事業大学大学院准教授/東京)
(西日本会場)講師:安元 紀子(九州環境福祉医療専門学校教務主任/佐賀)
○演習1(60分)

○講義「スーパービジョン概論」(60分)
(東日本会場)講師:田村 綾子(社団法人日本精神保健福祉士協会常任理事/東京)
(西日本会場)講師:今井 博康(北翔大学人間福祉学部生活福祉学科教授/北海道)

○講義「実習スーパービジョン」(90分)
(東日本会場)講師:田村 綾子(社団法人日本精神保健福祉士協会常任理事/東京)
(西日本会場)講師:今井 博康(北翔大学人間福祉学部生活福祉学科教授/北海道)

○講義「実習指導方法論1」(60分)
(東日本会場)講師:川口 真知子(財団法人井之頭病院/東京)
(西日本会場)講師:岩尾 貴(石川県立高松病院/石川)
○演習2(60分)
○懇親会

■2日目:2月21日(日)

○講義「現場実習マネジメント論」(90分)
(東日本会場)講師:金成 透(医療法人社団公悠会所沢慈光病院総合支援室室長/埼玉)
(西日本会場)講師:宮本浩司(医療法人尚生会アネックス湊川ホスピタル事務長/兵庫)
○演習3(90分)

○講義「実習指導方法論2」(120分)※
(東日本会場)講師:尾形多佳士(特定医療法人社団慈藻会 平松記念病院/北海道)
          池谷 進(福祉ホームふえふき/山梨)
(西日本会場)講師:西銘 隆(医療法人社団輔仁会 田崎病院/沖縄)
          森 克彦(財団法人浅香山病院アンダンテ就労ステーション所長/大阪)
○演習4(100分)※
○閉講式

■対象
精神保健福祉士の資格取得後、3年以上相談援助業務に従事した経験のある者
日本精神保健福祉士協会構成員(2009年度までの会費を納めていること)

福祉マイスター道場2009

2010年02月17日 09時33分50秒 | 大学という場所


前回の記事で「スキルアップ講座」を紹介しました。
もうひとつ「福祉マイスター道場」も紹介しておかないとね。

両方とも、現場の専門職向けのリカレント教育講座です。
何が違うかというと、開講している期間が違います。

「スキルアップ講座」は、短期間の集中講座。
だいたい一講座、90分×8コマくらいです。
大学の授業単位としては、1単位に相当します。

「福祉マイスター道場」は、それよりはちょっと長い集中講座。
だいたい一講座、90分×15~16コマくらいのものが多いです。
大学の授業単位としては、2単位に相当するくらいです。

1講座の受講料は、だいたい3万円。
16コマで換算すると、1時間あたり1250円。
これを高いと見るか、安いと感じるか…。

実際に受講して頂いた方々の満足度は、かなり高いようで。
一方的な講義だけでなく、だいたいワークショップ形式で行われるので、
様々な現場で働く人たちの交流も、活発に為されます。
ふだん通う専門職大学院生にとっても、外部の方々と触れ合う貴重な場になっています。

これら以外にも「福祉経営塾」というのもあります。
「科目聴講生」や「単位履修生」、「年間修習生」といった制度もあります。
社会人・専門職のために、なるべく門戸を開放して運営していきたいと思っています。

参考までに、今年度の「福祉マイスター道場」の講座をあげておきます。
もう、みんな終了していますけどね(失礼!)。
また、新年度の開講プログラムが決まったら、お知らせします。


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ 


【2009年度福祉マイスター道場】

Ⅰ.ソーシャルワーク面接技法
  長沼葉月(首都大学東京 都市教養学部、准教授)
  古屋龍太(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
    2009年 9月+2010年1月~2月【終了】

Ⅱ.高齢者ケア最前線
  泉 啓司(社会福祉法人新生寿会小山倶楽部)
  伊藤英樹(NPO法人井戸端介護)
  山本繁樹(立川市南部西ふじみ地域包括支援センター)
  唐木香子(新宿ヒロ・クリニック、MSW)
  宮崎和加子(ガルーダ・サポーターズ事務局)
  服部安子(浴風会ケアスクール、校長)
  今井幸充(日本社会事業大学専門職大学院、教授)
    2009年 9月~10月【終了】

Ⅲ.現代的貧困と福祉
  阿部 實(日本社会事業大学、社会福祉学部長)
  岡部 卓(首都大学東京 都市教養学部、教授)
  平野方紹(日本社会事業大学社会福祉学部、准教授)
    2009年 10月~11月【終了】

Ⅳ.子どもの利益を中心に据えた里親支援ソーシャルワークを学ぶ①
  ~基盤としてのファミリーソーシャルワーク
  宮島 清(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
    2009年 12月【終了】

Ⅴ.子どもの利益を中心に据えた里親支援ソーシャルワークを学ぶ②
  宮島 清(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)
  菊池みどり(養子と里親を考える会)
  林 浩康(日本女子大学人間社会学部、教授)
  兼井京子(東洋大学ライフデザイン学部、講師)
  和泉広恵(日本女子大学人間社会学部、講師)
  木ノ内博道(全国里親会、理事)
  森 和子(文京学院大学人間学部、准教授)
  加藤吉和(鎌倉女子大学児童学部、教授)
    2010年 1月~2月【終了】


スキルアップ講座2009

2010年02月12日 11時19分44秒 | イベント告知


大学というところは、20歳前後の学部生だけを相手にしている場所ではありません。
リカレント教育というのも、大学の大事なミッションのひとつです。
特に、専門職種養成をミッションとする福祉系単科大学では、なおさらです。

リカレント(Recurrent)は、再発・回帰・循環するという意味です。
直訳すると「再教育」とか、「回帰教育」「循環教育」ということになるのでしょうか?
OECD(経済協力開発機構)によって提唱された、生涯教育構想のひとつです。

従来の教育は、だいたい人生の前半に集中し、学校から社会へという方向が当たり前でした。
これに対し、一度社会に出た人の再入学を保障しようというものです。
現に職業に就いている人や引退した人にも、それぞれの状況にふさわしい方法で、
全生涯にわたって教育が受けられるよう、学校教育と社会教育を循環的にシステム化しようとするものです。

一方、文部科学省が、「リフレッシュ教育」という用語で推奨しているものもあります。
リフレッシュ教育は、リカレント教育の一部と言えます。
社会人・職業人が、新たな知識・技術を修得したり、陳旧化していく知識を再生することを目指しています。
職業人を対象に、専門職業人としての知識・技術の向上を目指して、大学院等で行う教育を推進しようというものです。
大学制度改革により、専門職大学院、夜間大学院、社会人特別選抜入試などが展開されるようになりました。

僕の勤務先では、このリカレント教育の場として、専門職大学院を運営しています。
でも、大学院生として1~2年間、丸々授業を受け続けるというのは、大変なことです。

そこで、一部の授業を単発で公開しての「スキルアップ講座」を運営してます。
現場で働く人たちが、関心のあるテーマの授業を、単発で受講するものです。
主に夜間や土日に開講され、1回3時間×4回くらいの設定です。

僕は、なぜか今年度、その企画運営の担当にされてしまって、…いや、させて頂いています(苦笑)。

もう、年度末ですから、あらかたの講座は終了しているのですが。
参考までに、今年あった講座のプログラムを、ここに載せておきます。
有料なので、お金はかかりますが、皆さん、実に熱心に受講しています。

専門職業人の勉強って、やっぱり終わりがない…。
改めて、そんな当たり前のことを痛感させられる講座です。



◆2009年度日本社会事業大学専門職大学院【スキルアップ講座】

○Ⅰ 基本に立ち返る-アセスメントと事例検討の方法を中心に-
  渡部律子(関西学院大学教授)
  奥川幸子(日本社会事業大学専門職大学院客員教授)
  2009年9月【終了】

○Ⅱ 就労支援の実際と専門職の役割
  朝日雅也(埼玉県立大学教授)
  佐藤 宏(元職業能力開発総合大学校福祉工学科教授)
  佐藤優子(JHC板橋社会就労センター・プロデュース道)
  渡辺 潤(大田区役所太田南生活福祉課)
  2009年10月【終了】

○Ⅲ 退院計画と地域移行支援の実際
  古屋龍太(日本社会事業大学専門職大学院准教授)
  木戸宜子(日本社会事業大学専門職大学院准教授)
  2009年 11月【終了】

○Ⅳ 居宅介護支援事例検討会
  國光登志子(立正大学教授)
  2009年 11月~2010年1月【終了】

○Ⅴ 家族療法の基礎と実際
  福山和女(ルーテル学院大学教授)
  萩野ひろみ(文教町クリニックカウンセラー)
  2010年 2月14日(日)・21日(日)【受付終了】

○Ⅵ 高齢期の身体的精神的変化に関する理解と対応~高齢者ケアの新たな課題~
・高齢期の生活障害を科学する
  朝田 隆(筑波大学臨床医学系精神医学教授)
・技術と制度の接点をどうとらえるか
  宇野 裕(本学専務理事)
・高齢期の身体的精神的変化再考―高齢者のこころと認知機能の評価方法
  鏡 千稲(筑波大学人間総合科学研究科疾患制御医学精神医学)
・認知症ケアの諸潮流~回想法とその周辺~
  奥村由美子(川崎医療福祉大学医療福祉学部臨床心理学科准教授)
・福祉施設における医療的ケアの在り方
  島崎謙治(政策研究大学院大学教授)
・若年性認知症の現状と課題
  池嶋千秋(筑波大学人間総合科学研究科疾患制御医学精神医学 )
・高齢者の自殺関連行動の特徴と支援
  野瀬真由美(筑波大学人間総合科学研究科疾患制御医学精神医学)
  2010年2月13日(土)・20日(土)・27日(土) 13:00~16:10
  場所:日本社会事業大学文京キャンパス4階401教室
  受講料:受講1回につき4,000円、全3回一括申込の場合10,000円



※画像は、大学に生息している猫たちです。
 寒い冬は、暖かな陽当たりを求めて、集まってきます。

地域移行の全国事業所調査

2010年02月10日 11時29分40秒 | 精神保健福祉情報
今、退院・地域移行支援事業の全国調査を行っています。
全国でこの事業を受託している全事業所の方々に、調査票をお届けし、協力をお願いしています。

調査は、文部科学省の基盤研究費助成を受けて行われているものです。
「効果のあがる退院促進支援プログラム研究班」という学内共同研究を組織しています。
昨年の春と秋、全国あちこちの事業所に出かけて、聴き取り調査したものをベースにしています。

調査の趣旨は、大雑把にいうと三つあります。

一つは、長期在院患者の退院・地域移行に向けて、どのような取り組みが為されているか、明らかにすること。

同じ事業名でも、自治体によって位置づけも要綱も様々です。
圏域や事業所によっても、取り組まれている内容は実に様々です。
その取り組み内容を例示して、どのような実践が展開されているか、回答してもらうことです。

二つ目目は、この事業に取り組んでいる事業所の皆さんの、実情を集約すること。

各事業所で懸命の努力が重ねられていますが、なかなか実績数は上がっていません。
少ないスタッフで、四苦八苦、試行錯誤を重ねている現場の意見と課題を、明らかにする必要があります。
現場の生の声を集めて、少しでも今後に向けて政策提言していければというものです。

三つ目に、長期在院患者の退院・地域移行が促進される要因を、明らかにすること。

それぞれの事業所での取り組みと、地域移行の実績を、プログラム評価という観点から検討します。
今後、誰が、何を、どうすれば、退院し地域に移行し、定着して安定した生活をする方が増えるのか。
有効な支援プログラムのエビデンスを得ようとするものです。

折悪しく、厚生労働省による事業対象者の全数調査に重なってしまったようで…。
調査用紙の届いた事業所の方は、度重なる調査要請に、うんざりしていることと思います。

でも、この事業は、日本の精神医療の経過を考えると、歴史的意義を持つものです。
PSWにとっても、国家資格化された意味が問われている事業とも言えます。
なんとか成果を上げていくためにも、現場の声を集約して、世に訴えて行く必要があります。

1月末での第1次集約が終わり、予想以上の反応を得られて感謝しています。
多くの事業所の方の、この事業にかける想いが伝わってくるようです。
昨日、第2次集約に向けて、改めて調査協力依頼の葉書を発送したところです。
各事業所の方には、趣旨を理解して頂いた上で、協力をお願いしたいと切に願っているところです。

どうか、よろしくお願い致します!

先生、何してるんですか?

2010年02月03日 18時38分42秒 | 大学という場所

試験期間も終わり、国家試験も終わりました。

キャンパスはどこか、のんびり風景。

これから、まだ補講や実習、実習報告会、総括報告会とか、色々ありますが。

学生や院生は、山を越えた感の、少しまったりした雰囲気で、大学にいます。



「あ~、センセイ~、こんにちわ~」

学生が、かけてくる挨拶も、どこか間延びしているような。

「え~?センセイ~、何してるんですか~?今日?」

何って…あのね…。

(-_-;)

学生からすると、授業もないのに、センセイが大学にいるのは不思議らしいです。

授業がないからといって、センセイは仕事がない訳ではないのだよ。

「今日はね、会議が4つもあるんだよ」と、何も工夫のない返答をすると、

「へ~?なんで会議、そんなにあるんですか~?」と不思議そうな学生。

え?…素朴な疑問だが…う~ん、たしかに…。

なんで、こんなに、会議が多いのだろう?

(^_^;)



そうでなくても、宿題が山積み。

2月中に片付けなければならない、あれやこれやの仕事…。

あちこちの部署からも、外部の機関からも、色んな仕事や依頼が舞い込んで来ます。

自分の仕事の進行管理ができていないと、とても廻りません。

報告書やら、原稿やら、企画やら、調整やら…。

形にして期日までに仕上げていかないと、あちこちに支障が生じてしまうし。

プログラムを同時に作動させていくためには、一定程度の時間とメモリーが必要ですが。

最近は僕自身がキャパ不足で、ともするとフリーズ寸前に追い込まれてしまいます。

(-_-)



時は、金なり。

時間は、創るもの。

タイムスケジュールのセルフマネジメントができていない。

等々…あれこれの叱責が聞こえて来そうですが。

ミヒャエル・エンデの『モモ』を思い出しますね。

時間泥棒に奪われた時間を、取り戻してくれる少女の物語。

致死的退屈症を避けて、人は強迫的に仕事人間になるのでしょうか?

どこか病んでいて、永遠に満足することのない、蟻地獄のような生活はイヤですよね。

(>_<)



これでも結構、僕はきっちりかっちり進行管理している方ですが。

それでも、どこかテキトーなところもあって…。

長年、計画通りには物事が進まない、精神科の臨床現場で仕事をしてきたせいでしょうか?

締め切りを守ることより、終わり良ければすべて良し、というラフなところがあります。

そうは言っても、やはり目の前の仕事は、こなしていかなければなりません。

締め切りに追われても、ニコニコこなせるキャパが欲しいです。

せめて、「センセイ、何してるんですか~?」と学生に問われたら、

「え~?遊んでるんだよ~」と、のんきに言えるようになりたいものです。

(^o^)



※画像は、現段階の2月中の宿題ファイル。

 こんなふうに、手帳とクリアファイルで、自分の仕事の進行管理をしています。

精神保健福祉の市民講座

2010年02月01日 18時41分30秒 | イベント告知


あちこちの街で、精神保健福祉講座が開かれていますね。
社会福祉協議会等が主催・後援して、ボランティア養成を目標としているところが多いようです。

これまでに何回か、僕もお話をしに伺ったことがあります。
結構どこの会場でも、多くの市民が集まり、真剣に話を聞いてくれます。


印象的なのは、どこでも必ず、ご家族の方が参加されていることですね。
ボランティア養成という趣旨からは、少し離れるのかも知れませんが。

身近な当事者にかかわることを少しでも知りたい、学びたいという切実さがあります。
病気についての知識や、家族としての関わり方、社会資源の情報など、知りたいという想い。

そして、必ず投げかけられる質問。
「こういう、うちの子の場合、どうすれば良いでしょうか?」

それだけ、身近に相談できる機関や相手がいないということでしょうか。
あるいは、これまでも受診・相談はしていても、なかなか実効性のある解決が図られないということでしょうか。
仮にどこかに相談はしていても、セカンドオピニオンを得たいというのは、ユーザーとして当たり前の要求だと思います。

個別の相談めいた話になってしまいますが、僕はこうした質問は大事だと思っています。
個別性の中には、必ず普遍性が潜んでいます。

家族間の葛藤やコミュニケーションの問題、病院側の医療の問題や社会資源の活用の問題…等々。
個々の病状に関わるような問題でも、環境的なアプローチの可能性は秘められているものです。

ご家族による相談事例は、その場で聞いている人にとっても、とてもリアルなテーマを提示してくれます。
ご家族の話を、ボランティアを志向する皆さんも、真剣に聞いています。
専門職よりもはるかに同じ目線で、自分の身体を通して傾聴し、共感してくれています。
こういったやりとりは、コミュニティの形成(街づくり)のために、とても大事な作業だと思うのです。


また、最近はどこでももう当たり前のように、当事者の話す回がセットになっています。
初めて会う当事者の発言を聞いて、参加者も初めて当事者の置かれた状況を、本当に理解できるようです。

いくら専門職が巧みに伝えようとしても、木訥でもリアリティのある当事者の語りにはかないません。
自身の生活歴と病歴、入院体験、退院してからの苦労、伝えたいこと、訴えたいこと…。
参加者の眉間に染み渡っていくような言葉の数々は、人を動かす力があります。

偏見や差別は、当事者との接触体験の乏しさによって、増幅されると言います。
当事者が自身を語れる、当事者として体験を伝えられる、場を創ることが大事だと思います。
アンチスティグマ・キャンペーンは、メディアやネットも含めて、当事者主導になって本物になるのでしょう。


参考までに、僕が今関わっている、精神保健福祉講座の案内をひとつ…。
既に満員御礼、キャンセル待ち状態だそうで、ご参加頂くことはできませんが…。

あしからず…。<(_ _)>


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆


◆杉並区精神保健福祉講座

「病気を理解し、わたしたちのできることを考える」
精神障害者への理解を深め、地域でささえあい、誰もが暮らしやすい地域づくりを目指して開催します。この講座から「わたしたちにできること」を考えてみませんか。

◇主催:社会福祉法人杉並区社会福祉協議会 杉並ボランティア・地域福祉センター
◇期日:2010年2月~3月
◇会場:あんさんぶる荻窪(JR中央線荻窪駅西口から徒歩3分)
◇対象:精神保健福祉やボランティア活動に興味のある方で、全5回出席できる方
◇定員:30名(公開講座は50名)

◇日程・内容・講師
○第1回:2月2日(火)14時~16時半
 「精神保健福祉の歴史と人権、当事者の生活」(公開講座)
 講師:古屋龍太(日本社会事業大学専門職大学院、准教授)

○第2回:2月8日(月)14時~16時
 「精神科医から学ぶ『病気』のこと」
講師:高橋亨(とおる医院院長、医学博士)

○第3回:2月15日(月)14時~16時
 「杉並区の現状と取り組みについて」
 講師:櫻井裕子(杉並保健所保健予防課保健指導担当係長)
「当事者の方からのお話」
講師:うつ病を支える家族の会(北風と太陽)2組
オブリガード ピアカウンセラー 2組

○第4回:2月16日(火)~26日(金)
 体験学習:保健センターデイケアまたは区内作業所への参加

○第5回:3月6日(土)10時~12時
 「わたしたちにできることから始めよう」
 講師:添田雅宏(精神保健福祉士)

◇問い合わせ先:杉並区荻窪5-15-13 あんさんぶる荻窪5階
 社会福祉法人杉並区社会福祉協議会
 ささえあい係&杉並ボランティア・地域福祉推進センター
電話:03-5347-3131 03-5347-3939