PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

日本縦断トリエステ精神保健講演会

2010年10月29日 09時13分22秒 | イベント告知
                  故フランコ・バザーリア(1976年当時)

既に色んなルートから、お知らせが行ってるかと思いますが。
まもなく「日本縦断トリエステ精神保健講演会」が開催されます。
東京、横浜、大阪、長崎と、まさに縦断です。

このうち、横浜会場は、既に満席打ち止めだとか。
東京会場も、そろそろ危ないと、昨日聞きました。
組織基盤の全くない企画なのに、関係者の関心の強さが伺えます。

実は、今回、来日する方々、皆さん、渡航費は自前です。
精神科医療後進国の日本に、以前から強く来ることを希望されていました。
イタリアで精神病院をなくした経験を、日本の関係者に伝えたい。
メッセージを運ぶことを自らのミッションとして、強く意識しておられます。

僕自身はイタリアに行ったことがないので、偉そうなことは何も言えませんが…。
皆さん、ご存じのように、イタリアには単科の精神病院(マニコミオ)は、ありません。
もともとあった精神病院は、すべて解体され、廃止されました。
そこまでには、四半世紀に及ぶ長い改革の歴史があります。

その動きを、僕が最初に知ったのは、1985年です。
S・シュミットの、『自由こそ治療だ』(半田文穂訳、悠久書房)を読んでです。
この本で、精神科医フランコ・バザーリアらの取り組みが、活き活きと描かれています。

時に「政治主義」と揶揄されたバザーリアですが、元々はごく普通の精神科医だったそうです。
1971年にトリエステの県立精神病院院長に着任し、最初にやったのは病棟の開放化です。
日本でも精神医療改革を志した人々が、最初に行ったのが開放運動でした。
今では当たり前にある開放病棟も、当初は危険視されていたのは一緒です。

精神病院廃絶をうたう法律180号、通称バザーリア法が議会を通過したのは、1978年。
その後、この法律はイタリア全土に拡がり実行されるはずでしたが、そうはなりませんでした。
急進的な法律制定により、大都市や南イタリアでは展開が遅れたとも言われています。
州法の制定は大幅に遅れ、断片的で国法と矛盾することもしばしばだったようです。
従来の精神病院、精神科医たちは、猛反発し、バザーリアらは多くの批判に晒されました。

国民保健計画のもと、最初の精神保健対策事業が発表されたのは1994年です。
1999年、イタリアの保健省が、全精神病院の閉鎖が完了したことを宣言しました。
四半世紀に及ぶ年月を経て、イタリアの精神病院は前世紀のものとなったのです。

1980年に、道半ばでバザーリアは亡くなりますが、その志を継いだ人々が頑張りました。
当初はラディカルと評される一歩が、大きく時代を動かしていったのは確かです。
それまでの常識が打ち破られると、後にはそれが当たり前になってくるんですね。

今回、来日されるのは、バザーリアと歩みをともにした、今も改革の渦中にある方々です。
司会を務める大熊一夫さんが、イタリアを訪ね、「いつか日本へ」と約束した方々です。
『精神病院を捨てたイタリア、捨てない日本』(岩波書店、2009年)に出てくる方々です。

なお、主催や共催は、各会場によって、異なります。
まったく手作りで、この企画のために連動している方々です。
当初、第53回日本病院・地域精神医学会総会で、という話も提案されていたようですが。
結局、認められなかったようで、とても残念です。

あ、もし、もう、どこも、事前申し込みで満席になっていたら、ごめんなさい。
忙しくて、記事としてアップするのが、遅れましたこと、お詫びします。
詳しいことは、各会場の主催連絡窓口に、お問い合わせください。

蛇足ながら、トリエステの取り組みや現状は、本や映画でもご覧になれます。
『トリエステ精神保健サービスガイド』(小川昭夫訳、現代企画室、2006年)
トリエステ精神保健局による、おしゃれなガイドブックです。
どんな施設が今あって、どんなプログラムが提供されているか、わかります。
映画では≪Si puo' fare(シ・プオ・ファーレ)≫が、来春日本でも一般公開です。
邦題は『やればできるさ』になるのでしょうか?
病院解体後の協同組合で過ごす当事者たちの姿が、活き活きと描かれています。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

日本縦断トリエステ精神保健講演会ツアー日程

[主催・共催団体]
日本縦断トリエステ精神保健講演会実行委員会(会長:堂本暁子、事務局長:大熊一夫)
フランコ・バザーリア記念財団
NPO法人 地域精神保健福祉機構・コンボ
精神保健従事者団体懇談会
東京大学グローバルCOE「死生学の展開と組織化」
東京大学精神看護学分野
神奈川県精神障害者家族会連合会
NPO法人横浜市精神障害者家族連合会
NPO法人川崎あやめ会
NPO大阪精神医療人権センター(同センター設立25周年記念事業)
社会福祉法人南高愛隣会

[講演]
●「バザーリア法は世界で最も進んだ精神保健福祉法」
マリアグラツィア・ジャンニケッダ
フランコ・バザーリア記念財団理事長、サッサリ大学教授
社会学者、WHO精神保健アドバイザー、イタリア改革の生き字引
●「家族会は精神保健改革の強力なエンジン」
ジゼッラ・トリンカス              
イタリア家族会連合会長
サルデーニャ州精神保健改革の立役者
●「病院ではできなくて地域センターならできること」
ジョヴァンナ・デル=ジュディチェ
バザーリアの愛弟子の精神科医
“精神保健不毛の地”カンパーニャ州とサルデーニャ州にトリエステ型の地域精神保健サービス網を築いた責任者
●「欧州最古最大の精神病院を閉めた経験から」
トッマーゾ・ロザーヴィオ
バザーリアの愛弟子の精神科医、ローマ大学哲学科客員教授
トリエステの歴史的改革を担い、ローマの巨大マニコミオ閉鎖プロジェクトで最高責任者○「精神病院に頼りすぎるニッポン!」
(コメンテーター・司会) 大熊一夫
朝日新聞記者時代の『ルポ精神病棟』はあまりにも有名。
大阪大学教授を定年後も、精神保健福祉の問題を追究し、第1回フランコ・バザーリア賞を受賞。

※イタリア語逐語通訳つき
※演題は演者の意向で変更になることがあります。

★第1弾 東京 11月16日(火)
事前申込みが必要です【残席僅少】
会場:北とぴあ つつじホール
交通:JR京浜東北線王子駅北口より徒歩2分
地下鉄南北線王子駅5番出口直結
都電荒川線王子駅前駅より徒歩5分
時間:18:30~21:30(開場18:00)
資料代:1,500円
お申込方法:FAXまたはメール
FAX: 047-320-3871
メール: tokyo.trieste@gmail.com
お名前・ご住所・電話番号・FAX番号・メールアドレスをご明記ください。
先着順で、満席になり次第締め切ります。

★第2弾 横浜 【参加申込終了】

★第3弾 大阪 11月20日(土)
【事前申込み不要・直接会場へ起こし下さい】
〔会場〕大阪市中央区民センター
(地下鉄堺筋線・中央線「堺筋本庁」下車)
時間:14:00~16:30 
資料代:当事者・学生 500円   一般:1,000円
問い合わせ先:大阪精神医療人権センター Tel:06-6313-0056
大阪精神医療人権センター設立25周年記念事業として行われます。
講演会は14:00からですが、記念行事は13:30分から開始します。

★第4弾 長崎 11月21日(日) 
事前申込みが必要です。
会場:諫早市民センター
時間10:30~16:30(開場10:00)
お申込方法:FAXまたはメール
FAX:0957-21-0572
メール:nagasaki.trieste@gmail.com
お名前・ご住所・電話番号・FAX番号・メールアドレス・お弁当の申込の有無(お茶付き800円)を明記してください。
http://trieste.jpからFAXのお申込用紙をダウンロードすることができます。

医療福祉連携士(予定)の皆さんへ伝えたかったこと

2010年10月25日 14時42分26秒 | 日々の雑記
日本医療マネジメント学会主催の「医療福祉連携講習会」が終わりました。
7月末から昨日(10月24日)まで、約3ヶ月間。
受講生100名が、土日2日間×5回、実習1日×6回、こなしました。
タイトな日程をこなして、受講し続けた皆さん、本当にお疲れ様でした!

最終日、最後のセッションは「総合討論」でした。
講師陣と受講生で、パネルディスカッションのような形で、ディスカッションしました。
僕は、「改めて『福祉』から」というタイトルでお話しさせて頂きました。

でも「7~8分で…」という座長からの指示もありましたので、時間は限られていました。
14枚のスライドを、早口で話したので、わかりにくかったと思います。
このブログを読んで下さっている方もいるようなので、ちょっと要旨をまとめておきます。

(「ちょっと…」のつもりが、かなり長文になりました。
受講生の皆さん、お暇なときに、お読み下さい(^_^;))



1.「連携」って…?
「連携」って…当たり前のように言われるけど、改めて、何でしょう?
「互いに連絡をとり協力して物事を行うこと」です(by広辞苑)。
「互いに」ということは、立場の差異があるのが前提で、差異を共有するということです。
「連絡をとり」とは、意思疎通を図るためにコミュニケーションするということです。
「協力して」とは、チームとしての集団力動性と協働性を表しています。
「物事を」とは、ケアマネという視点からは、日常・社会生活支援をさします。
「行うこと」は、自ら関与し、調整し、課題を解決することです。
たった、これだけのことが、実際にはとても難しい。
バラバラなチームを束ねるのは、目標です。
病院からの退院と、様々な障害を前提とした「これから」の方針を考えることです。
ゴール・オリエンテッドに、かつ、スキル・ミックスで共通の支援目標を考えます。
それぞれの機関・職種が、自分に何ができるか考える、ということが「連携」です。

2.退院支援???
でも、「退院支援」って、何かヘンです。
僕たちが多機関と連携する主目的は、「退院させること」では本来ありません。
退院は、あくまでも通過点なのです。
地域連携と言う時のアウトカムは、けっして「退院」じゃない。
地域(生活)移行を果たすこと、地域での療養生活への定着を果たすことです。
ふつうの暮らしをしたいという、本人・家族の想いを形にすることです。
ごくふつうに社会の中で、死ぬまで生ききることを支援すること、です。

3.「人生の目標」指向のケアマネ
ステップアップ型のリハビリテーションの提示は、ご本人たちに苦痛を強います。
そのひとの「人生の目標」を掲げた、ケアマネジメントが必要です。
コーディネータに求められているのは、問題解決でなく解決構築です。
数多の問題は、社会的環境要因が多く、それは直裁に支援ニーズを表明しています。
問題解決の方法でなく、課題への態度・立ち位置・見方を獲得し、可能性を探ることが重要です。
本人の生活の中にある、リソース(資源)を探索し開拓することです。
解決像に向けての構築は共同作業ですが、あくまでも当事者主体の組み立てが必要です。
コーディネートの過程で、ご本人の語りを通して、自身を外在化することが可能となります。
ご本人が言葉を獲得していくプロセス(経験化)が、とても大事だと考えています。

4.病院の敷居の高さ
病院は、一般市民からすれば、特殊な場所、怖い場所です。
いくら「お気軽に相談を」と言っても、窓口もわからず、何をどうすれば良いかわかりません。
僕たちが、警察や裁判所に行くときのような緊張感があります。
ましてや精神科病院だと、一般市民からすれば、刑務所のようなイメージかも知れません。
病院のスタッフが「同じ目線で」と言っても、市民から見たら「上から目線」です。
医療のパターナリズム(権威的父権性・保護主義)の長い歴史があったからでしょう。
今後、医師は診断・治療に特化した職種へなっていくと思います。
でも、医師や病院に対する、イメージの払拭には時間がかかります。
患者中心の、患者が治療の主体になる医療を、といくら言っても、そうそう変わりません。
「患者」という位置は、既に医療の客体という意識が、まだまだあります。
(僕の担当した演習グループでは「患者さん」という言葉をやめてもらいました)
それは、当事者だけでなく、地域の支援機関にとっても同じです。
病院中心の「医療福祉連携」を求められても、地域の福祉機関は困ります。
地域の福祉機関は、病院の「受け皿」じゃありません。
よく病院の職員は「地域の受け皿がない」と言いますが、とても失礼な言葉です。
病院の受け皿になろうとして、地域で活動している福祉機関は無いと思います。
対等なパートナーシップが作りにくい、特殊な状況にあることを、病院は意識すべきでしょう。

5.病院と地域の間の「壁」
そうでなくても、病院と地域は、しばしば対置して考えられがちです。
地域の中に病院がある、ということが当たり前なのに。
病院は、地域から切り離された、特殊な場所になってしまっています。
病院のスタッフは、地域のケアマネは、医療機関への理解が乏しいと、よくこぼしますが。
病院のスタッフに、地域での在宅生活のイメージが無いというのは、致命的です。
お互い知らない同士の間で、当事者は右往左往させられています。
だからこそ「つなげる、橋渡し」は必要なわけですが、注意も必要です。
病院の退院支援は、しばしば、地域のリソース(資源)を、活かしきれてないと思います。
また、ご本人のストレングス(力)を、引き出しきれていないと、僕は思います。
病院で流れる時間は、とても早くて、いつも待ったなしです。
そのせいか、ご本人や地域の機関に対しても、とてもせっかちです。
でも、早すぎるフォーマルサービス投入は、両刃の刃です。
ご本人や家族をパワレスにすることもあることは、常に意識しておくべきだと思います。

6.ネガティブにならない
「問題点探し」と「良いとこ探し」ということに、触れておきたいと思います。
病院のスタッフは、どうしてもネガティブ・スパイラルに陥りがちな傾向があります。
病院という場が、そもそも「病気」というネガティブな対象を扱うからでしょう。
疾患そのものでなく、患者に対しても、ネガティブな反応をしがちです。
問題点や危険因子チェック、欠陥という先入観があり、安全が最優先されます。
ご本人の問題行動は、あくまでも「問題」に過ぎないと、見なされがちです。
大きな組織の中で、利用者の自己主張を、不快なものと問題視しがちです。
一生懸命かかわっても、専門職スタッフはうんざり疲れてしまいがちです。
それでも、感情を押し殺して、笑顔で接することが求められます。
そういった意味では、とてもストレスフルな職場と言えます。
「原因究明型」の思考が、病院の特徴とも言えます。
地域の機関は、むしろ「関係づくり究明型」と言えるでしょう。
問題でなく、ご本人の能力を中心にリストアップするのが得意です。
利用者のできること、家族や環境のよいところを、見極める力があります。
問題行動には「何か意味がある」から、そのための解決を図ります。
現在の在宅生活を、肯定的に受け止めることから出発します。
そうすることにより、利用者への理解が深まり、共に喜び合える関係が築けます。
医療福祉連携士には、そういった視点の転換が求められると、僕は思っています。
ICF(国際生活機能分類)の六角堂を、どちらから見るかということですね。
出身職種にありがちな見方に囚われない、多様な視点が必要だと感じています。

7.医療福祉連携に必要な力
そういった病院と地域の壁を突破するのは、やはりコミュニケーションです。
親密なコミュニケーションを阻害しているものは、除去することが必要です。
まず、チームというのは「対等な関係」が大前提です。
病院にある、医師を頂点とするヒエラルキーを崩していく必要があります。
医師の「指示」の下でなく、精神保健福祉士のように「指導」を獲得する必要があります。
退院前調整会議に、医師に出席してもらうには、どうすれば?という質問がありましたが。
医師に合わせるのではなく、医師に合わしてもらう形にすれば良いでしょう。
「何月何日何時からやってますから、数分でも顔出して下さいね~」と。
あとは任せてもらう、コーディネートはこちらでやりますから、ということですね。
あまり関心のない困ったお医者さんほど、そうやった方が喜びますよ(笑)
2番目に、「顔の見える関係」と多くの方が言ってましたが、それじゃ足りません。
相手の「こころ(気持ち)の見える関係」が構築されないと。
他機関の担当者の顔を知ってるだけでは、やはり不十分です。
その人がどのような価値観をお持ちの、どんな生活感がある方なのか、わかってないと。
そういった意味では、インフォーマルな関係形成が連携の質を決めます。
やっぱり、オフの飲み会って、大事ですよね~(笑)
連携じゃなく、チームとして協働するには、IPWの視点、IPEの推進も必要です。
第3に、「現場」に行く、見る、感じる、ってことがないと、やはり形式だけになります。
多くの方が実感されたように、今回の実習の意味は、とても大きかったと思います。
皆さんの「在宅福祉」レポートを読ませて頂いて、本当に良かったなと思いました。
受け入れ施設側からも、病院側が来てくれたことに、喜びと感謝が綴られていました。
タイトな日程の中で、自分の職場を何日もあけるのは大変だったと思いますが。
今後の連携業務を考えると、大きなプラスになっているのではないでしょうか?
人はイメージできないことは、行動も、実現もできませんから。

8.医療福祉連携士に求められる力
今回の講習会の組み立ては、演習もありましたが、主に知識伝達の講義でした。
本当は、専門職としてスキルアップということが、考えられる必要があります。
面接の技法、アセスメント方法、コーディネートの実際等について、不足しています。
ただし、単に個々のスキル(技能)ということでは、やはり足りません。
その人の統合された能力としての確立が必要です。
まだ、あまりモデルが無いのですが、人材育成にもかかわることです。
参考までに、日本社会事業大学の専門職大学院で考案した規準を示しました。
OECD(経済協力開発機構)に準拠した「福祉専門職コンピテンシー表」です。
「2.異質な集団との間で適切な交流ができる」
「B.他者、他職種、他の機関と適切に連携・協働することができる」
「(1)当事者との間で、問題解決の意志や方法を共有し、合意のもとに作業を進めることができる」
「(2)組織内の他のスタッフとの間で、問題解決の意志や方法を共有し、合意のもとに作業を進めることができる」
「(3)組織外の関係者や他の機関との間で、問題解決の意志や方法を共有し、合意のもとに作業を進めることができる」
これらは、医療福祉連携士にも、当然に求められるものでしょう。
現場での実践力をつけるためには、どのようなカリキュラム構造が必要なのか?
学会の委員会で検討していくことになると思います。

9.おわりに
この国の医療再編は、止めようもなく、まだ進んでいくでしょう。
学会認定の民間資格としての「医療福祉連携士」は、時代の要請と言えるでしょう。
求められているのは、多職種・多機関のチームの対等性・協働性構築です。
当事者ご本人や家族のニーズに基づく、協働チームのベクトル提示が仕事です。
そういった意味では、実のあるコーディネート・コンピテンシー追求が必要です。
現に連携室で仕事する皆さんにとって、「連携」業務はどうですか?
大変ですか?きついですか?しんどいですか?
でも、やり方が見えてくると「連携」は楽しいですよ!
自施設だけに止まらず、地域や他機関の異なる世界の人と出会えるって、楽しいです。
地域で、在宅で、病気を抱えながらも、生き生きと暮らしているひとに、出会えます。
その方達から、実に色々なことを教えてもらえます。
病院や、自分たちが、何をするべきか、だんだん見えてきます。
問題は、講習会を終えて「明日から何をするか?」です。
講習会で学んだことを大切に、まず、できることから、各地域で始めてみて下さい!

10.蛇足と謝辞
…というのが、僕の発言の主旨でした。
まったく触れませんでしたが、ひとつ気になっていることがあります。
「連携室」と「相談室」、看護職とソーシャルワーカーの関係です。
医療福祉連携士は、職種によらない横断的な民間資格ですから、どちらでも良いのですが。
既存国家資格職種間で、古くからある領域侵犯論は、やはり無視できません。
プロジェクト委員会で、最後まで、もめにもめたのも、実はそこの整理です。
今後、僕に対しては、福祉資格関係者からの強烈なバッシングがあるかも知れません。
これからも議論があるでしょうし、皆さんからも率直な意見を頂ければと思います。
そういったこともあって、僕は今回、内心いろんな想いを抱えながらの参加でした。
総合討論の最後に、僕が参画しお話したことへの、評価の言葉をフロアから頂きました。
正直、とても、ありがたく、うれしかったです。
どうも、受講生の皆さん、お疲れ様でした!
プロジェクト委員会、学会事務局、講師の皆さん、お疲れ様でした!
そして、ありがとうございました!
(^_^)/~



…ということで、このあと、試験が待っています(笑)
講習会を終えて、理事長から手渡されたのは、あくまでも「講習会修了証」です。
来年の認定試験に、エントリーする資格を得ただけです。
「医療福祉連携士(予定)」の皆さん!
3月5日の認定試験に向けて、受験勉強にお励み下さい!
僕は、担当科目の試験問題づくりに励みます(笑)
(^_^)v


※画像は、講習会の終了した日本医科大学講堂にて。
 受講生の、下村さん、松岡さん、田原さん、岸田さん。
 プロジェクト委員の、清水さん、野村さん、武藤さん、木佐貫さんと。
 「ブログにのせる?」と言い合いながら、デジカメ6台で順番に撮りました(笑)

日本PSW協会全国大会・学会の演題募集

2010年10月22日 10時55分37秒 | 日々の雑記

来年6月9日~11日、和歌山で日本精神保健福祉士協会全国大会が開催されます。
昨日より、その発表演題募集が始まりました。
年末12月31日が締め切りのようです。
PSWの皆さん、奮って演題を出しましょう~。

「まだ来年の6月なのに…。早すぎない?」という声も聞こえて来そうですが。
現地で開催する側になると、早すぎるってことはないんですね。
大会タイムテーブルの検討、プログラム抄録集の編集発行等々、進めていくこと考えると。
半年前に演題締め切っておかないと、もう準備がギリギリです。

それに、演題を出す側にとっても、準備にはそれなりに時間を要します。
学生が実習の報告書まとめるのにも、最低1ヶ月半を要するんですから。
現場のPSWが、日頃の実践をまとめて、報告するのって、結構大変です。
テーマを決めて、抄録出してから、あれこれ悩みながら発酵していく感じでしょうか?

自分の日常の取り組みを、対象化し、言語化する作業って、とても大事です。
ともすれば、慌ただしいルーティンで流れてしまう業務の中で、課題を意識する。
問題だけに終わらせず、取り組み課題として対象化して、他者と共有する。
目的や方法を考え、実際にやってみて、その成果や結果を、きちんと言葉にする。

僕の勤める専門職大学院でやっていることも、そういうことです。
漠然と「勉強したい」だけでは、広く浅い知識を収集することにしかならない。
自分の現場での実践課題を設定して、目的意識をもって学ぶことで、自身を対象化する。
テーマを深めることで、学んだ知識が発酵し、熟し、その人の力になっていく感じです。

学会での発表と言っても、その研究報告の内容やレベルは、玉石混淆です。
単に「こんな良いことしました」的な実践報告では、意味がないという意見もあります。
でも、とりあえず発表することに意義がある、と僕は思っています。
閉じた現場の取り組みが、他者の目に触れ、検証されるって、なかなか無いことですし。

ただ残念なのは、最近、みんなお行儀が良くなっちゃったというか…。
そつなく、作法通りの形式でまとめた、インパクトのない報告が増えましたね。
そして、感想レベルに止まる、考察のない、軽い、綺麗な言葉が目立ちます。
素朴で、荒削りで、地味な取り組みでも、訴える力がある言葉は、やはり違います。

「学会に参加して、ひとつ、キラリと光る報告に出会えれば、それでいいんだよ」
精神科診療所の元祖とも言える浜田晋さんは、かつて、そんなことを言ってました。
みっともなくても、苦労しながら、真摯に、現場で格闘している姿のわかる報告。
そんなキラリと光る、実践に、報告に、PSWに、和歌山で出会えれば良いなと思います。


※画像は、駅から大学に向かう途中の保存樹林。
 ちょっとだけ遠回りになる、この道が、好きです。


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第47回社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第10回日本精神保健福祉士学会
演題及び抄録原稿の募集について

本協会では、2011年6月9日(木)から11日(土)までの3日間(9日のプレ企画を含む)、和歌山県支部並びに和歌山県精神医学ソーシャルワーカー協会の協力のもと、県民プラザ和歌山ビッグ愛及び和歌山市民会館において「第47回社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第10回日本精神保健福祉士学会」(以下「第47回全国大会・第10回学会」という。)を開催いたします。
つきましては、第10回学会(学術集会)プログラムとなる分科会について、演題及び抄録原稿を募集いたします。
各締切日をご確認のうえ、構成員の皆様からの多数のご応募をお待ちしています。

[演題申込締切日]
2010年12月31日(金)(当日消印有効)
[抄録原稿提出締切日]
2011年1月31日(月)(当日消印有効)
※抄録原稿査読小委員会での審査等後、抄録集掲載用に抄録原稿の再提出をお願いします。
[演題申込者及び発表者の資格]
1.演題申込者(発表者)は、原則として「構成員」に限ります。
特に、精神保健福祉士の資格を有する非構成員は「入会」が条件です。
演題申込締切日までに本協会への入会手続きを完了し、2011年1月15日(土)開催の常任理事会にて入会承認を得てください。
2.精神保健福祉士の資格を有さない非構成員(他職種・学生等)は、構成員との共同により発表することができます。
その際、発表者総数(申込者を含む)の過半数は構成員であることが条件です。
(精神保健福祉士の資格を有する非構成員は共同発表者にはなれません)
[発表内容の対象]
発表内容は未発表のものに限ります。
他の学会にて発表(予定を含む)したものはご遠慮ください。
[その他]
 その他、演題及び抄録原稿に関する詳細については、「演題及び抄録原稿の募集について(演題及び抄録原稿募集要領)」をご覧ください。
【お問い合わせ】
社団法人日本精神保健福祉士協会 事務局
〒160-0015 東京都新宿区大京町23-1 四谷オーキッドビル7F
(電 話)03-5366-3152 (FAX)03-5366-2993
(E-mail)s-tsubo@japsw.or.jp   (URL)http://www.japsw.or.jp

カナダからの手紙~当事者発信のイベント

2010年10月20日 10時04分43秒 | イベント告知

精神保健福祉領域で、当事者からの発信がどんどん多くなっています。
夏の「リカバリー全国フォーラム」だけではありません。
あちこちの街で、様々な集まりが企画・運営されています。

以前から、当事者たちの集まりはありました。
いわゆる、患者会、自助グループという形で。
僕も、学生時代から20年間かかわっていた会があります。

でも、多くはとても少人数なグループで、小さな内輪だけでの集まりでした。
ソーシャルアクションを起こす前に、まずローカルなセルフヘルプグループでした。
大規模な集会を、自ら主催して発信ということは、なかなか考えられませんでした。

1993年のWFMH(世界精神保健連盟)世界大会はひとつの契機になりました。
5日間、国内参加者を含め、約2000人が幕張メッセに集まりました。
海外の当事者たちが、日本の参加者に大きなインパクトを与えました。

日本からも、多くの当事者がつどい、自分たちの活動の発表を行いました。
国内外の当事者たちの発表は、翌年『精神障害者の主張』(解放出版社)にまとめられています。
この場で、精神医療サバイバーの広田和子さんと僕は出会いました。

同じ年には、全国精神障害者団体連合会(全精連)が結成されています。
日本社会事業大学の講堂に、多くの当事者と支援者が集まりました。
僕が、移転5年目の社大のキャンパスに足を踏み入れたのは、その時が最初でした。

当事者からの発信は、僕たちにひとつの針路を指し示します。
専門職であるPSWが、何をなしていくべきか、教えてくれます。
ユーザーの体験と発言から、PSWはどうあるべきか、僕自身は学んできたつもりです。

近々、東京の多摩地域では、ふたつの催しがあります。
いずれも、当事者が主人公の集まりです。
もはや、専門職と呼ばれる人が「啓発」と称して偉そうに講演する時代じゃないのかも?(笑)

僕自身は、両方とも他用が重複していて、伺えそうもありませんが。
専門職大学院の僕のゼミ員たちは、お邪魔させてもらうと思います。
広く多くの人に、当事者からの発言を受け止めて欲しいと思います。


※ゆいのもりの浅川勤さん、ご無沙汰~。
 金杉クリニックの内野誠さん、載せておいたからね~。
 うちのゼミ生、行ったら、よろしく~(^_^)/~

※画像は、上野の不忍池(しのばずいけ)。
 記事のイベント会場とは、遠く離れています。


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

◆ゆいのもり・虹のセンター25 合同活動報告会

今年も昭島市内において精神障害者の地域生活支援に携わる団体の交流ということで、ゆいのもり2施設と虹のセンター25の合同での活動報告会を下記のように行うことになりました。
第1部では「カナダ・オンタリオ州の当事者活動の現状と日本の課題」をテーマに、松井道久氏を講師に迎えて「カナダ研修レポート」をお話ししていただきます。
講師の松井道久氏は青梅市内で当事者活動の運営など活躍されています。
カナダの話を聞きながら、自分たちの地域について考え、皆さんで学び合いましょう。

日時:2010年10月23日(土)午後2時~4時30分 開場:1時30分
会場:昭島市役所内 1階市民ホール
     昭島市田中町1-17-1
交通:JR青梅線・昭島駅南口下車、徒歩15分

第1部
来賓あいさつ
講演会『カナダ・オンタリオ州の当事者活動の現状と日本の課題』
講師:松井道久氏(「ピアサポートぶーけ」事務局長)
第2部
フリートーク
「地域で暮らす当事者にとって大切なこと~『カナダ研修レポート』を聞いて」

問い合わせ先:ザ・サードゆいのもり社 電話042-545-5451
虹のセンター25 電話042-549-7733(当日の連絡先はこちらへ)
主催:社会福祉法人ゆいのもり福祉会 ザ・サードゆいのもり社、食工房ゆいのもり
社会福祉法人きょうされん 虹のセンター25

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◆講演会「わたしたちの夢を叶えるピアサポート」
        
私たち日カ交流では、2010ピア&リカバリープロジェクトを計画し、第1弾は3月14日に「わたしのリカバリーin練馬」を、第2弾は7月4日に「わたしたちのピアサポートin杉並」を行いました。
今回の講演会は、その第3弾です。
カナダ・バンクーバーで、ピアサポーターとして活躍している2人を招き、精神障害者の自立をどう援助するのか、どのようにしてピアサポーターになったのか、語り合いましょう。
詳しい内容は、ホームページをご覧下さい。

日時:2010年11月2日(火)19:00~21:00 開場・受付 18:30
場所:武蔵野公会堂                               
所在地:武蔵野市吉祥寺南町1-6-22
交通:JR中央線 吉祥寺駅南口下車、徒歩2分 
内容:・カナダ人ピアサポーターによる講演
    デヴィ セスーラ
    ジュード スワンソンの両氏による
   ・日本側からの意見
    武蔵野市就労支援センター「MEW」
    杉並区地域生活支援センター「オブリガード」
    世田谷区地域生活支援センター「MOTA」の人たちによる
   ・質疑応答
主催:日本カナダ国際精神保健交流協議会(日カ交流)
問い合わせ先:日本カナダ国際精神保健交流協議会事務局 大泉金杉クリニック
TEL03-5905-5511 担当:内野
URL: http://nihoncanada.hp.infoseek.co.jp/

講演者プロフィール 
・Debbie Sesula (デヴィ セスーラ氏)
カナダ、サスカッチェワンに生まれる。現在ヴァンクーヴァー在住。
心理学の学士号を持つ。学士取得課程終了後、発病するが、7年の闘病生活を経て、リカヴァリを果たす。
現在、リーダーシップを修める為に健康を専門に修士課程で学ぶ。
現実療法士(Reality Therapy-人間関係に対し、外的圧力を除外することにより、より現実的にカウンセリングにより解決していく立場を提唱する)の資格を持つ。
二つのピアサポートプログラムを監督し、ブリティッシュコロンビア州局の社会心理リハビリテーションの指導者の秘書をしており、カナダのピア関連グループのメンタルヘルス委員会のメンバーである。
精神障害啓蒙週間の“顔”に選ばれ、その代表者として活躍する。
2001年にカナダ地域精神保健協議会の当事者部門で受賞
2008年「復帰の勇気を称える賞」を受賞
猫を愛する女流詩人としても活躍し、詩 “You and Me”は、「心を開いて乱れし心を詠う詩」のコンテストで受賞。
その他、マスコミでも活動し、論文も執筆。

・Jude Swanson (ジュード スワンソン氏)
ヴァンクーヴァーピアサポーターとして働く。
ストラスコーナのメンタルヘルスチームに属し、そこで自らもケアを受けている。
リカヴァリ/リハビリテーション委員会、家族会、C.A.S.P(危機評価記述プログラム)の計画懇談会の3つのコミュニティのメンバーである。
自分の人生経験を語る場に積極的に参加し、自分は病気を恥じていないということを、自らの病気のレッテルに苦しむ人々に共有してもらうことをポリシーにして活動。
2010年春“あなたのリカヴァリへの旅路”という名のグループのスタッフ支援の立場に就く。
ゴルフグループ、ニュースレター編集発行、買い物代行など多くの社会貢献ボランティアを実践。
読書家でフットボール観戦を好み、共著「夜、ひきちぎれた片隅」を上梓


秋のタイム・マネジメント

2010年10月18日 10時43分36秒 | 日々の雑記

昨日(日曜日)は専門職大学院の入試でした。
しばらく、1ヶ月くらい、休みが全くありません。
10月~11月、予定がびっしりです。
我ながら、少々うんざりしてきます。

しょちゅう、手帳をにらんでいます。
今週中に、仕上げなきゃいけないこと。
来週中に、やらなきゃいけないこと。
再来週までに、準備しなきゃいけないこと…。

手帳をにらんで、時間が生まれる訳ではないけれど。
せめて、優先順位は考えないと…。
締め切りを守れず、あちこち不義理しているし。
もはや、待ったなしの、提出物や出張もあるし。

大学に移って、電子手帳は全くやめました。
画面の表示にかかる、コンマ数秒が、まどろっこしいし。
電子手帳は、長いスパンの時間管理には、やはり不向きです。
ページのめくれるアイパッドなら、使い勝手良いんでしょうか?

今は時間軸がハッキリしている、見開き1週間バーティカル式の手帳。
時間を可視化するには、アナログの方がわかりやすい。
1日の流れの縦軸と、1週間の流れの横軸が、両方書き込めるし。
課題に向けての残された時間を、量として実感できます。

病院時代は、オンとオフがハッキリしていました。
大学に移って、諸々の副業も仕事という意識が強まり、オフが無くなりました。
本業以外の私生活も、食事と睡眠以外は、何かしら仕事…。
慢性的強迫的仕事依存的現実回避退却神経症候群?(笑)

誰だって、仕事は限られた時間で、能率良くやらなきゃならない。
自身で時間を律する、タイム・マネジメントが必要です。
僕は、結構器用にこなしているようで、実は不器用で、仕事遅いです。
一見優雅そうだけど、水面下で足をバタバタしてる、アヒルのような…(爆)

でも、さすがに、この10月~11月は、ピンチです。
先送りの宿題も佳境に入るし、学会発表も講演会もあるし。
授業担当科目も増えて、研究室にいられる時間も限られてくるし。
やっぱり、削れるのは睡眠時間しかないですかね~?(汗)


※画像は、西新宿の住友三角ビル(1974年生まれ)。
 高さ210メートルは、当時は日本一だったんですけどね。
 

精神「障害者」という呼称をめぐる討論

2010年10月16日 11時15分06秒 | PSWのお仕事

PSWは「精神障害者の社会的復権と福祉のための専門職」とされています。
この札幌宣言(1982年)で、PSWは自身を定義し、協会は機能回復しました。
僕が、PSWとして精神科病院で働き始めた年のことです。

PSWの業務の対象者は、国家資格になる以前から「精神障害者」でした。
「精神障害者」と言う用語は、PSWにとって自明のこととして使われていました。
学問基盤である社会福祉の世界で、「精神障害」と呼び習わしていたためでしょう。
高齢者領域、児童領域とならんで、障害者領域の一分野として「精神障害」はありました。

「精神障害者」という法律・行政用語は、戦後の精神衛生法(1950年)からです。
それまでは精神病者監護法(1900年)が生きていて、あくまでも「精神病者」でした。

精神衛生法で「精神障害者」が定義されました。
「『精神障害者』とは、精神病者(中毒性精神病を含む)、精神薄弱者及び精神病質者をいう」と。
あくまでも「医療及び保護」のための強制入院対象者として、定義された言葉でした。

でも、「精神障害者」という用語が一般化したのは、さらにずっと後のことです。
精神病院の現場では、精神疾患の「病者」「患者」として考えられていました。
精神科の医療スタッフにとっては、あくまでも「患者さん」であった訳です。

PSW以外の専門職に「精神障害者」という言葉は、あまり浸透していませんでした。
むしろ「精神障害者」と呼ぶことに、多くの医療専門職は抵抗を示しました。
「患者であって、けっして障害者ではない」という意識が支配的であったと思います。

地域の支援機関も限られ、デイケアや作業所が拡充していくに従って変わりました。
「メンバー」「利用者」という言葉が拡がっていきました。
それと同時に「精神障害者」という言葉も徐々に受け入れられていったように思います。



精神医学会で「精神障害者福祉」がテーマとして標榜されたのは1990年が最初です。
僕の知る限り、第33回日本病院・地域精神医学会(東京・霞ヶ関)が初めてです。

樋田精一さんが運営委員長、寺谷隆子さんが事務局長、事務局はJHC板橋が担いました。
地域の作業所が、医学会の総会事務局を担うというのも、前代未聞のことでした。
この時、僕は大塚ゆかりさん(現・山梨県立大学准教授)と、総合司会をしてました。

初日のシンポジウムが延びて閉められた後、討論は自主的な夜間集会に引き継がれました。
「精神障害者」という呼称をめぐって、「病者」も含めて、討論が継続されました。
丁々発止のやりとりは、司会者として、なかなか刺激的な体験でした。

僕は壇上で、頭上の看板を指さしました。(プラトンのように?笑)
参加者は、カッコで括られた「精神『障害者』福祉」の文字を見つめました。
なぜ、精神「障害者」とカッコで括られているのか、考えて欲しいと僕は訴えました。

患者と障害者、医療と福祉の線引きは、僕には無意味に思えました。
法の定義に誰もが異和感を持つのは、当然でした。
でも、医療従事者にこそ、「障害者」に対する内なるスティグマがあると思えました。

総会翌日、調一興さんの迫力ある講演で、学会の方向は定まったと言えます。
国際障害者年日本推進協議会と、軌を一にした運動を展開していくことになりました。
「精神障害者」にかかわる学会として、障害者運動の中へ参画していったのです。

翌1991年、精神神経学会と共同で、障害年金診断書様式の改訂に取り組みました。
1993年、障害者基本法により、精神障害者も障害者として初めて位置づけられました。
1995年、精神保健福祉法ができて、初めて「精神障害者福祉」が法律になりました。
精神障害者福祉制度ができて、本当に、たかだか15年しか経っていないのです。

「患者」のままでは、あくまでも医療の対象でしかありませんでした。
「障害者」と位置づけられることによって、福祉施策がようやく動き始めました。
そして、両者を橋渡しする精神保健福祉士が、1997年国家資格化されました。

その後、2001年、WHOはICF(国際生活機能分類)を採択しました。
これにより、障害は特殊なものではないという方向が、明確に打ち出されました。
障害のネガティブな価値は払拭され、全ての人の生活の延長に位置づけられたのです。

最近は「精神障害者」という一括りの言葉も、最近は使われなくなってきています。
「精神障害を有する人」とか「統合失調症をもつ人」とかが、主流になりつつあります。
誰でも、その人の生活があり、丸ごと精神障害なんて人は、いませんしね。
「がい」の字をどうするよりも、パラダイム転換の可能性を秘めた呼称だと思います。



上に記したことは、あくまでも一学会での出来事です。
精神保健福祉の歴史からは、大して意味はないのかも知れません。
でも、法制度を規定する時代意識は、こうした小さな討論が出発点で形成されます。
少なくとも、僕個人にとっては、エポックメイキングな出来事でした。
精神障害者福祉というテーマが、PSWだけのものでなくなった瞬間だったと言えます。
実践現場が先で、行政は常に後追い、追認です。

あの、全社協ホールでの夜間集会は、非公式な集まりだったので記録が残っていません。
後の学会誌に、司会をした僕が記した小文だけが、唯一残っている記録です。

もう、20年前の古い話ですが、以下に引用しておきます。
当時のディスカッションの一端が、少しでも伝わればと思います。
そして、改めて「精神障害って何だろう?」と議論を積み重ねて欲しいと思います。


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

精神「障害者」をめぐる討論

総合司会 古屋龍太


シンポジアム2は時間切れのため、その実質的討論は、同一会場で開催された夜間集会に持ち越された。
参加者は130名、夜7時過ぎまで熱心な討論がかわされた。
シンポ2の経過は、以下の頁を参照して頂くとして、ここでは夜間集会での討論の模様を要約しておく。

今回のシンポ2のテーマは「生活を豊かにする」内容と制度について、施設・住居・労働・地域活動・当事者活動の視点から切り込んだものである。
これらは、第31回総会(駒ヶ根)における討論~「精神障害者って何ですか?」「退院を社会復帰と呼ぶなら、入院を社会脱落と言わなくてはならなくなる」や、
第32回総会(岡山)におけるシンポ~「私という主語のある生活をどう拡大するのかという問題」を引き継いだものと言える。

さて、夜間集会では、冒頭より「精神障害者」という呼称に対する疑義が強く表明された。
「精神障害者という言葉を、我々は余りにも無自覚に使っていないか。
言葉は、実践の内容にも影響を及ぼす。相当な吟味が必要」
「行政が対応してゆく時に、処遇されるべき人を定義する言葉として“精神障害者”はある。
目の前の患者と付き合っている時、我々は“障害者”として見ているだろうか」
「“障害者”と呼ばれることの言葉の痛みは十分考える必要がある。
便宜上使っているというのは、答えになっていない」
「“障害者”と呼ばれることが嫌な素地が現にある。
嫌な思いをしたりさせたりしない、適当な言葉が他にあればとつくづく思う」
「精神障害者=異常者と考えられている。
自分は病気になった患者であって、障害者ではない」…。

上記の議論は、実は今総会の基本テーマを決める際、総会運営委員会内でも厳しくなされた。
結局、多様な議論のあることを前提として、あえて問題提起として〈精神「障害者」福祉〉を、我が国の精神医学会の総会テーマとしては初めて掲げることとなった。
PSWらの福祉の世界ではともかく、おそらく医療従事者の中にこそ、「精神障害者」という言葉への抵抗は根強くある。

その理由の一つは、「障害」という言葉にまつわる廃疾というイメージが流布されていることによる。
障害年金の診断書に「症状が固定して治療の効果が期待できない」「社会生活はできない」と、これまで記されていたように、障害を認めることは治療的関与の可能性を放棄したことと捉えられていた。
WHOが国際障害分類(ICIDH)を示したのは1980年であるが、我が国ではこの中の disability を、疾病の「焼け跡」として「障害」と位置づける考えが一般化され、このことが逆にスティグマ(烙印)として機能してきた。

しかし、今日、障害という概念は広く捉えられている。
疾病と障害は共存しているのであり、治療とリハビリという段階論や、 cure と care 、治療と福祉という二元論はそろそろ克服されなければならない。
医療とは、病者がより良く生きることへの援助としてあり、生きることのハンディに対する社会的視点を欠かせない。
むしろ、疾病という狭い枠組みにすべて押し込めて事足れりとするのではなく、障害という視点から明確に権利要求していく視点が必要ではなかろうか。
そこから、障害という言葉のもつスティグマ性を打破していく具体的方途が見出せる筈である。

その為には、まず我々医療従事者が、障害という言葉に対する感情的反発を乗り越えて、障害概念をきちんと検討していく必要がある。
そんなことを強く考えさせられたシンポ2/夜間集会であった。

(『病院・地域精神医学』第34巻1号(通巻103号)5頁、1992年発行より)
※ブログへの転載にあたり、改行等の手を入れました。

10・10・10

2010年10月12日 09時48分19秒 | 日々の雑記
2010年10月10日(日)。
珍しく完全オフで、家にいました。
大学で出席を推奨されている、日本社会福祉学会には行かないで(笑)

惰眠をむさぼりました。
前夜から、10時間近く、寝ました。
ゆっくり眠れると、体の疲れが抜ける感じがします。

朝食を作りました。
納豆・漬け物・味噌汁に、アボガドシーザーサラダ、前夜の残り物の鶏南蛮。
いつもはパン食ですが、休日はゆっくり時間をかけて、ご飯で和食です。

家の掃除をしました。
LDKと階段と寝室、ワイパーと掃除機で。
庭の雑草取りは、蚊に負けて、早々に退散しました。
(>_<)

革靴を磨きました。
息子のも含めて、黒、茶、赤茶、計6足。
もう、7~8年、履いているものもあります。

今日は、珍しく一家4人が揃っていました。
長男・次男とも既に成人しており、日曜日に、そうそう家にはいません。
今日はふたりで、家のLAN再構築に、取り組んでいました。

遅い昼食は、マクドナルドのハンバーガー。
配偶者が買ってきたものを、4人で食べました。
新メニューのソルト&レモンと、チーズフォンデュは結構いけるかも。
(^o^)

少し気の早い、衣替えをしました。
クローゼットの半袖シャツは、押し入れの衣類ケースへ。
ウェストの入らないスラックスを3本処分へ。

駅前のスーパーに、買い物に行きました。
コシヒカリ5キロの他、夕食の材料や飲み物等を含め、6144円分。
レタスL玉1個498円には、さすがに手が出ませんでした。

夕飯を作りました。
レバー、タン、砂肝、手羽トロ、牛角切り、ししとう、ペコロス、ネギを串に刺して。
すべて、シンプルに塩を振って、自家製焼き鳥です。

あとは、イナダの刺身とネギトロ、アサリは酒蒸しにして。
完全に居酒屋メニューですね(笑)
缶ビールを2本、飲んじゃいました。
(*^_^*)

テレビを見ました。
「世界の果てまでイッテQスペシャル」。
イモリはやっぱり、本当はかわいいですね。

テレビを見ている間に、ソファで居眠りしました。
お風呂に入りました。
湯船にゆったりつかって、気持ちよかったです。

夜中、ノーパソを開いて、仕事を始めました。
通信教育の学生のレポート、10名分を読みました。
それぞれ添削し、300字程度のコメントを書くのに、3時間半かかりました。
(*_*)

1日で吸った煙草は12本。
書いた原稿は、ゼロ。
鷲田清一さんの本を、少し読みました。

なんてことのない、僕の日常の生活です。
でも、二度と繰り返されることのない、かけがえのない一日です。
一生に1回の10年10月10日は、そんな風に終わりました。

そんなこんなで、今はもう、午前4時です。
日日是好日…?
もう、寝ます。
(=_=)


※ブログ・アップは、二日後、大学に出てから(^_^;)
※画像は、実習巡回の折りに見た、立て看板。東川口にて。

PSW求人情報(8)

2010年10月07日 09時49分26秒 | PSWのお仕事
秋を迎えて、PSW・MSWの求人が本格化してきました。
一般の企業に比べるとはるかに遅く、他の社会福祉施設に比べても遅いですよね。

僕の勤務する大学は、社会福祉の単科大学なので、就活開始は遅いです。
8割強の学部生が、公務員や福祉現場に行くので、まだまだこれからって感じです。

ここでは、東京近辺の病院や地域の支援機関を掲載しています。
いずれも、この1ヶ月以内くらいに求人が公開されているものです。

知り合いのSWから掲載依頼を頂いたものもあります。
ネット等で把握して、僕の方で勝手に載せさせて頂いたものもあります。

あくまでも、個人ブログでの情報提供ですから、内容は各自でご確認下さい。
中には、すでに求人情報としては、古くなってるものもあるかも知れませんので。

やはり、実務経験を求めるところが多いのが、最近の特徴ですね。
まずは現場に入って、キャリアを作ることが、次への一歩につながります。

僕も、最初は3ヶ月間だけ期間限定の、産休代替えPSWでした。
まだ資格もない時代、石の上にも3年を2セットやって、常勤の国家公務員になりました。

幾多の壁があると思いますが、コツコツやってると、評価してくれる人は必ずいます。
PSWをめざして勉強してきたあなたの望みが、なんとか、かないますように…。


※このブログへの掲載は困る、心外だ、削除して欲しいという機関はご連絡下さい。
 
※画像は、仙台に行く時に載った東北新幹線。東京駅にて。


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【東京都】

◇独立行政法人 国立国際医療研究センター
職 種:医療社会事業専門員
応募資格:社会福祉士の資格を有する方
募 集:2名
身分・処遇
1)身分:非常勤職員
2)任用期間:平成23 年3 月末まで(勤務成績により更新あり)
3)給与:時給 1,300円 その他交通費支給
4)勤務形態:月曜日~金曜日
週31時間以内勤務、1日6時間00分、8時30分~15時30分(休憩時間60分を含む)
5)休暇:年次休暇10日
(ただし採用の日から3 ヶ月間継続して勤務し、採用の日から起算して6ヶ月間全勤務日の8割以上勤務した場合で3ヶ月経過後に2日間、6ヶ月経過後に8日間付与)
6)その他:政府管掌健保及び厚生年金、雇用保険に加入、ほか当センター規程による
採用日:随時
選考方法:書類選考の結果、面接の日程を連絡
応募書類:履歴書(市販のもの)
卒業証明書又は卒業証書の写し(社会福祉養成課程の専門学校又は大学のもの)
社会福祉士登録証の写し(精神保険福祉士資格を有する場合は、登録証の写し)
小論文(800字以内)
【テーマ】急性期・救急医療機関における医療ソーシャルワーカーの役割
提出先:〒162-8655 新宿区戸山1-21-1国立国際医療研究センター人事部 人事係
http://www.ncgm.go.jp/center_info/information/recruit/staff.html

◇社会福祉法人JHC板橋会 
採用予定日 2010年度 随時
就業場所 (1)就労継続支援B型(東京都板橋区蓮根3-2-15)
(2)就労移行支援事業(東京都板橋区大山金井町39-1-101)
業務内容 相談援助業務、就労支援等
雇用形態 常勤職員
雇用期間 (1)産休代替え(平成23年10月末日までの有期限)(2)常雇
就業時間 (1)9時30分から17時30分、(2)9時00分から17時00分
時間外 月平均10時間程度
賃金形態 大卒初任給の場合、180,800円~  通勤手当等の各種手当あり
昇給:有   賞与:年2回(約2.5ヶ月分)
休日 週休2日制(土・日)、夏期休暇、年末年始、年次有給休暇有り
保険 健康・厚生年金・労災・雇用保険等に加入、 退職金制度:有
応募資格 精神保健福祉士資格所持者
募集人数 若干名 (1名は産休代替え)
応募方法 電話連絡の上、問い合わせ先まで履歴書と自己紹介文(または応募動機)をお送りください。書類審査後、面接日を通知致します。(応募書類不返却)
問合せ先 JHC大山(担当:荒井)
 〒173-0024 東京都板橋区大山金井町38-5 ジョイムビル201
 TEL03-3974-9981  E-mail o-yama@jhcitabashi.or.jp

◇社会福祉法人JHC板橋会 
採用予定日 2010年度 随時
就業場所 (1)地域活動支援センター(東京都板橋区南常盤台2-1-7)
(2)就労継続支援B型(東京都板橋区蓮根3-2-15)
業務内容 相談援助業務等
雇用形態 非常勤職員
雇用期間 (1)地域活動支援センター 平成22年10月~23年3月末まで。(更新は応相談)
(2)就労継続支援B型 平成22年10月~23年10月末まで。(産休代替え)
就業時間 (1)地域活動支援センター
  10時から18時 週に3日間(火曜日から土曜日の内の3日間)
(2)就労継続支援B型
  9時30分から17時30分
  週に3日間以上(月曜日から金曜日の内の3日間以上)
時間外 なし
賃金形態 時給1,000円~、通勤手当1ヶ月上限1万円
休日 夏期休暇、年末年始、非常勤就業規定により有給休暇有り
保険 勤務時間数により、健康・厚生年金・雇用保険・労災等に加入
応募資格 精神保健福祉士資格所持者
募集人数 若干名 (1名は産休代替え)
応募方法 電話連絡の上、問い合わせ先まで履歴書と自己紹介文(または応募動機)をお送りください。書類審査後、面接日を通知致します。(応募書類不返却)
問合せ先 JHC大山(担当:荒井)
 〒173-0024 東京都板橋区大山金井町38-5 ジョイムビル201
 TEL03-3974-9981  E-mail o-yama@jhcitabashi.or.jp

◇特定非営利活動法人ミュー ミューのいえ
採用予定日 2010年10月中(応相談)
就業場所 精神障害者グループホーム ミューのいえ(JR武蔵境駅徒歩15分)
業務内容 グループホーム世話人業務(生活支援、訪問、同行、清掃、事務補助等)
雇用形態 非常勤職員
雇用期間 単年度契約(更新あり)
就業時間 9:00~17:00(応相談)
時間外 原則なし
賃金形態 時間給 1,000円~
当法人規定により、職務経験年数に応じて時間給を決定いたします。
休日 土・日・祭日・年末年始
保険 労災・雇用保険
応募資格 木曜日と合わせて、週2~3日勤務が可能な方。曜日応相談。
年齢不問、精神保健福祉士、未取得の方は応相談。
募集人数 1名
応募方法 履歴書、職務経歴書を下記へお送り下さい。10月中随時。
書類選考後、採用面接日等のご連絡をします。
問合せ先 特定非営利活動法人ミュー 就労支援センターMEW (担当:島津屋)
 〒180-0013 東京都武蔵野市西久保1-6-25西川ビル301
 TEL:0422-36-3577

◇財団法人精神医学研究所附属 東京武蔵野病院
採用予定日 応相談(できるだけ早い方が望ましい)
就業場所 東京武蔵野病院 (東京都板橋区小茂根4-11-11)
東京メトロ有楽町線・副都心線 小竹向原駅 1番出口徒歩7分程度
業務内容 精神保健ソーシャルワーク (病棟業務、外来・地域医療連携業務、デイケア業務のローテーションあり)
雇用形態 正職員
雇用期間 常雇
就業時間 8時30分~17時まで
賃金形態 基本給200,600円/月(大卒基本給に単身住宅手当15,000円込)、通勤手当:実費支給50,000円迄/月、昇給有り、賞与:年2回(昨年度実績約3.4ヶ月)
休日 週休2日制、リフレッシュ休暇(年間7日)、バースデー休暇(年間2日)、年末年始(7日)、年次有給休暇等
保険 健康・労災・厚生年金・雇用、 退職金制度:有
福利厚生 職員食堂、院内保育施設等
応募資格 精神保健福祉士資格所持者で、3年以上の病院実務経験を有する方が望ましい
募集人数 若干名
応募方法 電話連絡の上、問合せ先まで郵送にて履歴書および志望動機を(A4一枚程度)をお送りください。選考後、面接日を通知します。
問合せ先 精神医学研究所 附属 東京武蔵野病院 医療相談部(担当:阿比留・伊藤)
 〒173-0037  東京都板橋区小茂根4-11-11 代表TEL 03-5986-3111
  メールアドレス: iryou-renkei@tmh.or.jp ホームページ http://www.tmh.or.jp

◇医療法人社団碧水会 長谷川病院 
採用予定日 2010年12月 (応相談)
就業場所 長谷川病院(東京都三鷹市大沢2-20-36)
業務内容 精神科病院における相談援助・入退院支援・心理教育業務
雇用形態 正職員
雇用期間 常勤 (試用期間あり)
就業時間 9時~17時
時間外 不定(業務状況に応じて)
賃金形態 当院規定による(経験による加算有)
休日 日祝日に加え月4日、夏季休暇・年末年始
保険 各種保険完備 退職金制度:有
応募資格 精神保健福祉士資格保持者 3年以上の実務経験を有する方
特にアルコール依存症の治療に経験・関心のある方
募集人数 1名
応募方法 電話連絡のうえ、履歴書・職務経歴書をお送りください。
書類審査が通過した方に後日面接日を通知いたします。(応募書類不返却)
問合せ先 医療法人社団碧水会 長谷川病院 医療社会事業部 佐藤宛
 〒181-8586 東京都三鷹市大沢2-20-36 TEL.0422-31-8600(代表)
 URL:http://www.hasegawa-hp.or.jp/


◇財団法人高尾保養院 東京高尾病院 
採用予定日 随時
就業場所 財団法人高尾保養院 東京高尾病院(東京都八王子市高尾町2187番地)
業務内容 相談援助業務他
雇用形態 常勤
雇用期間 常雇
就業時間 月~金8:30~16:30、休憩60分
時間外 月平均10時間
賃金形態 基本給15万円/月、調整手当1万円/月、資格手当1万円/月
精勤手当5千円/月、通勤手当、賞与 年2回、昇給あり
休日 土・日・祝(休日出勤あり・事務当直あり)、夏季休暇、年末年始、年次休暇(初年度10日)
保険 健康・雇用・厚生・労災保険、退職金制度あり
応募資格 精神保健福祉士資格、普通自動車免許
募集人数 2名
応募方法 まずは電話にてご連絡ください。
問合せ先 財団法人高尾保養院 東京高尾病院 担当:長田(オサダ)
 〒193-0844 東京都八王子市高尾町2187 TEL 042-661-6652

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【神奈川県】

◇医療法人寿康会 相模病院 
採用予定日 随時
就業場所 相模病院
業務内容 相談援助業務
雇用形態 正職員
雇用期間 常雇
就業時間 8:50~17:00
時間外 月平均10時間
賃金形態 基本給15万円以上/月  諸手当2万2千円/月  精勤手当5千円/月
通勤手当:実費  昇給:有り  賞与:年2回
休日 週休2日制、夏期休暇、年末年始
保険 健康・労災・厚生年金・雇用・退職金制度:有
応募資格 精神保健福祉士資格所持者
募集人数 1名
応募方法 電話連絡の上、履歴書持参
問合せ先 医療法人寿康会 相模病院(担当:小林・山口)
 〒252-0034 神奈川県相模原市南区若松1-12-25
 電話:042-743-0311  URL:www.sagami-hp.com

◇社会福祉法人恵友会 
採用予定日 応相談(できるだけ早いほうがのぞましい)
就業場所 地域活動支援センター ギッフェリ/横浜市中区千歳町1-11-1F
(JR関内駅または石川町駅より徒歩12分、地下鉄 伊勢佐木長者町駅より徒歩8分)
求人職種 地域活動支援センターギッフェリの施設長
業務内容 精神障害者対象の地域活動支援センターの運営
パンの焼成・販売をするギッフェリカフェの運営
雇用形態 正職員
雇用期間 常雇
就業時間 月~金 9:00~17:00(休憩60分)
時間外 月5~10時間
賃金形態 大卒初任給187,300円(職歴加算あり)施設長手当30,000円 住宅手当10,000円
通勤手当実費全額 賞与年4.5月(年2回)
休日 週休2日制、夏期休暇、年末年始
保険 健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険、横浜市勤労者福祉共済
応募資格 精神保健福祉士資格保持者、1年以上の精神保健福祉関連業務経験者
募集人数 1名
応募方法 電話連絡の上、問い合わせ先へ履歴書、職務経歴書、資格証明書(写し)郵送
書類選考後面接
問合せ先 社会福祉法人恵友会 担当:事務長 犬塚善一朗
 〒231-0035 神奈川県横浜市中区千歳町1-10 Jビルディング3F
 TEL/FAX.045-253-3432 URL:http://www.h6.dion.ne.jp/~keiyuu/

◇医療法人社団元気会  横浜病院
採用予定日 急募
就業場所 医療法人社団 横浜病院(神奈川県横浜市緑区寺山町729)
業務内容 相談業務
雇用形態 正社員
雇用期間 常勤
就業時間 9時から17時まで
時間外 月10~20時間
賃金形態 178,920円~193,320円(経験2年以上)
別途通勤手当、残業手当、賞与年2回(約60万)、昇給あり
休日 週休2日制 ※ただし土、日、祝日は交代で月2回(月による)程度出勤あり
夏季休暇、有給休暇、年末年始
保険 各種保険完備、退職金制度あり
応募資格 精神保健福祉士資格、実務経験2年以上(精神科病院以外の経験も可)
募集人数 若干名
応募方法 まずは電話にてご連絡ください。
問合せ先 医療法人社団元気会 横浜病院(担当:醍醐、佐藤、圓角(エンガク))
 神奈川県横浜市緑区寺山町729 電話:045-933-1011 URL:http://genkikaiyokohama.jp

◇医療法人社団 博奉会 相模ヶ丘病院
採用予定日 応相談
就業場所 相模ヶ丘病院 (神奈川県相模原市南区下溝4378)
業務内容 相談援助業務
雇用形態 正職員
雇用期間 常雇
就業時間 9:00~17:00
時間外 10時間程
賃金形態 200,100円~(諸手当含む) 通勤手当:全額支給
昇給:有  賞与:年2回(4.5ヶ月) いずれも昨年実績
休日 4週7休制(日曜日他 シフトによる)
祝日・夏季休暇・年末年始・慶弔他
保険 健康・厚生年金(基金)・労災・雇用 退職金制度:有(規定による)
応募資格 精神保健福祉士資格所持者
募集人数 1名
応募方法 電話連絡の上、問合せ先まで履歴書をお送りください。後日連絡致します。
※ホームページからも応募できます。 URL:http://www.hakuhou-kai.or.jp/
問合せ先 医療法人社団 博奉会 相模ヶ丘病院 担当:事務長 山田(やまだ)
〒252-0335 神奈川県相模原市南区下溝4378  TEL:042-778-0200

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【茨城県】

◇医療法人 清風会 ホスピタル坂東 
採用予定日 随時
就業場所 ケアマネジメント部(相談室)
業務内容 相談業務・連携先との連絡・調整
雇用形態 正職員
雇用期間 常雇
就業時間 9時から17時 (土曜日 9時から12時30分)
時間外 ~10時間
賃金形態 職能給:150,000円~350,000円 資格給:15,000円
賞与:年2回 通勤手当:40,000円まで
休日 隔週土曜日・日曜・祝祭日・年末年始(勤務表による)・夏季休暇・創立記念日(6月3日)・アニバーサリー休暇・育児休暇
保険 健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険・財形・厚生年金基金
応募資格 精神保健福祉士資格保持者(2~3年の実務経験者・相談業務管理経験者)
募集人数 2名
応募方法 電話連絡の上、問い合わせ先へ履歴書送付後面接いたします。
問合せ先 医療法人 清風会 ホスピタル坂東 (担当 看護部長:湯本)
〒306-0515 茨城県坂東市沓掛411  TEL:0297-44-2000
URL:http://www.group-seifu.or.jp/howarei/main.html


幼い日の写真

2010年10月04日 14時22分42秒 | ブログのこと
「PSW研究室」、訪問者6万ヒットを超えました。
ここには、1日250人くらいの方が覗きに来てくれています。
1年半前の始めた頃は、ほんの十数人だったんですが。

顔も名前も知らない人が、記事に目を通してくれているということ。
それが、どんなに忙しくても、僕がブログを続ける原動力になっています。
本当に、ありがとうございます。

さて、6万ヒット記念の、想い出写真館です。
母と一緒に撮った、3~4歳頃の写真です。
先日アップした「三輪車の想い出」の続き写真だと思います。

まだ若い、30歳くらいの、母が写っています。
写真を撮った父も、母と同年齢です。
休日、近所の路地で撮ったものでしょうか。

当時、親子3人で、新所沢という街に住んでいました。
今から考えると、本当に小さな家でした。
でも、家族がようやく安住して、新しい一歩を踏み出した土地でした。

それまで、色々あって、僕はよその家に預けられていました。
まだ、保育所も満足に整備されていない時代です。
父も母も、貧しい中で、新しい仕事を軌道に乗せるのに必死に働いていました。

僕を預かってくれていたのは、母の親友の玉田さんというお家でした。
玉田さん夫婦には、子どもがいなかったため、僕を大層可愛がってくれました。
玉田のおじさんはとても穏やかな人で、おばさんはとても明るい人でした。

おばさんは自分のことを、僕に「ママ」と呼ばせようとしていました。
「ママと言ったら、これあげる♪」と、お菓子など、ちらつかせていたようです。
でも、僕が口をへの字にして、言おうとしないので、いじらしかったといいます。

時々、母は、玉田さんの家まで、僕に会いに来ていました。
玄関の戸が開く音がすると、僕は「ママだ!」と叫んで走っていったそうです。
それまで膝の上に僕を乗せてあやしていたおばさんは、とても切なかったと言います。

母が家に帰らなければいけない時間には、僕は母にしがみついていました。
いつも「ママ…」と泣き叫ぶ僕を、おばさんが抱えている間に、母は玄関を出たそうです。
母は涙を浮かべて帰り、泣いている僕を抱えながら、おばさんも泣いていたそうです。

父母にも、玉田さんにも、僕はとても愛されていました。
それでも、親と離ればなれになる心細さは、どうしようもなかったのでしょう。
置いて行かれる、捨てられる、親を失う恐怖を、感じていたのではないでしょうか…。

そんな2年間を経て、親子3人で暮らし始めたのが、この写真の頃です。
貧しくても、親子で一緒に暮らせる幸せを、子ども心に実感していたと思います。
穏やかな笑顔の、古びた一枚の写真に、その時の家族の歴史が刻み込まれています。

2010アジアウィーク

2010年10月02日 12時48分59秒 | イベント告知
皆さんのお住まいの地域では、どうでしょうか?
外国人の方が、街で一緒に暮らしていませんか?
もう、日本の国は、当たり前に「多民族文化社会」化してきています。

大きな工場等がある外国人集住地域では、多くの外国籍の子ども達が住んでいます。
でも、全国1800自治体のうち、ほとんどは外国人の散住地域です。
外国籍の子どもは、全生徒のうち5人未満という学校が、今でも8割だそうです。

一方で、日本国内の結婚する人のうち、既に20組に1組は国際結婚です。
東京では、12組に1組、出生児は19人に1人は外国系になっているそうです。
ちょっと、ビックリする数字ですよね?(厚生労働省平成19年人口動態統計調査)

自国文化の流儀を通せば、日本の文化と様々な軋轢と葛藤を生みます。
日本人はどうしても「郷に入りては郷に従え」という、やや排外的な傾向がありますし。
出身国の文化を尊重しながら、日本で安心して子育てしていく、環境整備が必要です。

マイノリティの方々が、新しい風土、文化に適応するって、結構大変なことです。
ましてや、鎖国的島国の伝統か、異文化の受入れに寛容さの乏しい世代や地域においては。
障害者と同様、日常的な接触体験の有無が、固定イメージを払拭する手立てなのでしょう。

外国人の増加にともなって、教育と福祉の連携が模索されています。
SWにも、カルチュラルコンピテンス(多文化対応能力)が求められてきています。
外国籍の児童や家庭への包括的支援が、大きなテーマになってきています。

そんな中で、今度「2010日本社会事業大学アジアウィーク」を行うことになりました。
外国人支援、SW国際定義、災害時SW、が大きなテーマの柱です。
外国語の出来ない方でも、全部通訳がついてて大丈夫なので、ご参加下さい。

この「アジアウィーク」を中心になって運営しているのは、山口幸夫さん。
日本社会事業大学にある社会事業研究所の特任准教授です。
アジア福祉創造センターを立ち上げる際に招かれた方で、僕の大学入職の同期です。

文科省の「定住外国人の児童の教育等に関する政策懇談会」の委員でもあります。
フィリピンパブから四川大地震まで、アジアを駆け巡っている方です。
穏やかな笑顔でゆっくり話す、温厚な方ですが、とても熱いハートを持った同僚です。

以上、外国に一度も行ったことのない僕には、無理のある外国人支援の記事でした。
カルチュラルコンピテンスって僕が書いても、あまり説得力がないですね~(反省…)
山口さんを見習って、「アジアウィーク」で、少しは勉強をしてきます!


※山口幸夫「散住地域における外国籍等子ども家庭の現状と支援に関する研究」を参照。
※画像は、前回記事に同じ、上野不忍池の弁天堂。これが、通常の露出の画像です。

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2010日本社会事業大学アジアウィーク
INTERNATIONAL SEMINAR ON SOCIAL WORK IN ASIA AND THE PACIFIC 2010
日本社会事業大学アジア福祉創造センター創立2周年記念

主催:日本社会事業大学 社会事業研究所
共催:アジア太平洋ソーシャルワーク教育連盟 (APASWE)

2010年度の環太平洋社会福祉セミナーは、アジア福祉創造センター創立2周年記念事業として、日本社会事業大学アジアウィークを実施します。奮ってご参加下さい。
11月1日~5日 アジア福祉創造センタープロジェクト関連パネル展示
11月3日(水) 「移住女性と子どものエンパワメントのための国際円卓会議」
11月4日(木) 「ソーシャルワーク国際定義アジア太平洋地域ワークショップ」
11月5日(金) 「災害リスク管理のソーシャルワーク教育の理論と実践」

アジアウィーク・プログラム(※当日は、日本語による同時通訳が付きます)

◆11月3日(水)
「移住女性と子どものエンパワメントのための国際円卓会議」
当事者による移住女性と子どもと支援の抱えるトランスナショナルな問題に対応する多文化ソーシャルワーク機能を強化するための国際的な連携を深めます。
9:30-15:45 ( 9:00 受付 )
会場:日本社会事業大学 (A101教室)

◇フィリピン移住女性と子どものエンパワメント (9:30-12:30)
司会:山口幸夫(日本社会事業大学、特任准教授)
「フィリピンの現状」
フィリピン大学教授:ジョスリン・カルゲイ
「フィリピンでの当事者活動」
BATIS女性センター:アンドレア・カルゲイ代表、ララ・サルード主幹)
「日本の現状と当事者活動」
カラカサン 
質疑・コメント
原島 博(ルーテル学院大学、教授)
添田 正揮(日本社会事業大学、実習講師)

◇地域での実践 (14:00-15:45)
「集住地域での当事者による実践」
川崎ふれあい館
「医療通訳の現場から」
多言語社会リソースMICかながわ
「散住地域での多文化実践」
ふじみの国際交流センター
「就学と就業」
多文化共生子ども・若者プラットホーム
質疑・コメント
デチャサングカワン(タマサート大学、教授)
王 麗容(台湾大学、教授)
ローマン・ウルリッヒ(日本社会事業大学、客員教授)

◆11月4日(木)
「ソーシャルワーク国際定義アジア太平洋地域ワークショップ」
現在の定義は私たちに、私たちの実践、思考、価値にあっているのであろうか。ばらばらのつぶやきを、アジア・太平洋地域のまとまった一つの声にします。

9: 30-15:45 ( 8:00 受付 )
会場:日本社会事業大学 (A101教室)
共催:国際ソーシャルワーク学校連盟 (IASSW)

<参加国>オーストラリア、バングラデッシュ、中国、
インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、
ネパール、フィリピン、タイ
開会の辞
日本社会福祉学校連盟会長(日本社会事業大学学長)橋 重宏

各国ワークショップ概要報告・国別報告
討論・検討(13:00-15:40)
グループ別検討及び内容の報告・まとめ

◆11月5日(金)
「第19回環太平洋社会福祉セミナー」
「災害リスク管理のソーシャルワーク教育 理論と実践」
このセミナーの目的は、アジア地域における災害リスク管理のソーシャルワーク人材育成のための教科書を開発することにあります。災害復興は長期的な社会開発であり、私たちはしなやかなコミュニティを構築するためのソーシャルワーカーの役割について検討します。

9:30-17:00 ( 9:00 受付)
会場:日本社会事業大学 (A101教室)

挨拶
橋 重宏(日本社会事業大学、学長)
秋元 樹(日本社会事業大学、特任教授:APASWE会長)
金 聖二(梨花女子大学、教授:APASWE前会長)
問題提起
「災害リスク管理のソーシャルワーク教育の理論と実践」
山口幸夫(日本社会事業大学、特任准教授)
事例報告
「宅復興開発:スリランカ~ツナミ災害地域のコミュニティ復興
サンジー・バデメル(Serve)
「コミュニティビジネス:タイ~津波被災者支援
アニ・ヤマネ(タマサート大学)
「地域組織化活動:ジャワ島中部地震」
ハリー・カスワラ(バンドン社会福祉大学)
「災害ソーシャルワーク教育」
タン・ニョ・ティオン(シンガポール・SIM大学)
基調講演
「しなやかなコミュニティづくりのための人材育成」
エマニエル・ルナ(フィリピン大学)
「中国の災害対応ソーシャルワーク人材育成」
司 柏年(中国ソーシャルワーク教育協会)
討論
「求められるソーシャルワークと人材育成」
エマニュエル・ルナ(フィリピン大学)
タンニョティオン(シンガポール・SIM大学)
新家 増美(華東理工大学)

第53回日本病院・地域精神医学会のプログラム

2010年10月01日 09時56分58秒 | イベント告知
日本病院・地域精神医学会が、今年は東京であります。
総会プログラムが送られて来たので、以下に抜粋を貼り付けておきます。
もう、第53回目…、いつのまにか、十分に老舗学会ですね。

昔は、精神科系の学会といえば、日本精神神経学会くらいしかありませんでした。
1957年、国立武蔵療養所を会場に「病院精神医学懇話会」としてスタート。
その後「病院精神医学会」となり「病院・地域精神医学会」となり、現在に至っています。

「病院精神医学(Anstalts Psychiatrie)」は、「大学精神医学」に対置された言葉です。
大学で行われていた、基礎的な精神医学研究へのアンチテーゼと言えます。
精神病院の臨床を基礎に、治療とリハビリテーションの実践的研究を追求しました。

そもそもの出発点は…、というと教科書的な歴史の話しになってしまいますが…(笑)

やはり、ジーモン(H.Simon)が始祖といえるのでしょうか?
精神病院の中で、患者の社会適応能力を高める試みの活動を展開しました。
これが今日に至る「作業療法」の始まりで、病院精神医学の出発点です。

シュルテ(W.Schulte)は、これを発展させました。
病気を患者だけの問題とせず、治療過程で生じる施設や社会との関わりを提起しました。
治療者・患者関係なども射程に入れた、実践的な研究を進めました。

戦後、ジョーンズ(M.Jones)らが、その後の病院精神医学を方向づけました。
患者の社会復帰には、精神病院を治療的共同体へ形成する必要があると考えられました。
そして、同時に、社会への働きかけが必要であることを提起しました。

この学会の前身である「病院精神医学懇話会」も、この系譜を引き継ぐものです。
当時の医学会は、臨床現場から遊離した大学における研究が、もっぱら中心でした。
そんな現状に飽き足らない、病院現場の人々の呼びかけによって、創始されたものです。

精神障害者の隔離収容政策の下、わが国の精神病院は1960年代に一気に増えました。
各地で病院の不祥事が生じる中で、学会は紛糾し、再建され、地域へと展開してきました。
日本の精神医療の流れと期を一にしながら、この学会は歩んできたと言えます。

総会プログラムは、その時々の精神保健医療福祉の課題を、表しています。
精神科救急、うつ病と自殺予防、地域移行、医療観察法、アディクション、若年認知症…。
医学会でありながら、PSWの演題発表や参加者がやたら多いのも、当然の流れでしょう。

ただ、一参加者として見ると、総会の集客数や雰囲気は、年ごとにまるで違います。
その年の開催地の、県内の精神医療事情や準備状況を、やはり反映するようです。
さて、今年の東京総会は、どんな感じでしょうか???


※画像は、上野不忍池の弁天堂。
 露光を多くしたら、こんな風に撮れました(^_^)v


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第53回日本病院・地域精神医学会総会プログラム

基本テーマ:『We are not ALONE』 ~多様な病・多様な試み~
期日:2010年11月5日(金)~ 6日(土)
会場:ホテルメトロポリタン エドモント 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-10-8  交通:JR飯田橋駅より徒歩約5分
会長:新貝憲利(成増厚生病院院長)
事務局:成増厚生病院(総会事務局長 辻脇邦彦)
URL:http//www.byochi.org./
E-mail:byochi53@mhcg.or.jp

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◆第1日目=11月5日(金)

◇ シンポジウム1「精神科救急の未来について」(9:50~11:50)
座長:
岩成秀夫(神奈川県立精神医療センター所長)
田中哲也(陽和病院 看護部長)

シンポジスト
中村 満((財)東京都保健医療公社豊島病院 精神科医長)
「精神科救急における孤立とそのケア」
徳江 仁(井の頭病院 看護科長)
「入院時から退院を意識した調整~当たり前のことを当たり前に実践する!!~」
塚本哲司(埼玉県立精神保健福祉センター精神科救急情報部 主査)
「精神科救急情報センターにおける地域生活支援の取り組み」
蕪木忠政(朝霞地区一部事業組合 埼玉県南西部消防本部次長兼救急課長)
「埼玉県南西部に於ける精神科救急の現状と問題点」

◇ ランチタイムセッション「現代人の苦悩と森田療法」(12:00~12:50)
座長:米沢 宏(医療法人社団慈友会 慈友クリニック院長)
講師:北西憲二(森田療法研究所)

◇特別講演「現代人のこころの支え」(13:10~14:50) 
司会:森山公夫(医療法人社団一陽会 陽和病院名誉院長)
講師:板橋 興宗禅師(御誕生寺 ご住職)

◇シンポジウム3 「自殺防止から考えるうつ病治療」(15:00~17:00)
座長:
徳永雄一郎(不知火病院 理事長)
佐久間 啓(あさかホスピタル 理事長)

シンポジスト
松原六郎((財)松原病院 理事長)
「自殺防止可能であったストレスケア病棟における治療」
田々野李恵(医療法人社団更正会 草津病院 看護主任)
「病棟看護から考える自殺防止対策」
宮下美穂(医療法人明心会 仁大駅前クリニック PSW)
「外来治療における自殺防止対策」
宮武ゆかり(医療法人亀廣記念医学会 関西記念病院 臨床心理士)
「地域関連機関との連携からみた自殺防止の問題点」
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◇一般演題「高齢者」(9:40~10:40)
座長:
清水那智子(成増高等看護学校 看護)
五十嵐成則(四葉地域包括支援センター 社会福祉士)

「認知症デイケアにおける環境調整と人間関係について考える」
今西香菜子(大阪 星のクリニック OT)
「収集行動が散見される認知症患者に対する行動療法」
千 修(福井 嶺南病院 看護)
「認知症高齢者を介護する家族の心理的介護負担軽減のためのアプローチ」
結城千晶(東京 ハート・ケアみその 介護福祉専門員)
「認知症の心理アセスメントを日々の臨床に生かすために」
落合真弓(東京 成増厚生病院 心理)

◇一般演題「薬物療法」(10:50~11:50)
座長:
森 豊(成増厚生病院 医師)
堤 一樹(草津病院 看護)

「チーム医療による退院支援から見えてきた意外な結末を迎える一例」
木内健雄(静岡 三方原病院 薬剤師)
「精神科外来における漢方薬の適正使用」
奥平智之(埼玉 山口病院 医師)
「藤代健生病院における第二世代持効性注射剤の使用経験」
渡 千恵(青森 藤代健生病院 薬剤師)
「慢性期統合失調症患者に対する心理教育の試み」
内山道子(青森 弘前愛成会病院 薬剤師)

◇ランチタイムセッション「アルコール医療と地域連携」(12:00~12:50)
講師:猪野亜朗(かすみがうらクリニック 医師)
座長:後藤 恵(成増厚生病院 診療部長)

◇交流コーナー7(14:50~15:50)
上岡陽江(ダルク女性ハウス PSW)
「女性薬物依存症のリハビリテーションと障害者自立支援法~ダルク女性ハウスの実践から~」

◇一般演題「訪問・地域移行」(15:50~16:50)
座長:
横山雄二(池袋こころのクリニック 院長 医師)
三橋良子(地域生活支援センターゆりあす 所長 PSW)

「病院医療から地域医療への展開」
谷口裕康(大阪 さわ病院訪問看護ステーション 看護)
「静岡県における地域移行支援事業の事業者調査から」
大石信弘(社会福祉士事務所「静岡まちとも」 PSW)
「精神障害者への地域理解を得るために」
奥村由季恵(愛知 障害福祉施設援護寮アークヒルズ 生活指導員)
「当事者の立場からみた「ふれあう訪問事業」
坂本勉(神奈川 百合丘地域生活支援センターゆりあす ピアサポーター)
------------------------------------------------------------------------
◇一般演題「チーム医療1」(9:40~10:40)
座長:
美濃由紀子(東京医科歯科大学大学院 保健衛生研究科 看護)
冨沢妙子(成増厚生病院 心理)

「『畳の上で死にたい』地域活動支援センター・ピアスタッフとの関わりを中心とした退院促進委員会(たいいんくらぶ)の南埼玉病院の試み、中間報告」
谷本 和弘(埼玉 南埼玉病院 看護)
「アウトリーチによる生活場面での作業療法の有効性」
本田友美(福島 舞子浜病院 OT)
「当病院における家族教室の展開」
菅野美穂(宮城 県立精神医療センター CP)
「さわ病院デイケアセンターでの利用者対応における危機管理」
増子美佐(大阪 さわ病院 心理)

◇一般演題「チーム医療2」(10:50~11:50)
座長:
美濃由紀子(東京医科歯科大学大学院 保健衛生研究科 看護)
冨沢妙子(成増厚生病院 心理)

「精神障害者自立支援に必要な介護技術の明確化の試み」
土川洋子(東京 白梅学園短期大学 准教授)
「東京都八王子における居宅生活安定化自立支援事業での取り組みⅡ」
田中文人(東京 NPO法人多摩在宅支援センター円 PSW)
「Basic Documenation(BADO)を通してのソーシャルワーカーとしての支援の振り返り」
荻生淳希(東京 平川病院 PSW)
「ある女性患者の退院支援に携わって」
松垣 優(福岡 行橋記念病院 PSW)

◇一般演題「地域1」(14:50~15:50)
座長:
宮本めぐみ(地域活動支援センターMOTO所長 看護)
戸島 大樹(共同作業所 CrazyCats 所長 PSW)

「精神障害者グループホームの経験」
千田耕平(東京 NPO法人アドボケイト会 ピアホーム 世話人・家族)
「地域活動支援センターの通所メンバーのニーズの特徴」
藤代知美(徳島 四国大学 助教授)
「地域生活支援における移行期について」
藤 直子(東京 美山ヒルズ(平川病院) PSW)
「精神科病院入院中患者における転倒事故の疫学調査」
小川耕平(東京 成増厚生病院 医師)

◇一般演題「アディクション」(16:00~17:00)
座長:
藤原誠二(特別養護老人ホーム 音羽台レジデンス施設長 看護)
廣原靖巳(江北メンタルクルニック 看護)

「一般精神科診療所における依存症ミーティング導入の試み」
上野まどか(東京 こまごめ緑陰診療所 心理)
「ギャンブル依存症患者の回復」
吉塚由美(福岡 八幡厚生病院 看護)
「依存が役に立つ関係」
田川慶子(福岡 リカバリーセンターふくおか 看護)
「アルコール薬物関連障害における飲酒運転の調査」
天神雄也(東京 成増厚生病院 医師)

◇夜間交流集会1(18:40~20:30)
「各職種からみた精神科デイケアの魅力を語ろう~Part3~
森泉智男(大阪 浅香山病院 心理)
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◇交流コーナー1(9:40~10:40)
「非統合失調症圏の人への生活訓練、生活支援ってどうしたらいい? ~利用者理解と援助の方法を考える」
内山美根子(東京 都立多摩総合精神保健福祉センター PSW)

◇交流コーナー2(10:50~11:50)
「精神科領域における特定看護師の養成について考えてみよう!」
辻脇邦彦(埼玉 埼玉医科大学大学院 看護学研究科 看護)

◇交流コーナー3(13:00~14:00)
「病院での日頃の実践を見直してみませんか?~イタリアの精神医療改革から学ぶ~」
保田美幸(京都 岩倉病院 PSW)

◇交流コーナー4(14:10~15:10)
「日本文化にあったリカバリーを探そう」
中原さとみ(東京 リカバリーキャラバン隊 PSW)

◇交流コーナー5(15:20~16:20)
「カナダ・バンクーバーのピアサポーターを囲んで」
内野 誠(日本カナダ国際精神保健交流会 PSW)

◇交流コーナー6(16:30~17:30)
「精神障害者に対する援助・支援研修課題ガイドライン」に基づく勉強会
~なに色ですか?あなたの心のサングラス~
高島眞澄(茨城 NPO茨城県精神障害地域ケアー研究会 PSW)
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◇シンポジウム2「地域移行をめぐって いろんな地域 いろんな立場から」
(9:50~11:50)
座長:
古屋龍太(日本社会事業大学大学院 准教授)
山口弘美(NPO法人全国精神障害者団体連合会 理事)

シンポジスト
長野敏宏(御荘病院 院長)
「住民参画による精神保健福祉活動と病床削減」
寺田悦子(NPO法人多摩在宅支援センター円 理事長)
「一人一人 オーダーメイドの支援チーム」
矢田朱美(社会福祉法人ふぁっと 所長)
「医療と福祉をつなげる独立型精神科訪問看護ステーションの試み」

◇ランチタイムセッション「地域発 100人の居住支援を通して」(12:00~12:50)
座長:大塚淳子(日本精神保健福祉士協会 常務理事 PSW)
講師:田尾有樹子(社会福祉法人巣立ち会 理事 PSW)

◇薬剤セミナー(13:00~15:00)
“今、改めて精神科薬物療法における医師・薬剤師・当事者との良好な関係について考える”
座長:
中谷真樹(医師)住吉病院
吉尾 隆(薬剤師)東邦大学薬学部

シンポジスト
遠藤 洋(薬剤師) 晴和病院薬剤部
「単科精神科病院(晴和病院)における医師との関係について1」
園田美樹(薬剤師) 八幡厚生病院薬剤課
「単科精神科病院(八幡厚生病院)における医師との関係について2」
高橋結花(薬剤師) 東京女子医大薬剤部
「大学病院(東京女子医大病院)における医師との関係について」
宇田川健(当事者:コンボ代表理事)
「当事者からみた医師・薬剤師との関係について」

◇一般演題「その他」(15:20~16:35)
座長:
村瀬智子(初石病院 看護)
森山政子(大泉病院 看護)

「医療保護入院者が医師に任意入院への切り替えを要請した場合の自治体別解釈について」 桐原尚人(東京 全国「精神病」者集団 当事者」)
「現行の入院者権利擁護システムの問題点と課題」
東谷幸政(東京 NPOわくわく PSW)
「精神科病院を知ろう!東京精神病院事情(ありのまま)第6刊の報告」
木村朋子(東京 東京地域精神医療業務研究会 PSW)
「精神障害者支援における医療と地域の専門職が有する
『事例に関する視点』の研究」
山田孟志(滋賀 栗東市役所健康福祉部 発達支援室 PSW)
「PSWは自らの実践をどのように報告してきたのか」
福冨 律(東京 立教大学大学院コミュニティ福祉学研究科 PSW)

◇ 浜田賞授賞式(17:00~17:20)

◇ 総会議事 (17:20~18:30)

◇ 夜間交流集会2(18:40~20:30)
「精神医療・福祉の現状を問う Part8」
原田 徹(京都 ウエノ診療所 心理)
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◇市民講座1「ストレス社会と鬱病の変化」(10:00~11:30)
講師:徳永雄一郎(不知火病院 医師)

◇シンポジウム3「医療観察法を問い直す」(13:00~14:40)
司会:
大賀達雄(埼玉県済生会鴻巣病院)
山岡信明(小泉病院)

シンポジスト
中島 直(多摩あおば病院)
岩尾俊一郎(兵庫県立光風病院)
関口明彦(当事者)
指定討論:中川 実(こころのクリニック西尾)

◇診療報酬セミナー(14:50~16:30)

◇市民講座2「認知症の理解とケア」(17:00~18:30)
司会:落合真弓(和光病院 臨床心理士)
講師:斎藤正彦(和光病院 院長)

◇夜間交流集会3(18:40~20:30)
「精神障害者共同作業書通所訓練施設事業運営費等補助金交付制度を検証する
~東京都の補助金はいかにして制度化に至ったのか~」
鷹野 朋美(東京 日本赤十字看護大学 看護)

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◆第2日目=11月6日(土)

◇一般演題「孤立・多様性」(9:00~9:50)
座長:
三枝美樹夫(成増厚生病院 看護)
松永実千代(こころのクリニック高島平 PSW)

「危機対応から地域定着支援まで」
濱口 淳(岡山 岡山県精神障害者家族会連合会 心理)
「豊かな環境」
竹本 梢(福岡 リカバリーセンターふくおか PSW)
「重度の精神障害者を地域で支える看護実践」
福山敦子(京都 ACT-Kねこのて訪問看護ステーション 看護)
「地域連携を生かした心理教育プログラムの実践と課題」
山本和弘(東京 昭和大学烏山病院 PSW)

◇シンポジウム4「若年認知症の支援」(10:00~11:50)
座長:斎藤正彦(和光病院 院長)

シンポジスト:
比留間ちづ子(ジョイント 若年認知症社会参加支援センター 所長)
「就労型デイサービスの試み」
牧 徳彦(牧病院 院長)
「産業医として就労維持支援経験から」
松崎陽子(長岡大学 経済経営学部准教授)
「家族の狂気に直面して」
斎藤正彦(和光病院 院長)
「東京都若年認知症対策部会に参加して」

◇ランチタイムセッション「この10年で認知症はどう変わったか」(12:00~12:50)
講師:岸本年史(公立大学法人 奈良県立医科大学)

◇シンポジウム5 「自立支援法関連シンポジウム」(13:00~14:50)
パネルディスカッション「日本の精神保健医療福祉改革をどう進めるか」
司会:
金杉和夫(日本病院・地域精神医学会 自立支援法対策委員)
木村朋子(日本病院・地域精神医学会 自立支援法対策委員)

パネラー:改革を立案する会議の委員を務める当学会員のみなさん

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◇一般演題「リハビリテーション1」(9:00~10:20)
座長:
長尾眞一郎(神奈川県立保健福祉大学 OT)
上水流知代(多摩中央病院 看護)

「閉鎖病棟内における集団音楽療法の活用」
桑江和江(福岡 八幡厚生病院 音楽療法士)
「統合失調症ー退院支援における作業療法士の関わりー」
堀 義治(愛知 犬山病院 OT)
「当院における病院リハビリテーションの今後の課題」
井上英治(大阪 さわ病院 OT)
「精神科リハビリテーションにおける長期入院統合失調症患者の退院支援」
野中真由子(東京 陽和病院 看護)

◇一般演題「リハビリテーション2」(10:35~11:50)
座長:
是恒正達(こころのクリニックなります 医師)
阿部一昭(陽和病院 看護)

「長期入院の方への活動支援」
川香菜子(京都 いわくら病院 看護)
「患者主体の治療参加を目指して」
佐藤史絵(東京 成増厚生病院 OT)
「口腔ケアの定着にむけて」
高松照子(栃木 鹿沼病院 看護)
「多飲水・失禁患者さんとの「お茶会」
原 恵子(埼玉 川越同仁会病院 薬剤師)
「精神科デイケア通所の統合失調症患者を対象としたダンスアクティビティの試み(5)」
中村恭子(千葉 順天堂大学スポーツ健康科学部 ダンス運動学)
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◇一般演題「地域で暮らす」(9:20~10:20)
座長:
市川 烈(白峰診療相談室 PSW)
仲野 栄(日本精神科看護技術協会 看護)

「衝動性の高い広汎性発達障害の患者への関わりを通じて」
西村喜一(東京 成増厚生病院 看護)
「精神科診療所における訪問のあり方について」
岡部麻衣子(神奈川 金沢文庫エールクリニック PSW)
「効果の上がる精神障害者退院促進支援プログラム構築に向けた実証的アプローチ(その1)~事例調査・プログラム理論を用いた効果モデル構築への取り組み」
道明章乃(東京 日本社会事業大学 研究員)
「効果の上がる精神障害者退院促進支援プログラム構築に向けた実証的アプローチ(その2)~効果モデルのフィデリティ尺度の開発と関連要因」
贄川信幸(東京 日本社会事業大学 特任助授)

◇一般演題「地域2」(10:35~11:50)
座長:
木村朋子(にしの木クリニック PSW)
赤畑 淳(陽和病院 PSW)

「効果の上がる精神障害者退院促進支援プログラム構築に向けた実証的アプローチ(その3)~効果モデル実施状況に関する全国事業所調査の概要」
古屋龍太(東京 日本社会事業大学 准教授・PSW)
「効果の上がる精神障害者退院促進支援プログラム構築に向けた実証的アプローチ(その4)~全国都道府県事業モデルの実情把握調査からみた効果モデルの検討」
瀧本里香(東京 都立松沢病院 PSW)
「精神障がい者の障害年金受給が拡がるための方途」
青木聖久(愛知 日本福祉大学 PSW)
「20年間の地域生活支援を通して見えてきた今後の課題」
東山利江(大阪 さわ病院ライフサポート PSW)
「精神障害者に対する援助・支援研修課題ガイドライン作成プロセスの課題
国府田まゆみ(茨城 NPO法人茨城県精神障害地域ケアー研究会 PSW)

◇ランチタイムセッション「若年認知症の治療と支援」(12:00~12:50)
座長:横山晶一(陽和病院 医師)
講師:宮永和夫(南魚沼市ゆきぐに大和病院)
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◇薬剤師セミナー(9:00~11:00)
統合失調症の認知機能とその評価法~BACS-J
(統合失調症認知機能簡易評価尺度-日本語版)について~」
講演:兼田康宏(岩城クリニック心療内科・医師)
座長:吉尾 隆(東邦大学薬学部・薬剤師)

◇一般演題「復職・就労」(11:10~11:55)
座長:
松本桂樹(ジャパンEAPシステムズ 心理)
古賀 誠(健康科学大学 OT)

「中集団による復職支援の効果について」
大仁田 広恵(福岡 不知火クリニック PSW)
「精神科デイケアにおける就労支援」
北浦達也(大阪 分野病院ワケノクリニック PSW)
「Road to Rebirth再生の道筋」
横田 維(東京 慈友クリニック復職デイケア OT)
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◇シンポジウム6「アディクション医療と地域連携の現状~孤独からの開放とは~」
座長:
後藤 恵(成増厚生病院 診療部長)
豊田秀雄(こまごめ緑陰診療所 相談室長)

シンポジスト:
垣渕洋一(成増厚生病院付属アルコール医療総合センター センター長)
「アルコール依存症専門治療病棟の現状」
本島直幸(みのわマック 統括施設長)
「アルコールリハビリ施設と専門医療機関の連携とは」
成瀬暢也(埼玉県立精神医療センター 副院長)
「薬物依存症治療の現状」
坪倉洋一(横浜ダルク 施設長)
「薬物リハビリ施設と医療機関の連携」
佐藤 拓(横浜市こころの健康相談センター 医師)
「ギャンブル依存症治療の現状」

◇一般演題「急性期医療」(11:00~12:00)
座長:
菊本弘次(駒木野病院 医師)
飯野栄治(埼玉県立精神医療センター 看護)

「高齢者への退院支援」
熊崎妙子(愛知 犬山病院 看護)
「アルコール担当者からみた機能分化の可能性を考える」
木村順一(福岡 行橋記念病院 看護)
「当院精神科救急病棟における成果と課題」
中村真人(東京 成増厚生病院 医師)
「入院者の他害事件発生後に検討したこと」
岩尾俊一郎(兵庫 県立光風病院 医師)

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◆事前参加登録の案内
締切日:2010年10月22日(金)
参加登録:申し込み完了後、1週間以内に下記の口座に参加費を振り込み
参加費:会員 8,000円 非会員 9,000円 学生 3,000円 当事者 3,000円 同伴者 3,000円
懇親会:参加費 7,000円
申込方法:申し込みは、ホームページ画面右上部の「申込」ボタンより登録。FAXも可。オンラインで申し込み、または申込書をFAXで送信後、参加費を下記の銀行口座に1週間以内に振り込み。入金確認後、E-mail または FAXにて「入金確認書」を送付。当日、参加証と引き換えとなるので確認書は必ず持参のこと。入金をもって、登録が完了。開催前日までに入金確認できない場合は、当日料金での参加に。


※プログラム中、シンポジウムのナンバーが前後していますが、会場別に記しているためです。
 プログラムの詳細や申込み方法については、ホームページ等で各自ご確認下さい。(龍龍)