後半で演奏する曲について。
まずは、ベートーヴェン(1770〜1827)のピアノ・ソナタ第27番です。
ベートーヴェンは生涯にわたって32曲のピアノ・ソナタを作曲しました。
これも以前書いた解説を一部転載します。
この27番のソナタが作曲されたころ、ベートーヴェンは大きな転換期を迎えていました。
ピアノ・ソナタはワルトシュタイン、熱情、告別などの大作を、交響曲も7、8番を発表した後、周囲の評価は高くなっていましたが、ベートーヴェン自身は、かつての湧き出るほどの創造力を失い、深刻なスランプ状態にありました。
さらに、聴力の喪失に加え、体力の衰え、年金の減額による経済的打撃なども加わり、発表する作品の数も少なくなっていました。
最後の大作に向かう入り口となった27番のソナタは1814年に作曲され、中期の様式とは違って、深い感慨のこめられた響き、はるかな憧憬を歌う旋律が特徴となっています。
ピアノ・ソナタはワルトシュタイン、熱情、告別などの大作を、交響曲も7、8番を発表した後、周囲の評価は高くなっていましたが、ベートーヴェン自身は、かつての湧き出るほどの創造力を失い、深刻なスランプ状態にありました。
さらに、聴力の喪失に加え、体力の衰え、年金の減額による経済的打撃なども加わり、発表する作品の数も少なくなっていました。
最後の大作に向かう入り口となった27番のソナタは1814年に作曲され、中期の様式とは違って、深い感慨のこめられた響き、はるかな憧憬を歌う旋律が特徴となっています。
第1楽章は、曲頭に「速く、そして常に感情と表情を持って」と記載され、歌う部分と速く情熱的でもあり悟りでもありの部分の対比があります。
シントラーによると、「理性と感情の争い」とのこと。
2楽章はロンド形式になっていて、ロンド主題は極めて抒情的で美しい旋律です。
同じくシントラーによると、「恋人との会話」だそうです。
この27番のあと、28番から32番の後期の大作が作曲されています。
2楽章はロンド形式になっていて、ロンド主題は極めて抒情的で美しい旋律です。
同じくシントラーによると、「恋人との会話」だそうです。
この27番のあと、28番から32番の後期の大作が作曲されています。
ドビュッシー:夢(夢想)
初期の作品である「夢」です。
原題は、夢という「rêve」ではなく、夢想という「rêverie」ですので、ちょっとニュアンスが違うかもしれません。
1890年の作曲ですが、この年はドビュッシー(1862〜1918)初期の一連の曲が作られています。
ドビュッシー自身は、この曲を気に入らなかったらしいのですが、独特の美しいハーモニーとメロディに包まれ、印象的な曲となっています。
その美しさから、様々な編曲がされ、親しまれています。
ピアノ曲としては比較的易しい曲なので、学習者の人たちにも良く演奏されています。
ただ、技術的には優しいといっても、微妙なニュアンスを表現するのは意外に難しいですね。
原題は、夢という「rêve」ではなく、夢想という「rêverie」ですので、ちょっとニュアンスが違うかもしれません。
1890年の作曲ですが、この年はドビュッシー(1862〜1918)初期の一連の曲が作られています。
ドビュッシー自身は、この曲を気に入らなかったらしいのですが、独特の美しいハーモニーとメロディに包まれ、印象的な曲となっています。
その美しさから、様々な編曲がされ、親しまれています。
ピアノ曲としては比較的易しい曲なので、学習者の人たちにも良く演奏されています。
ただ、技術的には優しいといっても、微妙なニュアンスを表現するのは意外に難しいですね。
映像第2集 第3曲金色の魚
ドビュッシーの映像第2集ですが、ドビュッシーの印象派的なピアノ書法が確立された後の作品で、第1集より一段とその傾向が強まっているのかもしれません。
題名からしてそうですし…。
19世紀末のヨーロッパの芸術では、東洋的なものに対する関心が非常に深く、ドビュッシーのこの曲もご多分に漏れません。
作曲されたのは、1907年です。
第3曲「金色の魚」
金色の魚でつい金魚と言ってしまいそうですが、魚は鯉のことです。
2匹の金色の鯉が跳ね回る様子を描いた、日本の漆絵にヒントを得て作られた曲です。
金色の鯉の躍動感を豊かな音色と音の動きによって表現されていて、目の前で鯉が泳いでる様が思い浮かぶようです。
…というような演奏をしたいと思ってますけど…。
題名からしてそうですし…。
19世紀末のヨーロッパの芸術では、東洋的なものに対する関心が非常に深く、ドビュッシーのこの曲もご多分に漏れません。
作曲されたのは、1907年です。
第3曲「金色の魚」
金色の魚でつい金魚と言ってしまいそうですが、魚は鯉のことです。
2匹の金色の鯉が跳ね回る様子を描いた、日本の漆絵にヒントを得て作られた曲です。
金色の鯉の躍動感を豊かな音色と音の動きによって表現されていて、目の前で鯉が泳いでる様が思い浮かぶようです。
…というような演奏をしたいと思ってますけど…。
印象派の絵画に通じる、輪郭のはっきりしない絵のような音楽です。
12のエチュード(練習曲) 5本の指のために(チェルニー氏による)
ドビュッシーは、練習曲を12曲作りました。
1914年に勃発した第一次世界大戦は、ドビュッシー に苦悩を与え、大腸がんになったこともあって、しばらく作曲ができない状態が続いていました。
その後、1915年に入ってから、デュラン社の依頼でショパンの楽譜を校訂する仕事をする機会を得、それが立ち直るきっかけになったようです。
ショパンの練習曲集に刺激を得たのでしょう、12曲の練習曲を作ることになります。
1915年8月から9月に作曲されました。
ショパンへの追憶となっています。
第1番は、「5本の指のために チェルニー氏による」というタイトルで、チェルニーの練習曲のパロディになっています。
チェルニー的な単調なモティーフに所々変化を与える音が挿入されています。
おもしろいか…と言われると、う〜ん…ではありますね。