錆色港町

熱しやすく冷めやすい趣味の話を、地元清水と絡めながら徒然と・・・

街の片隅で ~興津の地で名を遺す~

2022年03月30日 | 清水
今回も古い看板ネタでございます。

町中で見られる看板は、殆どがどこかしらの会社や組織なんかで維持・管理されています。
しかし、個人宅や個人所有の倉庫・塀に設置されたものの中には、時の流れから取り残されたまま存在している事があります。

そんな忘れ去られた看板見て、当時の街の雰囲気に想いを巡らすのが大好きなんですよ。


と言う訳で、今回は興津の民家に残された看板を紹介します。


現住所とスポンサー名が書かれている看板です。

経年による劣化は否めませんが、配色とフォントがアンティーク感たっぷりで目を引きます。
昭和レトロってやつですかね? そこはかとない懐かしさや美しさを感じます。

まず現住所表記についてですが、これから推察できる情報がなかなか多くて、
「県」の字が「縣」で旧字体を使うのがまだ当たり前だった頃で、興津が清水市に編入したのが1961年(昭和36年)なので、それ以降の物であると思われますし、
また現在のこの地域は「興津中町」と呼ばれているので、清水市編入後で興津町再編以前の物と言う事になるのかなぁ…と。

それから(寄贈)って書いてあるので、興津町が希望する各戸に配布したのかな?…とか、数字の部分は個別にマスキングして塗装したのだろうね。とか、
現住所の記載一つとってもこの看板が設置された当時の状況に思いを巡らす事ができます。


本題のスポンサー名の方ですが、「紳士服の伊藤 清水銀座三丁目」と書かれています。
やはり気になるのがこのお店が現存しているか否かと言う事になりまして、現地を調べてみました。



手っ取り早く住所を検索してみましたが、「清水銀座三丁目」という住所はそのままではヒットしませんでしたので、
「清水区 銀座3」と言う住所で検索しますと、画像中央の薄っすら赤い線で囲まれた場所がヒットしました。

波止場踏切の近くであり、清水銀行江尻支店のある一角ですね。
ま、この時点で、あー、こういう店は見たこと無いわぁ。と思いましたので望み薄でしたわ。


はい、それで現地の「ゆめのプロムナード」こと清水銀座です。
せっかく来たのに結局何も手がかりは見つけられませんでした。



それでも一応、銀座3の範囲を周ります。



甘寅の近くです。



空地も目立つのでそこに在ったのかもしれませんが。



今回も、探した店舗は無かったという結果になりました。

ちなみに電話番号についても、現在も何らかの商売をされているのならば、ヒットするかも?と淡い期待を抱きましたが何も無しでございました。
銀座と言う住所の範囲について絞り込みが甘かったかな?とも考えましたが、手掛かりが得られないのは仕方ありません。

思い返せば、昔は割とテーラー○○とか、○○洋品店とか洋服屋さんが身近に何店舗もありました。
そして微妙に品揃えが違っていて店同士で住み分けが出来ていたような気がします。

紳士服の伊藤は、そんな時代の中に在った店の一つなのかもね。



念のため、「映画ビーバップハイスクール 高校与太郎行進曲」の映像も確認してみたけど、手掛かり掴めず。

今回は以上でございます。

<2022.4.18追記>
ありがたいことに、コメントにて銀座3丁目の場所について教えていただきました。
どうやら紳士服の伊藤は、清水銀座のオシミ洋服店付近に在ったそうです。

※2014年撮影

お店は無くなってしまっても、あの看板は「紳士服の伊藤」の事を今なおアピールしています。
愚直に看板の職務を全うしていると思うと健気に思えてきます。

<追記終わり>

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街の片隅で ~山原の古看板~

2021年10月03日 | 清水
ブログ更新、すごく久しぶりでございます。

街歩きはずっとやってましたがツイッターでつぶやくばかりでした。

今回のネタは古い看板でございます。
毎度私の大好物である「なぜか残ってしまった物」系のネタであります。

看板なんてその時々で作り変えられていくものですが、たまに時代の流れから取り残された…というか忘れられてしまった物がありまして、
そんなのを見ながら当時に思いを馳せるも面白いものです。
この種の定番ともいえるのはボンカレーとかオロナミンCの物ですね。(さすがに最近はあまり見かけなくなりましたが)

街中の看板はそれなりに管理されていますので、古いものがいつまでも残るのは珍しいのですが、少し郊外に目を向けるとまだまだあるのです。



と言う訳で、今回尋ねてみたのはこちらの看板。
山原街道沿い、山原バス停の少し手前の倉庫?の壁に付けられています。

「リーステレビセンター ニック」という会社か店らしく、具体的にどんな商売なのか書かれていませんが、
単語から察するに、テレビやなどの大型の機械等を貸してくれる商売なのでしょう。
きっと今だと、レンタル機器○○とか、○○レンタリースみたいな名称なのかな?

ちなみに、カセットコーダー テープコーダーと書かれていますが、これは東京通信工業(現ソニー)がテープレコーダーに名付けた商品名の様です。
ビディオコーダーについてもビデオレコーダーの事なのだと思います。

それで、この会社は今なお現役か?という点が気になりまして、ここに書いてある場所を訪ねてみる事にしました。
清水市 宝町 柳町角 かぁ・・・宝町は分かったけど、柳町ってのは恐らく旧町名で、細かい番地まで書いて無いしどこだろ?



旧町名と検索とくればここ、小柴神社の前に在る例の看板です。
こう言うの、その時代を実際に過ごしていないと分からない事が多いので、助かりますね。




宝町の柳町角という書かれ方でしたので、おそらく宝町と柳町は接していたのだと推測しましたが・・・
おお、やはり近いですね。



見やすくするために色を付けました。
赤色の範囲が宝町で、緑の範囲が旧の柳町です。



宝町と柳町が接している付近に来ました。
この辺かぁ? この辺は何度も歩いたけどそれらしいものは見たこと無いな。



結論を申しますと、結局何の痕跡も見つけれらませんでした。電話番号検索もヒットせず。
恐らく、この自転車屋さんの交差点の付近から・・・



一つ隣のドラッグストアがあるこの交差点付近のどこかに存在していたのだと思います。

テレビや自販機などの重量物を扱うとなると道路沿いに店舗を構えるのが妥当ですからね。
やっぱり無かったかぁ…。



結局手掛かりは見つからなかったけど、地域の掲示板には旧町名が使われていてちょっと得した気分になりました。

ところで、「町」の読み方は「ちょう」と「まち」で明確な分けがあるのでしょうか?
こうやまち、えじりだいまち、なかはまちょう。・・・語感の良さかな?


<2021.10.13 追記>
コメントにて触れていただきましたが、紺屋町自治会の掲示板の背景はちょっとした広場になっています。元々は清水市医師会館の場所であったそうです。
入口の門に名残がありますので、画像で紹介いたします。






現在の清水医師会は、清水区渋川の清水保健福祉センター内にあります。
清水医師会のページ(沿革)

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桜橋の架け替え工事が始まるようです。 その2

2019年09月25日 | 清水

前回に続き、桜橋周辺の風景を撮影してきました。
ラッピング電車も慣れてしまえばカラフルで良いな!って思います。




駅は元々島式ホーム1本だった所に、上りホーム(新静岡方面)を増設したので私鉄に良く見られる変形配置になっています。
昔は入江岡駅みたいに橋から駅舎に出入りする構造だったようです。



茂みになっている所が旧駅舎への入口であったと思われます。




草を刈っても当時の面影は見つからないと思いますが、ちょっと気になりますね。




ホームから見上げてもこんな感じ。




今度は自転車置き場から橋を見ますが、思ったとおりの屋根と橋。




時の流れから取り残された看板。




今度は桜橋そのものではありませんが、桜橋交差点の南側です。
歩道を削って左折レーン作るのかな?



既に樹木も切られています。




多分新しい歩道境界。




肝心なのはこの先ですが・・・。




ここから先は変わるのかな?




丁度雨が降った折に撮影しましたので、薄暗いのであります。




地下道から見える桜橋。









「危険ですので自転車はおりて通行してください。」
事故の目撃情報求むの看板もあるので、危険なポイントなのでしょう。



雨の桜橋




北西側の階段通路は既に通行止めとなっています。




昔、二本塚踏切の方から自転車で入り込んでしまった事がありました。
階段しかないのかよ・・・と、この下まで来て引き返しました。








今度はホームから橋を観察します。




A3000形 A3002パッションレッド




1000形




A3000形 A3004ブリリアントオレンジイエロー




ホームからも橋の全景は上手く見られないのです。









「桜橋橋りょう」は読めるけどその下が解読出来ません。




リベットリベット




静鉄側だけ板張っています。




この特徴的な鉄骨ももう直ぐ見納めですね。









どの位前か忘れたけど、ルビー美容室の横あたりに色んな広告看板が並んでいて、
結婚式場だったかの広告看板に、角隠しをつけた花嫁さんのイラストが描かれていたんだけど、
経年劣化でその花嫁さんの肌色の塗装が剥がれて、お化けみたいに見えて子供心に怖かったな~と思い出した。
・・・なんか分かりにくい話でゴメンね。


最後は電車から。
新しい橋はどんな風に見えるのか楽しみであります。




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桜橋の架け替え工事が始まるようです。

2019年09月16日 | 清水
気がつけば約1年ぶりのブログ更新で御座います。

2019年10月から桜橋の架け替え工事が始まるようで、今の姿を撮影してきました。




始めに言っておくと、この橋は東海道本線と静鉄を跨ぐ橋なので、付近に架線柱などの構造物が多くて、
橋の外観をメインに撮影しようとするのが難しいなと感じました。
雰囲気だけでも味わって頂ければ幸いです。



“さくらはし”なんですね。橋の発音濁らないんだ。




昭和6年11月竣工。88年前!
当時は路面電車の線路の敷設も考慮されていたんだっけ?



橋とは言え、車目線からだと普通の道路です。
東西方向の道幅が狭いのは架け替えとは関係なさそうだから拡張はスルーかな?
昼間はそこそこ交通量あるけれど、真夜中になるとガラガラなのよね。


架け替え工事中は、清水橋の時と同じく車線規制がされるようです。




橋の下を流れるのは川ではなく列車。




東側の自転車置き場の側から。




結構傷みがあります。




本格的な工事は10月からのようですが、多少の準備工事みたいなのは、橋の周りで始まっています。




この場所は元々丘だった所を線路や道路を作るときに地面を掘ったのかな?




東側の自転車置き場の階段。




「櫻橋」




こういう隅っこにある秘密の通路みたいなの好きです。









年季の入ったコンクリートです。




丁度来た静鉄の100年ラッピング車。




左上のコンクリが崩れかかってますね。




東海道線は高速で駆け抜けて行きます。




二本塚踏切(ふたもとづかふみきり)から。
最初にも書いたけど、引いた絵で橋を撮ろうとすると、架線柱などの構造物に埋もれてしまいます。




東側から。
一部の架線柱は工事に合わせて付け替えが始まっています。




小さい頃に、この隙間から列車を見ていた人もいた・・・かな?




A3000系と。




もう一度、二本塚踏切から。
桜橋の周辺は、自転車だと行けそうで行けない道が多かったので、その辺が改善されれば嬉しいな。



以前書いた桜橋に関連する記事「黄昏の小迷宮」


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街の片隅で ~港橋の向島稲荷神社~

2018年09月17日 | 清水

はい、港橋です。
その昔は路面電車の終着であったり、おにぎり屋さんがあったり、エンゼル書店があったり、世代によりこの界隈の印象は異なるのでしょう。
今回はフォロワーさんに教えてもらった小さな神社に来ました。



その港橋の一角にタクシー会社の建物がありますが、そこに注目です。




タクシー会社の建物と左隣の建物の間の路地を進みます。
近所の人間でなかったらここに道が有ると思いませんよね。多分。



路地を進むと直ぐに目的の神社「向島稲荷神社」が見えてきます。
小さいながらもなかなか立派な佇まいです。



ちなみに神社の直ぐ後ろにも道路があってそこからでもアクセス可能です。




それなりに手入れされているようです。




傍らにこの辺りの史跡を紹介した看板がありました。
家に帰ってから写真を見て思ったのですが、この看板、前にどこかで見た気がしないでもない。
んー・・・でも思い出せない。


拡大その1




拡大その2




拡大その3
この神社のあらまし等が書いてあるかと思ったのですが、主にはこの界隈の歴史が紹介されています。
それでも文字でこうやって色々書いてくれてあるのはありがたいですね。
誰かの想いとか記憶とか伝えて行きたい事って、こうやって残しておかないといつか消えてしまいます。


せっかくなので最後は神社の看板に記載のあった甲州廻米置場跡です。
あの神社ができた理由とか知りたかったけど、この辺りが昔から物流の拠点であったことが分かりましたし、
神社に行くため隠し通路を見つけて冒険して行くような感覚もついでに味わえたので良しでございます。



ところで、ここから綺麗な夕焼け空が見える時があるんですよ。
これからの季節楽しみです。





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