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四谷 『錦松梅』

『錦松梅(きんしょうばい)』

自分の生まれた場所の「名物」というのは、なかなかあるものではない。
私の生まれ育った町、新宿区四谷三丁目には、それがあるのだ。
『錦松梅』だ。

錦松梅は、ただのふりかけで、特に豪華なものでもない。味だって、もう
本当においしい!!と大声でいうほどのものでもない。
でも実は、それが”ふりかけ”の本質だ!と私は思うのだ。
特別なものではないけれど、いつも食卓にあって、何気なく、パラパラ、
とアツアツごはんにかけて食べたり。何気なく、私たちの生活の中にある。

そんな”ふりかけ”ひとつで、全国的に有名になってしまった錦松梅は、
すごいと思うのだ!

『錦松梅』は昭和7年に創業なのだそうだ。私が物心ついたときから、
四谷三丁目にはお店があって、店の前の通りは錦松梅の匂いがしていた。
地元だから?なのか、我が家の食卓には、年中、錦松梅が住み着いて
いた。子供の頃から、お弁当には、かなりの確立で錦松梅が入っていた
し、実際のところ、えー、また錦松梅?もういいよ!という空気さえ漂って
いたほどだ。

要するに、家族のようなもの、だったもかもしれない。

四谷を離れた今でも、母などは、何かと言うと、錦松梅が食べたいわ、
などと言っている。

たかがふりかけ、されど、ふりかけ。
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