ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

沈まぬ太陽

2009-11-12 02:28:43 | Weblog
航空会社の労働組合委員長であった主人公は経営陣に刃向かった報復人事により
カラチ、テヘラン、ナイロビと左遷され続け国内に帰ることができず、家族とも
距離ができてしまう。

ようやく帰国できたかと思えたら御巣鷹山で大惨事
経営陣は面倒を押し付けるかのように遺族者のお世話係を命じる。

経営陣に詫び状を書けば、許してやる
どうしてもそれはできないと拒み続ける主人公に、会社は酷い扱いを続ける

一緒に戦っていた仲間たちには報復人事をしない約束だったはずなのに
それぞれ大変な境遇に陥らされており、強い志も長い年月と、同僚からのいじめ
が続き、ボロボロにされて自分を追い込んでいく仲間たちも

対照的に、仲間を裏切って経営側に身をおいていき
調子良く権力を手にしていく仲間

男の生き方「矜持」だと頑なにこだわるが
子供たちには分からない、見ている人にとっても下手な生き方と見てしまうかもしれない。
そう見てしまうだろう多くの人も、こんな社会の悪に加担してしまっていることに
気がつきながらも、自分の生活を守ることに精一杯であり、家族のため大人の割り切り
だと言い訳を考えてしまう。

会社勤めってなんだろう?出世争い、同僚との確執、役員との対立
この映画を見るものは、それぞれに自分自身に照らし合わせながら見ていくと思う。

15年ばかりではあるけど自分自身のサラリーマン人生の悲哀をダブらせずには
いられなかった。

それでも、それでも・・絶対に辞めない主人公

これだけの境遇でありながらも、
大事故で亡くなった人々、その家族に比べたら自分の人生の苦労など大したことではない、
と次の左遷先へと向かっていく主人公の心境に、静かな涙が止まらなかった。


■沈まぬ太陽
http://shizumanu-taiyo.jp/


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