ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

大学生の息子が同性愛を告白

2009-11-25 00:47:13 | Weblog
読売新聞のホームページに「人生案内」というコーナーがあって
毎日新たな人生相談が寄せられています。

先日の日曜日にこのような相談が寄せられていました。
http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20091122-OYT8T00211.htm?from=yoltop
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~大学生の息子 同性愛告白~
40歳代女性。大学生の息子のことで悩んでいます。小さい頃から優しく、親バカですが、イケメンで女の子からも人気でした。1年前、そんな息子から同性愛者だと打ち明けられました。息子は涙を浮かべ、「将来結婚して子どもを持つようなことはないから」と言いました。私はしばらく涙に暮れましたが、私が悲しむことは息子を否定すること。気持ちを切り替えようと思います。

 息子は「後悔しないで生きていく。大丈夫、母さんが知っていてくれるだけでいい」と申します。でも、本当にこれでいいのでしょうか。息子の希望で他の家族には知らせていません。カミングアウト(公表)の意思もないようです。

 息子は今、難しい資格の取得を目指していますが、将来幸せに生きていけるのでしょうか。独りぼっちで寂しい人生を送るのではと心配です。母親のせいではと自分を責めてしまいます。どうか助言をお願いします。(東京・E子)
     ◇◇  ◇◇  ◇◇  ◇◇  
 息子さんの将来を案ずるお気持ち、お察しいたします。

 正確な統計はありませんが、いつの時代にも同性愛者は必ず一定の比率でいます。芸能界や接客業だけでなく、会社員やフリーランスで働く人などさまざまです。理解者が増えたとはいえ、世間の風当たりはまだ強い。異性と結婚し、子どもをつくったあとで、カミングアウトについて悩み苦しむ方もおられます。息子さんもあなたに打ち明けるには、大変な決意が必要だったと思います。でもあなたならわかってくれると信じた。息子さんはあなたという理解者を得て、勇気百倍だったことでしょう。

 性的指向は変えられません。親が自分を責めることでもありません。息子さんの幸せは息子さんが自分でつかむもの。あなたにできることは最後まで息子さんの味方でいること。努力を認め、応援団であり続けることではないでしょうか。

 あなた自身、息子さんを通してもっと多様な生き方、さまざまな価値観の存在に目を開かれ、強くなれるでしょう。それは息子さんからの、すばらしい人生の贈り物だと思います。

 (最相 葉月・ライター)(2009年11月22日 読売新聞)
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とても素敵な回答ですね。

大学生の息子さんも相当な思いでカミングアウトしただろうなと思います。
でも、今のお母さんには不安となっているようです。

「お母さんだけが分かってくれたらいい」ということが誰にも相談できなくて
一人抱えて、ネットの人生相談に投稿したのでしょう。
息子の人生が大丈夫か、心細く思ってるだろうなと思うのです。
情報も少ない中で、より不安になっていたことでしょう。

学生さんということもあり、まだ自立してない中で
どうやって生きていくのだろう、みんなと同じ行き方をしないということは
大変な苦労をしていくのではないか?と心配するだろうと思います。

本人の希望で他の家族には知らせないで!と言われていることが、逆に
堂々と公表して生きて行くことが出来ないのか?というように伝わってしまい、そのような生き方で
人生や社会を乗り越えていけるのだろうか?と不安になっているようにも思えます。

息子さんや母親の立場を考えると、複雑な思いになります。

ここだけ見ていると、やっぱりこんな親不孝なことを子供はするべきではない!
子供の自分勝手、不安を分けただけにしかなってないじゃない??・・

自分自身にあてはめながら、そう思う人も多いかも知れませんね。

カミングアウトは始まり!
親へのカミングアウトは、するまで以上にその後のフォローが大事なようです。

就職し、経済的に独立してからカミングアウトすればより良いのかもしれません。
自分の自信を伝えられるようになってからした方がいいのかもしれません。

でも、するしない別として
同性愛者であることはいづれ伝わるだろうと思います。

なぜ結婚しないの?なぜなぜ?
あの男性は誰?・・本人の人生の幸せとは全く方向の違う幸せに親の妄想は広がり
答えの無い中で、この子は何なんだろうか?と悩むでしょう。

そのとき、ちゃんと伝えられるか?
それとも黙って触れ合わないようにするか?

どちらにしても自分を堂々と語らないことは親を不安にするだろうなと思います。

親御さんたちが、一人で悩まないように
親同士のつながりに早くコンタクトをして欲しいなと思います。

そういう情報や、活き活き生きていけることを伝えられる書籍やサイトを
息子さんは伝えてあげられたら良いなあって思います。

■LGBTの家族と友人をつなぐ会
http://lgbt.web.fc2.com/
http://blog.goo.ne.jp/family2006
(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会です
 来年2月には家族の会in松山を開催しますよ!)


ちょっと大学生の息子さんには厳しめに書いたようになっちゃいましたが
これから社会に出て行こうという不安の中で、家族の一人の誰かが自分を受け入れて応援して
くれるなら、どれほど力強く漕ぎ出していけるだろう!!と思う気持ちも痛いほど分かるのです。

このお母さんならきっと大丈夫だと思いたい。
息子さんも長く母親をみてきて、信頼しているから伝えたのだと思います。
カミングアウトする時期や順番による行き違いは、親子なら何とでもなると思う。
本当の自分のことをちゃんと伝えていけば、絶対に親孝行が出来るときが来ると思うのです。

◆◆◆

逆に、
同性愛者の娘さんが、親にカミングアウトをすべきか悩む相談もありました。
http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20090202-OYT8T00380.htm
これも大変深い回答をしてくれていますので一番下にも載せさせてもらいます。

場合によっては一時期に親子の距離が開くこともあるでしょう。
長い時間がかかるかもしれません。

あえてお互いが向き合わず、玉虫色に時を過ごしていくというやり方が
良いときもあるのかも分かりませんが、ゆっくり向き合っていくということであれば
良いように思います。

でも親は親で、情報不足で不安に思っているということにも気がつかねばならない。

カミングアウトまで一気にするのではなくて、結婚はしないけど自分の人生はちゃんと
考えているから安心してと、連絡をまめにとり、親孝行を積極的に企画するのも方法でしょう。

親が「なぜなぜ」と聞きたがるなら、伝えて大丈夫な相手なのかもしれません。
あえて「親も聞きたがろうとしない」のならば、
その時はそれが良い親子の距離感なのかもしれません。

どちらにしても、活き活きと幸せに生きていることを
いろいろな方法で伝えていかなければ、自分たちの親は他人と比較して
不幸に陥ってしまうように思います。

方法はいろいろであっても、真摯な親子の向き合いをし、絆を深め続けていくことは
親子共々長い人生の課題で、生きていくことの目的でもあるのだろうと思えてきます。


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~同性愛 親に話せない~
20歳代女子学生。私は同性愛者です。現在大切な恋人がおり、一緒に住んでいます。もちろん両親は私が異性を愛せないことを知らず、単に友人と一緒に暮らしていると思っています。

 この先もずっと男性と付き合う気はないし、結婚願望もありません。同性愛者であることは一部の友人にしか伝えていませんが、自分のことを恥ずかしいとは思っておりません。

 しかし、このまま特定の女性と暮らしていたら、両親が気付くのも時間の問題だと思います。一人娘なので、両親は恐らく大変なショックを受けることでしょう。私にとっての不安は、ただひとつ。両親のことなのです。

 私は自分に素直に生きていきたいです。でも、両親のことを考えると、そんな気持ちを押し殺して、好きでもない男性と家庭を持つべきなのでしょうか。この先、どう生きていけばいいのでしょうか。(東京・A子)
     ◇◇  ◇◇  ◇◇  ◇◇
 同性愛者の子どもを持つ母親の取材をしたことがあります。彼女は、事実を知って大変な衝撃を受け、悩んだけれど、「子どもがしあわせなことが一番大事」との結論に至って、受け入れたと言いました。そして、自分の狭い価値観が壊れ、子どものおかげで、考えが自由になれたとも言いました。

 思いがけない事実を受容するには、時間がかかるかもしれません。でも、いずれはご両親は受け入れるでしょう。親の愛情とは、そういうものだと思います。

 いきなりよりは、だんだんと気がつき、なんとかしようとあがき、悩むというプロセスを経た方がいいと思います。悩むことは悪いことではありません。

 途中、葛藤(かっとう)はあるでしょうが、時間が解決すると信じて焦らないことです。親のために安易な妥協をして、好きでもない男性と結婚することは、相手の人もまた苦しめることになります。

 親の理解を得るには、あなたが、結婚せずとも自立して生き切ろうとしていること、女友だちとシアワセそうに暮らしていること、それが一番大事かと思います。

 (久田 恵・作 家)(2009年2月2日 読売新聞)
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コメント
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