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ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

またBBC版LOTR:TTTとROTKのビミョーな境

2005-06-10 21:10:53 | Tolkien・その他
今日はTTTとROTKのビミョーな境,"The Two Towers"と題されたEpisode 9の話‥
ここ,実はとてもお気に入りなんですよ。前にも書きましたが,登場人物達が,ROTKの,運命の決戦の場所へ移動していくシーンばかりで。。。

ローハンでアラゴルンに追いついたハルバラド,アルウェン様からの言伝が‥,おっと,原作と違うでしょう。わからない所があるくせに,妙に細かい事を覚えている私(笑)。原作では,直接アルウェンの名は出さず,"the Lady of Rivendell"からの言伝だったと思います。この頃,the Ladyと言えば,大抵,ガラドリエル或いはエオウィンを指していたので,いきなり別のthe Ladyの出現に,おや?と思ったんですよ。やんごとなき女性の名前を直接口にしない所が,なんとなく日本と似ているなあ,と,思ったもので。

アラゴルンに連れて行ってもらえないメリーは,ここでセオデンに剣を捧げて忠誠を誓うのですが,そこで余計な事が頭をよぎってしまいました。エオウィンは,セオデンに忠誠を誓ったのか? 多分,正式の方法でやる事はセオデン自身が許すはずないだろうから,もしやったとしたら,ある晩セオデンの居室の方向に向かって密かに剣を掲げて誓いの言葉をつぶやくとかしたのでしょうかね?

しかし,またさらに余計な疑問が頭に浮かんでしまいました。
映画のアルウェンは,一体誰に捧げて剣を振り回していたのか?

BBC版ではこの(ハルバラド)シーンと兎のシチューがシンクロしているんですね。映画版では,まだこれからヘルム峡谷の戦いに臨もうという所でしたが。(TTT SEEのちょうど1枚目~2枚目に切り替わる所で) サムとゴラムが鍋問答をしている最中に鳥の鳴きまねが聞こえて,ファラミアに見つかってしまいますが,また原作と微妙に違いますね。ちょっとタイミングが早いですね。時間がないせいでしょうか。

で,私はこの期に及んで"I am Faramir, Captain of Gondor."にウケてしまいました。と言いますのも,この頃Odysseyを読んでいる事もあって,"son of ~"(~の息子)という言い方にすっかり慣れてしまったもので,この言い方はやや突飛に聞こえてしまったんですよ。おかげで彼は読者の皆さんに「大将」と呼ばれているんですよね。まあ確かに,ここでは,フロドにも読者にも,彼がボロミアの兄弟だって事を隠す必要がありましたんで,しょうがないですが。。。フロドは,ここで自分の事もサムの事も,"son of ~"と紹介してますね。

ただ,それで結局,この物語の中では,その後も彼の事を"son of Denethor"と言う事は,全然ではありませんが,ほとんどないんですよね。これはまた何ともな皮肉ですねえ。。

それで,ファラミアがフロドとサムをヘンネス・アンヌーンに連れて行く所も,何か今までと違ったモノを感じました。これもOdyssey効果で。古いヨーロッパでは,治安のリスクもあったはずなのに,自分の領地に来た見知らぬ旅人に対する「おもてなし」の習慣があったんですよね。だから,わざわざ秘密の場所ヘンネス・アンヌーンに連れて行くというのは,話を聞きたいというのもありますが,「おもてなし」の意味もあったのだと思います。原作では,ファラミアが盛んに"courteous"という言葉を口にしているのがその表れ? おみやげもあげるますよね。

そう言えば,ホビットの冒険でのビルボのドワーフのもてなしに始まって,裂け谷,ロスロリアン,エドラス,まあミナス・ティリスも,確かに皆そうなんですよね。おみやげをくれる所も少なからずありますね。

余談ですが,そのヨーロッパの古い習慣を今も伝える場所が,ニュージーランドにあるそうです。ロッジという宿泊施設。え?ロッジ? でもこれは日本で言うロッジとは随分違うそうです。ホテルとも一味違い,ご主人が旅人を文字通り「もてなす」のだとか。おみやげもあるのかな? 私も今年3月に行った時,どこかで"xxxx Lodge"という看板を見かけました。
何故またニュージーランドに?というのも不思議ですが,あそこは「絶海の孤島」状態ですので,昔の物がそのまま残り易かったんじゃなかな。本家以上にスコットランドらしい町があったりとかする位ですから。

もちろん一般の人も泊まれるので,挑戦してみたい?と言いたい所ですが,それには,お金,英会話,だけの問題じゃなくて,それ以上にもう1つ身に付けなくてはいけないものがありますねえ。

courtesy。(汗;)

読書と旅行はいろいろ糧(トリビア)になる事があるなあと思ったのでした。

エオウィンが馬鍬砦でアラゴルンを引き止めるシーンがありますが,この時アラゴルンが,選んだのではない,行かなくてはならないのだ,というような事を言いますね。ここに,何か「女性にはそんな(選ぶと言う)余裕があっていいねぇ」とちょっと羨ましがっているような気がしてならないのは,私だけ?
後にエオウィンが恋に落ちる事になるファラミアは,それこそ剣も弓も扱えますよ,ですが,実はこの時エオウィンが1番嫌がっていた仕事をする人なんですよね。
で,イヤミとまでは言いませんが,そういう人と一緒になってしまうという所が,やはりちょっと,トールキンさんちょっくら皮肉入れてるな,と思ったのは,のはやっぱし私だけでしょうか?

Disc 9 の最後,エオウィンがメリーを馬に乗せると,勇壮な男声ソロのセオデンのテーマ曲が流れます。ここすごくいいなぁ~。

Chapter XVII : A Short Cut To Mushrooms (2)

2005-06-10 20:35:29 | Tolkien・HoME
<本文>
門に着いた時,フロド(トゥック)は,「ここ知ってる! マゴットさんの家だ。」「一難去ってまた一難か!」ビンゴは,あたかもフロドが,この轍道がドラゴンの住処(lair)にでも続いているとでも言ったかのような言い方を‥。(何か面白すぎる表現ですが,正式版にもあるかどうか確かめよう→‥‥お~っと正式版はもっと面白い言い方になってました。ドラゴンの書斎(den)? いや,住処とも訳せますが;)

不思議がる仲間達に,ビンゴはマゴットさんとは犬猿の仲なんだ,と説明します。フロドは,彼はブランディバックの一族には親切だよ?とますます不思議がります。「そりゃ不法侵入者には恐ろしいだろうけど。」

するとビンゴは「私はバックル村の子供時代,よくここに不法侵入していたんだ。最高のきのこがあったんでね。ある時,彼の犬を1匹殺してしまったんだよ。(え~!?) 重い石で彼の頭を一撃さ。(何~!?) 怖かったし奴に噛まれると思ったので,ラッキーだったよ。そしたら彼(マゴットさん)は私を打って,『今度ここに入ったら殺してやるからな! 今殺してもいいんだぞ。』って言われたんだ。」

(あの~さすがに正式版には,犬を殺したとか,今殺してもいいんだぞという記述はありません(大汗;))

それは昔の話だよ,と,なだめるフロドに,ビンゴは,ビルボはシャイアを去る1年か2年前に聞いた話をします。ある日ビルボがこの道を歩いていたら,農場から呼ばれてちょっと飲みに行きました。しかし彼が自分の名前を名乗ると,マゴットさんは,「バギンスはうちには入れねえ! 泥棒の人殺しのごろつきめ。おめえの所へ帰れ!」と杖で脅しながら言ったそうです。

註によるともう1つバージョンがあって,そちらでは,ビンゴとビルボと2人で道に迷ってマゴットさんの農場に入り込み,それを見つけたマゴットさん,狼のような犬達を放ちます。ビンゴは犬に取り押さえられますが,するとビルボがその犬を殺します。ビルボは,マゴットさんに,自分達が誰なのか説明すると,マゴットさんはビンゴをじ~っと見て,ブランディバックの子供と知ると「首をへし折ってやる所だった。今度見かけたら,おめえがRory様の甥でも関係ねえ。ケガしねえうちにさっさと行きな。」と言います。すると,ビルボが「今度来る時はもっと鋭い物を持ってくるよ」しかしマゴットさんは「うちには武器があるんだ,今度うちの犬を殺したら,ぶっ殺してやるぞ。」

‥ともあれ,オドは怖気づきます(笑)が,フロドは,正面から入れば,不法侵入じゃない,それにマゴットさんは,メリーと僕とは親しくしてくれる。僕が話しましょう。と,言って,皆で藁葺き屋根の家まで歩いて行きました。
</本文>

ほんとうは怖い指輪物語。。。

<クリストファーさんコメント>そしてこの版では,ここで,以前の版にあった,長~い脱線(ホビットの「家」の話,ビンゴとオドの大人気ない2階問答(爆))が続きます。</クリストファーさんコメント>

しかしその「脱線」,正式版では取っちゃったんですよね。残念だわ。(笑)

これは余談ですが,マゴット(Maggit=ウジ虫?,風変わりな人)さんが最初はPuddifoot(泥足一家)さんだったそうです。"pud"には犬の前足の意味があります。それでPuddifootか。。
別の某ファンタジーで"Padfoot"というあだ名のキャラクタがいますが,"pad"には動物の足の柔らかい部分という意味もありますが,"padfoot"は悪鬼。

<本文>
ビンゴ達はゆっくり歩いていきましたが,犬の吼える声,犬に向かって怒鳴る声を聞いた途端,彼は指輪をはめてしまいました。(呆) 飛び出してきた犬を見て,サムとオドは固まってしまいます。犬達は,ビンゴの辺りに行って唸りながらクンクン臭いを嗅ぎます。彼らの毛が逆立っていました。(爆) フロドは平然と歩いて行きます。
</本文>

ちなみに,正式版で固まったのはフロド(バギンス)とサム。もちろんフロドは指輪なんかはめてませ~ん。さて,次は何が起きるのか‥

何か,正式版よりずっと面白いですね。この辺の下書き。藁葺き屋根,で,あ~と思ったんですが,対応付け大好きなトールキンさん,ここを「ホビット」の,いい人なんだけど,怒らせると怖い,ビヨルンに対応付けようとして,ちょっと失敗したんじゃないでしょうかね?

またBBC版LOTR:TTT

2005-06-10 00:36:02 | Tolkien・その他
TTTに入ると,BBC版は映画と同様時系列に話が進みますので,フロドルート,アラゴルンルート,メリピピルートと目まぐるしく場面が変わりますね。

BBC版でのフロドルートでの場面やセリフの多くは,SEEも入れれば映画でもちゃんと採用されていたんですね。
死者の沼地でのテーマ曲と,ROTKでの死者の道でのテーマ曲,ひょっとして基本的に同じですね。とすると,これは死者のテーマか。でもアラゴルンの死者の方が元気?です。

BBC版の木の鬚は,気が短いんですね。(笑) 

ところで,ヘルム峡谷の戦い直前の状況が,原作を読んだ時よくわからなかった(それは私の英語力のせいなんですが(汗;))のですが,映画も原作とは全然違っているので,BBC版を聴いてもまだよくわからない所があります。これは今度原作をきちんと確かめなくてはいけないという事かな。

"rick, cotton and tree"は,映画ではエオウィンが言ってましたね。ああこの辺りからでしょうかね。原作のセリフをそのまま映画に取り入れてくれるのは嬉しいのですが,「言う人変えるなよっ!」ですね。特に,ROTK SEEだったと思いますが,意味を変えて使われた時には,噴火(笑)しましたよ。

もう1つ,原作を読んだ時イマイチわかりにくかったのが,Voice of Sarumanのシーンです。ROTK SEEには,その時の会話の模様が一部入っていたので,ようやくちょっとわかったかな。で,それを踏まえてBBC版を聴いてみました。

なんかBBC版では,うっかりすると,最初セオデンの声がサルマンに聞こえてしまうんですね。そしてグリマの声‥,BBC版サルマンは,声色を変えてくるので,よく聞いてないと置いて行かれてしまいそうです。(笑) ガンダルフは,映画版よりBBC版の方が好きだなあ。映画版にも,もうちょっと原作と同じセリフを残せばよかったのにね。

‥ここでふと思い出しました。このシーンで,セオデンがグリマに優しさを見せるのは,映画版だけなんですね。映画版では,セオデンの病が治った時,原作で彼がグリマに見せた優しさがなかったんですよ。でもここであってよかったなあと思ったのでした。

BBC版,この後いきなり,なんの警告も与えられず,いきなりピピンがパランティア覗きをするんですね。原作では,彼はガンダルフと一緒にいたいなあという気持ちをなんとなく持っていて,映画では,彼がパランティアに魅せられてしまうというのがはっきり描かれるんですが,ここはBBC版,ちょっと弱いかも(汗)ただ,ピピン,声を変えての熱演はがGood。(笑) これもよく聞いてないと置いていかれそうですけど。

ところで,時系列に並べた場合,TTTとROTKの境目はよく見えなくなるんですが

  1. サルマン様の声
  2. ピピンのパランティア覗き
  3. ガンダルフとピピンのミナス・ティリス行き
  4. フロド,サム,ゴラムとファラミアの出会い
  5. ミナス・モルグル
  6. シェロブ
こんなにたくさんのシーンが,ボーダー上になってしまうんですね。どれをどっちに入れるかって言うのは,監督さんのセンス。PJは,随分とROTKに詰め込みましたが,実はBBC版も,TTTとROTKの境目がどこにあるのか,わかりにくくなっています。それでまた境目の9枚目のタイトルが"The Two Towers"と来てる。。(見ました~?)

でも,やっぱ,いくらなんでも,最初の2つは絶対TTTだと思うな~。

Chapter XVII : A Short Cut To Mushrooms (1)

2005-06-10 00:17:50 | Tolkien・HoME
この頃HoME日記を更新する上で1番の悩みどころは,クリストファーさんのコメント部分と,下書き本文部分を,どうやって区別して表示するかなんですが‥。以前はコメント部分を小文字にしてましたが,それをやると,今日なんかはほとんど小文字になってしまうんですよ。う~ん,こんな方法はどうだろう。。

<クリストファーさんコメント>
マゴット爺さんの家に行くシーンですが,この時点での正式版との大きな違いは,フロド・トゥックとオド・ボルジャーがいるという事です。しかしまだ,後にピピンになるべきキャラクタもはっきりとは分離されてないんですね。(セリフ的にはピピンだな~というのは一杯ありますが(笑))

正式版では,マゴットさんち周辺の地理に詳しいのはピピンですが,この段階ではフロド・トゥックだそう。またこの版では以前より地理関係も詳しくなり,「切株村(Stock)」とか,「金のとまり木館(Golden Perch)」(オドによればかつてシャイア東部で1番のビールだった)とか,「沢地(Marsh)」とかが出てくるそうです。そして,"Deephallow"という地名が出てくるそうですが,それは正式版には載らなかったようです。

どの道を通ろうかという議論が,フロドとオドの間で交わされるそうで,それは正式版とは違うもののようです。その辺りの道を知らないオドは,沢地という場所は様々な障害がありそうだと言い,フロド(トゥック)は,それは知らなかった,今は全て「ならされ」「排され」ているよ,と答えます。(正式版では,結局ピピンはフロド(バギンス)に,そこは沼があって,全ての困難が待ち受けている,と言ったそうな。(笑))

前の版で,オドの歌の途中で聞こえた,「妙なクンクンする音」はなくなったそうです。が,これは,蹄の音,に変わったようです。
</クリストファーさんコメント>

<本文>
「静かに!」サムが言いました。「何か聞こえますだ。」ビンゴは立ち上がりました。何か蹄の音を聞いた様な気がしました。彼らはしばらく静かにしていましたが,フロドは「芝生や草の上を歩いているのでない音がするような道はこの辺りにはないはずだ。」と不思議がります。オドは,「でもそれが黒の乗り手とは言えないはずだよ。この辺りは人が結構住んでいるからね。」
</本文>

<クリストファーさんコメント>
でも正式版では,恐ろしい叫び声,それは確かに黒の乗り手になるんですね。

ところで,前回の版では,ビンゴが姿を消してマゴットさんちに入って勝手にビールを頂いてしまい,他の仲間はとてもきまりの悪い思いをしましたが,(‥あまりに面白かったので,私,よく覚えてます),が,トールキンさんは,これを抜くのがとても嫌だったようです。(そうだろね~(笑))しかし,指輪の恐ろしさを語らなくてはなりません。

彼は,この場面で,オドやフロドやサムが,ビンゴの指輪が恐ろしい物だと気付いている必要があると考えました。でもそれは難しくて,一時はオドとフロドを消して,ビンゴと一緒に旅をするのは,サムとメリーだけにしようとか,サムは袋小路屋敷で立ち聞きした時に指輪の秘密を知ってしまった事にしようとか,いろいろ考えた末に,この時点では,仲間達は全員知っている事にしよう,と決めた,そうです。
</クリストファーさんコメント>

しかし,そう言われましても,本を読んでいる読者は,全員が指輪について知っているという事を,この時点ではまだ知らないんですね。何気ない記述の裏で,こういう事を考えて書いていたんだなあという事ですね。

Run!Run!Run!