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ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Henry Ⅷ:Chapter 5 A Perfect Builder of Pleasant Palaces

2010-08-17 23:44:05 | Kindle
Henry VIII: The King and His Court (Ballantine Reader's Circle)Henry VIII: The King and His Court (Ballantine Reader's Circle)
価格:¥ 1,734(税込)
発売日:2002-10-29

ヘンリー8世はイングランドの他のどの王様よりたくさんの城を持っていたそうです。特に大事な城はテムズ川沿いにありました。実はアセルスタンシリーズ等を読むとよくわかるのですが、ウェストミンスター宮とかロンドン塔とかへのアクセスは、船が1番だったんですよね。

ちなみに、これらの城は「大きな城」と「小さな城」の2種類。「大きな城」には、公務に使うホールがありましたが、「小さな城」はこじんまりしていて、王様のプライベートの狩猟やお気に入りと過ごす時に使われました。ヘンリー8世が相続した「大きな城」は、ウェストミンスター宮殿、ロンドン塔、グリニッチ城、リッチモンド城、エルサム宮殿、ウッドストック城、ウィンザー城です。また「小さな城」として17あるそうです。やっぱ王様金持ちだねぇ。(笑) ウィンブルドンなんかにもあったそうですよ。こないだ読んだコーベットシリーズに出てきたウッドストック城は、「大きな城」だったか。。これで終わりかと思いきや、さらに14の中世の城。あまりの多さに、さすがのヘンリー8世も、あまり使いきってなかったようですけどね。

しかし、城を建てるにあたっては、彼はパーフェクト、でございました。最初に、彼はとても勉強家だったとありましたが、建築学もしっかり学び、グリニッチ城のホワイトホールや、ハンプトン宮殿等で、自ら建物のデザインをする事もあったようです。建築現場に赴き、大工の兄ちゃん達に声をかけたりも。(やだダーリンのお父さんみたい(笑))悪天候が続く時は、自らビールとおつまみを持って現場に行って、大工さんを働かせたとか。。。

ヘンリー8世の時代、王家の宮殿にはそれこそ様々な装飾が施されていたそうです。現存する物は少ないそうで、もったいなあ。。実はこうした装飾は、外国から来た職工によって作られたのだそうです。当時イングランドの職人の世界は何故か非常に排他的。決して外国の職人を仲間に入れなかったそうですが、王家はそういう職人を自由に雇う事ができました。‥という事で、宮殿の装飾を担当したのは、フランス、イタリア、オランダ等から来た職人達でした。

もう1つ面白いお話が‥‥
イングランドでは、王様と言えども元々は雑魚寝。それを多少小さな部屋で家族やお気に入りと過ごせるようになったのは15世紀以降、しかしそれでも王様が1人になる事はなかったそうです。‥で、完全プライベート化を図ったのが、ヘンリー8世だそうです。(^^;) 。。。あ~なるほど! 思わず膝を叩いてしまったのは、映画LOTRのTTTのSEE! はっはっはっ、覚えてる~?(^o^;) エオウィン。大広間で寝てましたよね。それって戦時体制だからって事でなく、日常的にそうだったんですね。

ところで、当時の王室は、王と王妃で別々の居室がありました。大抵はおそろい(対称)のデザインで。それぞれ、謁見の間、私室、寝室、その他もろもろの個人的な部屋等から成ります。

歴代の王様が次第に個人のプライバシーを尊重するようになった為、(黄金館のような)大ホールというものはあまり作られなくなりました。イングランドではヘンリー8世のハンプトン宮のが最後だそうです。

1番贅沢に飾られるのは、謁見の間。王様はここでいろいろな人と会います。ややプライベートな執務室は大抵その奥だそう。そこでは王様が食事をしたり、お気に入りと(今で言う所の)打ち合わせ等をしたようですね。

さらにその奥に、完全に個人的な用事で使う部屋が控えていたそうです。

ヘンリーさんは庭いじりにも興味があったそうです。花の種類のあまりなかった時代ですが、珍しい植物や美しい植物をたくさん集めていたようです。残念ながらチューダー家の庭園は残ってないそうですが。。。


Henry Ⅷ:Chapter 4 This Magnificent Excellent and Triumphant Court

2010-08-17 23:42:29 | Kindle
Henry VIII: The King and His Court (Ballantine Reader's Circle)Henry VIII: The King and His Court (Ballantine Reader's Circle)
価格:¥ 1,734(税込)
発売日:2002-10-29

15世紀初頭、英国王室の宮廷は華やかさに於いてはちょっとイマイチだったようです。若くしてってか僅か生後8ヶ月(汗)で王位に就いたヘンリー6世にはその気がなかったようです。しかしエドワード4世は美術界にとっては良いパトロンだったそうで、ケチと言われた(笑)ヘンリー7世も宮廷で人々を楽しませる事の大切さは認識していて、最低限のお飾りはしたそうです。

しかし何と言ってもヘンリー8世!(笑) とにかく華やかな事では誰にも負けないという事のようです。(何かいろいろ有象無象がありすぎて細かく読む気が‥(笑))

特にヘンリーの結婚の繰り返しにより、ブリン家、セイモア家、ハワード家、パー家の受けた恩恵は大。もちろんこういう贔屓は安定した地位を手に入れられる物ではありませんが、これがチューダー王朝の基本だったそうな。1528年には、Castiglioneという人が、まあ邦題付けるとしたら「理想の廷臣」(笑)というような本を出版しております。支配者を操り政治的に影響を与えるには、雄弁さと教養と情報、さらに騎士として立派な事やマナーも大切だそうですよ。まあどこの国もいつの時代も一緒だね。(笑)そしてもちろん、この世界では健忘十数(おいポメラ(爆))じゃなくて権謀術数が大事。

キャサリン・オブ・アラゴンの侍女達の中には、この時代の宮廷というとお馴染みの貴族さんの名前がひしめいておりますね。後に王妃になるブリン家、パー家、ハワード家からもお手伝いがぞろぞろ(笑) 独身女性ばかりでなく、既婚女性も大勢います。(ここが日本の大奥とは違うね)前の王妃エリザベス・オブ・ヨークに仕えた女性や、イサベラ女王の侍女だった人も混じってます。

王妃の侍従長は通常男性です。
王妃の侍従長は、Thomas Butlerというバラ戦争の退役軍人。ただ実質この人天下り?(^^;) 実務はRobert Poyntzという人がほぼ全てやっていました。キャサリン王妃はマーガレット・ボーフォートの秘書だったGriffin Richardsという人をそのまま採用。

スペイン人の秘書は医師(薬剤師)等僅かに8人。他は皆スペインに帰ったそう。それって王妃に魅力がなかったのか、要らないと言われたのか、‥‥。英国人の召使いを積極的に使っているようなので、後者なのかな。

面白いのは、フランシスコ派修道士Fray Diego Fernandez。キャサリン(スペイン的にはカテリナだな)の恋人とまで言われた懺悔者です。相当見るからにあぶなっかしげな坊さん(笑)だったらしく、舅ヘンリー7世も警戒してたとか。

侍従長は、宮廷を取り巻く人々のうち誰に宮廷内に住まわせるか、食事を供与するか、等に責任を持ってました。しかし宮廷に押し寄せる人の数は膨大で、あるお城では召使い達は仕事部屋の上の屋根裏で寝起き。しかし中には一部自分専用の部屋を王様の複数のお城に持ってたちゃっかり者も。シャロットシリーズに登場するウルジー卿も、こうした特権階級(お城もらってたもんね)の1人です。

一般的な家来に与えられる部屋は「うさぎ小屋」トイレも共同というのもあったようで。。そんな部屋でももらえば天国。宮廷に顔を出さなくては出世もままならないそうです。
場所が狭いので犬は厳しく制限。女性用の愛玩犬のみOKだったそうです。ちなみにドハティ小説にたまに出てきますが、当時、犬は戦闘用の種類がいたり、結構恐ろしい動物とされていましたので、あまり大っぴらに飼われると、確かに迷惑ですよね。

他の動物についてはそれほど厳しくなく、ウルジー卿は猫を飼っていたし、国王夫妻も猿とか、麝香猫、マーモセット等をペットにしていたそうです。で、ヘンリー8世は(がらにもなく?(笑))カナリア、ナイチンゲール、フェレット等も飼っていたようですね。そしてお好みの犬は、ビーグル、スパニエル、グレイハウンド‥猟犬系ですね。グレイハウンドは、別に名前のように灰色というわけではなく、小顔で足長、腰がきゅっと締まったスタイルの良い犬ですね。
ペットの犬達は、肉を与えられずパンだけ。で、猟犬としての本能を目覚めさせないようにしていたとか。彼の死後、クロゼットから犬の綱が65本出てきたそうで、犬は好きだったようですね。

さて、当時の英国王室は、ライバル?フランス王室に比べ、「おおらか」だったそう。(^^;) 女性は男性と挨拶する時、口にキスする習慣があったそう。(え! それは伝統だったか! あの~何かLOTRの出演者、某王様、王妃様、執政様同士でお口キスを交わしていたのを見た事ありますけど~)エラスムスさんはこの習慣に大喜び。(笑)
男女間で起こるべき事はいくらでも起きそうな予感。

一方、女性と言えばやっぱり騎士道。ヘンリー8世自身もアーサー王伝説のファンでした。この騎士道精神が、彼の女性に対する態度の源でもあったようです。


Henry Ⅷ:Chapter 3 A Prince of Splendour and Generosity

2010-08-17 23:39:20 | Kindle
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ちょっとへぇえ~な記述発見。(私の読み違いでなければ)中世以降の統治者(王または女王)は、自分の事を"we"と呼ぶ人が多いとの事。日本語に訳す場合は「朕」とかになってしまうのでわかりませんけど。その理由は、いわゆる、死すべき運命=普通の人間である自分と、永遠に続く王家の権威を象徴する自分と、2人の自分を意識しているからという事だそうです。そこが下々と違うという事。ビクトリア女王が"we"を使っていたというのは聞いた事ありますけど、それって早くに亡くなったご主人を重ね合わせていたのではないか、って解説されていたのですが、実は、それこそ朕と同じように、王様女王様が慣習として使っていた言い方だったのね。

でも現在の英国女王エリザベス2世って、そういう言い方してましたっけ? ‥まいっか。

何はともあれ、王より偉いのは神のみ。王の言葉は神の言葉。だから中世で最も重い罪は反逆罪でございます。

ちなみに王様に話しかける時に使う"Your Majesty"を確立したのはヘンリー8世だそうでございます。それまでは"Your Grace"や"Your Highness"が一般的だったそうです。

ドハティさん等がたまに発言する「Bluff King Hal」というあだ名は、彼の死後に付けられた物で、生前はそう呼ばれる事はありませんでした。(^^;) 生前は人気者だったようです。



Henry Ⅷ おまけ

2010-08-08 19:26:57 | Kindle
ヘンリー8世のお母さん、エリザベス・オブ・ヨークの家族について調べていて、超びっくり。まずお父さんエドワード4世がいきなり短命で40才で亡くなってます。エリザベスは長女で、妹5人と弟2人いますが、誰一人長生きしておりません。2人の弟はリチャード3世にロンドン塔に閉じ込められ13才と10才で命を落としたと言われています(泣)し、妹達もほとんど30代で亡くなっていて、この姉弟の平均寿命計算したら29才!ブロンテ姉妹並みの悲劇の一家だわ‥(泣)本当に、王家と言えども、って言うか、王家だからこその悲劇に見舞われてしまった典型例なのでしょうか。。。

それでもエリザベスは、ヘンリー7世との間には8人ものお子さんを設けました。頑張りましたね。ただ、無事大人になったのは、ヘンリー8世の他、シャロットシリーズ第1弾に登場したスコットランド王妃マーガレット、フランス王妃になったメアリーだけだそうです。エリザベス36才の時、長子アーサーが亡くなってしまった為、王家の安泰の為に無理して高齢出産にチャレンジしましたが、結果はお子さんと王妃と両方を失う悲劇になってしまいました。(泣)

しかし、チューダー王家は、男系にこだわりきったわりには、ほとんど女性の活躍が目立つ王家ですねぇ。(^^) 最後に登場したエリザベス1世が見事にその象徴だったみたいね。


Henry Ⅷ:Chapter 2 The Triumphal Coronation

2010-08-04 21:06:22 | Kindle
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王様の最初のお仕事は、政略結婚して息子を作り、跡取りを作ること‥だそうです。即物的(^^;)ですけど、当時イングランドという国はもちろんエリザベス1世が現れる前ですから、ヨーロッパの北の小国。政治的な安定が必要なんですね。(ホント現在のどっかの国の政治家にしかと聞いて欲しいですよねぇ。)

で、ヘンリー8世の最初の妻キャサリン・オブ・アラゴンは、元々は長兄アーサーの奥さんだったというのは有名な史実ですが、ヘンリー7世は、アーサー王子の死後、キャサリンを放置したそうです。何故なら、キャサリンの両親はアラゴン王フェルディナンド2世と、カスティリア女王イサベラ1世(例のドン・ペドロの次女コンスタンスジョン・オブ・ゴーントの孫娘。父方トラスタマラ家特有の赤毛でなかなか美人だったそうですよ)の娘だったのですが、1504年にイサベラ女王が亡くなり、キャサリンは単なる「アラゴン王の娘」になってしまったので、利用価値がないと判断されたようです。(厳しいねぇ~)

この父ちゃんの判断を無視した形で、兄の花嫁をヘンリー王子が頂いたわけですが、キャサリンは、ヘンリーと同様しっかり教育を受けていて、大変知性的、また語学にも堪能だったそうです。で、やはり母譲りの美貌も持っていたそうです。小柄でふくよかだったそうですが。
また彼女は非常に勤勉。爪の垢煎じて飲みたい(^^;)
そして大変信心深く、毎日の礼拝は欠かさず、特にマリア様への信仰が厚く、侍女達へのありがたい話の読み聞かせの他、Our Lady of WalsinghamOur Lady of Caversham等へのお参りも行ったそうです。フランシスコ派が特にお好きだったそうです。

王妃様のお役目とは、世継ぎを生むこと、慈善活動、王のパートナーとしていろいろな所へ一緒に顔を出す事、まあ、現在もあまり変わりませんね。しかし政治に口出しする事などはもちろん期待されておりません。ところが、非常に面白い事に、ヘンリー8世の奥方は皆さん、これ、やったんですね。

キャサリンの場合は、最初はその判断力はヘンリーも認めたようですが、彼女の父フェルディナンドに騙され、それ以降はヘンリーは用心するようになりました。

とはいえ、彼女の慈善活動は国民に愛されたようです。また、信心深くて地味という彼女のイメージからはちょっと意外だったのですが、ファッションリーダーでもあったそうですよ。farthingale
といういかにもお姫様っぽい広がったスカート(の下の骨組み)を流行らせたのは彼女だそうでございますよ。また彼女は宝石好きでもあったそう。(パワーストーンを信じていたようです)また、さらに意外?彼女は夫の楽しみ、狩りとか、ダンスとか、もちろん知的な会話も、共有して楽しんだそうです。

どうもキャサリン・オブ・アラゴンは、疲れ果てた暗い年輩の女性、ヘタをするとだから夫に嫌がられたんだ?というようなイメージがつきまといますけど、実は、なんだぁ、ヘンリー8世の理想の奥さんだったんじゃん。

さて、ヘンリー8世は、戴冠式の準備の為、<href="http://en.wikipedia.org/wiki/Tower_of_London">ロンドン塔へ移ります。ここはドハティ小説に度々出てきますね。ロンドン塔は13世紀に建てられましたが、歴代の王様によっていろいろな建物等が追加されたそうです。後にTraitors' Gateと呼ばれるようになる有名な水門を作ったのは、あのエドワード1世だったんだ。(やっべぇ、英国史にやたら詳しくさせてくれるぜドハティさん(笑))また、これもドハティ小説に度々出てきますが、いろいろ珍しい動物も飼育されてました。当時はライオンがいたそうです。

ヘンリー8世にとっては、ロンドン塔は始めっから、ちょっと暗いイメージがあったようです。彼のお母さんはここで産後の肥立ちが悪くて亡くなりました。また例の痛ましいthe Princes in the Towerは彼の伯父に当たるのだそう。

戴冠式当日、ロイヤルカップルはウェストミンスター宮へ。ウェストミンスター宮の立派なホールを建築させたのは、12世紀のウィリアム・ルーファス(ハリポタの同名某キャラクタの名付け元という噂の(^^;)) ヘンリー8世が寝室として使った部屋は、ヘンリー3世も使っていたそうで、86フィート×26フィートの広さがあったのだそうです。(部屋?だよね?ベッドの大きさじゃないよね?(笑))川に近いので湿気が多かったり、乞食が簡単に入ってきたりしたようですが、若い時のヘンリー8世はこの部屋を良く使ったそうです。

戴冠式の日のカーペットは、用が済むと、民衆が破っておみやげに持って帰ったそうです。

新しい王の登場は、国中に安らぎを与える、と、期待されたようで、その頃は今と段違いに動乱の時代だったんだなあと思ってしまいます。(ヘンリー8世この後さらに混乱をかき回す事をするとは‥‥)

祝宴は数日続きました。祝宴を終わらせたのは、何と彼をかわいがってくれた祖母、マーガレット・ボーフォートの死でした。(調べていてびっくりしたのですが、マーガレットさんは1人息子ヘンリー7世を14才で生んだのね‥)


Henry Ⅷ:Chapter 1 A Most Accomplished Prince

2010-08-03 23:07:09 | Kindle
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お話は、ヘンリー8世のお父さんヘンリー7世が亡くなり、17才の、ハンサムで頭脳明晰な王子様が、国民に喜んで受け入れられる所から。

ホントに、ヘンリー8世は背が高く(6フィート2インチ)、若い頃は細マッチョだったようです。赤毛で、ハンサムだったお爺さんに似ていて、性格は明るく、よく笑う人だったそう。
まあしかし、虚栄心とか、お世辞に乗りやすいとか、わがまま気まま身勝手さが、やがて顔を出して来るんですね。年を取れば取るほど、性格の悪い部分、傲慢とか、野蛮とか、が、出てきたそうです。

とはいえ、リーダーに必要な資質を全て持ち合わせた立派な王様であった事は間違いないようですね。よくもまあ、世襲の王家にこれだけの才覚がちょうどうまく降臨したもんだと思いますよ。もし現代、普通の家に生まれてたら、きっと一代で巨大企業を築き上げる天才カリスマ社長になったでしょうね。

ヘンリー8世にこのような知性と帝王学を授けたのは、彼の父ヘンリー7世の母、つまり祖母のマーガレット・ボーフォートだったそうです。

ヘンリーの先生の1人にジョン・スケルトンという詩人がいました。
まだ多くの詩人がフランス語かラテン語で詩を書いていた時代に英語で詩を書く人だったそうで、ヘンリーが3才位の時から、家庭教師をしていました。とても優秀な生徒と評しているようです。スケルトンは、ヘンリーに「下々への力を手放さない事」と「妻は自分の為に選ぶ事、常に妻を誉める事」を教えたのだそうです。(^^;)(まじ?)

他にもラテン語やフランス語を教える先生が完備。ヘンリーは語学の才能もあったそうで、王位を継いだ時、英語、フランス語、ラテン語はペラペラ、イタリア語も理解できたとの事。しかも最初の妻キャサリン・オブ・アラゴンからはスペイン語も習い、ギリシア語も少しかじったとか。

さらに、音楽への理解も示します。
もちろん、運動神経は抜群。馬術、馬上槍試合、そして、テニス、アーチェリー、ハンティングも得意。

8才でエラスムスがヘンリー王子(当時)に会った時、彼は既にラテン語を話し、文章もちゃんと書けたというから、大したもんですねぇ。

そう聞くと、ただのメタボ王というイメージが少し違ってきますねぇ。。(笑)

さらにさらに、ヘンリー8世の才能リスト(笑)は続きますよ。

彼は文才もあり、バチカンへの手紙はとても優雅に書かれていたとか。

さらには実験とかデザインとかも好きで、武器や戦法を自らデザインしたりもしたのだそうです。数学も、天文学も好きだし、地図も好き。。。。なるほど。という事は、軍事的なリーダーとしても優れていたという事ですね。

ところで父のヘンリー7世は、彼をある年齢になるまでは、表に出さないようにしていました。(それって大王四神記のヨン様みたいね)長男を含む3人の男子を早くに亡くしたので、それ以上跡取りを失いたくない、という気持ちだったのか、あるいは息子の才覚を恐れていたとも言われてます。(父はヘンリー王子を全然愛してなくて敵視してた、と言う人も。)

王様だから、お世辞も入っているのでしょうが、いずれにしても、好奇心旺盛で、才能豊かな上に、努力もしていたようで、実際並の人ではなかったというのが伝わってきますね。

ところで3人の兄弟を失ったという辺りを読んでいて、彼自身が世継ぎを得るのに大変苦労した事を思い出しました。お父さんのそういう態度を見ていて、彼も影響を受けたのでしょうかね。


ジャックと豆の木原書を読んだ

2010-03-16 00:29:45 | Kindle
Kindle+Gutenburgで、子供の時以来、久しぶりの本を読んでみました。英語は平易で、英語学習を始めたばっかりの方でもOKそうです。お馴染みのお話ですが、これって、他人のモノを盗んで楽な暮らしをしているけしからん奴の話じゃん? 一体何の教訓があるんだろう?って、考えてしまいましたが、ようやくわかりました。(^^v) 普通の人なら気にもしないつまらないモノ(豆)から、すごいモノ(木)ができて、ちょっとの勇気があれば、お金儲けできるよって事なんですね~。納得。


Shahnameh : 前半 感想

2010-01-04 00:14:32 | Kindle
Shahnameh前半、Sohrab誕生の直前の章までを読んだので、とりあえずここで一旦終了と致します。

いや~~~、なかなか面白かったです。(^^)
特に6章でRostamが行方不明のイラン軍を探しに行く話は、1000年も昔に書かれた物とは思えない位わくわくでした。安全だけど遠い道と危険だけど早い道の選択、ドラゴンとの戦い、魔法使いのテーブル、暗闇に囚われるShahの軍、7つの山を越えてWhite Deevを探す。。。これってもう立派なファンタジー。それぞれもうちょっと深く掘り下げれば、現代でもそのまま通じてしまいますよ。それにしてもRakhshは強い!(笑)ライオンを踏み殺してしまうなんて。

Ferdowsiさんの時代にShahをただの人間にして良かったものかどうかわかりません(^^;)が、皆なかなか人間臭い部分があって、それもまた楽しいです。Shahが人間臭いと言えば、最高の英雄Rostamもキレ易かったり、ツッコミ所満載です。

Sohrabの話もそうでしたが、イスラム教が広まる以前の話ですので、女性が生き生きとして逞しく描かれ、魅力的でした。勝手に敵国のZalに恋してRostamの母となったRodabehもですが、娘が好きになった一家に1人で乗り込んだRodabehの母Sindokht、父の陰謀を見抜き、同じおバカでもオヤジに付き合う位なら夫を選んだSoodabehも。(笑) Zalの育ての親巨鳥Simurghも良いですねぇ。

もしかすると、このお話を読んで育った子供達の住むかの地には、Ferdowsiさんの他にも、トールキンにもローリングにも匹敵する優れたファンタジー作家がたくさん埋もれているような気がしてなりません。

中東のお話というと、アラビアンナイト位しか知りませんでしたが、このお話はもっと世界中に知られても良いと思いますよ。


Shahnameh : 7 Kai Kawous Committeth More Follies

2010-01-04 00:05:34 | Kindle
章題見て、あらあら(^^;)

Hamaveranの王はペルシャの支配を逃れようとしていました。しかし、Kai Kawousが出陣してこれを鎮めます。その時家来が、Hamaveranの王には美しい娘がいますと耳打ち。これを聞いたKai Kawous、早速娘を差し出すよう、Hamaveranの王に命令。

Hamaveranの王には、Soodabehという美しい姫がいますが、娘が恋しくてならないお父ちゃん、泣く泣く差し出します。パパの心配をよそに、Kai KawousもSoodabehも互いに一目で気に入りました。

ところがこの馬鹿父(^o^;)、娘奪回計画に乗り出します。自領内で宴会を催す事をShahに提案します。

(一見ここまではおバカはHamaveranの王に見えますが。。)

Soodabehは父の誘いをアヤシイと見抜き(しっかりした娘だ(笑))Shahに行かないよう進言しますが、Shahはこれを無視。いそいそ出かけた所をまんまと舅に捕らえられ、海辺の空まで届く高い塔に閉じ込めてしまいます。これに激怒のSoodabeh、夫と同じ所にいたいと、一緒に塔へ。

Shahの留守に気付いたAfrasiyab、早速イラン攻撃に入ります。この話を聞いたRostam、Kai Kawousの思慮の無さに激怒。早速Hamaveranの王に打診します。Hamaveranの王は攻めてきたらShahの命はないと脅しますが、そんな事Rostamに通じるわけもなく、さっさとShahと姫は救助されます。


これを見ていたAhriman、さらにイタズラを仕掛けます。
またしてもDeevをKai Kawousのもとに送り込み、今度は、太陽と月を支配しませんか?と持ちかけます。これに乗せられたKai Kawous(どうして乗せられるの?(爆))、王座の周りにアロエのフレームを立て、槍を立ててヤギの肉を刺して、4羽の鷲にこれを運ばせますが、砂漠の真ん中で墜落。幸い、Shahは一命を取り留めましたが、周りに世話をしてくれる人のない砂漠に落ちて、必死に神頼み。後で助けに来たRostamにきつ~~~いお灸を据えられた事は言うまでもありません。(笑)


Shahnameh : 6 March into Mazanderan (2)

2010-01-03 22:59:53 | Kindle
次にRostamとRakhshは「魔法使いの国」にやってきました。
Rostamは、谷間で彼らが用意したワインやデザートを無防備に楽しみます。ちょっと気分良く歌っていると、若い娘に化けた魔女がテーブルへやってきます。彼女とひとしきり宴を楽しむRostam。しかし、彼が神様の祝福を口にすると途端に娘が震え出したので、娘の正体を知ったRostamは、その場を去ります。(殺したと書いてある本もあるんですね、そっちが正しいのかな?)

次は、太陽の出ない国。
RostamとRakhshは躓きながら何とか脱出。ほっとして草むらで休憩していると、その土地の持ち主が現れ、Rostamの靴を蹴って起こします。その男があまり罵ったのでRostamは逆ギレ。男から耳を引きちぎってしまいます。(汗) 男はAuladという地主に言いつけますが、怒りのRostam、Auladの家来の首をばったばったと斬り落とします。逃げるAuladを捕まえて、「もし本当の事を言ったらMazanderanはお前にやろう。White DeevとわがShahはどこにいるのだ?」Auladは、この先もライオンや魔法使い達に守られているし、White Deevもイラン軍も遠いので止めた方が良いと言いますが、Rostamは、それなら自分のガイドになるよう命じます。

Rostam達は昼も夜も走って、ようやくKai Kawousの軍隊がいる地点に到着。Kai Kawousは再会を喜びますが、彼と彼の軍は暗闇に囚われているので一緒に行く事ができません。White Deevは7つの山の向こうにいて、そのWhite Deevの心臓の血を持ってこないと、彼らは暗闇から出られないのだそうです。

RostamはAuladの案内で7つの山を越え、Deevと戦って、心臓を持ち帰りました。
そしてShahと囚われていた軍隊にWhite Deevの心臓の血をかけて、暗闇から救い出します。RostamはAuladに、Mazanderanの王を破ったらこの国を与えると言います。

その後、Kai KawousはMazanderanの王に手紙を書きます。内容は、平和条約を求める物でした。Mazanderanの王はWhite Deevを殺された事で困っていましたが、平和に応じるつもりはありません。Kai Kawousは従わないと首を跳ねると返事を書き、Rostamがお遣いに出る事に。。

Rostamは象(象男?)に変装してMazanderanの王を訪ねます。途中で街路樹をひっこぬいて振り回したので、皆びっくり。巨人が彼の手を潰そうと手を握りますが、握り返されびっくり。力自慢のKalahourという騎士が彼の手を捻ろうとしますが、逆に潰されて爪を剥がされます。(痛そう。。。(;_;))王は、Rostamを自分の前に呼び出します。「そなたはRostamであろう」と聞きますが、Rostamは自分の正体を明かさず。(う~んこの秘密主義が後々息子との悲劇につながったんだ。。)Shahからの手紙を見て、勝てもしないくせに私に従えだと?と怒ります。それでもとりあえず、Rostamをもてなそうとします。(敵でももてなすのね、西アジアの慣習?)しかし生まれつき宴には興味のないRostamは、これを断り、帰ります。

この後、歴史上にないほどの激しい戦いとなり、8日目になっても決着がつかず、Kai Kawousは一旦王冠を脱いで神に祈ります。自分の為でなく国の為に勝ちたいと唱え、再び王冠を被って戦場へ。ようやくShahの軍勢が優勢となり、Mazanderanの王を捕まえます。ところが、Mazanderanの王は重い石に化けてしまい、運ぶ事ができません。Rostam、王よ、出てきなさい。さもなくば、私の杖でこなごなにしてしまいますぞ! すると王様がすごすごと出てきました。(^o^;)

Shahの前に差し出された王は首を跳ねられ、Rostamは約束どおりAuladにMazanderanを与えるようShahにお願い。Mazanderanへの進軍はめでたく終了したのでした。


Run!Run!Run!