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ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Beowulf (8)

2008-03-20 11:35:06 | Tolkienその他関連本
この頃かなり難しくなってきたのでなかなか進みませんが,何とか読んでます。(^^;)

ここで吟遊詩人はFinnの物語を歌います。
FinnはFriesland(現在のオランダだそうです)の王,Hildeburhはその妃で元はDaneの王女。HnaefはHildeburhの兄でDaneの王です。

FinnとDaneとの間に戦いがあり,Hildeburhは,兄つまりDaneの王と,息子つまりFrieslandの王子を,両方その戦いで失い,悲しみにくれていました。Dane王国はFinnと停戦条約を交わします。王宮と王座はFrisianと共有,Finnは毎日贈り物を持ってDaneに敬意を表し,新王Hengestとその国民に金の指輪をプレゼントする事をお互いに合意。

そして火葬用の薪が用意され,輝く黄金が貯蔵庫から出されます。Shieldingsのプリンスは誇りを持って炎を待っています。鎧のそこここから血の跡。薪が積まれ,大勢の兵士達と共に荼毘に伏されました。Hildeburhは息子の遺体を自分の兄と一緒に燃やすよう命じました。

人々はそれぞれの故郷に帰り,HengestはFinnと共に留まります。しかしやがて冬が過ぎ春が来て,彼の剣HunlafingはJute人(ジュート族→ドイツ系部族)を恋しがります。こうしてFinnは戦い,殺されてしまいます。そして,王妃はDaneに返されました。


(何とも悲し過ぎるお話ですねぇ。。)

詩人の話は終わり,Wealhtheow王妃は,まだお互いを信頼しているHrothgar王と甥Hrothulfの間に座り,王に心穏やかでいるように,また,義理の息子に取り立てられたBeowulfと,Hrothulfは共に立派な若者で,王の死後も自分達の2人の王子を守ってくれるでしょうと話します。

杯が運ばれ,感謝の言葉と共に見事な首飾りが贈られます。作者曰く,Hamaという英雄が,Brosingsから奪った首飾り以来の見事な物だそうです。その首飾りを,HygelacというGeatの王様が付け,戦いの時も守り抜きましたが,Frisianを不当に怒らせた為,殺されてしまいます。Frank人達は争ってそれを奪おうとして大喧嘩。後は死体の山になったそうで。。。

Beowulf (7)

2008-03-11 22:32:30 | Tolkienその他関連本
Daneの家臣は馬で城に駆けつけます。王が王妃を従えて出てきました。

HrothgerはGrendelの「腕」を見て,Beowulfに,大きな重荷から解き放してくれたと,最大限の感謝の意を表し,彼を「心の養子」に迎える("I adopt you in my heart as a dear son.")と表明しました。

Beowulfはそれに応え,もし彼を倒した所をお見せできたら,もっとよかったでしょうに。私の計画は,彼と取っ組み合い,身動きできなくして,ぼろぼろにして倒す事でした。(汗) しかし彼を取り逃がしてしまいました。神がそれを許したのです。ただ,彼はもう長くはないでしょう。彼は苦痛にもがき,神の裁きを待つ事になるでしょう。

館の騎士達も「証拠」として飾られた腕に思わず見入り,見えっ張りのUnferthもばかげた作り話をしませんでした。彼の腕はまるでとげのある鉄のようで,どんな磨かれた鋼鉄の武器で刺し貫くのも,素晴らしい剣で切り落とすのも,不可能に見えました。

Heorotはすぐに修理される事になりました。館の中は,屋根以外ことごとく壊されていたようです。しかし戦いで愛する者を失った悲しみは,なかなか人々の心から消えません。
そしていよいよ祝宴の開始です。国始まって以来の人数が集まり,ハチミツ酒が交わされ,Hrothgarも甥のHrothulfも楽しみました。Shieldingはまだ確執や裏切りとは無縁でした。

Hrothgarは,Beowulfに,金の旗印と,胸当てと兜をプレゼントします。

兜は浮き彫りの縁飾りが付き,ワイヤーで補強された物でした。
さらに,王は贅沢に飾り付けた8頭の見事な馬(それまで王が特別な戦いに使っていた馬達)を,善き事に使うように,と,与えます。

そして,Beowulfと一緒に海を渡ってやってきた仲間達にも感謝の金品が授与。

Beowulf (6)

2008-03-11 21:53:37 | Tolkienその他関連本
久しぶりです。(笑)どんどん行きましょう。

恐ろしい悲鳴が上がり,Daneの人々は恐れおののきます。悲鳴の主は,今まで出会った人間の中で最も強い人物の前で,打ちひしがれ,身動きができなくなっていました。

しかしそれでもなおピンチは続き,兵士達はBeowulfの命を守るのに必死です。彼らは,どんな剣も,どんな武器も,傷付ける事のできない悪魔と戦っていました。

それでもようやく,その彼のパワーもついに尽きる時が来ます。Hygelacの末裔(=Beowulf)は,ただただ怪物を絞め続け,憎しみを込め続け,モンスターの体を痛みが襲い始めます。Grendelは,肩に深手を負い,致命的な傷を負って沼地へ逃れます。彼の命はもう長くないでしょう。こうしてGeatの大将は,大胆にも,彼がDaneに誓った事を成し遂げたのです。Grendelの肩と腕を,もぎ取ったのです。

朝になると人々が集まってきました。
モンスターが去って行った足跡を見て誰も残念に思いませんでした。彼がこそこそ去って行った跡は,血だらけで,痛々しく,沼地まで続いていました。彼はそこで死を待つしかありません。

Beowulfの行為は,人々によって伝えられ,二つの海の間の国の隅々まで広がり,皆に称賛されました。とは言っても,善き王Hrothgarが責められたわけではありません。

ある吟遊詩人は,古くから伝わる詩とBeowulfを絡み合わせて歌いました。

それは,Sigemundという英雄の話です。いつも彼と供に戦った,甥のFitelaによって伝えられた詩です。

内容は,こんな感じ。

Sigemundの死後,彼の栄光は膨らんでいった。彼はドラゴンの住処に入り,剣で鱗を突き抜いて,穴に落とした。そして彼は宝を手に入れた。船に宝を一杯乗せて出た。Sigemundの名は知れ渡る。邪悪な王Heremodは,その力が衰え,Jutlandで待ち伏せされ,追放された。

ドラゴン退治のお話は,ちょっとホビットを思い出させる所があります。トールキンさん,心から愛していたのね,Beowulf。

Beowulf (5)

2008-02-07 00:38:46 | Tolkienその他関連本

Hrothgarの王妃,Wealhtheowが,皆に杯をふるまいます。この本には,彼女はHelmingの人とありますが,実はLOTRのTTTで,Helmingasと言われる人達が出てくるんですね。ローハンのWestfold(西の谷)の人達の事だそうです。で,Lady of Daneが杯をふるまう,というのは,もろにエオウィンを思い出させますね~。

王家の人達がお休みをすると,いよいよBeowulfのお仕事,本番です。彼は,Grendelは剣も盾も知らないだろうから,丸腰で戦おうと決めます。(すごい,その発想)

そして,いよいよ,Grendelがやってきます。spurned and joylessと書かれている所から,彼の人生も辛かったんだなあという事が想像できますね。((2)の時も話題にしました)この段落は,彼の視点で描かれてます。いつものように,ご馳走?を狙ってやってきたGrendelに災難が襲い掛かります。。という感じで。

戦いは激しいもので,Heorotの広間の調度品までめちゃめちゃに壊れてしまいました。

Beowulf (4)

2008-01-26 12:39:02 | Tolkienその他関連本
Beowulfの父Ecgtheowは,自国で争いを起こして追放され,Daneにやってきました。彼はHrothgarを頼りました。HrothgarはGeadに貢物を送ってなだめ,EcgtheowはHrothgarの忠実な友になりました。(。。。と,読めた)

いよいよ歓迎の祝宴が始まりますが,ここで,Beowulfに嫉妬心を燃やすUnferthというDaneの兵士がBeowulfに「お前はBrecaと海で戦ったそうだが,7日間の競泳の末,Bracaが勝ったと言うではないか。Grendelはもっと厳しい相手なのだぞ。」。するとBeowulfはこう答えます。「Brecaとは幼少時からの友達だ。我々は(帷子を着て剣を持ったまま(^^;))5日間一緒に泳いだが,彼は私より先に行く事はなかったぞ。5日目に風が吹いて我々は離れ離れになった。その後私は9回怪物に襲われ,剣で戦った。ようやくフィンランドの岸に辿り着いた。私こそ,GrendelにGeadがどういう戦いをするか見せられるのだ。」

あまり説明が詳しくないので,行間を読まなくてはならないので,その点難しいと言えるかも。(笑) Beowulfの海での冒険談は,オデッセイを思い出させます。それにしても,帷子を着て剣を持って,どれだけ泳ぐ事ができるのでしょうね。(^o^;)

Beowulf (3)

2008-01-24 23:36:55 | Tolkienその他関連本
1日1段落位読めればいいかなあと思いましたが,結構読みやすい(もちろん,現代文対訳の方ですよ。(笑))ので,3段落ずつ位進んでます。

Sparknoteの解釈によれば,Beowulfの素晴らしい所は武勇だけでなく,雄弁さにもあるそうです。また,それはAnglo-Saxonの社会では,大事な事なのだそうです。海から上がってきた彼は,ガードに,自分が来た理由を上手に話していますね。

そしていよいよ,Beowulfは,Heorot(Hrothgarの宮殿)に入ります。Wulfgarというガードが,その旨を王に伝えに行きます。Hrothgarは,Beowulfの名前を聞くと,彼はGeatの偉大な王,Hrethelの娘婿Ecgtheowの息子で,きっとGrendelから守ってくれるであろうと歓迎。

こうしてBeowulfは,Heorotに入る事を許されますが,ただし,武器は置いて入るよう命じられます。そして,彼は,Hrothgarに,是非,Grendel退治をお任せ下さい,と,進言します。

。。。と,淡々と物語は進んで行くのですが,とっても,TTTで,ガンダルフと合流したアラゴルンの一行が,ローハンの黄金館を訪ねるシーンを思い出しますね。(Beowulf=アラゴルン,Heorot=黄金館,Wulfgar=ハマで。。)武器を置いて入る,という所など,原作ではアラゴルンがアンドゥリルを置かなくてはならなくて,だだをこねていたのも思い出して,懐かしいなあ。(笑)

Beowulf (2)

2008-01-21 00:12:58 | Tolkienその他関連本
1週間に1回とか言って,もう2回目の更新です。(笑) お休みなので。。(^^;)

Grendelってなんかかわいい名前ですねっ;(いや,それはグレーテル(笑))
カインの子孫,という事になっているそうですが,カインは,アダムとイブの長男で,嫉妬から弟のアベルを殺した人類初の殺人犯で,人類初の嘘つきなのだそうです。聖書ばかりか,コーランにまで書かれているそうですので,大変な事ですね。ただ,人類は全てアダムとイブの子孫,死ぬ事のないカインの子孫も大勢いるはずですから,子孫だからって,特別な事ではないですよ~。

実は私,ジェラルド・バトラー版(って言うんですかね(笑))のDVDを持っているんですが,そこでのGrendelは,幼い時,Dane王国の兵士に,無残に父を殺されたかわいそうな存在として描かれております。‥かわいい盛りに,顔に毛が生えていたのが印象的でしたが(汗)

さて,いよいよBeowulfが,Hrothgarの危機を聞きつけ,船でDaneにやってきます。Shieldings(Shield Sheafsonの国=Daneの人達の事)は,一体何しに来たと,挑戦。ここ,指輪物語で,エオメルがアラゴルン,レゴラス,ギムリを尋問するシーンを思い出しますねぇ。

Beowulf (1)

2008-01-18 23:55:20 | Tolkienその他関連本
しばらく,就寝前のお供で(笑),この本をかじる事にしました。週イチ位で更新しようと思います。

トールキンの本ではないのですが,読書用ブログは他の本の日記を書いているし,ベオウルフはトールキン教授の専門だし,本の左半分はこれまた教授の専門であるAnglo-Saxon(左右見開き対訳なんですよ)だし,LOTRもこの本の影響を受けているそうだし,そもそもこちらのブログはしばらく話題がなくて寂しいし。。という事で,強引にこちらのカテゴリにハメました。(笑)

シェークスピアの時代の英語は,現代の英語とさほど変らず,同時代の日本語よりかえって読み易かったりしますが,それ以前になると急にめちゃくちゃ変り出し,古英語であるAnglo-Saxonは,現代の英語とは「まるで似ても似つかない」んですよね。私もさすがに,文法も何も勉強してないので,「ほとんど」わかりません。‥え?「まるで」でなくて「ほとんど」なのは?‥というのは,ご存知の方も多いと思いますが,LOTRでローハンの人々が使う言葉は,古英語とされているからです。原書を読んでいると,結構見覚えのある言葉があるんですよ。「isen..」は鉄に関する言葉だし,「eorl..」は軍勢に関する言葉です。

ちなみに,似ても似つかない古英語を,現代の英語にしたのは,実は,中世の百年戦争により,良くも悪くもフランスとの交流から,フランス語の影響を受けるようになった為,だそうです。

さて,前置きが長くなりましたが,物語は一体どう始まるのかと思ったら,Dane王国(デンマーク)の,Shieldという偉い王様から,その子供,そのまた子供。。。。というような感じで始まりました。こういう始まり方,旧約聖書みたいです。ちなみに,この本(原書)自体は,1000年ちょっと前の話ですので,あまりちゃんとした起承転結みたいな物は,期待できないと思ってます。

Shieldから何代か後,Hrothgarという王様の時代になりました。彼は建物を作る事に力を入れましたが,ある時,Grendelという恐ろしい巨人が,王様の家来を30人ほど捕まえて,無残にも頂いてしまいます~~。。

Run!Run!Run!