ペパキャンのサバイバル日記

円形脱毛症で髪の毛がなくなりました。今はスキンヘッドライフ満喫です。
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東電OLと木嶋佳苗

2012-07-27 08:43:29 | 本と雑誌

下世話な話題かと思いますが、なんか世間で騒がれているようなので(今更ですが)、そしてなぜか週刊誌などにこの二つの記事があると、ついつい目を奪われて読んでしまうので、本を買って読んでみました。

「東電OL殺人事件」の方は、先日、容疑者マイナリ被告が証拠不十分で、結局釈放されて帰国してしまったので、そういう意味ではこのルポは、マイナリの無実を先に証明したという点では評価されるものになったと思います。本では最初から「シロ」と決めてかかっているので、最初から捜査の方法に無理があったのでしょうね。

まあ、でも世間の関心事は何故、高学歴の良い家の(申し分のない家系)エリートOLが、何がどうなってどんな風な心持で、売春という行為を重ねていたのか?何故に彼女の人格がそこまで分裂したかのように堕落(うーーん、この言葉はあまり適切ではないかも知れませんが)したのか、その表の顔と裏の顔のギャップにあったと思います。本の中では大半がマイナリ容疑者の無実を裏付けることにページ数が割かれているので、殺害された彼女の心の闇までは迫りきれていないのが少し残念でした。

一方木嶋佳苗のことを書いた「別海から来た女」はこれまた、木嶋被告のことを小学生のころから既に盗みを働く女と決めつけ、他のマスコミが使った「毒婦」という言葉で括ってしまっていているので、まあ、読み進めているうちにいろいろなことがわかってきたのですが、これも今ひとつ

「何故、あのような容姿(失礼ですが正直に)の大して若くもない女にコロコロと男が騙されたのか?」という一番根源的な問いの答えは得られなかったように思います。

この二つの事件は表と裏だという人もいますね。一方はまるで働き蜂のように自分の身体を売り、挙句の果てに殺され、一方は自分で働くなどもっての他で男から金を吸い上げるだけ吸い上げて、バレそうになったら殺すという。まあ、確かにそんな見方もできますけどね。

表と裏というよりはたぶん彼女たちは決して交わることのない人種であったのだと思います。

生まれも育ちも考え方も金銭も異性に対する接し方も、もう何もかもが違いすぎる。あまりにも突拍子がないという共通項こそあれど、それ以外は異星人と言ってもいいくらい違う女たちですね。

でも何故、この二つの事件が世間の耳目をこれほどまでに引くのか?

スキャンダラスというにはあまりにもその表現は手垢がついたもののように感じます。

高学歴でせっせと働いているキャリア女性の中には東電OLのようにどこまでも「堕ちていきたい願望」があるのかもしれないし、普通に主婦をやっている女性にも木嶋佳苗のように「手を替え品を替え、男を騙して金品をむしり取りたい」という欲求が無意識レベルであるのかも知れません。

要はどんな女性でも女性である限り、この二つの事件を人ごととしてとらえるにはあまりにも生々しいのかもと思うのが私の感想です。

しかし、木嶋佳苗の方を読んでいると、何人か彼女と交際してお金を要求され、交際を終わらせた男性が出てきます。交際することになった割に早い段階で彼女はお金の相談をするらしく、その感覚が「?」なので交際を断ったと。ま、それが普通の人の普通の感覚だと思います。

亡くなった方々やご遺族の方には非常に失礼かもしれませんが、あれくらいの女にそんなにコロコロ騙される男はよっぽど女性に対する免疫がないか、自己評価が異常に低いか、コミュニケーション能力に劣るか、孤独で仕方ないか、そのどれか、もしくは全部なんですかね。

私には一番理解不可能な部分です・・・。

後は人間の持つ多面性というか、いくつもの顔を使い分ける女性のしたたかさみたいなものもこの二つの事件から感じます。

東電OLは昼の顔と夜の顔、あるいは良家の子女としての顔。

木嶋佳苗は交際相手によって使い分ける顔と、実際に会った時の顔とメールでやり取りする際の顔。

二人の場合はえげつない顔を使い分けているわけですが、普通の女性も顔って使い分けますよね。学生や社会人としての顔、恋人や伴侶に見せる顔、子どもの前では母親、親の前では娘、趣味やサークルではそこでの顔、もっと沢山の顔を日常的に使い分けている人も多いのかも知れません。そういう意味でこの二つの事件から私たちは目を逸らすことができないのかも知れません。

最後に決して交わることのない人たちとの関係性です。

東電OLの場合は、普通にOLをやっていただけでは決してマイナリ被告のような外国から出稼ぎで出てきている人たちとは接点がなかったと思います。木嶋佳苗もインターネットがなければ、そんなにゴキブリホイホイみたいに次から次へとターゲットを見つけることができなかったでしょう。自分が本来属する社会や世界は案外狭いものです。人はそんなコミュニティの中で、ほんの少し優越感や劣等感を抱きながら、堅苦しく思ったり安心したりしながら生きているものです。でもひとたびその足枷のようなものが外れて、自分が属する場所から大きく解き放たれた時、自分でも思いもよらぬ「無意識の女の本性」みたいなものがマグマのようにあふれ出てくるのかもしれません。

まあ、まとまりのない感想ですが、こんな感じで。

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