ぺんぺんぐいん

ぺんぎん歩きは卒業したよ。

能動的に、

2005-11-22 00:38:22 | いろいろ
楽しむ。

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この間観た能の「船弁慶」は、後半の舞の動きがとても大きくて、ダイナミックで、飽きなかった。
そう、「派手」であることは、誰もが楽しめる要素の一つとも言える。

ジャグリング然り。

あるいは、「わかりやすいストーリー」というのもそう。
そのほうが感情移入しやすかったり、「理解」もしやすい。

四季のファミリーミュージカルとかね。

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とあるコラムに示唆を受けた。

・・(略)・・
踊りに限らず、身体表現(演奏も含めて)での、派手な動きや、
いわゆる「すっご~い」っていうテクニックは、人の目(耳)を奪いますよね。奪う・・・
そう、私たち観る側は、目を奪われている。
つまり、能動的ではなく、あくまで受け身なんです。楽しんでいるのではなく、楽しませてもらっている。
・・(略)・・


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そうか!!。

目を奪われるがままに任すのでなく、自分の目あるいは五感全部で以って、「楽しもうとする」姿勢。
誰の目をも奪うようなものでなくても、そこに何か面白さを見出そうとする視点。

「見せる側」が、「見る側」にただ面白いものを与えるだけの関係ではなく、「見る側」にもより能動的な姿勢を求めるもの。
そういう「見せ物」もアリなんだな。

そうすると、例えば「わかりにくい」と言われているもの、いわゆる難解な作品とかも、
「あなたはこの作品に何を見出しますか?」という作者の問いかけとして考えることができる。

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「『ただ見ている』だけではつまらない。だけど、積極的に想像力を働かせて、
目を大きく見開いて、いや感性全部を大きく開いて、そういう姿勢で以って見てみると、すっごく面白い!!」

っていうようなものも世の中にはあるってことか。感受性の豊かな受け手を想定した作品。

ここではもはや「楽しむ」ことは技術の一つになってくる。
見せる側と見る側の高度なやりとりだ。
それくらいの次元になって初めて「批評」というものが生まれてくるのかな。

「マニアック」・・も、ここでは一つの褒め言葉。

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なんとなく、最近、能動的に楽しめるようになってきた気がする。

でもこれはカレーくんの目指すような「モーニング娘。」の持つ大衆娯楽性とはまた違うものだ。
ビジネスとしての成功を狙うならポピュラー性の獲得が重要な課題になってくるから。

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そして、そうやって二分して考えられてしまいがちな「壁」を、
アートの世界の側からも取り払っていこうとするムーブメントは起きている。

そのへんも、最近の関心かな?