連休の中日なので久しぶりに大量投稿

2014-11-02 20:11:53 | Weblog
どんぽのばぶさんの新しい朗読もあるし、このところ考えさせられている昔の噺家の心意気ということで、今日は八代目林家正蔵さん(彦六の正蔵さん、反骨の精神でとんがりの正蔵さんとか呼ばれた方です)を中心に。

落語の起源というのは実はお寺さんの法話だったという話、ご存知でしょうか。東と西では多少の違いはあっても基本はおなじで、今で言うと、カトリック教会の聖堂でコンサートや公演会を開いたりするようなもので、お寺さんに檀家を寄せ集める方便で始まったものらしいのです。

それが時代が変わり、娯楽の話芸のひとつになり、お寺さんの法話のように教育的なまじめな話から次第に内容も、時代の風俗を映し出すようなものに変わったのが今に伝わる落語で、それでも昔気質の師匠だと、やはり、落語はただの娯楽というだけではないという考えで弟子たちの育て方もそれなりだったわけです。

先代の小さんさんもそうだったし、六代目円生さん、この八代目の正蔵(彦六)さんもそのような精神で落語をただ人を笑わせるだけのものというより、文学とか演劇に近い、教育的、芸術的な面をもった噺を聞かせようとしていたのでしょう。今日gooブログにアップした林家正蔵(彦六)の噺はどれも、ただのくすぐりではないのはそういう意味なのだと思われます。志ん生さんが息子さんが落語家を志したとき、ほかの誰でもなくこの八代目林家正蔵のところに落語を習いに行かせたと言う位です。

もちろん江戸の心意気を今に伝える人情、風俗、男女の機微も忘れるわけにはいきませんが、落語の原点も忘れてはならないものなのでしょう。