ターコイズ別館・読書録

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61 ウルトラ・ダラー 手嶋龍一

2009-01-01 20:36:45 | た行
 新潮文庫。

 北朝鮮の偽ドル札疑惑に挑んだ、痛快小説。
 見どころは三つ。
 NHKワシントン支局長として、同時多発テロを11日間連続放送し続けた、ジャーナリストとしての情報のリアルさ。
 日本外務省、米国FBI、英国MI6など、国の威信を賭けてののせめぎ合い。
 篠笛、古美術、MGB、歌麿など、ハイソサエティの暮らしぶり。

 とは言え主人公スティーブンが飛行機の隣り客から、USBメモリで機密を盗むところなんて、半分驚くやら半分呆れるやら。日本以外の国はなんでもやってくるのだろうなあと感心。さらに「こういうことをしているのです」と声高に主張できない内閣調査局(または類似の秘密部隊)に乾杯。